☆寺島メソッド翻訳NEWS(2024年11月29日):米国政府は世界を破滅させる気なのか?
国際※元岐阜大学教授寺島隆吉先生による記号づけ英語教育法に則って開発された翻訳技術。大手メディアに載らない海外記事を翻訳し、紹介します。
CNN を見たり、ニューヨーク・タイムズを読んだり、NPR を聞いたりして、自分は情報に精通していると思っている米国民は、核戦争に関する私の警告を偽情報、さらには精神異常とさえみなしている。米国民は、ブリンケン国務長官やジェイク・サリバン国家安全保障担当大統領補佐官などの米国政府高官は愚かではなく、気が狂ってもいない、と言っている。
読者の皆さんなら、米国とNATOがロシアにミサイルを発射する許可を与えることが何を意味するかをご理解いただけるだろう。ロシア大統領が米国とNATOがロシアと戦争状態にあると明言しているのに、である。そんなことが愚かでも気が狂ってもいないなどとどうして言えようか。ロシアが戦争の教義を見直し、核兵器の使用をより低い基準で許可しているにもかかわらず、ブリンケンとサリバンがこの許可を与えたことは、米国には現実から乖離した国務長官と国家安全保障担当補佐官がいることを示している。
このまったく愚かな二人のせいで、全米国民、そしておそらく全人類が死ぬかもしれない。この愚か者は二人とも、軍安保複合体とイスラエルを代表している。 どちらも、米国の軍安保複合体の権力と利益、そしてイスラエルの利益以外に何も考えられない。軍安保複合体とイスラエルだけが彼らの支持基盤だ。世界の残りの国々は、この二つの利益のために犠牲になっている。
ブリンケンとサリバンの完全な愚かさは、金のために自らを売る売春宿のような米国の売女報道機関といい勝負だ。昨日、主要な売女報道機関の1つであるワシントン・ポスト紙は、間違いなく歴史上最も無知で愚かな社説を掲載した。この社説を書いた完全な愚か者は、トランプがロシアと悪い取引をしたのならハルマゲドンに向かう行進を止める価値はない、と述べたのだ。「トランプがウクライナを分離したままにするのであれば、米国は弱体化し、独裁者は勢いづくだろう」と。
ワシントン・ポストの編集者のこの意味深な言葉を吟味したうえで、米国がどうやって生き残れるのか考えてみよう。ワシントン・ポスト紙の愚かな編集者にとっては、「米国が弱く見られる」ことよりも、最終戦争につながる戦争を続けることの方が重要なのだ。
勢いづく独裁者、とは誰のことだろう? プーチンは四半世紀にわたって圧倒的な支持を得てロシア国民から選出されてきた。こんなことはトランプでさえ達成できない。ワシントン・ポスト紙の馬鹿な編集者にとって、「独裁者」とは、自国の主権を米国政府の覇権に従わせない者たちを指す。 この「独裁者」とは誰なのか? ロシアや中国、イランの指導者たちであり、イスラエルの圧力団体と米国の軍事・安全保障複合体が作り上げたお気に入りの敵たちのことだ。
読者の皆さん、昨日、私はロシアの新型中距離ミサイルのことについてお知らせした。このミサイルが開発された唯一の理由は、トランプ大統領が就任後最初の任期中にINF条約を無効にしたことにある。この条約は、レーガン大統領とゴルバチョフ大統領が署名したもので、核戦争の可能性を大幅に減らした条約だった。そしてこのミサイルは、核弾頭を使用せずに、ヨーロッパと中東にある米国とNATOの軍事資産をすべて数分で破壊できることもお伝えした。
トランプ大統領は一期目になぜ、こんな理解不能な間違いを犯したのだろうか。こんなことは、危険なほどに彼の判断力が欠如していたことを示す行為だった。その理由は、完全に邪悪な人々か、完全に愚かな人々から助言を受けたからだ。二期目の今回は違う、とどうして言えるのか。そのことをロシア政府は疑問に思っている。
ワシントン・ポスト紙の愚かさが地球上の生命にとって危険であるにもかかわらず、ロシアの視点を理解することを弱さだとみなすだけでは不十分で、ウォール・ストリート・ジャーナル紙も最終戦争への推進に加わっている。
かつてはまずまず知的な人物だったホルマン・ジェンキンスは、11月23日に北朝鮮軍がロシア軍と並んでウクライナ軍と戦っているというバイデン政権の喧伝を受け入れ、戦争衝動を煽った。
北朝鮮の人々がこの紛争に参加しているという証拠は、私の知る限りない。北朝鮮の人々は、ロシアと北朝鮮の防衛協定が本気であることを示すためにロシアに滞在している。この協定の目的は、ワシントンの愚か者どもに、米国が台湾に関して中国に圧力をかけることに対抗して、韓国に圧力をかけることが可能であることを示すことにある。米国政府を構成する程度の低い愚か者どもは愚かすぎて、中国を挑発することで生じる脅威が韓国が制圧されることにつながることを理解できていない。
米国の指導者たちを見れば震え上がるしかなくなる。リンジー・グラハム上院議員は頭の悪い男で、ロシア、中国、イランといつでも戦争する気でいる。この愚か者は、その結果がどうなるか分かっているのだろうか? 米国の勝利? そうだ。そう考えるほど、彼は愚かなのだ。
米国には戦争を遂行する能力がない。能力や実績ではなく、肌の色や女性、性的倒錯に基づいて昇進するバイデン政権のDEI(多様性、公平性、包括性)政策によって、すべての軍隊の士気は低下している。
米国の兵器体系はロシアのものより劣っているため、米国対ロシアは石器時代の人間と現代の軍隊が戦うようなものだ。米国の非常に高価なF-35の大部分は欠陥だらけで運用不能だ。米国が持っているのは核兵器搭載のICBMだけだ。問題は、ロシアの極超音速ミサイルが、発射前に米国側のミサイルを撃破できるかどうかだ。
