秋嶋亮(社会学作家)連載ブログ/18:トランプは本当に救世主なのか
社会・経済巷はトランプの再選に沸き立っているが、僕はかつてないメシアニズム(英雄的な人物が登場して世界を救ってくれると妄想する態度)の席巻に暗澹な気分となるのだ。
人々のストーリーラインとは「ディープステート(アメリカの中枢に巣食う悪の帝国)と戦う正義の政治家が捲土重来を果たした」というものだろう。
しかし事実に照らせばトランプの実像がそんなイメージと全く食い違うことが分かるはずだ。つまり彼はディープステートと戦う正義の政治家どころか、ディープステートそのものなのである。
これについては小著でも詳しく記したが、そもそもトランプは軍国主義者であり、使った軍事費はアメリカ史上ブッチギリの第1位なのである。
この額はイラク戦争を起こしたブッシュ親子も足元に及ばず、そのためアメリカは債務上限法を撤廃し財政破綻寸前にまで追い詰められ、公共事業としてのウクライナ戦争を引き起こす羽目になったのだ。
特筆すべきは、トランプが(日本円で年間80兆円近い)戦争予算を計上するため、メディケア(高齢者や障害者の公的医療保険)などの社会保障費をゴッソリ削り、その一方で、大企業と富裕層を大減税したことである。
つまり彼は弱者に寄り添う者ではなく、強者に隷従する者であり、ディストリビューティズム(皆が豊かになるべきという思想)など微塵もなく、典型的とも言えるレッセフェール(何世代かかっても解消できないほどの格差を生む勝者総取りの社会構想)の実践者なのである。
そもそもトランプは過去6度も破産状態に陥り、その都度ロスチャイルド銀行を始めとするユダヤ財閥に救済されている。娘のイヴァンカは(トランプ政権で顧問を務めた)クシュナーとの結婚を期にユダヤ教に改宗しており、この一族はAIPAC(アメリカ・イスラエル公共問題委員会)というシオニストのロビーの指図で動いているわけだ。
現にトランプは「我々は100%イスラエルの為に戦う。1000%戦う。永遠に戦う。イスラエルはユダヤ人の国家であり、永遠にユダヤ人国家として存在することを、パレスチナは受け入れなければならない」と宣言している。アメリカ大使館をエルサレムに移し中東情勢にガソリンを注ぐという蛮愚のプレジデンシー(大統領の言動)もこうした事情に拠るわけだ。
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☆秋嶋亮(あきしまりょう:響堂雪乃より改名) 全国紙系媒体の編集長を退任し社会学作家に転向。ブログ・マガジン「独りファシズム Ver.0.3」http://alisonn.blog106.fc2.com/ を主宰し、グローバリゼーションをテーマに精力的な情報発信を続けている。主著として『独りファシズム―つまり生命は資本に翻弄され続けるのか?―』(ヒカルランド)、『略奪者のロジック―支配を構造化する210の言葉たち―』(三五館)、『終末社会学用語辞典』(共著、白馬社)、『植民地化する日本、帝国化する世界』(共著、ヒカルランド)、『ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ―15歳から始める生き残るための社会学』(白馬社)、『放射能が降る都市で叛逆もせず眠り続けるのか』(共著、白馬社)、『北朝鮮のミサイルはなぜ日本に落ちないのか―国民は両建構造(ヤラセ)に騙されている―』(白馬社)『続・ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ―16歳から始める思考者になるための社会学』(白馬社)、『略奪者のロジック 超集編―ディストピア化する日本を究明する201の言葉たち―』(白馬社)、『ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへOUTBREAK―17歳から始める反抗者になるための社会学』(白馬社)、『無思考国家―だからニホンは滅び行く国になった―』(白馬社)、などがある。