【連載】安斎育郎のウクライナ情報

2月20日のウクライナ情報

安斎育郎

2月20日のウクライナ情報
安斎育郎

❶ ロシア経済団体、ユニクロに事業再開を要請(2025年2月17日)
露業界団体「ショッピングセンター組合」は、UNIQLO(ユニクロ)やH&M、Zaraといった外資系アパレルブランドに対し、露市場への復帰可能性を検討するよう求める書簡を送った。
同組合のナタリア・ケルメドチエワ副代表は、ユニクロなどの外国ブランドが戻るためには、対露制裁の解除が必要だとしたうえで、次のように述べている。
「私達はユニクロが積極的に露市場撤退を望んでいたわけではなく、人々には高品質で便利な服が必要だと訴えていたことを覚えています。このことは、ロシアがこれまでユニクロの重要な市場であったし、これからもそうであり続けることを意味します」
組合が大手ショッピングセンター100カ所以上にアンケート調査をしたところ、半数以上が外国ブランドの復帰を期待しており、店舗テナントを提供する用意があると回答したという。
ユニクロは2022年3月、ウクライナ情勢を理由に西側企業が撤退を進めるなか、「衣服は生活必需品」(柳井正会長兼社長)として一時は事業継続を決定。しかし、その後反露世論のバッシングを受け、国内全50店舗の営業停止への方針転換を余儀なくされた。
一時は完全撤退に向けた現地事業の売却の可能性に関する報道も流れたが、同社は「事業再開の見通しが立たない状況を踏まえ、店舗の閉店を進めていますが、事業の一時停止という従来の方針に変更はありません」と否定していた。
https://sputniknews.jp/20250217/19581735.html

❷西側企業のロシア市場復帰は可能=ペスコフ報道官(2025年2月17日)
ロシア大統領府のペスコフ報道官は17日、ウクライナ情勢を理由に露市場から撤退した西側企業の復帰可能性について問われコメントした。一方、これまでに「何かのブランドが具体的に復帰するという報には接していない」とした。
️「西側企業がモスクワへ戻り、ロシアの生産者と競争を続けることができるということは、国際貿易実務の上で完全に正常なことだ。こうした競争は、ロシアの消費者、つまり我々の利益にもなるだろう」
これまでに、露業界団体「ショッピングセンター組合」は、UNIQLO(ユニクロ)やH&M、Zaraといった外資系アパレルブランドに対し、露市場への復帰可能性を検討するよう求める書簡を送っていた。
https://sputniknews.jp/20250217/19581642.html

❸ラブロフ露外相 サウジで米国務長官らと会談へ(2025年2月17日)
ロシアのラブロフ外相とウシャコフ大統領補佐官が18日、サウジアラビアのリヤドで米国代表と協議を行う。17日、ペスコフ露大統領報道官が明らかにした。 議題には、ウクライナ問題に関する交渉の可能性、プーチン・トランプ両大統領による会談、露米関係の修復などが含まれるとしている。
米国務省によると、米国からはルビオ国務長官、ウォルツ大統領補佐官、ウィットコフ中東担当特使が参加する。
〇ウクライナへの領土の譲歩は、考えることさえあり得ない。
〇会談の際はいつもそうだが、まずは相手の話を聞いてみたい。
〇米国は和平調停を助けることができるかもしれない。危機開始当初から大きな役割を果たしているからだ。
〇紛争継続を念頭に「凍結」を目標とする欧州諸国が和平協議ですることはない。
https://sputniknews.jp/20250217/19582317.html?rcmd_alg=collaboration2

❹スペイン「ロシアが侵略で報われてはならない」 欧州首脳会議で議論へ(2025年2月17日)
[マドリード 17日 ロイター] -スペインのアルバレス外相は17日、フランスのマクロン大統領が同日パリで開催するウクライナ問題に関する欧州緊急首脳会議について、ロシアがウクライナ侵攻で報われることがあってはならず、ウクライナの和平交渉でいかにそれを防ぐかを議論すると述べた。
地元ラジオ局オンダセロとのインタビューで「侵略戦争が報われてはならない。侵略戦争を他国に奨励することもできない」と発言。
「私はプーチンがウクライナへの攻撃を続け、爆撃を続けると確信している。現時点で私の視野に和平は入っていない」と述べた。
トランプ米大統領は先週、ロシアのプーチン大統領と電話会談し、ウクライナでの戦争終結に向けた交渉を直ちに開始することで合意。事前の相談がなかったことから、欧州では衝撃が広がった。
さらに、トランプ政権のウクライナ担当特使ケロッグ氏は15日、欧州諸国がウクライナ和平交渉のテーブルにつくことはないと発言した。欧州は和平交渉から締め出されることは受け入れられないと反発している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7ef4eec65bc148922b5051745013234ecc26b5e4/images/000

