日本のマスコミがほとんど報じない「ニュース」No.16(日中友好ネット)

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台湾を含む中国のネット上では、数日前から「Deek Seep」に関する話題で持ちきりです。1/29、「朝日新聞」がようやくその重大性に気づいたのか、トップ記事でこのことを報じています。

第一次産業革命はイギリスにおける「蒸気」の活用による生産性の爆発的発展にはじまり、第二次産業革命は「電気」、さらには第三次の「インターネット」と続きます。共にアメリカが主導したもので、アメリカの「技術覇権」はこれに依拠しているものです。

来る第四次産業革命は「AI(人工知能)」とされています。この「AI」技術を握った国が、未来の「技術覇権」を握ることになります。その為、その「研究」と「開発」のためにアメリカは膨大な資金を投じています。つい先日、トランプ政権発足直後、日本の孫正義も加わって、「AI」事業への1000億ドル投資を打ち上げたばかりで、日本でも大々的に報じられています。因みにトランプはこれを5000億ドルまで引き上げるよう求めています。

ところで、中国も当然この「AI」技術を重視しています。

中国の発展を阻止するために、アメリカはバイデン時代から、「AI」に欠かせない、また絶対的なシェアを誇る「高性能AI半導体」の中国への禁輸や関連技術の流出阻止を同盟国を含めて厳格に行っています。「AI」分野でのアメリカの絶対優位は動かし難いものだと思われていました。

そうした中、新年早々、中国の人工知能(AI)企業Deep Seepが発表したAI技術に、米シリコンバレーに激震が走りました。その技術的水準は言うに及ばず、その開発費用が僅か9億円足らずだったということです(*アメリカは数百億規模)。

技術的詳細について、私はまったくの「門外漢」なので、朝日新聞の記事を参照していただきたいと思いますが、発表直後からアメリカの関連企業の株価が暴落したことからも、その信憑性と、衝撃の大きさが分かるでしょう。(*27日の株式市場では、AI向け半導体で圧倒的シェアを誇るエヌデディアが前週末比17%の暴落=時価総額92兆円!の損失。その他関連企業株価も軒並み急落)

技術面はさて置き、私が注目するのは以下の点です。

1、社員が僅か140人というこのベンチャー企業(Deep Seep)の創業者は40才になったばかりの青年です。社員のほとんどは各分野の“天才”と称された人々で、ほとんどが20才台、30才台の若者です。さらに「米国留学経験」のない、科学技術者の「国産化=中国国内の大学等卒業者」を体現する企業です。

因みに、こうした傾向はこの分野に限らず、例えば近年発展著しい宇宙開発の領域でも、先端プロジェクトの中心は20~30才台の若者が担っています。因みにアメリカの「NASA」の平均年齢は60才以上です。兵器開発やインフラ関連の開発者も同様の傾向にあります。10年後、20年後の様子を想像してみてください・・・。

2、何年にもわたってアメリカをはじめとする西側から極限の「技術封鎖」に遭っていた「華為(ファーウェイ)」が、数年の“隠遁”を経て、先端半導体が入手できないはずにも関わらず、昨年“突如”スマホ新機種「Mate 60」を発表し(*その後もさらに高性能の機種を次々と発表)、業界の度肝を抜きました。各国がこの機種を解体、研究した結果、西側の常識からかけ離れた“中国独自”の技術が応用されていたことを発見しています。今回のDeep Seepと似た事例ではないでしょうか。

人口14億、特に理数系技術者数や特許申請数がアメリカを遙かに超える中国に対し「技術封鎖」しようとする愚行にアメリカもそろそろ気づくべきではないでしょう。因みに、以前にも書いた通り、この中国への「技術封鎖」の先鋒を担ったアメリカ商務長官・レイモンドが退任にあたって「数年にわたる中国封じ込め政策はまったくの無駄であった」と語るに至ったのも当然と言えば当然と言えます。

3、アメリカ企業が自社の技術を独占するのと違い、Deep Seepは今回発表した技術を“オープン化”するそうです。その為、この企業に続いて、既に幾つかの企業がこの技術をもとに、さらに斬新な技術開発を推進していると伝えられています。本「ニュース№4」でご紹介した宇宙関連における成果の「共有」と同じ戦略と思想によるものです。今後、貧しい国でも、最小の資金で使えるようになるでしょう。

4、ところで、近年特にトランプ就任を控えて、中国の戦略に大きな変化が見られます。これまでの西側(特にアメリカ)からの警戒を逸らすために、「韜光養晦(*目立たぬように実力を隠す)」が中国政府の一貫した方針でしたが、その数年は限定的とは言え、その一部を公然化するようになっています。今回の科学技術関連もそうですが、数々の経済指標は無論、特に兵器関連が顕著で、昨年9月の極超音速大陸弾道ミサイルの公開試射をはじめ、昨年11月に開かれた「珠海航展(中国国際航空航天博覧会)」では、世界最先端の兵器(軍事技術)百件以上を惜しげもなく展示し、年末には「第六世代戦闘機」のデモ飛行さえ公開しています。この「第六世代戦闘機」はアメリカが技術的課題を克服できずに、開発を実質的に頓挫させたものです。その他にも無人機(準)空母や、戦闘用ロボット犬(狼)等など多肢にわたっています。

以前の姿勢からすると実に“雲泥の差”を感じます。一つ例を挙げると、「空母キラー」の異名を持つ「東風26ミサイル」について、欧米では長らくその存在さえ疑問視していましたが、その実、中国はとっくの昔に完成させ、「建国七〇周年軍事パレード」でようやく披露したばかりか、すでに「実戦配備」されている事実も公表しました。

こうした“実力を隠す”お陰で、欧米の視線を逸らし、オバマ時代になって、ようやく“中国の脅威”に気づき、「アジア回帰」を打ち出したわけですが、“時すでに遅し”と言えるでしょう。

中国はトランプ「Ⅰ」の時代から、トランプ「Ⅱ」の登場を早くから予想し、充分な態勢を整えてきたようです。トランプが中国との関係で、実質的に「G2」を意識した発言をしはじめたのも決して偶然ではありません。両岸(中・台)の多くの有識者が“両国の「対立」という基調に変わりはないが、2025年はひとまずの「協和」の年になるだろう”と予測しているようですが、さて、どうなることでしょうか。

2025/1/31   墨面 記

 

本記事は日中友好ネット「日本のマスコミがほとんど報じない「ニュース」№16 2025/1/31」の転載になります。

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