【連載】櫻井ジャーナル

【櫻井ジャーナル】2025.02.04XML: マスクから生物兵器の研究に資金を出していると批判されたUSAIDを新政権が調査

櫻井春彦

 ドナルド・トランプ大統領が新たに設置した政府効率化省を率いている​イーロン・マスクは2月3日、USAID(米国国際開発庁)がCOVID-19を含む生物兵器の研究に資金を提供していたと「X」に書き込んだ​。この機関はCIAの工作資金を流す役割を負い、CIAのフロント組織だとも言える。USAIDがエコヘルス同盟へ5300万ドルを注ぎ込んだとする投稿への返信としての書き込みだ。

 そのUSAIDから資金を提供されたカリフォルニア大学デービス校のワン・ヘルス研究所は2009年から疫学研究プログラム「​プレディクト​」を始めた。そのパートナーのひとつがエコヘルス同盟。CIAはこのプログラムを利用して世界中の生物学研究施設へ人員を配置する直接的な仕組みを手に入れたとされている。

 ​エコヘルス連合はWHO(世界保健機関)へアドバイスする立場にある団体で、NIAID(国立アレルギー感染症研究所)は2014年からコロナウイルスの研究費としてエコヘルス連合へ数百万ドルを提供、NIAIDの上部機関であるNIH(国立衛生研究所)は武漢病毒研究所(WIV)の石正麗へ研究費として370万ドルを提供していたと伝えられている​。エコヘルス同盟はNIAIDからWIVへ資金を提供する仲介役を演じてきた。こうした繋がりから、ウクライナの研究施設はCOVID-19にも関係していると疑われてきた。

 エコヘルス連合を率いていたピーター・ダザックはウクライナ人の父親を持つ人物で、WIVの研究者とも親しくしていたというが、同連合の幹部だったアンドリュー・ハフによると、ダザックがCIAと関係している疑いがあるという。

 アメリカ国防総省や同省のDTRA(国防脅威削減局)はウクライナにおける生物兵器の研究開発で中心的な役割を果たし、USAIDも関係している。そのほかUSAMRIID(米国陸軍伝染病医学研究所)、WRAIR(ウォルター・リード陸軍研究所)、そしてアメリカの民主党が仕事を請け負い、メタバイオタ、ブラック・アンド・ビーチ、そしてCH2MCヒルも関係している。

 メタバイオタは生物学的な脅威の評価したり管理する仕事をしている会社で、ウイルス学者のネイサン・ウルフによって創設され、2014年からエコヘルス同盟のパートナーになっている。その背後にはプレディクトがある。

 COVID-19騒動の核心はウイルス、遺伝子操作、そして免疫だと言えるだろうが、国防総省の国防研究技術局で副局長を務めていたドナルド・マッカーサーは1969年9月、下院の歳出委員会で、伝染病からの感染を防ぐための免疫や治癒のプロセスが対応できない病原体が5年から10年の間に出現すると語っている。この発言を否定したり無視する人が少なくなかったが、議会の記録に残っているので否定できない。

 そして1980年前後になると、免疫が機能しなくなる病気が話題になり始めた。いわゆるAIDS(後天性免疫不全症候群)だ。当初、これは同性愛者や麻薬中毒の人々の病気だと考えられたが、後に「HIV(ヒト免疫不全ウイルス)」が原因だとされるようになる。

 その結果、AIDSの対策予算は肥大化、大きなビジネスが出現することになった。1970年代になって伝染病による死亡者が少なくなり、その存在意義が疑われるようになっていたNIAIDやCDC(疾病管理予防センター)にとってAIDS騒動は「天恵」だった。AIDS騒動が始まって間もない1984年11月からNIAIDの所長を務めることになったのがアンソニー・ファウチにほかならない。

 1980年代の半ばに「イラン・コントラ事件」が発覚、麻薬取引を含むCIAの秘密工作が注目されるようになる。その際、CIAが免疫について詳しく調査、日本の企業や研究者に接触していることも明らかになった。

