【連載】今週の寺島メソッド翻訳NEWS

☆寺島メソッド翻訳NEWS(2025年3月20日):プーチン大統領とトランプ大統領の2時間半にもわたる電話会談がついに実現。その要点のロシア側からのまとめ。

寺島隆吉

※元岐阜大学教授寺島隆吉先生による記号づけ英語教育法に則って開発された翻訳技術。大手メディアに載らない海外記事を翻訳し、紹介します。


© スプートニク/クリスティーナ・コルミリツィナ

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と米国のドナルド・トランプ大統領は2時間以上に及ぶ電話会談をおこない、ウクライナ紛争の平和的解決について話し合った。

クレムリンは、両首脳が30日間の停戦、捕虜交換や海上安全保障の提案について話し合い、プーチン大統領がトランプ大統領の提案に前向きに反応した、と報じた。両首脳は米露関係の正常化に関心を示し、世界の安全保障や経済協力、さらにはNHLとKHLのホッケー試合のような文化交流についても協議を続けることで合意した。

クレムリンは電話会議の結果の以下のような概要を発表した。

ウラジーミル・プーチン大統領とドナルド・トランプ米大統領の電話会談は2025年3月18日におこなわれた。

プーチン大統領は、紛争の平和的解決への決意を再確認し、徹底的かつ包括的な解決に向けて米国の交渉相手と緊密に協力する用意がある、と表明した。プーチン大統領は、いかなる合意も持続可能かつ長期的なものでなければならず、危機の根本原因に対処しつつロシアの正当な安全保障上の利益を考慮しなければならない、と強調した。

トランプ大統領からの30日間停戦の提案に関して、ロシア側は、前線全体にわたる停戦の効果的な監視やウクライナでの強制徴兵の停止、軍の再軍備の停止など、重要な懸念事項を強調した。ロシアはまた、ウクライナ側が過去の合意を損なってきた歴史による深刻な危険性を指摘し、クルスク地域でウクライナの過激派が民間人に対しておこなったテロ攻撃に対する注意を喚起した。

また、さらなる緊張の高まりを防ぎ、政治外交的解決に向けて取り組むための重要な条件は、ウクライナに対する外国の軍事援助と情報共有の完全な停止である、とも強調された。

トランプ大統領が最近、クルスク地域で包囲されているウクライナ軍の安全確保を要請したことに対し、プーチン大統領はロシアが人道的配慮に基づいて行動していることを確認した。同大統領は、降伏したウクライナ軍兵士には安全が与えられ、ロシアの法律と国際人道規範に従って扱われる、とトランプ大統領に保証した。

会談中、トランプ大統領は双方が30日間エネルギーの生活基盤施設への攻撃を控える、という合意を結ぶことを提案した。プーチン大統領はこの提案を歓迎し、直ちにロシア軍にこれに従うよう指示した。

プーチン大統領は黒海の海洋安全保障に関するトランプ大統領の提案にも建設的に反応し、両首脳はそのような取り決めの詳細をさらに詰めるための交渉を開始することで合意した。

プーチン大統領はトランプ大統領に対し、ロシアとウクライナは3月19日に双方の捕虜175人による捕虜交換を実施する予定である、と伝えた。さらに、親善のしるしとして、ロシアは現在ロシアの病院で治療を受けている重傷を負ったウクライナ兵23人を移送する予定である、とも述べた。

両首脳は、議論された提案を盛り込み、ウクライナ紛争の二国間解決に向けた努力を継続する決意を再確認した。また、この解決を促進するため、ロシアと米国の専門家団が設立されることも決められた。

プーチン大統領とトランプ大統領は、中東や紅海地域の情勢など、より広範な国際問題についても協議した。両大統領は、危機地域の安定化に向けた取り組みを調整し、核不拡散と世界安全保障に関する協力を強化することで合意した。これにより、米露関係全体の状況が改善されることになる。こうした協力の好例として、ウクライナ紛争に関する決議案に両大統領が国連で共同投票したことがある。

両首脳は、世界の安全と安定の確保におけるロシアと米国の共通の責任を認識し、二国間関係の正常化に共通の関心を表明した。この文脈で、両首脳は、相互に利益のある経済およびエネルギーについての共同努力に関する議論を含む、協力できる可能性のあるさまざまな分野について検討した。

トランプ大統領は、NHLとKHL(*)の選手によるホッケーの試合を米国とロシアで開催する、というプーチン大統領の考えを支持した。

両大統領は議論されたすべての事項について連絡を取り合うことに同意した。

*訳注
NHL(ナショナル・ホケー・リーグ):北米のプロアイスホッケーリーグ
KHL(コンチネンタル・ホッケー・リーグ):ロシア・ベラルーシカザフスタン・中国で構成されているプロアイスホッケーリーグ(出典『ウイッキペディア』)

※なお、本稿は、寺島メソッド翻訳NEWS(2025年3月20日)「プーチン大統領とトランプ大統領の2時間半にもわたる電話会談がついに実現。その要点のロシア側からのまとめ。」
http://tmmethod.blog.fc2.com/
からの転載であることをお断りします。

また英文原稿はこちらです⇒Kremlin releases Putin-Trump phone call summary (FULL STATEMENT)
両首脳は、30日間の停戦提案や捕虜交換、海上安全保障など、重要な問題について協議
出典:RT 2025年3月18日
https://www.rt.com/russia/614436-kremlin-text-phone-trump/

寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

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