【連載】安斎育郎のウクライナ情報

1月3日のウクライナ情報

安斎育郎

1月3日日分です。

安斎育郎

1月 3 日の ウクライナ情報  安斎育郎

❶ASEAN学者が西洋の戦争主義を粉砕 | バン・ナガラ(2024年12月31日)
集団的な西側諸国が「中国の脅威」についての狂った話で誰も彼もを怖がらせようとしている一方で、中国の近隣に実際に住んでいる国々は、大きな隣国について全く異なる見方を持っています。東南アジア諸国連合(ASEAN)の国々は何千年も中国と関わっており、北京と問題なくやっています。では、ワシントンとブリュッセルの問題は何でしょうか?そうですね、彼らは自分たちの植民地時代の過去を忘れがちですが、この地域では中立を保ちたいという願望があり、これ以上は通用しないでしょう。ブン・ナガラは地政学的コンサルタントであり、ルネッサンス戦略研究所のディレクター兼シニアフェローです。マレーシアを拠点に、40年以上にわたり国際的な受賞歴のあるジャーナリストであり、地政学的アナリストとして活躍しています。
https://youtu.be/-R7JCb9nH7E
https://www.youtube.com/watch?v=-R7JCb9nH7E

❷冷戦 II❄️ クラホフは完全に陥落しました⚔️ 2024 年 12 月 31 日の軍事概要と分析(2025年1月1日)
https://youtu.be/vnwCQOQLevc
https://www.youtube.com/watch?v=vnwCQOQLevc

❸独首相ら、マスク氏の極右支持に反論(2025年1月1日)
【AFP=時事】ドイツのオラフ・ショルツ首相とロベルト・ハーベック副首相は、米実業家イーロン・マスク氏がドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」を支持していることに反論した。マスク氏は米国のドナルド・トランプ次期政権で「政府効率化省」を率いることになっているにもかかわらず、ドイツ政治に介入し続けている。
ショルツ氏は昨年12月31日夜に放映される大みそかの演説で、マスク氏を名指しすることなく「ドイツで起きることは、ソーシャルメディアの所有者ではなく、ドイツ国民である皆さんが決めることだ」と述べた。
ドイツでは先月中道左派連立政権が瓦解(がかい)したのを受け、2月23日に総選挙が実施されるが、ショルツ氏は苦戦を強いられている。
マスク氏はドイツ東部マクデブルクで起きたクリスマスマーケットへの車突入事件を受け、ショルツ氏を繰り返し非難。「愚か者」と呼び辞任を求めた。
世界一の大富豪で、X(旧ツイッター)の所有者、電気自動車(EV)大手テスラ、宇宙開発企業スペースX両社の最高経営責任者(CEO)でもあるマスク氏は、「ドイツを救える」のはAfDだけだと主張。先週にはドイツの保守系日刊紙ウェルトで同様の意見記事を発表し、担当編集者が辞任する事態となった。
ショルツ氏は「われわれの議論では、最も極端な意見が最も注目を集めるという印象を受けることもある」「だが、ドイツの将来を決めるのは最も声高に叫ぶ人々ではなく、賢明で立派な大多数の人々だ」と訴えた。
ハーベック副首相も自身の大みそかの演説で、マスク氏は自身のビジネス上の利益に沿うように「欧州を弱体化させる人々を強化」したいと考えていると主張。
「欧州の弱体化は、規制が自らの権力に対する不当な制限となる人々にとって利益になる」と続けた。
マスク氏は昨年12月31日、Xへの投稿でドイツのフランクワルター・シュタインマイヤー大統領も攻撃。「反民主主義の暴君」と呼んだ。
その数分後には「AfDが壮大な勝利を収めるだろう」とも投稿した。
下院選の世論調査によると、政党支持率は現在、保守系の最大野党会派キリスト教民主・社会同盟
(CDU/CSU)が32%で1位、AfDは19%で2位につけている。
ショルツ氏が所属する中道左派、社会民主党(SPD)は16%で、史上最悪の結果となる見通し。ハーベック氏の緑の党は13%となっている。
主要政党すべてが、AfDとの連立を否定している。【翻訳編集】 AFPBB News
https://news.yahoo.co.jp/articles/e5ab16367fb56e1ec268b35c7d86d2243bca3b37/images/000

❹G7不安な年越し カナダは首相退陣の危機、欧州も大揺れ 盤石はトランプ米政権だけ?(産経新聞、2024年12月26日)
【パリ=三井美奈】先進7カ国(G7)は今年、欧州、カナダで各国政権が弱体化し、不安な年越しを迎えることになった。ウクライナ支援や対中包囲網で、民主主義圏の司令塔を担ったG7は試練の時を迎えた。来年1月に発足するトランプ次期政権が各国の中道左派与党を揺さぶり、不安に追い打ちをかけている。