米国と世界に必要なのは平和だ。米国政府はシオニストのネオコンを拒絶し、世界覇権の目標を放棄し、他国の主権を認め、米国政府の覇権に従わないことに対する制裁をやめなければならない。米国政府がこれをやめなければ、米国は存在しなくなるだろう。それだけだ。
ちょっと考えてみていただきたい。米国の権力層の中に、知的で道徳心のある人はどこにいるのだろうか? 一人もいない。だからこそ、ドナルド・トランプという指導者を外部から招き入れなければならなかったのだ。
しかし、トランプに何ができるだろうか? 彼の運動は未熟だ。彼の支持者のほとんどは、彼の当選で戦いは終わった、と考えている。しかし、米国の体制は依然として健在だ。それは州や地方、連邦政府、報道機関、企業、ウォール街、銀行機構、大学、法科大学院、公立学校制度、司法などあらゆるところで組み込まれており、大学で「現在の米国は邪悪で搾取的で人種差別的で性差別的な国」であり、「トランプは道徳的進歩の邪魔をしている」と教えられている世代の米国民の中にも組み込まれている。
トランプが米国を刷新できる原動力はどこにあるのだろうか? ジャーナリズムの学校はウォーク派のジャーナリストを輩出している。教育学部はウォーク派の教師を輩出している。法科大学院はウォーク派の弁護士を輩出している。私たちの教育体系は、MAGA(米国を再度超大国に)の方向に向かおうとする米国に反対する反米主義者を輩出しているのだ。
トランプはすでに司法長官候補を失った。ボビー・ケネディとトゥルシー・ギャバードも失うかもしれない。国務長官や国家安全保障担当大統領補佐官、国連大使、駐イスラエル大使、中東特使に選ばれたのはいずれもイスラエルと同盟を組むシオニストで、彼らはイラン政府を悪とみなし、イランとの戦争をいとわない。
トランプと彼の好戦的な任命者たちは、ロシアが旧ロシア領をロシアに再編入することを受け入れられるだろうか? さらには、ポーランドやルーマニアを含むロシア国境に米国/NATOのミサイル基地が設置される可能性がまったくないことを受け入れられるだろうか。もしそうでないなら、トランプには西側諸国が始めた紛争への西側諸国の関与を終わらせる見込みはない。
プーチンは、トランプが大統領に就任して米国政府が正気に戻るかどうか見守る間、ロシアへのミサイル発射をさらに受け入れるだろうか。人道主義的な性格を持つプーチンの傾向はそういうものだが、愚かな西側諸国は、プーチンのこの忍耐を封じ込めようとしている。西側諸国は、ロシアへのミサイル攻撃を倍増させている。フランスは、米・英に加わり、ロシアに対する長距離ミサイルの使用を承認した。フランス外相は、ミサイルの使用に制約を設けるべきではない、と述べた。愚かなフランス外相は、フランスはウクライナにNATOへの加盟を勧める用意がある、とも付け加えた。ロシアの「もうたくさんだ」という警告を無視し、トランプが危険な状況を打開するという可能性を阻止するために状況を悪化させる行為を、愚かと呼ばなければ何と呼べばいいのだろうか。
ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、フランス大臣の発言は「ウクライナへの支援ではなく、むしろ ウクライナへの弔鐘(ちょうしょう)だ」と述べた。確かに、核戦争が勃発すれば、世界にとって弔鐘が鳴らされることになる。
このような戦争は、西側諸国の指導者たちが自らの喧伝に完全に溺れているために起こり得るものだ。フランス外相は、ヨーロッパの安全がウクライナで危機に瀕していると考えている。「ロシア軍が1平方キロメートル前進するたびに、脅威はヨーロッパに1平方キロメートル近づく」と。ロシアがヨーロッパを占領できるほどの規模の軍隊を編成する計画がないことを、フランス外相が知らないはずがない。ロシアはウクライナへの介入をロシア領ドンバスに限定するつもりであり、戦争を拡大しているのは西側だということを、フランス外相が知らないはずがない。ロシアはロシア国内やBRICS、シルクロードに集中しており、ヨーロッパに邪魔されることを望んでいないことを、フランス外相が知らないはずがない。ドンバス介入からヨーロッパ征服計画に展開すると考えるのは、まったくの愚かものにちがいない。
私たちが直面している状況は、西側諸国の指導者たちが自らの喧伝によって愚かなほど無知にされ、自分たちが作り出した本当の脅威、つまり核戦争を認識できていないということだ。ニューヨーク・タイムズ紙は、米国と欧州の一部の当局者がウクライナに核兵器を提供することを話し合った、と報じている。これ以上愚かで無責任なことが起こり得るだろうか。これほど危険なほど愚かな人々が西側諸国の指導者になっていることなどあり得るのだろうか。
人類の運命がこのような全く愚かな人々の手中にあるのに、どうして不安を感じずにいられるというのか?
※なお、本稿は、寺島メソッド翻訳NEWS(2024年11月29日)「米国政府は世界を破滅させる気なのか?」
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からの転載であることをお断りします。
また英文原稿はこちらです⇒Will Washington Destroy the World?
筆者:ポール・クレイグ・ロバーツ(Paul Craig Roberts)
出典:自身のブログ 2024年11月25日
https://www.paulcraigroberts.org/2024/11/25/will-washington-destroy-the-world/
国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授