【連載】安斎育郎のウクライナ情報

3月19日のウクライナ情報

安斎育郎

3月19日のウクライナ情報
安斎育郎

❶ ロシア、和平合意でウクライナのNATO加盟排除要求へ=外務次官(ロイター、2025年3月17日)
※安斎注:これはウクライナ戦争の原因の一つなのだから、ロシアとしては当たり前の要求です。
[17日 ロイター] -ロシアのグルシュコ外務次官は、ウクライナとのいかなる和平合意においても、北大西洋条約機構(NATO)がウクライナの加盟を拒否し、ウクライナが中立を維持するという保証を求める考えを示した。ロシア紙イズベスチヤが17日報じた。
グルシュコ氏は同紙に対し「鉄壁の安全の保証が合意の一部となることを要求する」とし、「これらの保証の一部として、ウクライナの中立的地位、NATO加盟国によるウクライナの受け入れ拒否が必要だ」と述べた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7443095a09c1cf3edd6a67737083087d18c55340/images/000

❷ウクライナ製の新型ミサイル発射成功、射程1000キロでモスクワが攻撃圏内に…精密攻撃が可能(讀賣新聞、2025年3月17日)
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は15日、ウクライナ製の新型の長射程ミサイル「ロング・ネプチューン」の実戦での発射に成功したとSNSで発表した。射程は1000キロ・メートルとされ、ロシアの首都モスクワが攻撃圏内に入ることになる。
使用された日時や攻撃の内容は明らかにしなかった。ウクライナのニュースサイト「ウクライナ・プラウダ」は、露南部クラスノダール地方で14日、製油所で大規模火災が起きた攻撃に使われた可能性を指摘している。ウクライナメディア「ミリタルヌイ」によると、新型ミサイルは対艦巡航ミサイルを地上用に改良。射程を約360キロ・メートルから2倍以上に伸ばした。衛星の位置情報による精密攻撃が可能だという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e30eaedde4410f7f734346ee368393bb045ea3e0

❸ロシア軍、クルスク州で最後のウクライナ軍兵士ら排除へ戦闘(ロイター、2025年3月17日)
[モスクワ 16日 ロイター] -ロシアの軍事ブロガーによると、ロシア軍はウクライナ軍が越境攻撃を行ってきたロシア西部クルスク州で、最後のウクライナ兵士らを排除しようと戦っている。
ウクライナ軍は昨年8月に越境攻撃を開始し、1368平方キロ以上を制圧したとしていたが、今月のロシア側の攻勢により、オープンソースの地図によると、ウクライナの支配地域は約110平方キロに縮小している。
親ロシアの著名軍事ブロガー、ユーリ・ポドリャカ氏は、ロシア軍が一部地域でウクライナ軍を国境まで押し戻したと述べた。ただ、激しい戦闘が続いており、ウクライナ軍は後退しながらも反撃しているという。
また、ロシアの戦争ブログ「トゥー・メジャーズ」は、戦場で優勢となったロシア軍が、クルスク州と国境を隔てたウクライナ北東部スムイ州を脅かしているとした上で、この地域ではウクライナ軍が以前から防衛を強化していると警告した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/db2bfb5e24dfed2e0541cec98dcb737f08809c70/images/000

❹ウクライナがクルスク州スジャの放棄を認める、越境攻撃最大の拠点 参謀総長は交代(産経新聞、2025年3月17日)
ウクライナ軍参謀本部は16日、越境攻撃を行ったロシア西部クルスク州の戦況図を更新した。戦況図では、ウクライナ軍が占領していた同州の小都市スジャについて露軍の支配下にあると記載した。スジャからの撤退を公式に認めた形。一方、同州にはなおウクライナ軍の支配地域が残っているとも記載した。
スジャはウクライナ軍が昨年8月に着手した越境攻撃で占領した最大の拠点で、駐屯司令部を設置していた。露国防省は今月13日、スジャを奪還したと発表していた。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、同国軍のグナトフ副参謀長を新たな参謀総長に任命した。統制の効率化が目的だという。これに伴い、バルギレビッチ前参謀総長は同国国防省の監察部門に異動した。(小野田雄一)
https://news.yahoo.co.jp/articles/55e608244cc32ef0454ac4a0dbc234e85749949a/images/000

❺ウクライナへ「有志連合」派遣部隊、英仏中心に1万人超か 英紙報道(朝日新聞、2025年3月17日)
停戦後のウクライナへ安全を提供する「有志連合」の計画をめぐり、英紙サンデー・タイムズは16日、派遣される地上部隊の規模は1万人超で、多くが英国とフランスから派遣される可能性が高いとした。英国政府関係者の話として伝えた。
英国はフランスとともに、有志連合の派遣計画を練っている。15日にはスターマー英首相の呼びかけで、ウクライナや欧州、カナダの首脳に加え、北大西洋条約機構(NATO)のリーダーら、29人による首脳級会合をオンラインで開催した。
英国軍の関係者は同紙に、地上部隊の規模が「1万人を優に超える」と述べた。複数の国が地上部隊の派遣を表明しているが、大半は英国とフランスから送られる可能性が高いという。また、35カ国前後がこの部隊に武器を提供し、兵站(へいたん)、諜報(ちょうほう)活動の支援を行うことに合意しているという。
英国では20日、各国の軍幹部による会合が開かれる予定。(ブリュッセル=森岡みづほ)
https://news.yahoo.co.jp/articles/b28ad658f6af27fca23faed58da38457c897775d/images/000

