ケイトリン・ジョンストン:彼らは私たちに何を考えるべきかを教えるだけでなく、どのように考えるかを訓練する(翻訳:嶋崎史崇)

ケイトリン・ジョンストン

訳者注:この記事は、Caitlin Johnstone: They Don’t Just Tell Us What To Think, They Train Us HOW To Think(2025/1/31)からの翻訳です。グーグル自動翻訳を活用し、大幅に修正しました。

https://www.caitlinjohnst.one/p/they-dont-just-tell-us-what-to-think

彼らは私たちに何を考えるべきかを教えるだけでなく、どのように考えるかを訓練する。

小学校の頃から、私たちは世界について考えるための枠組みを教え込まれるが、その前提はまったく詐欺的だ。その枠組み内で行われない分析は、よく言っても無知、悪く言えば危険な過激主義として描かれる。

政治について自分なりの考えを一つでも思いつく前に、私たちは選挙が真正であり、公式に民主的に選出された政府だけがこの国を統治する権力構造であると仮定するよう、訓練されている。私たちは、重要な問題に関して票を獲得するために、最も自然と人気のある立場を推進し、対抗し合う二つの政党間の選挙で人々がどう投票するかに基づいて、政府の中で決定が下される、と仮定するよう訓練されている。これはすべて完全なデタラメだが、政治的問題に関するすべての考えや意見の前提となるように、我々が教えられている基礎なのだ。

私たちの政府について私たちが何か思いつく前に、私たちは、この国で物事を運営している人々は、私たちの知っている人々であり、議事堂で公式の地位を占めていると前提するように、訓練されている。物事の進め方に問題がある場合、権力者に責任を負わせ、真の変化を推し進めることができる公式の経路があると仮定するように、我々は訓練されている。私たちが実際に統治されているのは、公式の政府で地位を持たないことが多く、選挙で選ばれていない金権家や帝国(※)の経営者であるという事実は、決して真剣に考慮されない。

(訳者注:例えば、帝国のように強大な財閥などが念頭に置かれている、と思われる)

メディアについて、私たち自身が一つでも考え出を思いつく前に、私たちは、ニュース・メディアが、我々の支配者のプロパガンダ・サービスとして機能するディストピア文明ではなく、報道の自由を持つ自由な国に住んでいると、出発点として想定するように訓練されている。私たちは、メディアの一部が主流の政治派閥を支持することについて明らかに偏向していても、そのイデオロギー的分断の両側に耳を傾けることで、世界で何が起こっているかについて、多かれ少なかれ正確に読み取ることが可能であると、仮定するように訓練されている。これはどれも真実ではないが、西側のすべての主要メディアの分析が行われている枠組みである。

外交政策について、私たち自身の考えを一つ思いつく前に、私たちは、アメリカとその同盟国は、多かれ少なかれ、この世界で善のためにある力である、と想定するよう訓練されている。また、アメリカが破壊しようとしている政府や集団について、私たちが耳にする全ての話は、多かれ少なかれ真実である、と想定するように訓練されている。私たちは、西洋の権力構造が不完全で、あちこちで間違いを犯すかもしれないが、外国人を殺し、虐げることを決してやめてはならない、と想定するように訓練されている。なぜなら、アメリカがそれをやめてしまえば、悪者たちが勝利してしまうかもしれないからだ。アメリカ中央集権帝国が、地球上で群を抜いて最も専制的で、虐待的な権力構造である、という容易に客観的数値をもって知ることができる(quantifiable)事実は、決して議論に入らない。

これは、人々が最初に学校で、そしてその後の人生では、マスメディアによって、支持するように訓練された、世界について考えるための概念的枠組みだ。彼らが、私たちの社会で最も権力のある人々が通常そうするように、大学に行くと、この枠組みははるかに積極的に叩き込まれる。特に、いわゆる「エリート」の出身校である傾向がある最も尊敬されている大学では。

この枠組みの外から生じる考えは、主流の政治、メディア、または学界では真剣に受け止められない。それらの考えは時折、友人と水キセルを吸ったり、ポッドキャストを聞いて笑い合ったりする際には、受け入れられるかもしれないが、やはり余白の中に押し込められている。このことは、影響力と成功を得るためには、様々な物事についての特定の考え方に固執する必要があることを、人々が学ぶことによって強化される。それによって、最も影響力のあるあらゆる声が、承認された枠組みにも一致していることを保証している。

そして、このことが、究極的には、世界が現にそうであるようなものであるように見える理由だ。なぜなら、権力者たちが、公衆が物事について考える方法を操作するのに、非常に成功してきたからだ。私たちの心は、何を考えるべきかを指示するプロパガンダで溢れかえっている。しかしそれ以上に重要なことは、彼らが出くわすかもしれない新しい情報について、どのように考えるべきか、ということについて定められ、プログラムされているということだ。

私たちのほとんどは、現状に反対することについて考え始める立場になる前に、権力者の意志に心理的に屈している。私たちは、家畜のように革命や変化についての考えから引き離され、雄牛が鼻輪に導かれるように、厳しく制御された心に導かれている。

条件付けがどれほど浸透しているか分かれば、真の革命的な動きがなぜこれほどの惰性に直面するのかが、理解できる。私たちは、自分の心を解放する方法を見つけるまで、自分自身を解放することはできない。

関連記事:「私たちはソシオパスと愚か者たちに支配されている:ケイトリン・ジョンストン We Are Ruled By Sociopaths And Morons: Caitlin Johnston (Japanese Translation)」、2023年11月8日。https://isfweb.org/post-30069/

訳者から一言:私たちの思考の枠組みを根底から規定する真の権力について洞察したエッセイです。学校教育、大手メディア、学会等がいわゆる「社会標準」(高橋清隆さん)としての認識図式を設定し、そこから逸脱する者をしばしば「陰謀論者」として貶め、信憑性を剝奪するという構図は、ISFで扱っている様々な問題に共通しています。著者はオーストラリアという西側の一員である国の出身ですが、西側の正義を無条件に信じる価値観を相対化することに成功していると思われます。

 

 

ケイトリン・ジョンストン ケイトリン・ジョンストン

オーストラリアのフリージャーナリスト。自らの記事を無料で公開し、寄付により賄う形で執筆活動を行っている。 https://caitlinjohnstone.com.au/

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