
「アメリカ一極化の破綻と新たな道拓く独自外交」《下》 ジェフリー・サックス教授(コロンビア大学)の欧州議会での講演
国際「アメリカ一極化の破綻と新たな道拓く独自外交」《下》
ジェフリー・サックス教授(コロンビア大学)の欧州議会での講演
国際 2025 年 3 月 19 日
https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/34414
●「マイダン革命」からウクライナ戦争へ
2014 年、アメリカはウクライナのヤヌコーヴィチ政権を打倒するために積極的に動いた。コロンビ ア大学の同僚ビクトリア・ヌーランド(米国務次官補)と、アメリカの駐ウクライナ大使ジェフリー・パイア ットの電話が傍受されたことはすでに誰もが知っている。これ以上の証拠はない。ロシアは通話内容 を傍受してインターネット上に公開した。ぜひ聞いてほしい。
興味深いことに、この件に関与した彼らは全員、バイデン政権下で昇進した。これが「仕事」なのだ。 「マイダン革命」(ヤヌコーヴィチ政権打倒のクーデター)が発生した直後、私は連絡を受けた。「サック ス教授、新しいウクライナ首相が経済危機についてあなたと話したがっている」と。私はすぐにキエフ へ飛び、マイダン広場を案内された。そして、いかにアメリカがマイダン周辺にいたすべての人々のた めに資金を提供し、その「自発的」な尊厳革命を支援したかを聞かされた。
どうか冷静に考えてみてほしい。マイダン革命時、なぜ突然ウクライナ国内に無数の新しいメディア が登場したのか? これらの組織はどこから生まれたのか? これほど多くのバスはどこから来たの か? そして、なぜあれほど多くの人々が一斉に集結できたのか? 冗談ではない。これは組織的な 企みだった。そして、それは欧米の市民以外にとっては秘密でも何でもない。その他の誰もがこのこと をはっきり理解している。
このクーデター後、ミンスク合意、特に「ミンスクII」が締結された。これは、偶然にもイタリアにおけ るドイツ系住民のための南チロル自治県をモデルとしたものだ。また、ベルギー人もよく理解できる はずだ。なぜなら、この合意は東ウクライナのロシア語話者の自治と言語の権利を保障するものだか らだ。「ミンスクII」は国連安全保障理事会(2015 年 2 月 17 日)において全会一致で支持された。
しかし、アメリカとウクライナはこの合意を履行しないと決定した。ミンスク合意の保証国であった ドイツとフランスもそれを放置した。これはアメリカの単独行動主義のさらなるあらわれであり、合意 の保証人であったヨーロッパは、いつものように完全に無力な補助的役割を演じたにすぎない。
トランプは 2016 年の米大統領選に勝利した後、ウクライナへの武器供給を拡大した。ドンバス(東 ウクライナ)では、ウクライナ軍の砲撃によって何千人もの命が失われた。「ミンスクII」は履行されな かった。
そして 2021 年、バイデンが大統領に就任した。またも私はこれらの人々を全員知っている。より 良い展開を期待したが、再び深く失望した。私はかつて民主党員だったが、今ではどの党にも属さな いことを固く誓っている。どちらの党も結局同じだからだ。民主党は次第に完全な好戦主義者となり、 党内には平和を求める声が一つもなくなった。これは、ほとんどの欧州議会議員についても同じこと がいえる。
2021 年末、プーチンはアメリカとの関係において、最後の協議の機会を提案した。彼は、ヨーロッ パ向けとアメリカ向けの二つの安全保障協定案を示し、そのうちロシア・アメリカ間の草案を 2021 年 12 月 15 日に正式に提示した。
その後、私はホワイトハウスの国家安全保障担当補佐官ジェイク・サリバンと 1 時間、電話で会談した。私は「ジェイク、戦争を回避してほしい。戦争は避けられる。アメリカが“ウクライナにまで NATO は 拡大しない”といえば、それだけで戦争は防げる」と懇願した。
彼はこう答えた。「ああ、NATO はウクライナに拡大しない。心配することはない」。
私は「ジェイク、それを公に発表してくれ」と頼んだが、彼は「いや、公にはいえない」と答えた。「実際 には起こらないことで戦争をするつもりなのか?」と尋ねると、彼は「心配するな、ジェフ。戦争にはな らないから」といった。
