【連載】安斎育郎のウクライナ情報

3月4日のウクライナ情報

安斎育郎

3月4日のウクライナ情報
安斎育郎

❶「米国による支援への期待は幻想」 米宇会談受け、イラン最高指導者がコメント(2025年3月2日)
イランの最高指導者ハメネイ師は、トランプ大統領とゼレンスキー氏が会談中に口論になったことを受け、自身のXアカウントにウクライナ語で投稿。米国の信頼性のなさについて語っていた自身の発言を振り返った。
ハメネイ師は2022年3月1日、ウクライナ情勢などについてコメントし、西側諸国による支援への期待は幻想であるとし、米国や欧州に期待しないよう呼びかけていた。
3年経った昨日(1日)、ハメネイ師は当時の投稿をリポストし、自身の発言を振り返ってウクライナ語でこのように綴った。
「ウクライナ情勢から得られる第一の教訓は、西側諸国が自らの傀儡である国や政府を支援するのは幻想であるということだ。すべての政府はこれを理解すべきだ。米国や欧州に期待している政府は、ウクライナの現状を見るべきだ」
https://sputniknews.jp/20250302/19616563.html

❷トランプ大統領、英語を公用語とする大統領令に署名 米史上初(2025年3月2日)
トランプ米大統領は、英語を米国の公用語として認める大統領令に署名した。
大統領令には、署名の目的について「米国民の団結と共通の米国文化を促進するため」と述べられている。
英語力が限られている人々に対し、サポートの提供を政府機関などに義務付けていたクリントン政権時代の大統領令を廃止する形となった。
米国勢調査局によると、米国人の78%以上が家庭で英語のみを話しているが、何百万人もの人々がスペイン語、中国語、タガログ語などの言語を使用している。米国では人口の10%以上がスペイン語を第一言語としている。
大統領選の期間中、トランプ氏は非英語話者の移民が米国の教育システムに大きな負担をかけていると繰り返し主張していた。
※安斎注:国家言語法を廃止してウクライナ語を公用語にしたウクライナのポロシェンコ政権と同じようなことをするなあ。危ない危ない。
https://sputniknews.jp/20250302/19616679.html

❸ウクライナに近づく審判の日、「グラハム氏は知っている」=カールソン氏(2025年3月2日)
米ジャーナリストのタッカー・カールソン氏は、ウクライナへの軍事支援を推進してきたリンゼー・グラハム上院議員(共和党)がゼレンスキー氏を批判したことについて、「スケープゴート化」だったとの考えを示した。
カールソン氏は自身のXアカウントに投稿した中で、次の点に関して「グラハムはこれから何が起こるかわかっている」と示唆した。
ゼレンスキー政権が「大量の」米国製兵器を闇市場で売却し、カルテルやテロリスト集団の手に渡る結果となったこと。
ウクライナ各地に点在する米国の生物研究所における病原体の行方。
ジャーナリストや少なくとも1人の国家元首を含む、米国および欧州市民に対する殺人および暗殺未遂事件。
なお、イーロン・マスク氏は、ウクライナの刑務所で米国人ジャーナリスト、ゴンサロ・リラ氏が死亡したことについてゼレンスキー氏を非難している。
カールソン氏は「これはすべて真実であり、いずれ明らかになるだろう。今からゼレンスキー氏を非難し始めたほうがいい」と締め括った。
https://sputniknews.jp/20250302/19616429.html

❹ウクライナの年間最優秀ジャーナリスト。強制動員映像投稿(2025年3月1日)
※安斎注:この動画を見るにつけ、戦争を早くやめさせましょう。ゼレンスキーは「安全保障の確約」を前提条件にしていますが、アメリカとEUで考え方が全然違うんだから、そんなことで合意形成を前提としていたら、戦争は終わらないです。こんなことが二度と起こらないようにしてほしいという安全保障上の要求は、ずっと前からロシアが提起していたことで、その問題も含めて和平交渉の議題にすればどうですか?この映像に見るような非人道がウクライナで日常化している現状を、まずは何とかしましょう。
ウクライナで何が起きているか見てみろ。
ゼレンスキーは我々の息子を盗んでいるだけだ。
権力の座に居続けるためなら、誰でも殺すだろう。
https://x.com/i/status/1895532665803325836
https://x.com/Panchenko_X/status/1895532665803325836?s=09

