植草一秀【連載】知られざる真実/2025年1月15日 (水) チームBに引き込まれぬ叡智
社会・経済参院選投票日は7月20日が有力視されている。
都議選は6月に実施か。
自公が過半数割れに転落したから政権交代が実現するかとの期待も膨らんでいる。
自公政権が存続するよりは政権が刷新される方がよい。
これも一つの考えではある。
権力は腐敗するから定期的に政権は交代されることが望ましい。
それは事実。
しかし、政権が変わって政治は変わらないということだと政権交代の意義が問われる。
現時点では仮に政権交代が生じても政治が抜本的に転換するとの見通しは開けない。
その理由は政権交代を担うと見られる勢力が「ゆ党」勢力だから。
「与党」でも「野党」でもない「ゆ党」。
実態は「与党補完勢力」。
「与党補完勢力」の「ゆ党」が政権を樹立する、あるいは政権に参画しても政治は変わらない。
この懸念が強い。
政治状況の変化を誘導しているのはメディア。
メディアが何に力を入れているのかを注視する必要がある。
キーワードは「チームB」。
自公の金属疲労が鮮明になっているため、「チームB」の育成に力が注がれている。
「自公」に並び立つプレイヤーの主役に「チームB」を育てる「工作」が展開されている。
「チームB」の構成メンバーが「維新」、「国民」、「立民」。
幸福の科学や参政党といった勢力も存在するが、これらも「チームB」に含めて考えるべきだ。
参政党を特徴づけるのは「歴史修正主義」であるとの印象がある。
憲法観で言えば「大日本帝国憲法への回帰」との印象が強い。
この意味では自公政治のなかの「安倍政治」と距離が近い感がある。
参政党は自公および「チームB」の範疇に含めて考えるのが適正だと思われる。
私がもっとも危惧しているのは「政権交代」がはやし立てられて自公と「チームB」によって日本政治が占有されてしまうこと。
日本政治に対する工作活動を展開している勢力は、これを目的にしていると推察される。
「チームB」とは「亜流」のこと。
「亜流」に人心を誘導して自公と亜流に日本政治を仕切らせる。
この計画が着々と進められているように思われる。
「チームB」の中心は維新、国民、立民だが、これだけでない。
「石丸なにがし」や「斎藤なにがし」なども含まれる。
「石丸なにがし」も「斎藤なにがし」も「維新くずれ」のようなもの。
「チームC」と表現するとしっくりくる。
2軍、3軍という感じ。
25年夏の選挙に向けて「チームB」、「チームC」、2軍、3軍を大宣伝する活動が展開されるだろう。
しかし、その先に希望の光はまったく見えない。
ごみのような感触、はきだめのような感触しか感じられない。
斬新な革新勢力を再興させるべきだ。
基軸は
1.対米自立
2.平和主義
3.共生の経済政策
注意が必要なのは1.対米自立が二つに割れること。
ひとつは平和主義。
いまひとつは国粋主義。
イデオロギーがまったく異なる。
対米自立・平和主義・共生の経済政策を基軸とする「真正革新勢力」を確立することが重要。
実は「自公」と「チームB」は競合してしまう。
これらと対峙するのが「真正革新勢力」。
三つ巴になれば「真正革新勢力」に勝算が生まれる。
厳しくともこの道を選択するべきだ。
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植草一秀の『知られざる真実』2025年1月15日 (水)「チームBに引き込まれぬ叡智」
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植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050