 プレディクトはCOVID-19騒動が始まる直前、2019年に終了するが、その決定を翌年、アンガス・キング上院議員やエリザベス・ウォーレン上院議員は批判、そうしたプログラムは拡大するべきだとしている。そうした中、2020年4月にUSAIDは6か月間の緊急延長としてプログラムに226万ドルを交付した。

 ウイルスの「発見」から「COVID-19ワクチン(遺伝子操作薬)」へと続く騒動はアメリカ国防総省のプログラムだということが今では明確になっている。情報公開法によって明らかにされた関係文書を分析した​サーシャ・ラティポワは、この騒動が国防総省のプロジェクトだということを突き止めた​のだ。バラク・オバマ大統領の時代から国防総省が「COVID-19ワクチン」の接種計画を始めたと主張している。

 ドナルド・トランプ大統領からCIA長官に任命されたジョン・ラトクリフもウイルスがWIVから漏れ出たとする説を主張しているが、ウェルカム・トラストの理事長からWHO(世界保健機関)の主任科学者になったジェレミー・ファラーはCOVID-19の発生が中国にとって最悪のタイミングで発生したと強調していた。多くの中国人が旅行する旧正月の直前に、主要な交通ハブである武漢で始まったことから、中国側の意思、あるいはミスだったとする説は不自然だということだ。

 ただ、中国側に米英と関係の深い人物がいることも事実だ。COVID-19騒動の幕開きは2019年12月、中国の湖北省武漢の病院でSARS(重症急性呼吸器症候群)と似た重症の肺炎患者が発見されたところから始まる。その直後に武漢市内の海鮮市場で売られていた野生動物から人にウイルスが感染したとする話が広がるのだが、その発信源は中国で伝染病対策の責任者を務めている疾病預防控制中心の高福主任。2020年1月22日、国務院新聞弁公室で開かれた記者会見の席上、そう語ったのである。

 高福は1991年にオックスフォード大学へ留学して94年に博士号を取得、99年から2001年までハーバード大学で研究、その後04年までオックスフォード大学で教えている。また、ファウチの弟子とも言われている。

 しかし、COVID-19騒動への対応は高福でなく中国軍の陳薇が2020年2月から指揮している。陳はSARSの時にも指揮、その経験を活かしてキューバで開発されたインターフェロン・アルファ2bを使い、短期間に沈静化させている。

 武漢の海鮮市場から広がったとするならば、その周辺の自然界に問題のウイルスが存在していなければならないのだが、発見されていない。ところが、北アメリカに生息するシカ、ノネズミ、コウモリを含む5種類の動物が感染していることが判明した。それらはモンタナにあるロッキー・マウンテン研究所で実験動物として使用されていたという。中国を悪玉に仕立てたい人びとにとって都合の悪い情報だ。

 アメリカのエリート層にとって都合の悪い情報をイゴール・キリロフ中将も公表していた。この軍人はロシア軍のNBC防御部隊を率いていたのだが、昨年12月17日、モスクワの自宅の前に仕掛けられていた爆発装置によって暗殺された。

 キリロフは2022年3月7日に分析結果を公表、研究開発はDTRAから資金の提供を受け、CBEP(共同生物学的関与プログラム)の下で進められ、ウクライナにはDTRAにコントロールされた研究施設が約30カ所あったとしていた。同年8月4日にはSARS-CoV-2が中国に対して意図的に放出されたアメリカの生物兵器であるという強い証拠があると語っている。

 アメリカの国防総省がウクライナで開発していたウイルスのプロジェクトを旧ソ連諸国や東南アジアへ移管、アメリカ政府はアフリカに関心を寄せているとロシア国防省は主張している。アフリカは危険な病原体の無限の天然貯蔵庫、実験的医療治療の実験場として使われてきた。

 キリロフはジャカルタにあるアメリカ海軍のNAMRU-2研究所を含む東南アジアの施設についても言及している。この研究所は2010年にインドネシア保健省が「国家主権への脅威」と指定して閉鎖するように命じたが、その後もアメリカ軍の関係者が秘密裏に生物学研究を続けていた疑いが持たれている。

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