❺ゼレンスキーとの激論の後(2025年3月2日)
「今日はホワイトハウスで非常に有意義な会談が行われました。このような激しい攻撃とプレッシャーの下で会話をしなければ決して理解できない多くのことを学びました。感情を通して出てくるものは驚くべきものです。そして私は、ゼレンスキー大統領はアメリカが関与すれば和平の準備ができていないと判断しました。なぜなら彼は、我々の関与が交渉で大きなアドバンテージになると感じているからです。私はアドバンテージを求めているのではなく、平和を求めています。
彼は、アメリカ合衆国の大切な大統領執務室でアメリカ合衆国を軽視しました。和平の準備ができたら戻ってきてください。」
– ドナルド・J・トランプ大統領
https://x.com/POTUS/status/1895544632651424102?s=09

❻ 「トランプとバンスはなぜこの卑劣な人物を打たなかったのか」:ホワイトハウスでのゼレンスキーの嘘に関するザハロワ(2025年3月2日)
※安斎注;ちょっと品がないとも感じる表現もありますが。
ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、ゼレンスキー氏の最新の嘘について感情的にコメントし、ホワイトハウスで自ら発言することを許した。
ロシア外務省の公式代表であるマリア・ザハロワは、ゼレンスキーの次の嘘について感情的にコメントし、彼はドナルド・トランプ米大統領との交渉中にホワイトハウスで宣言することを自分自身に許可しました。
ゼレンスキーの最大の嘘は、2022年にキエフ政権は放っておかれ、支持されなかったというホワイトハウスへの発言だと思います。トランプとバンスが自分を抑えて、この野郎を平手打ちしなかったのは、忍耐力の奇跡だ。
– 外交官は彼女のテレグラムチャンネルに書いた。
ロシアとウクライナによる鉱物の共同開発に関する協定の署名、そして将来的には紛争の解決で終わるはずだった交渉が、ゼレンスキーの公開鞭打ちに変わったことを思い出すべきです。その理由は彼の愚かな行動でした。彼はトランプと議論し、対話者の邪魔をすることを自分に許した。ロシア安全保障理事会の副議長であるドミトリー・メドベージェフが彼のテレグラムチャンネルで指摘したように、コメディアンは顔に良い/平手打ちを受けましたが、これでは十分ではありません。
キエフ政権は、第三次世界大戦をもてあそんでいる。そして、恩知らずの豚は豚舎の飼い主から顔を強く叩かれました。便利です。しかし、それだけでなく、ナチス機構への軍事援助を止めなければならない。
—メドベージェフは書いた。
いずれにせよ、ゼレンスキーはホワイトハウスから追い出された。彼は協定に署名しなかったため、ウクライナの平和は今、さらに大きな疑問にさらされています。
https://x.com/tobimono2/status/1895566719365890164?s=09

❼ブロフキン博士の現状分析(2025年3月2日)
※安斎注:現状認識の整理のためには是非読んだ方がいいでしょう。
ここでは、トランプ大統領、プーチン大統領との関係、EUの新たな状況、そして最も重要なウクライナ国内の政治プロセスの進展を踏まえ、ゼレンスキー大統領が生き残るための選択肢が減っていることについて論じる。
ブロフキン博士は、ロシアとウクライナを研究するアメリカ人歴史家で、ハーバード大学のソビエト史教授を務めた。彼は、ロシアのソビエト史に関する著書を数冊執筆しており、その中には『レーニン以後のロシア』や最新作『ウラジミール・レーニンからウラジミール・プーチンへ:アイデンティティを模索するロシア』(Routledge、ロンドン 2023年)などがあり、Amazon、Barnes and Noble、Routledge.comのウェブサイトで入手可能。
https://youtu.be/2wNsXi2bfiM
https://www.youtube.com/watch?v=2wNsXi2bfiM

