【連載】安斎育郎のウクライナ情報

3月27日のウクライナ情報

安斎育郎

3月27日のウクライナ情報
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❶米との協議結果、公表せず ウクライナ部分停戦巡り ロシア(2025年3月25日)
【ワシントン時事】米国、ロシア両政府は24日、ロシアの侵攻が続くウクライナでの部分停戦を巡り、サウジアラビアの首都リヤドで実務者会合を開いた。
ロシア側関係者は米ロ共同声明を25日に発表すると述べていたが、ロシアのペスコフ大統領報道官は同日、協議結果は双方で「分析中」だとし、公表しない考えを示した。
ロシアとウクライナが既に合意しているエネルギー施設への攻撃停止に関し、具体的対象や条件を明示することが課題。黒海での戦闘休止で一致するかも焦点となっている。
米ロの実務者会合は、休憩を挟みながら12時間以上続いた。AFP通信によると、米代表団は25日にウクライナ代表団との会合に臨み、攻撃対象から外す施設などについて詰めの議論を行ったもようだ。
トランプ米政権は当初、30日間の全面的停戦を目指した。しかし、トランプ大統領とロシアのプーチン大統領は18日の電話会談で、エネルギー施設への攻撃停止という部分停戦にのみ合意。ウクライナのゼレンスキー大統領もこの後のトランプ氏との協議で部分停戦に同意した。米政府は、攻撃停止の範囲を段階的に拡大するなどして、和平につなげたい考えだ。
プーチン政権は黒海での停戦を、2022年に国連とトルコが仲介し、黒海経由でウクライナ産穀物を輸出する合意を「復活」させる試みと位置付ける。同合意を巡っては、ロシアが後に履行を停止した経緯がある。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3c158c0533961212a12b71e17d7b51aa5225b157/images/000

❷元ウクライナ大使の馬渕睦夫さん。2022年ロシア軍事作戦の背景を語る。これが真実だろ(2025年3月23日)
https://x.com/i/status/1903650457433829729
https://x.com/hide_Q_/status/1903650457433829729?s=09

❸「ロシアは情報でホワイトハウスに影響」とゼレンスキー氏…米誌に情報工作との見方示す(讀賣新聞、2025年3月25日)
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、米タイム誌(電子版)が24日に掲載したインタビューで、米国のトランプ政権がロシアによる情報工作の影響を受けているとの見方を示した。
ゼレンスキー氏は「ロシアは情報によってホワイトハウスの何人かに影響を与えることができた。彼らが米国に発したシグナルはウクライナが戦争の終結を望んでいないというものだった」と述べた。トランプ米大統領が主張する露西部クルスク州でウクライナ軍部隊が包囲されているという情報はロシアから提供された「ウソだ」とも指摘した。
ゼレンスキー氏は2月、自身の支持率が4%だとするトランプ氏の発言に対して「偽情報の空間に生きている」と反論し、両者の関係が悪化した。
ゼレンスキー氏はプーチン露大統領が唯一恐れているのはトランプ氏だと指摘。停戦に向けた協議が始まった後も攻撃を続けるロシアに対する制裁をトランプ氏が強化すると示唆した時、「ロシアは本当におびえた」と語り、米国による圧力に期待を寄せた。
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/

❹ ウクライナ巡る協議は順調、近く前向きな発表=米政権筋(ロイター、2025年3月25日)
[ワシントン 24日 ロイター] – 米ホワイトハウスの関係者は24日、米国が主導するサウジアラビアでのウクライナ・ロシア代表団との協議が順調に進んでおり、近いうちに前向きな発表が行われるという見通しを示した。
同関係者は「トランプ政権の技術チームが(サウジの首都)リヤドで進めている協議は極めて順調で、関係者全員が昼夜を問わず作業に取り組んでいる。近い将来に前向きな発表があると期待している」とロイターに語った。
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/

❺ロシア交渉官、米ロのウクライナ協議は「有益、継続へ」(AFPBB News、2025年3月25日)
【AFP=時事】ウクライナ紛争の停戦をめぐるロシアの交渉担当官は25日、サウジアラビアの首都リヤドで前日臨んだ米国との実務者会合について「有益」だったと評価し、米国との協議をさらに継続し、国連や他の国々の関与につなげたいと述べた。
24日の米ロ実務者会合は12時間に及んだ。ロシアの交渉担当を務めるグリゴリー・カラシン氏は国営タス通信に対し、「あらゆることについて話し合った。激しい対話で、容易ではなかったが、われわれにとっても、米国にとっても非常に有益だった」と述べた。
さらに同氏は「むろん、すべてを解決するにはまだほど遠く、すべての点で合意に達しているわけではないが、この種の議論は非常に時宜を得たものだと思う」「われわれはこれを継続し、国際社会、とりわけ国連や特定の国々を関与させていきたい」と語った。
一方、ウクライナ側の情報源によると、ウクライナの交渉団は米国代表団と会うためにもう1日、リヤドに滞在している。別の関係者もAFPに対し、ウクライナと米国間で2回目の会合が行われる可能性が高いと述べており、何らかの進展があったと見られている。(c)AFP
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/