彼らは決して賢い人間ではない。40 年間も、彼らは自分たちの間でしか話をせず、他の誰とも対 話をしない。彼らがしているのは、ゲーム理論のシミュレーションだ。「非協力ゲーム理論」では、相手と 交渉せずに独自の戦略を決める。これがこの理論の本質だ。交渉理論でも平和構築理論でもない。た だの一方的な非協力的戦略なのだ。
この種のゲーム理論は、元々RAND(ランド)研究所で実用化された。今でも彼らはこれを続けてい る。2019 年に RAND 研究所が「ロシアを拡張させる:有利な立場からの競争」という論文を発表し た。バイデンはこれに従った。この論文(公開文書)は、ロシアをどのように苛立たせ、挑発し、弱体化さ せるべきかを論じている。これがまさに戦略だ。相手を挑発し、分裂させ、政権交代を起こさせ、国内 不安や経済危機を引き起こすことを狙う。これが欧州の皆さんが「同盟国」と呼ぶ存在の姿だ。
当時、ちょうど妻とスキーに行こうとしていた私は、凍える寒さのなかで、サリバンとの長く苛立た しい電話に付き合わされた。
「ああ、戦争にはならないよ、ジェフ」――その翌月、何が起こったかは周知の通りだ。バイデン政権 はロシアとの交渉を拒否した。NATO の最も愚かな考えは、1949 年の NATO 条約第 10 条に基づ く「オープンドア・ポリシー(門戸開放政策)」だ。これは、加盟国の政府が承認する限り、ロシアなどの 隣国の意向など一切考慮することなく、NATO はどこへでも拡大できるというものだ。
私はメキシコやカナダの人々には「そんなことは考えもするな」と助言する。ご存じの通り、トランプ はカナダを乗っとりたいかもしれない。すると、カナダ政府は中国に「オンタリオに軍事基地を作らな いか?」と持ちかけることも可能かもしれない。だが、私はそれを勧めない。そのときアメリカが「オー プンドアだ。それはカナダと中国の問題であり、われわれには関係ない」というだろうか? そんなは ずはない。アメリカは即座にカナダに侵攻するだろう。
だが、ヨーロッパの政治家、欧州議会、NATO、欧州委員会の大人たちは、「ロシアには NATO 拡大 についての発言権はない」という馬鹿げた決まり文句をくり返している。これはまったくのナンセンス だ。地政学の初歩以前の話であり、何も考えていないに等しい。
バイデンの交渉拒否によって、ウクライナ戦争は 2022 年 2 月に激化した。
●核軍備管理を破壊 アメリカが一方的に離脱
プーチン大統領のこの戦争における意図は何だったのか? それはゼレンスキー大統領に中立政 策を受け入れさせることだった。その動きは侵攻開始から数日で始まった。ロシアが数万の軍隊でウ クライナを征服しようとしたというプロパガンダを信じるべきではない。
まず基本的な点を理解するべきだ。ロシアの侵攻目的は、NATO をウクライナに進出させないこと だった。NATO とは何か? ミサイルや CIA の派遣、その他すべてを含むアメリカの軍事力そのもの だ。つまりロシアの目的は、アメリカを自国の国境から遠ざけることだった。それ以上でも以下でもな い。
なぜロシアはこれほどまでに関心を持つのか? もし中国やロシアが、リオ・グランデ(メキシコ国境)やカナダの国境に軍事基地を設置しようとしたら、アメリカは激怒するだけでなく、10 分以内に戦争 が勃発するだろう。1962 年にソ連がキューバでこれを試みたとき、世界は核戦争の瀬戸際に立たさ れた。
さらに問題を深刻化させたのは、2002 年、アメリカが「弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約」 (1972 年に米ソが締結)を一方的に放棄し、相対的に安定した核軍備管理の枠組みを崩壊させたこ とだ。核軍備管理の枠組みは、核による「先制攻撃(指導部殲滅攻撃)」を抑止することを目的としてい る。そして、ABM 条約はその安定性を維持するうえで不可欠な要素だった。
このアメリカの ABM 条約離脱の決定にロシアは激しく反発した。私がこれまで説明してきた NATO の拡大は、すべてアメリカが核軍備管理の枠組みを破壊する文脈の中で進行してきたのだ。
2010 年以降、アメリカはポーランドにイージス弾道ミサイル迎撃システムを配備し、その後ルーマ ニアにも配備した。当然ながら、ロシアはこれを快く思わない。
