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☆寺島メソッド翻訳NEWS(2025年2月27日):CIAもニューヨーク・タイムズ紙も認める。 「北朝鮮軍がウクライナにいる」というのは噓だった。
国際※元岐阜大学教授寺島隆吉先生による記号づけ英語教育法に則って開発された翻訳技術。大手メディアに載らない海外記事を翻訳し、紹介します。
3か月にわたる激しい宣伝活動の後、CIAはウクライナの偽情報計画を葬り去ることを決定し、「北朝鮮軍を前線から撤退させる」と発表した。
さて、そもそも北朝鮮の人たちはどうやって最前線にたどり着いたのだろうか?
10月14日、ウクライナのウラジミール・ゼレンスキー「前」大統領は、ウクライナへの支持を高めるための情報作戦を開始した。彼は、ロシアが北朝鮮を戦争に巻き込む計画を立てている、と証拠もなく主張した。
米国から資金援助を受けたウクライナの報道機関はすぐに「ウクライナの特殊部隊の情報源」の話としてこれらの噂を広めた。さらに匿名の「情報源」が加わり、すぐに北朝鮮の兵士3000人が戦闘に参加する、という話になった。しかし、そのようなことが計画されたり起こったりしたという証拠はまったくなかった。
当時、私はこう書いた。
私はロシアに北朝鮮軍が駐留しているという主張全体を偽情報とみなしており、ほとんどの専門家も私と同じ判断をするだろうと確信している。
しかし、今日、米国の報道機関は、こんな馬鹿げた話を誇張して報道している。
北朝鮮がロシアの前線に兵士を派遣する理由-ワシントンポスト
ロシアの対ウクライナ戦争を支援するために兵士を派遣することは、金正恩政権に貴重な外貨をもたらし、両国間の関係強化を促進する可能性がある。…
ウクライナ軍の情報機関の主張だけを根拠とするこんな馬鹿げた話を、西側の政治家や軍人が信じるとは思えない。しかし、この問題を定着させようとするウクライナ政府が広報活動をおこなっていることは明らかだ。その望みは何だろうか? ロシアとのウクライナ国境で北朝鮮と戦うために韓国に軍隊を派遣させることか?
数日後、ウクライナの「北朝鮮」情報作戦全体が米国の計画に基づいていたことが明らかになった。
上記を書いた時点では、この広報活動をしようという考えが、しばしば戦略的な考え方を提案する国防総省の政策研究所であるRANDから出たものだとは知らなかった。ゼレンスキーによる広報活動開始の3日前の10月11日に発表されたロシア/北朝鮮と中国の協力に関する論評で、RANDの分析家アナリストは次のように書いている。
アメリカは何をすべきか?
ロシアと中国、北朝鮮の目的の違いを考慮すると、米国はこれら3カ国に対する大規模な情報作戦を展開し、その違いを浮き彫りにして不信感をあおるべきだ。
…
米国は、北朝鮮の軍事顧問団がロシアによるウクライナ占領地域での北朝鮮の軍事物資の使用を支援していることを認識すべきだ。
…
ロシアと北朝鮮のこの新たな協力は、長期的な同盟の芽生えを示す兆候とは到底言えず、米国の情報作戦によりこの同盟の崩壊を早められる可能性がある。
わずか3日後、ブダノフ将軍率いるウクライナ軍の軍事情報部は、ロシアに駐留する北朝鮮軍についての主張をウクライナの報道機関に「漏洩」し始めた。
ロシアに北朝鮮兵士が1500人、その後3000人いるという最初の噂が流れて以来、CIAの訓練を受けたウクライナ軍特殊部隊の長ブダノフ将軍は、その北朝鮮兵士の数をゼロから11000人にまで引き上げた。
しかし、NATOでさえもそのような部隊については一切知らないと否定した。
当時私は以下のようにまとめていた。
RANDがロシアの北朝鮮兵士を題材にした米国の情報作戦活動を提案した直後、CIA訓練生ブダノフ率いるウクライナ軍情報部は、北朝鮮兵士が間もなくロシア側で戦うという噂を広め始めた。ブダノフが主張する数字はその後着実に増加している。CIA と関係のある韓国の情報機関と米国報道機関もこの広報活動に加わった。下院情報委員会の委員長は、この広報活動を政治的主張に利用している。
主張を裏付けるはずだった証拠は偽物だと暴露された。つまり、この話全体は RANDが提案した筋書きに従った「諜報」の噂だけに基づいているのだ。騙されてはいけない。
この話は繰り返し語られ、どんどん大きくなっていった。報道機関は互いに引用し合い、いつもの「安全保障筋」から得たでたらめを少しずつ付け加えていった。しかし、証拠は出てこなかった。
ウクライナの政治家たちは、自らの主張の証拠が不足していることについて繰り返し質問された後、自らの解決策を提示した。
本日、ウクライナのルステム・ウメロフ国防大臣は、ウクライナがこの問題にどう対処するかについて示唆を与えた(以下は機械翻訳)。