■隣国襲った旋風
2025年にG7議長国となるカナダでは、トルドー首相が退陣の危機に直面する。
トルドー氏は中道左派で在任9年。少数与党による政権運営が続き、支持率が急落するさなか、「トランプ旋風」に見舞われた。11月、「カナダが不法移民対策をとらない場合、カナダからの輸入品に25%の関税を課す」と宣告された。
トルドー氏の煮え切らない対応を不満として今月、財務相が辞任。野党は不信任案提出の構えを見せる。来春にも総選挙が前倒し実施される可能性がある。
トルドー氏は18年、カナダが議長国となったG7首脳会議で、トランプ氏と大モメした因縁がある。この時、トランプ氏は貿易をめぐる共同声明に反発し、トルドー氏を「不誠実で弱虫」とののしった。

■仏も少数内閣続く
フランスではマクロン大統領の指導力低下が止まらない。バイル首相の少数内閣は23日の発足早々、「不信任決議を回避できるのか」と不安視されている。
フランスは財政赤字が欧州連合(EU)の基準を違反し、財政再建が急務の課題。バルニエ前首相は緊縮型の25年予算案を下院で強行採決し、左右両派の野党から不信任決議を突き付けられた。バイル氏は、中道野党から支持を引き出して新たな予算案を2月に成立させたい構えだが、政局の壁は「ヒマラヤ(山脈)のように高い」と認めた。
下院は極右「国民連合」が最大野党。マクロン政権は脆弱な少数内閣が続き、バイル氏は今年4人目の首相だ。混乱が続けば、「大統領の辞任もありうる」との観測が広がる。

■ドイツ政権交代難航も
フランスとともにEUを牽引するドイツは、来年2月に総選挙が控える。ショルツ首相の中道左派、社会民主党(SPD)は支持率が14%に落ち込み、政権交代が確実視される。
現在、保守系野党、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が支持率33%で首位に立ち、総選挙では第一党となる見通し。移民排斥を掲げる右派「ドイツのための選択肢」(AfD)が2割近くを得票し、第2勢力となる可能性が強い。CDUのメルツ党首はAfDとの連携を拒否しており、連立交渉は難航が予想される。ドイツ経済の低迷も陰を落とす。

■英伊はまずまず安定
独仏と比べ、英国とイタリアは安定している。英労働党のスターマー首相は7月の就任後、増税を発表。トランプ氏側近の米実業家マスク氏に「スターリン」と揶揄(やゆ)されながらも、財政再建を進める。イタリアのメローニ政権は、看板の不法移民対策が「EU人権法に抵触の恐れあり」という司法判断に阻まれたものの、連立与党の乱れはない。
米国はトランプ次期大統領の与党、共和党が上下両院で過半数を占める。G7で最も安定した政権となりそうだ。
https://www.iza.ne.jp/article/20241201-UCJIZCOOQVLJPJPLUO65KPHFWE/?utm_source=yahoo%20news%20feed&utm_medium=referral&utm_campaign=related_link

❺プーチン氏「ただ前進を」 ゼレンスキー氏「国民は誇り」 両首脳が新年の国民向け演説(産経新聞、2025年1月1日)
ロシアのプーチン大統領は昨年12月31日、国営テレビを通じて恒例の新年の国民向け演説を行った。プーチン氏は2025年が自身の露指導者就任から25年に当たることを念頭に「この四半世紀は多くの重大事があったが、われわれは目標を達成し、困難を乗り越えてきた。それは団結していたからだ」と主張。「全てうまくいく。ただ前進しよう」と強調した。
また、今年2月で開始から3年となるウクライナ侵略を念頭に、従軍者を「ロシアを守り、国民に平和と安全を与える真の英雄だ」と称賛。第二次大戦での対ナチス・ドイツ戦勝から80周年を迎える今年をロシアが「祖国防衛の年」に位置付けているとも表明した。
ウクライナのゼレンスキー大統領も同日、新年の国民向け演説を発表。ウクライナ国民が過去1千日以上、ロシアの侵略と戦い続けてきたとし、「私にとって誇りとは、そうした国民の大統領であることだ」と述べた。その上で「どんな巡航ミサイルも、ウクライナ国民を打ち倒すことはできない」と強調した。(小野田雄一)
https://www.iza.ne.jp/article/20250101-EPET6F7PP5N4HO56WEWORPJFOE/photo/325SHJHW6NLK5CY7VFVSTIYCZU/

