【連載】今週の寺島メソッド翻訳NEWS

☆寺島メソッド翻訳NEWS(2025年2月9日):コロンビアのグスタポ・ペトロ大統領、「コカインを合法化すれば取締りは簡単」「むしろ米国で深刻なのは、鎮痛剤として使われるオピオイド(合成麻酔薬)の中毒だ」と指摘。

寺島隆吉

※元岐阜大学教授寺島隆吉先生による記号づけ英語教育法に則って開発された翻訳技術。大手メディアに載らない海外記事を翻訳し、紹介します。


コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領。クリスティアン・バヨナ/ロング・ビジュアル・プレス/ユニバーサル・イメージズ・グループ、ゲッティイメージズ経由

コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は、コカインはウイスキーより悪くないと主張し、この薬物の違法性はその効果ではなくラテンアメリカが起源であるからだ、と主張した。ペトロ大統領がこの発言をおこなったのは、国外追放政策や最近の貿易関税導入の脅しをめぐってドナルド・トランプ米大統領政権との緊張が高まる中でのことだった。

コロンビアは昔からコカインの生産地として知られ、世界の供給量の大部分はコロンビア産である。この麻薬はラテンアメリカ原産のコカの葉から作られる。

「コカインが違法なのは、ウイスキーより悪いからではなく、ラテンアメリカで生産されているからだ」とペトロ大統領は火曜日(2月4月)の閣議で述べた。大統領が比較対象としてウイスキーを挙げたのは、米国が主要な生産国であり輸出国だからだ。

ペトロ大統領はさらに、麻薬密売に携わる犯罪組織の「事業」は「世界中でコカインが合法化されれば簡単に解体できる」と主張した。

同大統領は、「コカインはワインのように販売できる」と述べ、その利益は未成年者の飲酒防止に使える、と主張した。


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コカインは強力な刺激物であり、依存症や深刻な健康問題を引き起こす可能性がある。世界中のどこでも、娯楽目的での使用は違法とされている。いっぽう、過度のアルコール摂取も依存症やさまざまな深刻な健康問題を引き起こすことが証明されている。

ペトロ大統領のこの発言は、同大統領によるこれまでの米国の政策に対する幅広い批判と一致している。具体的には、米国の政策がラテンアメリカに対して抑圧的で、同地域を経済的に不利な立場に置いている、という主張だ。

先月ペトロ大統領は、トランプ大統領や他のアメリカ指導者を「奴隷所有者」であり、コロンビア人を「劣等人種」とみなしている、と評した。

トランプ大統領はコロンビア移民の強制送還を開始し、コロンビアが従わない場合は高額な関税を課すと脅してコロンビア政府を怒らせた。ペトロ大統領は当初、強制送還者の受け入れを拒否したが、トランプ大統領が米国に入ってくるコロンビア製品すべてに25%の緊急関税を課し、政府職員に制裁を科すと脅すと、態度を軟化させた。


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米国はコロンビアの最大の貿易相手国であり、毎年約120億ドル相当のコロンビア製品が米国に輸入されている。

トランプ大統領は移民と麻薬犯罪を結びつけているが、ペトロ大統領はこれを否定している。同コロンビア大統領によると、米国で問題となっているのはコカインではなく、合成オピオイドのフェンタニルだという。

フェンタニルはもともと重度の痛みの緩和のために開発されたもので、ヘロインの50倍、モルヒネの100倍の効力がある。しかし、違法に製造されたフェンタニルが米国の麻薬市場にあふれ、オピオイド関連の死亡者数が急増している。

トランプ大統領は、フェンタニル危機は主に中国やメキシコ、カナダといった国外の要因によるものだと主張し、これに対応してこれらの国からの輸入品に関税を課した。その後トランプ大統領は、メキシコとカナダが米国との国境警備を強化することで合意したことを受けて、両国への関税発動を3月まで延期した。

※なお、本稿は、寺島メソッド翻訳NEWS(2025年2月9日)「コロンビアのグスタポ・ペトロ大統領、「コカインを合法化すれば取締りは簡単」「むしろ米国で深刻なのは、鎮痛剤として使われるオピオイド(合成麻酔薬)の中毒だ」と指摘。」
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また英文原稿はこちらです⇒Cocaine no worse than whiskey – Colombian president
グスタボ・ペトロ大統領は、この薬物が違法とされているのは、ラテンアメリカで生産されているからだ、と主張
出典:RT  2025年2月5日
https://www.rt.com/news/612240-cocaine-whiskey-colombian-president/

寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

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