【高橋清隆の文書館】( 2024年12月24日): 長崎大BSL-4施設への意見募集、内容も予定も答えず 福岡厚労相

高橋清隆

 長崎大学が稼働を目指すバイオセーフティーレベル(BSL)4施設に研究目的でエボラウイルスなど最も危険な「1種病原体」の所持を認める感染症法施行令改正案(政令)へのパブリックコメント(意見募集・パブコメ)に寄せられた意見内容や今後の予定について福岡資麿(たかまろ)厚労相は24日、「お答えは差し控えさせていただきたい」と明らかにすることを拒んだ。

記者会見に臨む福岡氏(2024.12.24、厚労省会見室で筆者撮影)

 エボラ出血熱やラッサ熱など致死率の高い病原体の各ウイルスは感染症法で「1種病原体」に定められ、所持するには厚労相から指定されなければならない。現在、国立感染研村山庁舎が検査や治療の業務に限定して所持を認められているが、初めて研究目的での所持を長崎大学に認める感染症法施行令改正案が策定され、11月15日から12月14日までパブコメが実施された。

 ウェブ上での応募番号から、9万2000件超の意見が寄せられていることが分かっている。

 閣議後会見で筆者が、このパブコメに寄せられた意見総数と賛否の割合のほか、寄せられた意見の扱いと、判断に関する今後の予定について福岡氏にただした。福岡氏は「現在、その内容を精査しているところ」と述べる一方、「現時点で頂いた意見の具体的内容や今後の予定などについてのお答えは差し控えさせていただきたいと考えている」と回答を避けた。

 筆者が、取りまとめや閣議決定、大臣による指定について時期的なめどを重ねて尋ねると、「頂いたご意見を精査している最中」「時期については予断をもってお答えすることは差し控えさせていただきたいと申し上げた」と、返答を頑なに拒んだ。

 私見では、総数や中身、予定を少しでも明かせば、それを論拠にさらに突っ込まれることを警戒したのだろう。福岡氏は最後に「いろいろな手続き、作業が済み次第、適切に対応・公表していきたい」と補足した。全て決まってから教えると言っているにすぎず、後の祭りという意味に等しい。

 寄せられた意見の大半が「長崎大学を指定すべきでない」との趣旨だった場合、指定を取りやめる内容に変更するのか、あるいは政令改正自体を見送ることになるのか、確認すらできなかった。

 長崎大の「1種病原体」所持者への指定について、政府は「国際的に脅威となる感染症への対応力を強化するため」と説明している。しかし、中国の武漢ウイルス研究所から新型コロナウイルスが漏えいしたとの説があるように、かえって危険を生み出す可能性がある。あるいは、漏出したとの話を創出することによって、民衆の行動を制限する口実にされかねない。


👆6:50~筆者の質問(『藤江チャンネル』様より)

※なお、この記事は「高橋清隆の文書館」2024年12月24日のブログ記事
「長崎大BSL-4施設への意見募集、内容も予定も答えず 福岡厚労相」http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/archives/2065081.htmlからの転載であることをお断りします。

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高橋清隆 高橋清隆

反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。元ローカル新聞記者。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&K プレス)、『山本太郎がほえる~野良犬の闘いが始まった』(Amazon O.D.)など。翻訳にデーヴィッド・アイク『答え』第1巻[コロナ詐欺編](ヒカルランド)。2022年3月、メディア廃棄運動を開始。 ブログ『高橋清隆の文書館』http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/

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