植草一秀【連載】知られざる真実/2025年2月 1日 (土) フジ免責アピールに懸命な面々
社会・経済中居正広氏を巡るトラブルに関する報道の一部を週刊文春が訂正した。
問題の本質には関わらない細部の訂正である。
ところが、この訂正を針小棒大に取り上げる人物が存在する。
古市憲寿氏:「文春は廃刊にしたほうがいい」
ほんこん氏:「週刊誌側も会見したら?」
音喜多駿氏:「世紀の大誤報では」
箕輪厚介氏:「会見なりを開くのが筋。さすがに許されない」
フジサンケイグループはグループ崩壊の危機に直面している。
局面を打開するために文春訂正をゲームチェンジャーとして活用したいとの願望はよく分かる。
そのゲームチェンジに積極的に協力する面々をしっかりと記録しておくことが重要だ。
何らかの意図、目的をもって行動していると推察される。
中居正広氏のトラブルが発生したのは2023年6月上旬、気候情報などを踏まえると6月2日夜との推察が示されている。
この当該期日に女性X子さんが中居氏自宅に出向くきっかけは中居氏本人の勧誘であったと見られる。
この当該期日についてはフジテレビ社員A氏の直接関与はなかったと見られている。
しかし、中居氏とX子さんがプライベートで親しい関係にあったのではないと推察されている。
当該期日の直前に中居正広氏の自宅でBBQが行われ、このBBQにX子さんが参加していたとされる。
このBBQ期日は2023年5月31日であったとされる。
BBQにはタレントのヒロミ氏や笑福亭鶴瓶氏も参加していたとされる。
ヒロミ氏が明らかにしたのが、日程が2023年5月31日だったということ。
この日にゴルフが予定されていたが雨のために中止になった。
そこで、中居氏が中居氏自宅でのBBQを提案し、ヒロミ氏や鶴瓶氏が参加したという。
このBBQにフジテレビA氏およびフジテレビ関係者が多数参加したという。
そのなかにX子さんが含まれていたとされる。
文春報道では、この日のBBQの延長でフジテレビA氏、中居氏、X子さんが寿司屋に移動して会話をしたとされている。
そこで、携帯番号等の交換が行われ、中居氏がその携帯番号を使ってX子さんに当該期日の会食を呼び掛けたと推察されている。
中居氏がどのような文言でX子さんを誘ったのかは明らかでない。
しかし、X子さんサイドの文春等への情報提供によると、A氏等を含む複数での会食にX子さんを勧誘したと見られている。
X子さんは5月31日のBBQの延長の誘いとして中居氏宅への訪問を受諾したと見られる。
5月31日のBBQへのX子さんの参加がフジテレビ社員A氏の介在によるものであるならば、X子さんはフジテレビの業務の一環としてBBQへの参加を了承し、その後の会食への勧誘に応じたと推察される。
現時点で事実関係の確認はなされていない。
もし、当該期日直前のBBQへのX子さんの参加もフジテレビ社員A氏が一切関与しておらず、中居氏が旧知のX子さんに直接勧誘し、X子さんが中居氏とのプライベートな関係からBBQに参加し、当該期日の中居氏宅訪問も中居氏が2人だけの会食であることを告げて勧誘し、これをX子さんが受諾したということであれば、フジテレビ社員の関与はなかったということになる。
しかし、当該期日直前のBBQへのX子さんの参加に関してフジテレビ社員A氏の関与があったとなると、その直後の当該期日の問題はBBQの延長上の事案ということになる。
週刊文春は
「(当該期日において)X子さんは中居に誘われた」
「A氏がセッティングしている(BBQ等の)会の”延長”と認識していた」
と発表したが、上記後段を前提とするなら、文春の説明は正当である。
週刊文春は昨年12月26日発売号で中居氏のトラブルについて、文春に先んじて第一報を報じた『女性セブン』を間接的に引用して次のように記述した。
「記事によると、2023年にX子さんは中居、フジテレビの編成幹部A氏と3人で会食する予定だったが、A氏がドタキャン。彼女と中居は2人で会食することになったが、そこでトラブルが発生。」
こう記述した上で、X子さんの知人の証言を紹介し、多人数の会食に誘われて応諾したが、結局他の参加者の参加がキャンセルとなり、2人での会合になったと伝えた。
これらの経緯が明らかにされる必要があり、すべての経緯においてフジテレビ社員A氏の関与がなかったことが明らかにされない限りは、フジテレビの関与が全否定されることにはならない。
文春の訂正を針小棒大に取り扱い「世紀の大誤報」などと表現することが著しく「失当」である。
※なお、この記事は下記からの転載であることをお断りします。
植草一秀の『知られざる真実』2025年2月 1日 (土)「フジ免責アピールに懸命な面々」
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植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050