【連載】今週の寺島メソッド翻訳NEWS

☆寺島メソッド翻訳NEWS(2025年1月27日):ロシアに対する経済制裁で逆に生活が苦しくなったと訴えるフランス国民

寺島隆吉

※元岐阜大学教授寺島隆吉先生による記号づけ英語教育法に則って開発された翻訳技術。大手メディアに載らない海外記事を翻訳し、紹介します。


パリの全体図。© ゲッティイメージズ

フランスの調査会社エラベ社が実施した新たな世論調査によると、圧倒的多数のフランス国民は支出削減を余儀なくされていると述べつつ、物価上昇の鈍化は感じていない、と指摘していることがわかった。

木曜日(1月23日)に発表された世論調査によると、回答者の82%が「節約している」と答え、29%が「かなり」節約し、53%が「少し」節約していると答えた。節約する必要がないと答えたのはわずか18%だった。

世論調査では、フランス国民の65%がここ数カ月で購買力が低下したと考えていることも明らかになった。このうち27%は大幅に低下したと答え、38%はやや低下したと答えた。一方で、22%は購買力が「変わらない」と答え、13%は購買力が上昇したと答えた。

同時に、エラベ社は、購買力の大幅な低下を経験する人々の割合は、2022年11月のインフレピーク時よりも13%低いと指摘した。


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調査では、インフレ率の低下にもかかわらず、回答者の74%が日々の物価上昇の鈍化に気付いていないと答えていることも判明した。さらに、回答者の30%が過去1年間にクレジットカードの限度額を定期的に超過したと答え、14%が毎月、16%が年に数回発生していると答えた。

同時に、財政的圧力を緩和する上で主要な政治家のいずれもフランス国民の大多数から信頼されていない。例えば、国民の購買力を向上させるためにフランスのエマニュエル・マクロン大統領に信頼を置いているのはわずか18%である。

対照的に、右派政党「国民連合」の中心人物であるマリーヌ・ル・ペン氏と、現在中道右派政党「水平線」の党首を務める元首相のエドゥアール・フィリップ氏は、それぞれ34%の票を獲得した。

エラベ社の調査には、フランス本土の18歳以上の住民1001人が参加していた。

フランス国立統計経済研究所(INSEE)によると、2024年12月現在、フランスのインフレ率は1.3%で、2023年の4.9%、2022年の5.2%から大幅に低下している。この低下は、エネルギー価格と食料価格の安定によるものとされている。

フランス経済は今後数年間、成長が鈍化する見通しで、フランス銀行は2025年の成長率を0.9%と予測しているが、国内の政情不安を背景に、これまでの1.2%の予測から下方修正されている。

2024年12月、フランスのミシェル・バルニエ首相は、2025年度予算案を可決しようとしたが不信任投票で辞任を余儀なくされた。財政赤字をGDPの6.1%から5%に削減することを目指したこの計画は、右派と左派の両方の政党からの反対に直面し、政権の崩壊につながった。

※なお、本稿は、寺島メソッド翻訳NEWS(2025年1月27日)「ロシアに対する経済制裁で逆に生活が苦しくなったと訴えるフランス国民」
http://tmmethod.blog.fc2.com/
からの転載であることをお断りします。

また英文原稿はこちらです⇒Vast majority of French ‘tightening their belts’ survey
新しい世論調査によると、82%が支出を削減しており、大半が購買力が低下したと感じている、という
出典:RT 2025年1月24日
https://www.rt.com/news/611545-majority-french-tightening-belts/

寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

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