ウクライナのルステム・ウメロフ国防相は、国家安全保障・国防会議の偽情報対策センターのアンドリー・コバレンコ所長が、ウクライナ軍と北朝鮮軍の間で最初の「小規模な戦闘」がすでに発生しており、韓国軍が損害を被ったと述べたことを認めた。
…
ウメロフ氏はまた、ロシア連邦は韓国人をブリヤート人に偽装しているため、ウクライナが敵の損失数を公表する前に、死者と捕虜を特定する必要があると述べた。
ブリヤート人はシベリアに住むモンゴル人であり、ロシア連邦の一部である。彼らの多くは高給取りのロシア軍に入隊している。ウメロフの計画は明らかだった。
ロシアのブリヤート兵が死体となって発見されると、ウクライナ軍は彼を北朝鮮の変装した兵士として提出するだろう。北朝鮮の軍服を身につけた似たような人物の白黒写真がいくつか見つかるだろう…
「これが証拠だ。今すぐ兵士と武器を送ってくれ」とウメロフは言うだろう。
それ以来、ウクライナの特殊部隊はメディアキャンペーンを強化するために何度か試みてきた。死亡したロシア兵のロシアのパスポートは「北朝鮮人」が所持する「偽造文書」として提示された。彼らはブリヤート人を捕らえたこともある。
ウクライナと軍を支援するリトアニアのNGO「ブルー/イエロー」の代表、ヨナス・オーマン氏は10月28日(現地時間)、地元報道機関LRTに対し、「我々が支援するウクライナ部隊と北朝鮮軍の最初の遭遇は25日、クルスクで起きた。私の知る限り、北朝鮮軍兵士は1人を除いて全員が死亡した。生き残った兵士はブリヤート人であることを示す身分証明書を所持していた」と語った。
その他の「証拠」には、北朝鮮の兵士が書いたとされる手書きの手紙も含まれていたが、実のところそれは、韓国人の書体と書法であった。
Wikipedia でさえ認めざるを得なかった:
2025年1月現在、ウクライナの情報源以外では、ブリヤート大隊(北朝鮮の兵士で構成されているとされる)の存在を独自に確認したものはない。
この計画の無意味さはあまりにも明白になってきた。
現在、CIAはニューヨーク・タイムズ紙の協力を得て、その話をなかったことにしている。
「北朝鮮の兵士」たちは来た時と同じように、誰にも見られずに戦場を去っている。
北朝鮮軍、ウクライナと戦う最前線に姿を見せず(アーカイブ) -ニューヨーク・タイムズ、2024年1月31日
北朝鮮は、ウクライナとの戦争でロシアを支援するため、精鋭部隊を派遣した。しかし、数ヶ月にわたり甚大な損失を被った後、部隊は最前線から撤退した。
ウクライナと米国の当局者によると、 ロシアの同盟軍と合流してウクライナ軍と戦った北朝鮮兵士らは、多数の死傷者を出し、前線から撤退した、という。
ロシア国境内でのウクライナ軍の攻勢を撃退しようとしているロシア軍を支援するために派遣された北朝鮮軍は、約2週間前線に姿を見せていないと、機密の軍事・諜報問題を語るため匿名を条件に当局者が語った。
そうだ、その文章は形式的には正しい。しかし、「北朝鮮軍はこれまでずっと前線に姿を見せていない」と言う方がさらに正確な言い方だろう。
CIA/ NYTはそこまでは行けない (まだ)。彼らはいまだに愚かな主張を続けている:
兵士の多くは北朝鮮で最も訓練された特殊部隊の兵士だが、ロシア軍は彼らを歩兵として利用し、地雷が散在する野原に波状的に送り込み、ウクライナ軍の激しい砲火でなぎ倒されているようだ。
さて、北朝鮮軍が「波状的に送り出され」、そして「ウクライナ軍の激しい砲火でなぎ倒された」写真や動画はどこにあるのだろうか?
地上でのすべての動きが数十機のドローンによって監視されている戦争において、なぜそのような場面の証拠を示す動画が1つもないのだろうか?
今のところ、RAND/ウクライナによる「北朝鮮」兵士がウクライナと戦っているという(偽)情報活動は中止されている。しかし、米国の「当局者」は都合の良い時に再開する可能性を残している。
米当局者らは、北朝鮮軍を前線から撤退させる決定は永続的なものではないかもしれない、と述べた。北朝鮮軍が追加訓練を受けた後、あるいはロシアが大規模な死傷者を出さないよう新たな配備方法を考え出した後、北朝鮮軍が復帰する可能性もある、と彼らは述べた。
おそらく今から1か月後、1年後、あるいは10年後には、北朝鮮の想像上の「敵」がロシアと結託して「我々と戦う」という話が再び聞かされることになるだろう。
※なお、本稿は、寺島メソッド翻訳NEWS(2025年2月27日)
http://tmmethod.blog.fc2.com/
からの転載であることをお断りします。
また英文原稿はこちらです⇒CIA/NYT Remove North Korean Troops From Ukraine’s Front Line
出典:ブログ。アラバマの月 2025年1月31日
https://www.moonofalabama.org/2025/01/cianyt-remove-north-korean-soldiers-from-ukraines-front-line.html