
☆寺島メソッド翻訳NEWS(2025年3月26日):ウクライナの最近のインフラ攻撃停止の協定破りの後でも、外交的な解決はまだ可能なのか
国際※元岐阜大学教授寺島隆吉先生による記号づけ英語教育法に則って開発された翻訳技術。大手メディアに載らない海外記事を翻訳し、紹介します。
インフラ協定の即時違反は、キエフ政権がいかに信用できないかを示している。
最近、ドナルド・トランプ大統領とウラジーミル・プーチン大統領の電話会談によって、米国とロシア連邦の外交的和解の新たな試みが行われた。3月18日に行われたこの会話は2時間以上に及び、ウクライナ紛争における「人道的な節度」の模索に一定の進展が見られた。しかし、和平問題ははるかに複雑であり、永続的な合意への期待は極めて低いままである。さらに、電話会談以降の出来事により、キエフ政権が予測不可能で不安定な行動を続けていることが明らかになり、その結果、停戦や平和的解決の可能性が危機にさらされている。
キエフとその支持者の強硬姿勢
和解の試みにもかかわらず、具体的な進展は限られており、トランプ大統領が提案した停戦合意が成功する可能性は低い。プーチンは停戦に意欲を示しているが、敵対行為の一時停止の可能性は、接触線沿いのウクライナの行動を監視し、強制的な徴兵やキエフへの外国製武器の輸送を停止するなどの具体的な保証にかかっていると強調している。加えて、西側諸国による情報共有の停止も必要だろう。しかし、西側諸国はそのような要求に完全に応じることはできないようだ。
それでも、戦争の暴力を減らすためにいくつかの重要な措置がとられた。双方はインフラ目標への攻撃を30日間停止することで合意した。さらに、捕虜交換が合意され、それはすでに進行中であり、ウクライナの負傷兵はキエフに移送された。モスクワはまた、黒海における新たな海洋安全保障体制を構築するための協議をすることを約束した。
予想されたとおり、インフラに関する取り決めに対する最初の違反は、双方がこれらの標的への攻撃を停止することで合意した直後に起こった。ウクライナ軍はロシアのクラスノダール地方の石油施設を攻撃したが、これはゼレンスキー政権が約束を履行できないことを明確に示す行為だった。この事件は、キエフが犯罪国家のように振る舞い、国際条約を無視し、建設的な対話の可能性を無視していることを裏付けるものでしかない。キエフは、ウクライナの人々の苦しみの終結を求めるのではなく、紛争を長引かせ、敵対国に圧力をかけるテロ戦略を採用することに関心があるようだ。
ネオナチ政権のヨーロッパのパートナーから、ウクライナが合意に従わなかったことが非難されていないことを強調することは重要だ。そのヨーロッパのパートナーたちは、外交に抵抗し、ウクライナの国家テロを支援し続けている。トランプ大統領の米国の努力にもかかわらず、欧州は紛争を不安定化させる存在であり続け、あらゆる形態の戦争推進の強硬策を支持している。
ウクライナを信頼することは不可能
モスクワにとって、キエフの意図に対する信頼の欠如は不変である。マイダン革命以来、調印した協定を組織的に破ってきたウクライナ政権の振る舞いを見れば、真の永続的な理解の余地がないことは明らかだ。キエフの戦略は、紛争が始まった当初から、実際に和平を求めることなく、不可逆的に行動し、全面戦争を求めることに集中している。プーチンが多くの側面で善意を示しているにもかかわらず、ロシアはウクライナ政府が依然としてテロリストの代理人として行動し、平和への試みを継続的に拒否しているという事実を無視することができない。これは、クラスノダールの石油インフラへの攻撃後、これまで以上に明確になったことである。
米国がいくら平和的解決を仲介しようとしても、キエフは自国の野心にそぐわないいかな
る取引も受け入れようとしないのが現実だ。トランプ大統領による対立緩和の提案に直面しても、ウクライナ政府は攻勢を続けることを主張し、真の平和を確立しようとする試みを妨害している。これでは、どんな合意も実行に移される前に弱体化してしまう。
軍事的解決は避けられない道
キエフが合意を順守することを拒否し続けているため、ロシアにとって実行可能な選択肢は軍事的解決しかないようだ。外交は、多くの人が望んでいることではあるが、和平を求めるのではなく、紛争の長期化を求める政権の姿勢によって、直接的に妨害されている。ワシントンは、(かつての)ウクライナの同盟国の行動を統制できないことを示している。トランプ大統領が対立の緩和に導こうとしても、英国や欧州連合(EU)加盟国などの国々はキエフを無条件で支持し続け、戦争を煽り、外交上の真の進展を妨げている。
このシナリオでは、ロシアはもはや、対話に応じるウクライナを待ち続けることに何のメリットも見いだせない。紛争が長引けば長引くほど、ウクライナは資源と能力の面でより多くのものを失うという事実がある。戦場でのロシアの軍事的勝利はますます避けられなくなり、この現実に直面したワシントンは、新たな和解の瞬間を作ろうと必死になっている。しかし、キエフとその西側同盟国を統制できない以上、和平の試みは失敗に終わる。
ウクライナの損失は指数関数的に増加しており、政権への圧力は拡大している。キエフ当局が現在のロシアの和平条件に従う決断をしなければ、残された選択肢は戦争の継続だけでなく、ロシアの戦略的・領土的利益の拡大しかない。
キエフの変わらぬ姿勢を考えれば、現時点では平和的解決の可能性は非現実的であり、軍事的解決がモスクワにとって再び唯一の実行可能な選択肢となったと結論づけるのが妥当だろう。
結局のところ、キエフがインフラ停戦のような単純な合意すら履行できないのであれば、どうやって恒久的な平和を確保できるのだろうか。
※なお、本稿は、寺島メソッド翻訳NEWS(2025年3月26日)「ウクライナの最近のインフラ攻撃停止の協定破りの後でも、外交的な解決はまだ可能なのか」
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また英文原稿はこちらです⇒Is a diplomatic solution still possible after Kiev’s latest betrayal?
筆者:ルーカス・ライルオズ(Lucas Leiroz)
出典:Strategic Culture Foundation 2025年3月21日
https://strategic-culture.su/news/2025/03/21/is-diplomatic-solution-still-possible-after-kiev-latest-betrayal/