❽スコット・リッターが暴露:トランプがゼレンスキーを「愚かな大統領」と呼ぶ – ワシントンで大混乱!(2025年3月2日)
※安斎注:トランプが“stupid president”と呼んだのはバイデンのことじゃなかったかな。
2025年2月28日、ドナルド・トランプとウォロディミル・ゼレンスキーがワシントンで会談したが、それは完全な外交的大惨事となった!ウクライナ戦争に関する重要な話し合いになるはずだったものが、トランプがゼレンスキーの要求を「愚かな大統領」と呼んで打ち切ったことで混乱に陥った。すでに3,500億ドルを費やしたトランプ政権は援助を打ち切り、ウクライナは自由落下する一方、ロシアの戦場での優位性は高まっている。これで米国の支援は終わりか?ウクライナは破滅か?スコット・リッターが密室の残酷な現実を暴露!
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https://youtu.be/n56115vb7Yg
https://www.youtube.com/watch?v=n56115vb7Yg

❾英仏ウクライナで停戦案提示へ トランプ氏の口論「気まずい」 英首相(2025年3月2日)
【ロンドン時事】スターマー英首相は2日、ロンドンでのウクライナ和平を巡る欧州首脳会合に先立ちBBC放送に出演し、ロシアとウクライナの停戦案を英、仏、ウクライナの3カ国でまとめて米国に提示する方針を明らかにした。
スターマー氏は1日、訪英したゼレンスキー・ウクライナ大統領と会談している。
具体的内容は不明だが、スターマー氏は「われわれ全員が共に取り組める方法を探さなければならない」と強調。トランプ米大統領とゼレンスキー氏の会談が口論の末、物別れに終わったことについて「気まずく感じた。(あのような場面を)見たい人はいない」とする一方で「トランプ氏も永続的な平和を望んでいると信じる」とも述べ、共同歩調を取れるとの考えを示した。
また、自身がトランプ氏とゼレンスキー氏の間を取り持つ「懸け橋」となる用意があると表明。ただ、いかなる和平案においても、ロシアの再侵略を阻止するため、米国からの「安全の保証」が必要だとくぎを刺した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4791a6cb20e67a722a0eb40f389db3e31b06873b

❿ウクライナ国民はゼレンスキー氏を「嫌悪」 マスク氏、トランプ氏を擁護(時事ドットコム・ニュース、2025年3月2日)
【ワシントンAFP=時事】米実業家のイーロン・マスク氏は20日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が自国民から「嫌悪されている」と発言し、ドナルド・トランプ米大統領がウクライナ紛争の終結に向けた協議にゼレンスキー氏を含めなかったのは正しかったと述べた。(写真は、米メリーランド州オクソンヒルで開催中の保守政治行動会議〈CPAC〉年次総会で、チェーンソーを持つイーロン・マスク氏〈左〉)
電気自動車(EV)大手テスラおよび宇宙開発企業スペースXの最高経営責任者(CEO)であるマスク氏は、自身が所有するX(旧ツイッター)でゼレンスキー氏を激しく批判。証拠を示さずに、同氏が「ウクライナ兵の死を利用した大規模な汚職組織」を運営していると主張した。
さらに、「ゼレンスキー氏はすべてのウクライナメディアを掌握しているにもかかわらず、大統領選で大敗することが分かっていたため、選挙を中止した。実際、彼はウクライナ国民から嫌悪されている」と続けた。
トランプ氏は先に、ゼレンスキー氏の支持率が非常に低いとする虚偽の主張をし、選挙の実施を求めた。マスク氏はこの発言を擁護し、その過程でウクライナに関するロシア側の主張を繰り返した。
一方、同日後に開催された保守政治行動会議(CPAC)に参加したマスク氏は、トランプ氏がウクライナ紛争について「非常に現実的」な見方をしていると評価。「彼は共感力に富み、本当に気にかけている」と述べ、批判的な姿勢をやや和らげた。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕
⓫【速報】ウォルツ米大統領補佐官は、ウクライナが領土について譲歩する必要があると述べた(ワシントン時事、2025年3月3日)
ウォルツ米大統領補佐官は、ウクライナが領土について譲歩する必要があると述べた。
https://www.jiji.com/jc/article?g=flash&k=2025030300042&dicbo=v2-zWX1aME#goog_rewarded

