
☆寺島メソッド翻訳NEWS(2025年2月25日):サウジで米露はどこまで合意できたのか、その要約
国際※元岐阜大学教授寺島隆吉先生による記号づけ英語教育法に則って開発された翻訳技術。大手メディアに載らない海外記事を翻訳し、紹介します。
サウジアラビアのリヤドで会談中のロシアと米国の代表団© Getty Images / ロシア外務省 / 配布資料
ロシアと米国は、ジョー・バイデン政権下で何年も続いた行き詰まりの後、関係正常化に向けた第一歩を踏み出した。
モスクワとワシントンの代表団は火曜日(2月18日)、サウジアラビアのリヤドで会談し、外交関係の回復や今後のウクライナ和平交渉、ロシアのプーチン大統領と米国のドナルド・トランプ大統領の近々予定されている首脳会談などについて話し合った。
ロシア代表団にはセルゲイ・ラブロフ外相やユーリ・ウシャコフ大統領補佐官、ロシア直接投資基金のキリル・ドミトリエフ経営最高責任者が含まれていた。米国代表団にはマルコ・ルビオ国務長官やマイク・ウォルツ国家安全保障問題担当大統領補佐官、スティーブ・ウィトコフ特使大使が参加した。
約4時間半続いた会談後、双方が述べた内容は以下のとおり。
ロシアと米国は外交使節団の復活に努める
ラブロフ外相によれば、会談は有益であり、両代表団は関係改善に「かなり成功裏に」取り組んだという。
同外相は、会談中に合意された最初の措置の一つは、バイデン政権下で両国が外交官の追放を何度も交わし、モスクワとワシントン間の通信が途絶えたことを踏まえ、外交使節団の問題を全面的に解決することだ、と説明した。
その一環として、モスクワとワシントンは、できるだけ早くお互いの国に大使を任命し、バイデン政権がロシアの外交使節団の活動を「深刻に複雑化」させ、正常な関係の発展を妨げるために構築した「人為的な障壁」を取り除くことを約束した、とラブロフ外相は述べた。
両国の外交部次長らは、これらの問題に終止符を打つために近々会談する予定であり、ラブロフ外相は、その問題として米国内のロシア不動産の差し押さえやロシア側の銀行送金の制限などを挙げた。
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米国はロシアの言うことに耳を傾け始めた
ラブロフ外相は、会談中、ロシアと米国の代表団は「耳を傾けただけでなく、互いの意見を聞き入れようとした」と述べた。ロシアが長年にわたり繰り返し示してきたロシアの立場を米国はよりよく理解し始めている、と同外相は付け加えた。
同外相は、両国の国益が衝突しなくなるわけではないが、双方が対話の確立に向けて努力していることは重要だ、と認めた。
ラブロフ外相は、ロシアと米国は地政学的問題の解決と経済協力の障壁の除去に関する協議再開に関心を示しており、米国側は二国間関係を「前進させる」という「決意」を示している、と指摘した。
ウクライナとNATOに対するロシアの立場
ラブロフ外相は会談後の記者会見で、ロシア側はウクライナ紛争に関する立場を改めて表明し、特にウクライナのNATO加盟はロシア側にとって直接的な脅威となるだろうと述べた。
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同外相はまた、NATO諸国の軍隊がEU旗の下であれ、各国の国旗の下であれ、ウクライナに派遣されることはロシアにとって受け入れられないことだ、と強調した。
ロシア側は、トランプ大統領がウクライナのNATOへの野心が紛争の主因の一つであったことを認めた最初の西側主要指導者となったことに感謝の意を表した、とラブロフ外相は付け加えた。
モスクワとワシントンは互いの利益を尊重することに合意
ロシアのユーリー・ウシャコフ大統領補佐官は、両代表団は双方が解決したいと望んでいた「すべての問題について非常に真剣な話し合い」をおこなった、と述べた。しかし、両国の立場がより接近したかどうかは判断が難しいと指摘した。
同時に、ロシアと米国は二国間関係を前進させつつ「互いの利益を考慮する」ことに合意した、と指摘した。
ロシアと米国はウクライナ紛争について協議
ウシャコフ大統領補佐官は、米国とロシアはウクライナ紛争に関する立場を概説しているが、この問題を「やがて」進展させるかどうかは両国の「交渉団」次第だと指摘した。
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「米国は自国の代表を任命すべきであり、わが国もわが国の代表を任命する。そうすれば、おそらく作業が開始されるだろう」とウシャコフ大統領補佐官は語った。
数ヶ月以内に関係は改善する可能性がある
RDIF(ロシア政府が運営する投資基金 )のキリル・ドミトリエフ代表は、両代表団は「敬意を持って」対等な立場で意思疎通を図ってきたと述べ、さらに、2、3か月以内に双方の協議で大きな進展が見られる可能性を示唆した。
同代表は、妥協について話すのはまだ時期尚早だと認めたが、会談は対話の「重要な基盤」を築いた、と述べた。当局者は、両国に貢献できる協力と経済的機会の必要性を強調した。
「米露は、例えば北極やその他の地域を含めた共同計画を追求する必要がある」と同代表は述べた。
プーチン・トランプ大統領首脳会談の日程はまだ不明
ウシャコフ大統領補佐官は火曜日(2月18日)の会談後、高官級首脳会談の具体的な日程を定めるのは依然として難しいと指摘し、報道機関で以前示唆されていた、来週開催される可能性は「低い」と述べた。
米国、ロシアとの関係正常化に合意
米国務省は会談後、マルコ・ルビオ国務長官とその代表団がロシア代表団と、二国間関係の問題点に対処し、両国の外交使節団の活動を正常化するための「協議の枠組み」を設置することで合意した、と発表した。
この一環として、ルビオ国務長官は、ロシアと米国が、何年にもわたる報復的な外交削減の後、モスクワとワシントンのそれぞれの大使館の外交官の数を以前の数に戻すことに合意した、と発表した。
ルビオ国務長官は、モスクワとワシントンはウクライナ紛争解決後の将来の地政学的、経済的協力についても検討する必要がある、と述べた。
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ウクライナ問題解決に取り組む特別検討団
ワシントンはまた、ロシアと米国がウクライナ紛争の早期解決に向けた道筋を見つけ、すべての当事者が受け入れられる持続可能な平和を確保するために取り組む高官団を任命することで合意した、と発表した。
タミー・ブルース国務省報道官は、「1回の電話に続いて1回の会談」だけでは永続的な平和を確立するには不十分だ、と強調した。同報道官は、火曜日(2月18日)の会談は「重要な前進」だったが、まだやるべきことはたくさんある、と述べた。
※なお、本稿は、寺島メソッド翻訳NEWS(2025年2月23日)「サウジで米露はどこまで合意できたのか、その要約」
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また英文原稿はこちらです⇒Rebuilding ties, finding common ground, Ukraine peace negotiations: key takeaways from Russia-US talks in Riyadh RECAP
セルゲイ・ラブロフ外相は米国代表団との会談を「有益」と評価
出典:RT 2025年2月18日
https://www.rt.com/news/612974-russia-us-talks-recap/