2021 年 12 月から 2022 年 1 月にかけての交渉で議題となっていた問題の一つは、アメリカが ウクライナにミサイルシステムを配備する権利を主張するかどうかだった。元 CIA 分析官レイ・マクガ バンによれば、ブリンケン米国務長官は 2022 年 1 月にロシアのラブロフ外相に対し、「アメリカはウ クライナにミサイルシステムを配備する権利を留保する」と伝えたという。
これが皆さんの「同盟国」だ。そして今、アメリカは中距離ミサイルシステムをドイツに配備しようと している。覚えておくべきことは、アメリカが 2019 年に INF(中距離核戦力全廃条約)を破棄したと いうことだ。現在、核軍備管理の枠組みは事実上存在していない(アメリカは 2019 年 2 月 2 日から 6 カ月間の停止期間を経て、同年 8 月 2 日に INF から正式に離脱した)。
ロシアの侵攻から数日後、ゼレンスキー大統領が「ウクライナは中立化に応じる用意がある」と発言 したとき、和平合意は手の届くところにあった。私は主要な交渉担当者や仲介者と詳細に話をし、他 の人の公の発言からも多くを学び、この詳細をよく知っている。
2022 年 3 月に停戦交渉が開始された直後、プーチン大統領が承認し、ラブロフ外相が提示した 文書が当事者間でやりとりされた。この交渉はトルコの仲介者によって進められていた。私は 2022 年春にアンカラ(トルコ首都)へ飛び、仲介者から直接、詳細な経緯を聞いた。結論はこうだ。ウクライ ナは合意寸前になって、一方的に交渉を放棄したのだ。
●停戦交渉潰した米英 100万人の犠牲生む
ウクライナが交渉から手を引いた理由は何か? それはアメリカがそうするように指示し、イギリス もそれに拍車をかけたからだ。ボリス・ジョンソン元英首相が 2022 年 4 月初旬にキエフを訪れ、同 じ主張をウクライナに伝えて事態をさらに悪化させた。
現在のスターマー英首相はさらに悪く、より好戦的である。想像を絶する話だが、それが事実だ。
ボリス・ジョンソンは、「この戦争で危機に瀕しているのは、ウクライナではなく、西側の覇権そのも のだ」と説明している。これはウェブサイトでも確認できる。
ミヒャエル・フォン・デア・シューレンベルク(元国連政治平和構築局事務次長、欧州議会議員)と私は 2022 年春、バチカンで専門家グループと会合を持ち、この戦争の継続からはウクライナにとって何 も良いことは生まれないことを説明する文書を作成した。
私たちのグループは、ウクライナが直ちに交渉を開始すべきだと強く主張した。交渉を遅らせるこ とは、大量の死者を出し、核戦争のリスクを高め、さらには戦争そのものに完全敗北する可能性を高 めるからだ。しかし、この主張はまったく受け入れられなかった。
当時私たちが書いた文章について、今でも一言も変えたいとは思わない。アメリカがウクライナを 交渉から引き離して以来、約 100 万人のウクライナ人が死亡または重傷を負っているのだ。
しかし、信じがたいほどに意地汚く、冷笑的で、腐敗したアメリカの上院議員らは、この戦争を「アメ リカの資金のすばらしい使い道だ」といっている。これは純然たる代理戦争である。
ニューヨーク州に近いコネチカット州選出のリチャード・ブルメンタール上院議員は、これを公然と 発言した。ミット・ロムニー上院議員も同じことをいった。「これはアメリカにとって最高の投資だ。なぜ なら、アメリカ人は 1 人も死なないからだ」。信じられない発言である。
そして、アメリカのウクライナ・プロジェクトは完全に失敗した。その根本的な狙いは「ロシアが屈服 する」というものであった。ブレジンスキーが 1997 年に論じたように、アメリカは「ロシアには抵抗す る力がない」と確信し、自分たちの優位性を信じていた。
「アメリカがブラフ(こけ脅し)を張れば勝てる。ロシアは本気で戦おうとはしない。本格的には動員 できない。SWIFT(国際金融取引ネットワーク)から排除すれば、ロシア経済は崩壊する。制裁でロシ アをひざまずかせる。HIMARS(高機動ロケット砲システム)で破壊できる。ATACMS(長距離地対地 ミサイル)、F-16(多用途戦闘機)でトドメを刺せる」――正直にいって、私はこんな話を 50 年以上も 聞き続けてきた。わが国の安全保障関係者は何十年にもわたり、こんなナンセンスなたわ言を続けて きたのだ。
