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【櫻井ジャーナル】2025.03.03XML: 追い詰められたゼレンスキーがホワイトハウスで米政府に喧嘩をうった
国際政治アメリカを訪問したウォロディミル・ゼレンスキーは2月28日にホワイト・ハウスへ乗り込み、アメリカ側のアドバイスを無視してラフな服装でドナルド・トランプ大統領との会談に臨んだ。その日、レアアースに関する協定に署名、昼食をとり、共同記者会見を開く予定だったのだが、署名の前にドナルド・トランプ大統領やJ・D・バンス副大統領と激しく口論を始め、その予定は取り消された。
口論の切っ掛けは、アメリカ側から和平を求められ、ゼレンスキーが腹を立てたことにあるように見えるが、「ファシストのトランプ」と戦う「民主主義のゼレンスキー」というイメージを作ろうとしたのかもしれない。ただ、小遣いをねだる行儀の悪い子どもにしか見えないが。
結局、口論が始めると同席していた記者は退席させられ、ゼレンスキーたちはホワイトハウスから追い出されてしまったが、この出来事がなくてもゼレンスキー政権に対するアメリカからの資金や兵器などの支援は続きそうもない。本ブログでも繰り返し書いてきたが、ゼレンスキーはイギリスの情報機関に操られている可能性が高く、今回の出来事の背景にはMI6が存在しているかもしれない。
アメリカ海兵隊の元情報将校でUNSCOM(国連大量破壊兵器廃棄特別委員会)の主任査察官を務めたスコット・リッターによると、ウォロドミル・ゼレンスキーは2020年10月にイギリスを公式訪問した際、イギリスの対外情報機関MI6(SIS)のリチャード・ムーア長官を非公式に訪問、会談している。
その訪問はジャーナリストに察知され、撮影された。その事実からゼレンスキーはMI6のエージェントであり、そのハンドラー(エージェントを管理する担当オフィサー)はムーア長官だと推測されているのだ。会談後、ゼレンスキーの警護担当者はウクライナ人からイギリス人へ交代になったという。
今回の出来事によって対立を世界に知らせることができ、ヨーロッパ諸国のリーダーから支援の声を引き出せたことは成功だと考える人もいるのだが、ヨーロッパ諸国にはロシアと戦うための資金も戦力もなく、現状ではウクライナを助けようがない。
ウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ政権をアメリカのバラク・オバマ政権がクーデターで倒したのは2014年2月のことだが、ヤヌコビッチの支持基盤だった東部や南部の人びとはクーデターを拒否、軍や治安機関では約7割が離脱したと言われている。そこでクーデター派は軍事力を高めるために8年を要したのだ。その時間を稼ぐために使われたのが2014年のミンスク1と15年のミンスク2をロシアは停戦合意にほかならない。アンゲラ・メルケル元独首相やフランソワ・オランド元仏大統領は後に、この合意がキエフのクーデター体制の軍事力を強化するための時間稼ぎだったと証言している。
クーデター直後からオバマ政権はクーデター派を支援するためにCIAやFBIの専門家数十名を顧問として送り込み、傭兵会社「アカデミ(旧社名:ブラックウォーター、Xe、2014年6月にトリプル・キャノピーと合併してコンステリス・グループ)」の戦闘員約400名がウクライナ東部での戦闘に参加。またCIAは2015年からウクライナの特殊部隊員をアメリカ南部で訓練している。そのほか、イギリス、フランス、カナダ、リトアニアの特殊部隊員がウクライナ国内出活動しているとも伝えられていた。
その後もウクライナへは国外から傭兵や軍事教官が入っている。昨年1月16日、ロシア軍はハリコフの軍事施設や旧ハリコフ・パレス・ホテルを破壊したが、この旧ホテルは西側の情報機関や軍関係者に使われていて、爆撃された際、200人近くの外国人傭兵が滞在していたと言われている。その攻撃で死傷した戦闘員の大半はフランス人傭兵で、そのうち約60名が死亡、20人以上が医療施設に搬送されたという。
ロシア国防省によると、3月1日にロシア軍はイスカンデル・ミサイルでドネプロペトロフスク州にあるウクライナ軍の試験場を攻撃し、外国人教官最大30人を含む武装勢力最大150人を殺害したという。ここではウクライナ軍第157機械化旅団の戦闘員が訓練を受けていた。ゼレンスキーがアメリカ政府の要人と口論した後、ヨーロッパの一部指導者はゼレンスキーを支持、ロシアとの戦争を煽っていたが、その影響があるかもしれない。
その一方、クーデター政権を支える勢力はウクライナへ供与した資金の一部を受け取っていたと言われ、国防総省はウクライナで生物化学兵器の研究開発を進めていた。ウクライナに平和がもたらされた場合、資金の流れや生物化学兵器に関する話が浮上してくる可能性もある。そうした展開はウクライナで戦争を推進していた勢力にとって都合が悪い。
2014年2月にヤヌコビッチが排除される前、オバマ政権で国務次官補を務めていたビクトリア・ヌランドはウクライナ駐在アメリカ大使を務めていたジェオフリー・パイアットとクーデター後の閣僚人事について電話で話し合ったいる音声が漏れ出た。その中でヌランドは「EUなんかくそくらえ」と口にしている。この発言について「品のない言葉」で誤魔化そうとする人もいたが、EUがキエフの混乱を話し合いで解決しようとしていたことに対する怒りだった。
その後、クーデターでロシアからEUへ天然ガスを運ぶパイプラインはアメリカの傀儡体制によって止められた。バルト海を通る迂回ルートの「ノードストリーム(NS1)」と「ノードストリーム2(NS2)」は2022年9月に爆破された。
この爆破をジョー・バイデン政権は予告していた。ヌランドは2022年1月27日、ロシアがウクライナを侵略したらNS2は前進しないと発言し、同年2月7日にバイデン大統領がNS2を終わらせると主張、記者に実行を約束している。そして2022年9月、NS1とNS2は爆破された。これによってヨーロッパ経済は大きなダメージを受け、社会は破壊された。それを現在のEU指導部は容認している。クーデター当時と現在ではEU指導部の考え方が逆だが、その考え方はウクライナ情勢に影響を及ぼすことはできない。話し合いが無意味だと悟ったロシア政府は軍事力で目的を達成しようとするだろう。
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【Sakurai’s Substack】
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「追い詰められたゼレンスキーがホワイトハウスで米政府に喧嘩をうった 」 (2025.03.03XML)
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