❺ゼレンスキー氏、ロシア占領地の鉱物巡り米と協議必要と主張(2025年2月17日)
[16日 ロイター] -ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアに占領されたウクライナ地域の鉱物資源がどうなるのか、米国と話し合う必要があると指摘した。
トランプ米大統領は、支援の見返りとしてウクライナにレアアース(希土類)の供給を求めている。
ゼレンスキー氏は16日に放送されたNBCのインタビューで、ロシアが占領している地域の鉱物が、プーチン大統領やパートナーのイラン、北朝鮮、中国の手に渡ることになるのか問うた。
「プーチンが占領したレアアースがどうなるのか、理解することが重要だと思う」とし「プーチンに渡すのか?これが私が議論したいことだ」と語った。
関係筋によると、米国はウクライナの重要鉱物資源の50%の所有権を取得する案を提示している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0b8c1bee7b0f94e43fc88b4add3e950a60ae9ed0/images/000

❻ゼレンスキー氏が語った戦争の終わり方、そして日本への感謝 千日超えたウクライナ侵攻、その行方は(後編、2025年2月12日)
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年12月1日、首都キーウ(キエフ)で約1時間にわたって共同通信の単独インタビューに応じた。前編「ゼレンスキー氏、日本メディアに語り尽くした1時間 千日超えたウクライナ侵攻、その行方は」では東部の厳しい戦況や、ロシア西部に対する越境攻撃、北朝鮮の派兵と東アジアの安全保障環境への影響、トランプ次期米大統領の対ウクライナ政策に関する発言を詳報した。
後編では、国際社会の最大の関心事である戦争の行く末について、ゼレンスキー氏の考えに迫った。ウクライナが現時点で戦いの目標をどこに設定して、どのような状況が生まれれば戦闘終結に向けてロシアとの交渉を開始することができるのか―。インタビューは核心部分に差しかかる。(共同通信キーウ支局長 小玉原一郎)
https://nordot.app/1241623894536585756?c=899922300288598016

❼米欧、NATO内の亀裂が浮き彫りに 西側メディアの反応(2025年2月17日)
米国のトランプ政権は、欧州諸国に対し防衛費の増額を求めている。このごろドイツで開催されたミュンヘン安全保障会議に参加した米国のバンス副大統領は、「欧州にとって最大の脅威は中国やロシアではなく、欧州内部にある」と発言していた。

ニューズウィーク
予想されていた通り、防衛出費における欧州の米国依存に、ホワイトハウスの我慢の限界は越えた。
ガーディアン
米国と欧州の間に根本的な亀裂が生じ始めていると主張する人もいれば、もし欧州が安全保障に関する米国の要求をのめば、米欧関係は改善できるとする人もいる。
日経新聞
米欧の不和はウクライナとロシアの停戦交渉に加え、中国の脅威に対峙する日本も影響を受けかねない。G7の結束は再び試練を迎えた。

ポリティコ
米国の代表団が、サウジアラビアでロシア側と協議するという知らせは、ドナルド・トランプがウクライナで和平を結ぶかもしれないという欧州の懸念をより一層強めることとなった。
https://sputniknews.jp/20250217/nato-19582458.html

❽ 【2/17 ロシア・ウクライナ紛争】世界のリセット 追い詰められたヨーロッパ(2025年2月17日)
中立の立場からロシア・ウクライナ紛争を見る。
今回は、検閲や司法の武器化、社会正義の武器化など言論の自由に対する攻撃が、世界にとって最大の安全保障上の脅威であるというバンス副大統領の演説のお話です。彼はまた、大量の移民についても、有権者はそれを望んでいないと述べました。
2/14(金)、ドイツ・ミュンヘンのバイエルンホーフ・ホテルで開催されたミュンヘン安全保障会議でバンス副大統領は、言論の自由に対する攻撃が、ヨーロッパと世界にとって最大の安全保障上の脅威であると演説しました。
ウクライナの和平を妨害するのは誰か、EUのエリートやキエフ政権のリーダーの背後にいるグローバリストとは、誰なのか、やがてそのケロッグ中将は、ウクライナに関する交渉のテーブルにはヨーロッパ代表が欠席すると発表したといいます。もはやウクライナの和平・停戦交渉は、EU抜きで行われるようです。英、仏、フォン・デア・ライエン、カッラスが口を挟めば「会議は踊る、されど進まず」となりかねませんからそれは当然なのかもしれません。正体は明らかにされて行くかもしれません。
https://youtu.be/gZeIpHDiIUU
https://www.youtube.com/watch?v=gZeIpHDiIUU

