【連載】今週の寺島メソッド翻訳NEWS

☆寺島メソッド翻訳NEWS(2024年12月7日):マルコムXの遺族がCIAとFBIを提訴

寺島隆吉

※元岐阜大学教授寺島隆吉先生による記号づけ英語教育法に則って開発された翻訳技術。大手メディアに載らない海外記事を翻訳し、紹介します。

ミシシッピ州での集会でスピーチするマルコムX(1963年6月29日) © Getty Images

マルコムXの3人の娘が、CIA、FBI、ニューヨーク市警を相手取り、武装黒人活動家(マルコムX)の暗殺に加担したとして訴訟を起こした。

金曜日(11月15日)にマンハッタンの裁判所に提出されたこの訴訟は、CIA、FBI、NYPDがマルコムX殺害計画を知っていながら、それを阻止するために行動しなかったと主張している。ニューヨーク市警は暗殺の数日前にマルコムXの警護部隊を逮捕したが、CIAとFBIの潜入捜査官たちは、銃撃の夜、マルコムXが銃殺されるのを傍観していたと主張している。

この訴訟では、「これらの政府機関と『冷酷な殺人者たち』との間に『腐敗した、違法な、違憲の』関係があり、それは長年にわたって野放しにされ、政府機関によって積極的に隠蔽され、容認され、保護され、助長されてきた」と主張している。

「彼らは皆、20世紀最大の思想的指導者の一人であるマルコムXを暗殺するために共謀したと考えています」と、遺族の代理人を務める公民権弁護士のベン・クランプは金曜日(11月15日)の記者会見で述べた。

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これらの政府機関は何十年にもわたって殺害への関与を隠蔽し、「マルコムXの妻だったベティ・シャバズ一家が真実にアクセスし、正義を追求する権利を妨害した」とクランプは主張した。

マルコムXは、白人を「悪魔」とみなし、人種隔離を主張する黒人イスラム教宗派であるネーション・オブ・イスラム (NOI) の全国的代弁者として有名になった。彼はNOI時代にエル・ハジ・マリク・エル・シャバズという名前を使っていたが、1960年代初頭にNOIとの関係を断った。

マルコムXは1965年、ニューヨークのダンスホールで演説の準備をしていたところを射殺された。彼の殺害は当初、NOIの3人のメンバー、ムハンマド・アブドゥル・アジズ、カリル・イスラム、トーマス・ヘーガンの犯行とされ、全員が起訴され、裁判にかけられ、有罪判決を受けた。

2021年11月、アジズとイスラムは冤罪を晴らし、3600万ドルの賠償金を手にした。それは、検察とFBIが2人を無罪にするための重要な証拠を隠していたことがマンハッタン地区検事局によって発覚した後のことだった。

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アメリカにおける人種統合を推進したキング牧師とは異なり、マルコムXは白人と黒人の完全な分離を主張した。彼は、黒人アメリカ人は賠償金とアメリカ南部における自分たちの独立国家を与えられるのに値すると主張し、必要であればこの目標を達成するために暴力を行使することを支持者に呼びかけたが、後に彼はその過激な言動を抑え、他の公民権団体と協力するようになった。

人種隔離主義の信念から、彼はアメリカの人種分断の反対側から人種隔離を呼びかけたクー・クラックス・クランと緩やかな同盟関係を結んだ。マルコムXはまた、アメリカのナチ党指導者ジョージ・リンカーン・ロックウェルと面会したことでも有名で、ジョージ・リンカーン・ロックウェルは人種分離の「(NOIの)プログラムに全面的に賛同する」と述べている。

※なお、本稿は、寺島メソッド翻訳NEWS(2024年11月29日)「漏洩文書により、英国軍の秘密組織が「マルコムXの遺族がCIAとFBIを提訴」
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-2843.html
からの転載であることをお断りします。
また英文原稿はこちらです⇒CIA and FBI sued by family of Malcolm X
政府関係者がマルコムXの殺害を手助けし、その関与を隠蔽したと、彼の娘たちが主張している。
出典:RT   2024年11月16日
https://www.rt.com/news/607751-malcolm-x-cia-lawsuit/

寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

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