❻露米協議の合意をウクライナは完全に無視=露国防省(2025年3月25日)
リヤドでの露米協議にもかかわらず、ウクライナは民間エネルギー・インフラへ攻撃し続けている。25日、ロシア国防省はこうした声明を表した。
ロシア国防省の主要な声明
・3月24日、キエフ政権は露クラスノダール地方の複数のエネルギー・インフラを攻撃した。その結果、送電線が不通となった。
・ルガンスク人民共和国でウクライナ軍はガス配給所「スヴァトヴォ」に対するドローン攻撃を行った。
・クリミアの対空防衛システムは地下ガス貯蔵施設を標的にしていたドローンを迎撃した。
・ウクライナはロシアのエネルギー・インフラへの攻撃を続けることによって、自らの合意履行能力の欠如と始末に負えない性格を露呈した。
https://sputniknews.jp/20250325/19680162.html

❼ ロシアには、米国がゼレンスキーに下す命令以外の保証はない=ラブロフ外相(2025年3月25日)
米国は、キエフにロシアでテロと民間施設への攻撃を止めさせられるのは自分たちしかいないことを理解している。ラブロフ露外相はこう述べた。
ラブロフ外相のリヤドの露米高官協議についての声明
・協議では、主に黒海の安全航行について話し合われた。
・ロシア代表団は、新たな黒海イニシアティブに「曖昧さを排除」するよう要請した。
・ロシアは、「西側のゲーム」に翻弄されるアフリカ、グローバルサウス、グローバルイーストの諸国の食糧安全保障に憂慮を表した。
https://sputniknews.jp/20250325/19679128.html

❽ウクライナ軍の攻撃で記者3人死亡 露大統領府の見解(2025年3月25日)
ロシアのペスコフ大統領報道官は25日、ウクライナ軍の攻撃で3人の露ジャーナリストが死亡したことについてコメントした。
・露ジャーナリストの殺害は、ウクライナ政権の本性と特別軍事作戦の正当性をまたもや証明した。
・ウクライナ軍は狙いを定めた攻撃で、故意にジャーナリストらを殺害しようとした。
・ロシアは露ジャーナリスト殺害に注意を向けるよう、常に国際社会に訴えているが、反応は十分ではない。
・攻撃は米製ロケット砲ハイマースによって、ジャーナリストらが乗っていた車に対し行われた。日本メディアも盛んに報道していたように、ハイマースは「高精度」であることが知られている。
https://sputniknews.jp/20250325/3-19678105.html

❾露米 攻撃禁止の対象となるエネルギー施設の一覧に同意(2025年3月26日)
エネルギー施設に対する攻撃の一時的モラトリアムについての提案にプーチン大統領が支持を表明した後、クレムリンは声明を表し、一時的モラトリアムは2025年3月18日から30日間にわたって有効であり、双方の合意によって延長されうることを明らかにした。
当事国の一方がモラトリアムに違反した場合、もう片方はモラトリアムの遵守義務を解かれる。
攻撃の一時的なモラトリアムの対象となるエネルギー施設とは
1.石油精製企業
2.石油、ガスパイプラインおよび石油ポンプ場、コンプレッサステーションをはじめとする貯蔵施設
3.発電所、変電所、変圧施設、配電設備をはじめとする発電、送電インフラ
4.原子力発電所
5.水力発電所のダム
https://sputniknews.jp/20250326/19681149.html?rcmd_alg=collaboration2

❿露米専門家協議の主要項目 クレムリンが総括(2025年3月26日)
ロシアと米国は両大統領の間の合意に基づき、「黒海イニシアチブ」の実現を確証することで合意した。同イニシアチブは、黒海における航行の安全確保、武力不行使、商業船舶の軍事目的での使用禁止を含む。
その他の声明:
・ロシアと米国は恒久的かつ永続的な和平に向けて引き続き努力する。
・露米は、エネルギーおよび海洋の安全確保に関する合意に対して第三国が行う支援を歓迎する。
・米国は、ロシア産農産物と肥料の国際市場へのアクセス回復を約束した。
・露米の黒海に関する合意は、農産業部門の取引を扱う銀行に対する制裁の解除後、発効する。
・農産物の輸出に関係するロシアの銀行は SWIFT(国際銀行間通信協会)システムに復帰する。
https://sputniknews.jp/20250326/19680837.html

⓫ロシア、ウクライナ南部や大統領出身地に無人機攻撃(ロイター、2025年3月26日)
[26日 ロイター]ウクライナ当局者は26日、ロシアが夜間に南部ミコライウ州や中部ドニエプロペトロフスク州のクリブイリフをドローン(無人機)で攻撃したと発表した。
米政権は25日、黒海における船舶の安全な航行確保とエネルギー施設への攻撃停止でウクライナ、ロシア両国と個別に合意したと発表した。だが合意がいつ、どのように発効するのかは不透明な状況にある。
ミコライウ市長は、ミコライウ州知事が同州で夜間にドローン7機が破壊されたと明らかにした後、26日未明に市内で緊急停電が発生したと述べた。停電が予防的な措置か、攻撃の影響で発生したのかは不明。
クリブイリフはゼレンスキー大統領の出身地で、頻繁に攻撃を受けている。地元当局者によると、ドローン攻撃によって火災が発生し建物が損傷したが死者は出ていない。当局者は「これが占領者が『平和を望む』方法らしい」とテレグラムで述べた。
ウクライナ軍は、ロシアのドローン117機のうち56機を撃墜し、48機を電波妨害で進路を変更させ無力化したとしている。
一方、ロシア国防省は、夜間にウクライナのドローン9機を破壊したと発表した。うち2機は黒海上空で破壊したとしている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0de64e99f10075ea95ae4f9d207bd4fa98a6e2c7

2025年3月27日ウクライナ情報pdfはこちら

 


 

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安斎育郎 安斎育郎

1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。

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