❾ 米国とロシアの首脳会談へ協議 ウクライナ和平巡り (2025年2月18日)
【ワシントン、モスクワ共同】ロシアとウクライナの戦争終結に向けた和平交渉を巡り、米国とロシアの代表団が18日、サウジアラビアの首都リヤドで協議する。開催を検討する米ロ首脳会談の地ならしが狙い。ロイター通信によると、ブルース国務省報道官は17日、ロシアが真剣に和平に取り組む意思があるかどうかを確認するとリヤドで記者団に語った。
ロシアのラブロフ外相とウシャコフ大統領補佐官は17日、リヤドに到着した。米国はルビオ国務長官やウォルツ大統領補佐官、ウィットコフ中東担当特使が参加する。
ウクライナのゼレンスキー大統領は17日「ウクライナ抜きのいかなる交渉も結果を生まない」と訴え、米ロのみで和平交渉を進めるべきではないとけん制した。
トランプ政権のウクライナ・ロシア担当特使のケロッグ氏は、ウクライナに和平を「押しつけることはない」とし、週内にウクライナを訪れてゼレンスキー氏と会談すると述べた。訪問先のブリュッセルで語った。
ウシャコフ氏はウクライナを巡る交渉の開始方法で合意することが問題だと指摘した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/717948db34c922a2d58f6c63c70858d19f78dbb4/images/000

❿ゼレンスキー大統領「ウクライナ抜きのいかなる交渉も結果を生まない」 米ロ高官協議について(2025年2月18日)
ウクライナのゼレンスキー大統領は、アメリカとロシアの高官協議について、「ウクライナ抜きのいかなる交渉も結果を生まない」と訴えました。
ゼレンスキー大統領は17日、サウジアラビアで開かれる米ロの高官協議について「何も知らなかった」とし、ウクライナ側は参加しないことを明らかにしました。
そのうえで、「ウクライナ抜きのいかなる交渉も結果を生まず、いかなる合意も認めない」と述べて不快感を示しました。
ゼレンスキー氏は19日にサウジアラビアを訪れる予定ですが、事前に計画されたもので米ロ協議とは無関係だとしています。
記者
「ドイツのショルツ首相が到着しました。ヨーロッパの首脳らが続々と集まってきています」
こうしたなか、フランスではヨーロッパの首脳が集まり、緊急会合が開かれました。
アメリカとロシア主導によるウクライナの戦闘終結に向けた協議に危機感を募らせていて、関与を明確にすることなどが話し合われたとみられます。
フランスのマクロン大統領は、会合の前にトランプ大統領と電話会談したことも分かっています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2f2b5a2b76f0670928f38149d778e5b8ef8e9725

⓫“蚊帳の外”のフランス・ドイツ・イギリスら欧州首脳が緊急会合…米ロのウクライナ侵攻停戦交渉に懸念(2025年2月18日)
和平交渉から置き去りにされていると懸念を強めるヨーロッパ各国の首脳らは、フランス・パリで緊急の会合を開催しました。
17日、マクロン大統領の呼びかけで行われた緊急会合には、イギリスのスターマー首相やドイツのショルツ首相、NATO(北大西洋条約機構)のルッテ事務総長などヨーロッパの首脳が顔をそろえました。
背景にあるのは、アメリカとロシアによる停戦交渉の動きが活発化する中で、ウクライナやヨーロッパが蚊帳の外に置かれるのではないかという懸念です。
会談後に取材に応じたドイツのショルツ首相は、「アメリカとヨーロッパが分断してはならない」と強調する一方、ウクライナへの軍の派遣について問われると「時期尚早だ」と述べ、慎重な構えを示しました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/61246f14252163e322fb3283101031593ce40710

⓬ウクライナ派兵に温度差 欧州首脳、フランスで緊急会合(2025年2月18日)
パリ共同】フランスのマクロン大統領は17日、英独など欧州の主要国首脳をパリに招き、ロシアの侵攻を受けるウクライナの情勢や欧州の安全保障を巡る緊急会合を開いた。トランプ米政権が欧州軽視の姿勢を示す中で「欧州の結束」を模索。戦闘終結後のウクライナへの派兵に関しては各国の温度差も露呈した。
ドイツのショルツ首相は会合後、派兵の議論について、戦争が続いていることから「完全に時期尚早で、いらだちを覚える」と述べた。
一方、フランスは以前から派兵に積極的で、スターマー英首相も16日、英紙への寄稿で前向きな姿勢を示していた。スターマー氏は17日の会合後、欧州は自らの役割を果たす必要があるとし、戦闘終結後に派兵の用意はあるが「米国の後ろ盾」は必要だと訴えた。
欧州各国は、仮に停戦合意に至ってもロシアが再びウクライナを侵攻しかねないと懸念。トランプ政権下では米国の十分な協力を得られる見通しがなく、欧州が独自に平和維持活動として軍を派遣する案がフランスを中心に議論されている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2e08531dad6246c1bba99fb86c37286a264b172e

2025年2月20日 ウクライナ情報pdf → 

 

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安斎育郎 安斎育郎

1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。

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