【連載】櫻井ジャーナル

【櫻井ジャーナル】2025.03.30XML: イスラエルがガザで行っている虐殺と破壊でイギリスが果たしている重要な役割

櫻井春彦

 イスラエルはガザに対する軍事攻撃を再び激化させているが、それだけでなく、国境を封鎖してガザへの人道支援、食料、物資の流入をすべて停止している。兵糧攻めでガザは飢餓状態に陥りつつある。イスラエル軍はパレスチナだけでなくシリアやレバノンも攻撃、その上住民を救助するために活動している救急車をイスラエル軍は銃撃。ガザ南部では3月22日には民間防衛隊の救急隊員と救助隊員15名が消息不明になった。

 パレスチナ赤新月社によると、彼らはイスラエル軍によって「処刑」された可能性が高い。3月28日にパレスチナ赤新月社は砂に埋まった破壊された4台の救急車を発見したという。救援活動を行っている人びとは、ジャーナリストと同じようにイスラエル軍のターゲットになっている。

 3月27日にはワールド・セントラル・キッチン(WCK)のメンバーひとりも殺害されているが、イスラエル軍は昨年4月2日、ガザで支援活動に従事していたWCKのメンバー7名を乗せた自動車の車列をドローンで攻撃、全員を殺害している。

 SIPRI(ストックホルム国際平和研究所)によると、イスラエルの武器輸入の69%はアメリカが占め、その次がドイツで30%。イギリスはイスラエルへ物資を空輸しているほか、偵察機をパレスチナ上空に飛ばし、2021年にはイスラエルと軍事協力協定を締結している。

 イスラエル軍によるガザでの破壊や殺戮をイスラム諸国は批判しているが、口先だけの国が少なくない。中には裏でイスラエルに協力している国もあるようだが、そうした中、イエメンのアンサール・アッラー(フーシ派)は紅海、アラビア海、バブ・アル・マンデブ海峡、アデン湾においてイスラエル船を対象とした海上封鎖を再開。そのイエメンの住宅街やインフラをアメリカ軍やイギリス軍は連日空爆している。

 イエメンを空爆しているアメリカ軍機は空母ハリー・トルーマンから出撃しているが、イギリス空軍のボイジャー空中給油タンカーがキプロスのアクロティリ空軍基地から紅海北部へ飛行し、そのハリー・S・トルーマンを支援している。イギリス軍はキプロスを中東に対する軍事作戦の拠点として使っている。

 イスラエルは核兵器を保有、第4次中東戦争の際には戦況が良くないということもあり、ゴルダ・メイア首相の執務室では核兵器の使用について議論があった。その際、モシェ・ダヤン国防相は核兵器を選択肢として見せる準備をするべきだと発言したという。

 核兵器の開発をめぐり、イスラエル政府はアメリカのジョン・F・ケネディ大統領と対立していたが、そのケネディは暗殺され、核兵器の製造は続いた。

 1986年10月5日付けのサンデー・タイムズ紙に掲載されたモルデカイ・バヌヌの内部告発によると、イスラエルが保有する核弾頭の数は生産のペースから推計して150から200発。水爆の製造に必要なリチウム6やトリチウム(三重水素)の製造もバヌヌは担当、別の建物にあった水爆の写真を撮影したという。また、イスラエルは中性子爆弾の製造も始めていたとしている。また、ジミー・カーター元米大統領はイスラエルの保有する核弾頭の数は150発以上だと語っている。SIPRIは90発から300発の核弾頭を保有していると推定、400発という推計もある。

 中性子爆弾を保有しているとするならば、イスラエルはすでに使用した可能性がある。イスラエル軍は2006年にレバノン南部を攻撃、その時にアメリカが供給したバンカー・バスター爆弾を使用したとされているのだが、核兵器が使われた疑いもある。同教授はファルージャでも同じものを発見している。

 ヒズボラとイスラエル軍が激しい戦闘を繰り広げたキアムとアトティリに残されたクレーターの中を調査したクリス・バスビー博士は濃縮ウランを発見したという。新タイプの核分裂装置/兵器、あるいは濃縮ウランを使用したバンカー・バスター爆弾をイスラエルは使ったのではないかと言われた。

 バスビーはイギリスの科学者で、イギリス政府後援のCERRIE(体内放射体からの放射線リスク検討委員会)やイギリス国防省のDUOB(劣化ウラン監視委員会)のメンバーだったこともある。

 イスラエルは潜水艦にも核ミサイルを搭載していると言われているのだが、昨年、イギリス政府が発表したデータによると、イスラエルに710万ポンド相当の「潜水艦向け技術」を販売するライセンスが記載されていた。

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