【連載】今週の寺島メソッド翻訳NEWS

☆寺島メソッド翻訳NEWS(2025年1月18日):次期ドイツ首相として最も期待されている、AfD(ドイツのための選択肢党)党首アリス・ワイデル女史が「ロシアにたいする経済制裁を止め、天然ガスのパイプライン復旧を」と主張

寺島隆吉

※元岐阜大学教授寺島隆吉先生による記号づけ英語教育法に則って開発された翻訳技術。大手メディアに載らない海外記事を翻訳し、紹介します。


2025年1月11日、ドイツのリーザで開催されたAfD党大会で講演するアリス・ヴァイデル Getty Images / Sean Gallup ©

ドイツのための選択肢(AfD)の共同党首アリス・ワイデル氏は、来月の総選挙で彼女の党が勝利を収めれば、破壊されたノルドストリーム・ガス・パイプラインを再び稼働させる、と明言した。

AfD党員は土曜日(1月11日)にリーザの町に集まり、昨年末に連立政権が崩壊したオラフ・ショルツ首相の後継者候補としてワイデル党首を正式に承認した。ワイデル氏の指名は、右派のAfDが11年の歴史で初めて首相府に立候補したことを意味する。

指名投票後の演説で、ワイデル党首は、すでにドイツで合法的に生活している移民を「再移民」させることも含む、厳しい移民政策を実施し、ショルツ首相のグリーン政策を廃止してエネルギー価格を引き下げることを約束した。そして、ロシアとのエネルギー関係を回復することは、この後者の目標にとって不可欠である、と同党首は説明した。

「ノルド・ストリームを再び稼働させます。お任せください」とワイデルは自身の党に語った。


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ドイツは、2022年2月にウクライナ紛争が激化する前、天然ガス供給の55%をロシアに依存していた。このガスの多くはノルド・ストリーム1パイプラインを流れ、それと平行して流れるノルド・ストリーム2パイプラインは2022年から運用される予定だった。しかし、ロシアによるウクライナでの軍事作戦が始まる数日前にドイツ当局はノルド・ストリーム2の認証を取り消し、同年9月にはこのパイプラインの破壊行為がおこなわれ、このパイプラインのほとんどが破壊された。

報道によると、ドイツの調査官は、このパイプラインはウクライナの破壊工作員によって破壊されたという話で収まったとのことだが、米国のシーモア・ハーシュ記者は、CIAと米海軍によって爆破された、と主張している。ロシア対外情報局(SVR)のセルゲイ・ナルイシキン長官は、「英米特殊機関のプロの破壊工作員」によるものだ、と米国と英国を名指しで非難した。

ショルツ首相がロシアのエネルギー輸入を停止するという決定と、彼の政権のグリーン政策が重なり、ドイツの電気料金は高騰し、フォルクスワーゲン社やBASF社など、国内の大手製造業の一部は工場を閉鎖し、労働者を解雇することを余儀なくされている。

AfDは、ノルド・ストリームの修復と再開を望んでいる唯一のドイツの政党ではない。左派のサーラ・ワーゲンクネヒト同盟(BSW)も、ガス・ラインの再開を要求しており、BSWのセヴィム・ダグデレン議員は先週、ガス・ラインを「最終的には稼働させ」、ドイツ政府に「ウクライナへの資金提供を止める」よう呼びかけた。

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ドイツ国民には2月23日に新政府を選ぶ投票がある。AfDは現在、世論調査で約20%を獲得しており、ショルツ氏の中道左派の社会民主党(SPD)の16%を上回っているが、中道右派のキリスト教民主同盟(CDU)の31%には遅れをとっている。しかし、来月AfDが最大政党として浮上したとしても、ドイツの他の主流政党はすべてAfDと連立を組むことを否定している。
※なお、本稿は、寺島メソッド翻訳NEWS(2025年1月18日)「次期ドイツ首相として最も期待されている、AfD(ドイツのための選択肢党)党首アリス・ワイデル女史が「ロシアにたいする経済制裁を止め、天然ガスのパイプライン復旧を」と主張」
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-2907.html
からの転載であることをお断りします。

また英文原稿はこちらです⇒Nord Stream pipeline should be relaunched — German chancellor candidate
AfDのアリス・ワイデル党首は、ドイツ国民はロシアとのエネルギー関係を回復することを自党に「任せてほしい」と発言
出典:RT 2025年1月12日
https://www.rt.com/news/610744-weidel-afd-nord-stream/

寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

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