❻ トランプ大統領の政策、まず何よりも米経済に「悲劇」-仏中銀総裁(2025年、ブルームバーグ、2025年3月14日)
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのビルロワドガロー・フランス中銀総裁はトランプ米大統領の政策について、米国にとって「悲劇」だと指摘した。トランプ氏が招いた貿易戦争に欧州が巻き込まれる中、同氏に対する批判を強めた。
ビルロワドガロー総裁は13日のパネルディスカッションで、トランプ政権は経済をボードゲーム「モノポリー」の世界版と捉えてていると述べた。モノポリーはプレーヤーが不動産を建設してライバルから高い賃料を徴収し、対戦相手を破産に追い込むゲーム。
同総裁と共に討論会に参加した別のECB政策委メンバー、ナーゲル・ドイツ連邦銀行総裁は、トランプ政権の政策を「経済版の恐怖の館(やかた)」からのものだと表現した。
13日にトランプ氏は、フランスをはじめとする欧州連合(EU)加盟国から輸入されるワインやシャンパンなどのアルコール飲料に200%の関税を課す方針を示した。欧州と米国の間の貿易戦争がさらにエスカレートした。
ビルロワドガロー総裁は「われわれは米選挙について、経済に関する警鐘だと昨年指摘したが、正直なところ、その衝撃の激しさは予想をはるかに超えている」とし、「今起きていることは、まず何よりも米経済にとって悲劇だ」と語った。
原題:Bank of France Chief Says Trump Economic Policy Is a ‘Tragedy’(抜粋)
https://news.yahoo.co.jp/articles/7f60953fc5febccfedaf922988f4742b09843a9c/images/000

❼米ロ首脳、今週電話会談へ ウクライナ停戦に向け=米特使(ロイター、2025年3月17日)
[16日 ロイター] -トランプ米大統領は今週、ロシアのプーチン大統領と電話会談し、ウクライナでの3年にわたる戦争を終わらせる方法について協議する見通しだ。トランプ政権のウィットコフ中東担当特使が16日明らかにした。
13日にロシアでプーチン氏と会談したウィットコフ氏はCNNに対し、「今週、両首脳による電話会談が行われる見通しだ。われわれはウクライナ側との交渉や対話も継続している」と述べた。
トランプ大統領とプーチン大統領の会談は前向きなものになるだろうと語った。
トランプ氏はウクライナが先週受け入れた30日間の停戦案に対するプーチン氏の支持を得ようとしている。
ウィットコフ氏とルビオ国務長官、ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)は16日にそれぞれ出演したテレビ番組で、ロシアが停戦、ましてや戦争の最終的な平和的解決に同意するまでには、まだ取り組むべき課題が残っていると強調した。
ウォルツ氏はABCで、ロシアがウクライナ東部の占領地域を保持することを認める和平合意を米国は受け入れるかとの質問に対し「ウクライナ領の隅々から全てのロシア人を追い出すのか」と問い返し、「現実」に基づいた交渉を行う必要があると述べた。
ルビオ氏はCBSに対し、最終的な和平合意には「多くの努力とロシア、ウクライナ双方の譲歩」が必要になるとし、互いを攻撃し合っている限り、交渉を始めることすら難しいとの見方を示した。
https://www.sankei.com/article/20250317-E5IS5BXEXZKNRD3NXLX6EG5B24/

〈関連情報〉
ロシアが一時停戦案に厳しい条件提示か 米ロ両首脳が近く電話会談へ (2025年3月15日)
https://youtu.be/zxYiHEV2V-U
https://www.youtube.com/watch?v=zxYiHEV2V-U

❽ クルスクの婦人の証言(2025年3月16日)
クルスク地方の高齢女性はウクライナ兵に恐怖を感じ、納屋に身を隠していた。彼女は、ウクライナ兵達が家に侵入し金を盗んで行ったと語った。
「バッグの中の財布に850ルーブル入っていたが、彼らはそれを全部盗んでいった」
https://x.com/i/status/1901258434521247984
https://x.com/tobimono2/status/1901258434521247984?s=09

❾ウクライナにおける今日の強制動員(2035年3月17日)
https://x.com/i/status/1901296232410251385
https://x.com/Tamama0306/status/1901296232410251385/video/1

❿漫画家・蔵本千夜のウクライナ戦争取材シリーズ(2025年3月16日)
我々は、我国の当局がキエフのプロパガンダ屋や、ロシア人嫌いの外国人も含め、これらの嘘を広めた人々の卑劣な嘘を暴き、ロシア兵や全てのロシア人に対する悪辣な中傷の責任者を裁判にかけ、厳罰に処すために、十分な証拠や証言を集めていることを期待している
https://x.com/ohihsxx/status/1901411999348887666?s=09

2025年3月19日ウクライナ情報pdfはこちら⇒

 


 

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安斎育郎 安斎育郎

1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。

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