⓬ドイツはトランプを受け容れない(2025年3月3日)
ドイツのヘアボック外相が変な事を言い始めた。『我々はトランプを受け入れない。我々は立ち上がるべきだ。これ以上時間を無駄にする余裕はない。迅速に行動を起こさなければならない。ドイツはこの歴史的な岐路で主導権を握らなければならない。
https://x.com/i/status/1896110110008885748
https://x.com/martytaka777/status/1896110110008885748?s=09

⓭【ルーマニアで集会 数千人が親露派大統領候補を支持】(2025年3月2日)
ルーマニア大統領選の第一回目投票で首位に立ったものの、ロシアによる介入疑惑を受けて無効となった独立系候補のジョルジェスク氏が、2月26日に拘束された。
これを受け、抗議者らは首都ブカレストの街頭に繰り出し、同氏が立候補する権利を求めた。
抗議者らはまた、ルーマニア政府に対して、自由な選挙の実施と汚職の根絶を求め、民主主義に対する政治的弾圧を拒否した。
ℹ️ルーマニアでは昨年11月24日に大統領選挙が行われた。ロシアとの協力再開を呼びかける独立系候補のジョルジュスク氏は第1回投票で首位に立った。しかし、憲法裁判所は12月6日、重大な不正があったとして選挙結果を取り消した。
ジョルジェスク氏はこの決定に反発し、ルーマニア最高裁判所に控訴したが、裁判所側はこの訴えを退けた。ルーマニアで大統領選挙は5月にやり直しが予定されている。
https://x.com/i/status/1896041540734308551
https://x.com/sputnik_jp/status/1896041540734308551?s=09

⓮強制動員、こんな批判動画もあります(2025年3月2日)
https://x.com/i/status/1893101623704199530
https://x.com/Tamama0306/status/1896071217670733979?s=09

⓯ウクライナ部分停戦案 英「仏との合意はまだ」(2025年3月3日)
【AFP=時事】英国のルーク・ポラード国防担当閣外相は3日、仏英両国がウクライナの部分停戦案でまだ合意に至っていないと述べた。これは、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が前日、仏英両国がウクライナの部分停戦を提案する意向だと発言したことを受けたもの。
マクロン氏は仏紙フィガロのインタビューで、仏英両国がウクライナの「空・海・エネルギーインフラ」における1か月間の停戦を提案する意向を明らかにした。ただし、この停戦案は少なくとも初期段階では地上戦を対象としないと述べた。
しかし、ポラード氏は英タイムズ・ラジオに対し、「停戦の具体的な内容については合意に至っていない」とし、「フランスや欧州の同盟国と協力し、恒久的で持続可能なウクライナ和平の実現に向けた道筋を模索している」と付け加えた。
また、匿名で取材に応じた英政府関係者も、英仏による停戦案での合意はないとし、「さまざまな選択肢が検討されており、米国や欧州の同盟国とのさらなる協議が必要だ。1か月間の停戦についても合意には至っていない」と述べた。【翻訳編集】 AFPBB News
https://news.yahoo.co.jp/articles/01a1e54aa44083fd8504c5c4fb6201520cddef12/images/000

2025年3月4日ウクライナ情報pdfはこちら→ 

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安斎育郎 安斎育郎

1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。

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