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連載:マトリックス洗脳社会 グローバル企業ディストピア(11)真田信秋
社会・経済政治
□第三章 戦いのヒント
第一章では映像作品が予言する暗い未来を紹介し、第二章では、既にグローバル企業ディストピアが完成している(下準備は整い完成しつつある)ことを、私が実際に経験した事象から説明をした。ここからは、私は今まで見てきた映像作品などから、戦いのヒントとなるような考え方を紹介したい。私が現在、本書と並行して書いている「主権者行動計画書 正統政府設立計画序説」にも、そのようなエッセンスを盛り込みたいと考えている。
・コードギアスから考える抵抗と独立概念
陰の実力者になりたくて、静かなるドン
コードギアス 反逆のルルーシュは、シーズン1が2006年から2007年に放送され、シーズン2であるR2が2008年に放送された。前述したガンダムと同じサンライズという会社が製作した作品ということもあり当初から注目をしていた。ガンダムは局地の戦闘を描いているシーンが多いが、コードギアスは戦略、戦術の描き方が絶妙で、それまでに感じたことのない爽快感があった。
皇暦2010年、日本は、神聖ブリタニア帝国による進行を受け日本という名を奪われエリア11と名付けられる。戦前に、ブリタニアから日本に人質として送られていたブリタニアの王子であるルルーシュは、戦後は、ブリタニアの王子であることを隠して、ブリタニアが支配するエリア11のアシュフォード学園の生徒として過ごしていた。ある日、レジスタンスの関わる事件に巻き込まれたルルーシュは、C2という魔女と出会い、彼女から王の力(他人を従えるギアスの力)を得る。この力をテコにして、ルルーシュは、ブリタニア皇帝である父への復讐を実行に移すため黒の騎士団というレジスタンスを組織。ゼロを名乗り抵抗活動に身を投じる。ギアスの力と卓越した戦略、組織運営力で、旧日本軍の残党や京都の勢力も糾合し、ブリタニアに抵抗できる反抗勢力を束ねていく。
ルルーシュは、ただ妹と穏やかに暮らせる世界を作りたかっただけであり、元来、戦闘的な人間ではないが、ブリタニアに抵抗するために修羅の道を行く決意する。複雑な物語でシーズン2ではシーズン1のいろいろな設定がひっくり返されていくが、本書は映像作品の面白さを紹介することが趣旨ではないため、設定の説明はこれくらいにして、戦いのヒントとなるような場面を紹介したい。
シーズン1で日本からブリタニア帝国を追い払うことに失敗し囚われの身となり、記憶を消され、普通の学生に戻ったルルーシュであるが、再び魔女C2との接触で過去の記憶を取り戻し、学生生活とレジスタンス活動の二重生活を再開する。
シーズン2の序盤でルルーシュは、ブリタニア帝国に対してゼロの復活を明かす。倒れたビルをたどって中国大使館に移動し、そこで日本の独立を宣言する。この時ルルーシュは、シーズン1とは違い、組織の力を大きく失っていたが、中国大使館のひとつの部屋から日本の独立を宣言したのである。つまり、広大な領土がなくても、たった一つの部屋からでも独立を宣言できることを示した。私自身が行った個人として独立宣言と、国としての独立宣言も、私は領土を一切持っていないが、独立を宣言ができている。そして、この独立宣言により、私は自由な精神を得ている。
同じくシーズン2で、ルルーシュは、一時、意図的に国外追放処分を受け日本を去り、外国の島を拠点とするが、ゼロ一人ではなく100万人にゼロの仮面をかぶせることで、100万人のゼロの国外追放処分を作り出し、ブリタニア帝国に合法的に大量国外逃亡を認めさせることに成功する。この時、ゼロは日本を離れることについて、このようなことを語る。
「大切なのは日本人の心である」
つまり国を負われることがあっても、日本人の心さえあれば、どこにいても日本人は日本人であると。本当はブリタニア人であり、日本人ではないルルーシュが、日本人のリーダーとして、日本人というものの本質を正しく定義したのである。
このように日本人の心を持ち、独立宣言を行う気概を持てば、私たちは、今すぐに自由を得ることができる。そのことを、私はコードギアスのルルーシュから知らず知らず教えられたのかもしれない。
実は本作品でも、自然な人の生と死を否定するような企みをルルーシュの父親が行おうとしていることが描かれている。これは、前述したガンダムSEED DESTINYで描かれた遺伝子情報に基づいて、人の人生を決めてしまうという設定とは少し異なるが、世界を今とまったく違う理の元に置こうとする発想だった。これも何らかの刷り込みの発想だったのかもしれない。同様に核戦争を思わせるようなシーンも描かれており、ここはストーリー展開としても違和感があり、少し納得ができないところだった。
陰の実力者になりたくてというアニメや、ドラマの静かなるドンも、政府とは異なる組織が社会を正すものとして描かれている。影の実力者になりたくてでは、シャドーガーデンという陰の組織が、王権が制御できない宗教勢力の裏にある悪の教団の悪意を打ち砕く。そもそも宗教集団そのものが宗教監獄を作り人々を閉じ込めるためのものである。創価学会がおかしいというが、創価学会を破門した日蓮宗を作った蓮如も鎌倉時代の民を恐怖と不安洗脳で煽った輩ではないだろうか。キリスト教も信じる物しか救わない都合のよい宗教監獄である。
静かなるドンは、漫画版とドラマ版では大きく違いがあるとのことであり、またドラマでもいくつかのバージョンにより描かれ方も違う可能性もあるが、私は中山秀征さんが主役のものを見ていた。人の命を大切にする三代目が新選組の総長に就任したことで、新選組は大きく生まれ変わり、悪徳な他のヤクザ組織を解体しつつ、自分たちはモラルを高めていき、そして、最後には毎年10%ずつカタギに戻すことで、10年後には組織を解体するということまで語られていた。
しかし、裏金作りが染み付いた警察も頼りにならず、中国マフィアなどの海外勢力がどんどんと進出する中で、日本人を守る組織が別に必要なのではないかとも思える。それはヤクザ組織ではなく、市民が自分たちのために、自分たちの意思で繋がる共同体組織であり、自衛組織であろう。そのような共同体が農業を支え、町文化を支えて、日本は文化と秩序を守ってきたのである。そのような共同体から、さまざまな機能を取り上げて、国に権限を集約したのが明治以降の過ちである。そう考えると、国家そのものが本来あるべき有機的な共同体を破壊した元凶である。この点は、執筆中の「主権者行動計画書 正統政府設立計画序説」で整理したい。
次回に続く
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真田信秋 ニコニコ動画、ニコニコチャンネルを中心に、多事総論チャンネルを展開中。 1977年生まれ、和歌山県田辺市出身。2004年より東京在住。 地方行政機関、民間企業10社以上の幅広い参画歴を持つ。 アマゾンキンドルにて電子書籍も公開している。 コロナ茶番前より医学不要論に習い、2017年10月より薬を一切飲んでいない。 ますます悪化する属国状態を憂え、国民、一人一人が独立宣言を行うことの結果として、国民総意の独立宣言を行う「日本国独立宣言」を唱えている。 独立言論フォーラム一般会員、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)、日本列島100万人プロジェクトの趣旨に賛同するものである。