レイチェル・クラーク:【ゴンザロ通信 その1】
国際不定期にこんな投稿で、亡きゴンザロさんの功績を辿ってみたいと思います。
ウクライナで獄中死したジャーナリスト・作家、知る人ぞ知るゴンザロ・リラ氏は、米国とチリの二重国籍で、ご家族やファンや著名人の度重なる嘆願にも関わらず、米国の駐ウクライナ大使館からも、本国の国務省からも無視されて獄中死した方です。亡くなってからも大手メディアで報道されることもありませんでした。
今でこそXに続いてFBまでも検閲をやめると言い出しましたが、2022年といえば、コロナ禍から続く言論統制の嵐の真っ只中。自由も人権も民主主義もそっちのけで、この国がはっきりと全体主義に突き進むのを国内で体験しました。(これ一つとっても、私は歴史の証言者の一人となり得ます。)その頃に勇気を出してウクライナの中から事実を発信し続けた彼の功績は、本当に貴重で偉大です。
まず、ロシアの侵攻の正当性をはっきりと説明した彼の論点はこれ:
https://youtu.be/ydSf57SRtcQ
上記の動画では、昨年(2024年)、国務省をタイミング良く辞職したビクトリア・ヌーランド国務次官(ウクライナハンドラーの異名を持つ、ゴリゴリのネオコン)が、在職中にウクライナでの生物化学兵器研究施設についての質問に、タジタジに答えています。生物化学兵器ではなく生物化学研究所だと主張していますが「とても危険なので、ロシアがそれを入手しないかどうか心配だ」と言っています。なぜ「危険」なのか、それは「兵器」だからですね。(ヌーランド氏の暗躍ぶりは、孫崎享氏の動画をご参照ください:https://youtu.be/pveMRqVH8Zg)
《ゴンザロさんの論点》
米国がイラクに侵攻した理由は、イラクが大量破壊兵器を持っているからやられる前にやっておくんだ、ということでした。(米国議会で国連の大量破壊兵器査察官として派遣されたスコット・リッター氏が大量破壊兵器はなかったと証言したのを、当時上院議員だったバイデン氏が超上から目線で鼻であしらったシーンは有名です)そしてものすごい勢いで空爆を始めて、イラクの石油省の建物以外の全てを破壊したのを忘れないでください。そして大量破壊兵器はなかったということを、後でブッシュJr.がシレッとパーティーの席でジョークのように話したことも。
さて、ロシアがウクライナに進行した理由は、ロシアとの国境付近に沢山の(20ヶ所以上も)ロシアに向けて使うべく研究されていた生物化学兵器研究所があることが判明したので、そのような大量破壊兵器が使われる前に進行した、つまり、米国のイラク侵攻と全く同じ理屈で進行したのだ、というのがゴンザロさんのポイント。米国内では置けないものをウクライナに資金を提供して研究させて、その目的が大量破壊兵器の開発とロシアに向けての使用であること。これ一つだけとっても、米国政府には彼が獄中で消えてくれて大助かりなのでした。「ロシアの国際法違反」を念仏のように唱えている方々には伝わっていない、理解されていない情報の一つです。
米国がイラクに向けて行使するのはOKで、ロシアが米国にバックアップされているウクライナに向けて行使することはダメなのでしょうか? この戦争そのものが、「代理戦争」と呼ばれている理由は、こんなところにもあります。
そして、政権がバイデンからトランプに移行しても、ウクライナハンドラーの魔の手は続くと私は予想します。なぜなら、国務省を辞職後、ヌーランド氏はコロンビア大学で教鞭を取っているだけかと思いきや、ちゃっかりとNED(National Endowment for Democracy、全米民主主義基金=CIAの姉妹的NGO)の理事に返り咲いていたからです。(https://www.ned.org/ned-welcomes-victoria-nuland-to-the-board-of-directors/)もう彼女は議会で追及されることもなく、民主主義の旗の下で正々堂々とウクライナを引っ掻き回すことができるのです。
日系米国人、通訳・コンサルタント・国際コーディネイター ベテランズフォーピース(VFP) 終身会員 核のない世界のためのマンハッタンプロジェクト メンバー 2016年以来、毎年VFP ピース・スピーキングツアーをコーディネイトし、「戦争のリアル」を米国退役軍人が日本に伝える事によって、平和・反核・環境保護活動につなげている。