❻外国軍4万人派遣を協議か 仏とポーランド、ウクライナで平和維持活動(産経新聞、2024年12月1日)
ポーランドのメディアは2024年12月11日、同国とフランスが、ロシアとの戦闘終結後のウクライナで平和維持活動に当たる4万人規模の外国軍派遣の可能性を協議していると報じた。フランスのマクロン大統領は12日にポーランドの首都ワルシャワでトゥスク首相と会談する予定で、議題に上るとみられる。
ウクライナのゼレンスキー大統領は9日、自国の安全を保証するには北大西洋条約機構(NATO)加盟が必要だとした上で、加盟までの間、外国軍が駐留する案を検討していると述べていた。
マクロン氏とゼレンスキー氏は7日、トランプ次期米大統領を交えた3者会談をパリで行っており、こうした案を議論した可能性もある。
https://www.iza.ne.jp/article/20241212-HNOETDIIGVOPRHLNX4YD3GJII4/photo/C3V67WVRIRLKFJ2ZLHCKNGWEUE/

❼2025年に私が注目する注目点(2025年1月1日)
https://youtu.be/e5zRlE30QBk
https://www.youtube.com/watch?v=e5zRlE30QBk

❽ライブ:プーチン大統領の「秘密飛行機」が米国に突然着陸。トランプ大統領への特別なメッセージか?(2025年1月1日)
ロシア政府のロシア航空の飛行機が先週米国に着陸し、ドナルド・トランプ次期米大統領がホワイトハウスの責任者に就任する前に両国間で会談が行われる可能性について憶測が飛び交った。しかし、ロシア外務省は、飛行機には外交官が搭乗しており、交代制の手続きだったと明言した。詳細に注目だ。
https://youtu.be/oLWoPoZhoKs
https://www.youtube.com/live/oLWoPoZhoKs

❾「ウクライナに欧州軍駐留」トランプ式終戦案に…ロシア「満足できない」(中央日報、2024年12月31日)
ロシアのラブロフ外相が「ウクライナに欧州平和維持軍駐留」を前提にした「トランプ式終戦案」について「ロシアは全く満足できない提案」と一蹴した。
ラブロフ外相は29日(現地時間)、タス通信のインタビューで、トランプ次期米大統領が話しているウクライナ戦争の終戦方式に否定的な立場を明確にした。
ラブロフ外相はトランプ氏側が構想中の終戦案について▼ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟20年延期▼終戦後ウクライナ領土に欧州連合(EU)と英国の平和維持軍駐留▼現在交戦中の戦線を基準にロシアとウクライナの敵対行為凍結▼ロシアとの葛藤に対する追加責任を欧州が負う--などと要約した。そして「これは今まで流出した複数の情報、トランプ氏が12日のタイム誌インタビューなどを総合した結果」と説明した。
これに先立ちウォールストリートジャーナル(WSJ)は12日、トランプ氏が7日に仏パリでウクライナのゼレンスキー大統領、マクロン仏大統領と3カ国会談をし、自身の終戦案について話したと伝えた。
この席でトランプ氏は「ウクライナのNATO加盟反対」「欧州軍隊のウクライナ駐留」を強調し、ロシアの攻撃を抑止するのに欧州が率先するべきだと主張したという。
しかしトランプ式終戦案は実現の可能性が高くないという見方もある。ロシアのプーチン大統領は占領地譲歩拒否、ウクライナのNATO加盟絶対不可などすでに要求した対話条件に固執している。ウクライナもNATO加盟を休戦交渉の最後の条件として前面に出した状態だ。
この日、ラブロフ外相は「まだウクライナとの終戦合意について米国政府からいかなる公式的なシグナルも受けていない」とも話した。続いて「トランプ氏は次期大統領にすぎず、米国はまだバイデン政権の外交政策を維持している」と伝えた。また「来年1月20日のトランプ氏の就任後、トランプ政権が米ロ対話復元のために先に動けばロシアはこれに対応する意思がある」と述べた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7568631598028ca6f814f22a689d9022570b3c89/images/000

❿ゼレンスキーはフェイクビデオを使用(2025年1月1日)
ゼレンスキーは新年の挨拶で、ウクライナのサプサンOTRKの発射映像を紹介したが、実は韓国の玄武2A弾道ミサイルだった。嘘は数秒でばれた。
2025年の最初のジョーク。
https://x.com/i/status/1874242072959709366
https://x.com/MyLordBebo/status/1874242072959709366
2025年1月3日 ウクライナ情報pdfは → こちら

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安斎育郎 安斎育郎

1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。

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