私はウクライナ人に懇願した。「主権を守り、領土を守り、命を守り、中立を維持すべきだ。アメリカ のいうことを聞いてはいけない」と。
私はヘンリー・キッシンジャー(元米国務長官)の有名な格言を彼らにくり返した。「アメリカの敵で あることは危険だ。しかし、アメリカの友人であることは致命的だ」。ヨーロッパのためにもう一度いう。 アメリカの敵であることは危険だ。しかし、アメリカの友人であることは致命的だ。
●現実的な独自外交を トランプについて
最後にトランプについて。ウクライナ戦争は終わる可能性が高い。なぜなら、トランプとプーチン大 統領が戦争を終わらせることで合意するからだ。たとえヨーロッパが好戦的姿勢を続けても問題では ない。戦争は終わる。だからどうか同僚に伝えてほしい。「もう戦争は終わったのだ」と。
トランプはバイデンの「負け戦」を背負いたくない。ただそれだけだ。偉大な道徳などではない。敗 者なのだ。そして今おこなわれている交渉で救われるのは、まずウクライナであり、次にヨーロッパだ。
ここ最近の株式市場は、和平交渉という“恐ろしいニュース”のせいで上昇している。この和平交渉 の見通しが欧州議会では恐怖をもって受け止められていることは知っている。だが、これは皆さんが 得られる最も喜ばしいニュースであるはずだ。
私はいくつかのヨーロッパの指導者に働きかけた。ほとんどの人間が私から何も聞きたがらなかっ たが、私はこう伝えた。「キエフへ行くのではなく、モスクワへ行って相手と話し合え。皆さんは欧州連 合(EU)だ。4 億 5000 万人の人口と 20 兆ドル規模の経済を持っている。それにふさわしい行動をと れ」と。
EU は、その自然なつながりによってロシアの主要な貿易相手国であるべきなのだ。欧州とロシア の経済は相互補完的であり、双方にとって有益な貿易関係を築く絶好の条件が揃っている。ところで、 もしもアメリカがどのようにノルドストリーム(ロシアと欧州を結ぶ天然ガスのパイプライン)を爆破し たかについて議論したい人がいるなら、私は喜んでそのことについて話すつもりだ。
トランプは根っからの帝国主義者だ。世界は大国が支配するものだと明確に信じている。できるときにやりたいことをやり、損失は容赦なく切り捨てる。それはヨーロッパに対しても同じだ。世界で起 きているいくつかの戦争の行方はまだ流動的だ。もしヨーロッパが適切な政策を持っていたら止めら れた戦争だった。中国との戦争の可能性も払拭はできない。だから私は、私たちが新しい平和の時代 に入ったといっているわけではない。だが今、明らかに非常に異なる政治の時代、大国間政治への回 帰のなかにいる。だからヨーロッパには「ルソフォビア(ロシア恐怖症)」だけを基盤とした外交政策で はなく、独自の現実的な外交政策が必要なのだ。
すなわちロシアの立場を理解し、ヨーロッパ自身の立場を理解し、アメリカとは何なのか、アメリカ が何を目指しているのかを理解したうえで、ヨーロッパがアメリカの支配下に置かれるのを防ぐため の外交政策だ。
トランプ政権下のアメリカがデンマーク領(グリーンランド)に軍を派遣することは決してありえない 話ではない。これは冗談ではなく、彼も冗談でいっているわけではないだろう。本物の外交政策とは、 「はい、トランプ氏と交渉して折り合いをつけましょう」というものではない。それがどういう結果をも たらすか知りたければ、あとで私に電話してほしい。
アメリカの役人をヨーロッパの代表にすべきではなく、ヨーロッパの役人をヨーロッパの代表にす べきなのだ。皆さんはこれからも長い間、ロシアと共に生きていくことになる。だからこそロシアと交 渉してほしい。現実にヨーロッパとロシア双方にとっての安全保障問題はある。しかし、大げさな話や ロシア恐怖症は、ヨーロッパ、ウクライナのいずれの安全保障にもまったく役立っていない。皆さんが 賛成して署名し、今では先頭に立って推進している、アメリカの馬鹿げた「冒険」によって、約 100 万 人のウクライナ人が犠牲になったのだ。
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1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。