
☆寺島メソッド翻訳NEWS(2025年3月310日):シェイクスピアの悪魔化は西側悪魔化の一部
国際※元岐阜大学教授寺島隆吉先生による記号づけ英語教育法に則って開発された翻訳技術。大手メディアに載らない海外記事を翻訳し、紹介します。
PCR、ラリー・スパラノ(Larry Sparano)のトーク番組「On Target」でインタビューを受ける。
タイトルなし
米国では、私の世代は高校でシェイクスピアの戯曲を読み始めた。大学では、必修科目でシェイクスピアに出会った。必修科目でなくなれば、英文学専攻の学生はさらにシェイクスピアに深く入り込み、彼のソネットを研究した。研究され、賞賛されたのは作品であり、シェイクスピアという人物が実際にはどのような人物であったかではない。彼の言語の使い方が研究され、彼の戯曲が人間の条件について何を教えているかが研究されたのだ。 今日、シェイクスピアが研究されるとすれば、それは彼が同性愛嫌悪者であったという疑惑があること、どの程度反ユダヤ主義、人種差別主義者であったのかという疑惑についてだろう。米国では、一部の大学ではシェイクスピアをカリキュラムから除外している。一方、英国では、シェイクスピアという自国が生んだこの偉大な詩人兼劇作家を英国が脱植民地化している(英国の領土から外す)という報道があったので、以下のインタビューとなった。
インタビューでは、シェイクスピアに対する攻撃は、西側の異教徒白人文明に対する白人・異教徒・ユダヤ人知識人による数十年にわたる攻撃の一部に過ぎない、と私は言った。これは、私が過去に語ってきた入り組んだ知的言説だ。簡単に言えば、啓蒙主義は社会に道徳的な要求を課したが、台頭しつつあった科学は道徳の存在を否定した。では、道徳的な要求はどのようにして表現されたのだろうか? 植民地や奴隷制度、階級特権などに見られるように、道徳の欠如を理由に既存の社会を攻撃することで表現したのだ。
時が経つにつれ、イギリス、そして後には、もともとはイギリスの付属物にすぎなかったアメリカにおいて自由主義者たちは、過去の業績を強調したり、新たな改革を説得力を持って主張するのではなく、既存の社会を非難することで改革を追求した。つまり、現状を非難する習慣が進歩への道となったのだ。
その結果、非難が肯定に取って代わった。この話はこれ以上深入りしないが、その結果、西側社会における信仰の構造は時間とともに破壊された。信仰の構造がなければ社会は弱く、西側社会はどれも弱い。ジャン・ラスパイユは 1973 年に『聖者のキャンプ』でその弱さを描写した。
一例を挙げると、米国では、能力主義は白人至上主義に役立つ「白人の価値」であるという信念によって浸食され、弱体化してきた。それを補うために、「アファーマティブ・アクション (積極的差別是正措置) 」は、白人アメリカ人を憲法違反の第二級市民権に引き下げ、白人アメリカ人に第二級市民権を課す規制は、米国最高裁判所の判決によって支持された。アファメーション活動は、1964年公民権法の執行を担当する規制機関であるEEOC(=Equal Employment Opportunity Commission雇用機会均等委員会)のユダヤ人管理者によって制度化された。同法自体の法定文言は、性別に基づく大学入学、雇用及び昇進の割当を厳格かつ明確に禁止している。しかし、フランクリン・D・ルーズベルト大統領と彼の規制機関の創設のおかげで、EEOCの委員の一人であるアルフレッド・ブルムローゼンは、議会が可決した1964年公民権法の意味を完全に支配していた。彼は、同法の制定法上の文言や、法の下での平等な扱いを義務付ける憲法修正第14条と明らかに矛盾する人種割り当て、ジェンダー割り当てをよしとする判決を下した。私の本『The New Color Line, Regnery, 1995』を参照いただきたい。
今日、選挙で選ばれた大統領の支配を自分たちの判決に置きかえた民主党の判事たちは、トランプがトランスジェンダーや様々な倒錯した人々の憲法外の権利を剥奪するのを中止するよう命じた。同じ民主党の判事たちは、黒人、女性、性的倒錯者のための特別な憲法外の権利によって脇に追いやられている白人アメリカ人を擁護するために、指を一本動かすことはなかった。そのすべてが、平等な扱いを求める修正第14条の要件に違反していた。
反米・反白人民主党は、家族や宗教的価値観を持つ伝統的なアメリカ人を「トランプの哀れな人々」と表現し、米国憲法や修正第14条を尊重しない判事や検察官を司法制度に組み込んでいる。 民主党が支配する社会では、法の下の平等は存在しない。その代わりに、同性愛嫌悪、人種差別主義者、白人至上主義者、トランスジェンダー嫌悪のレッテルを貼られた白人異性愛者は、多様性尊重の社会システムの下で、米国憲法上の権利が適用されない二級市民に格下げされる。
今日、アメリカの白人知識人は、事実上、ジャン・ラスパイユが1973年に発表した小説『フランスがフランス人によって滅ぼされる』に登場するフランス人知識人と同一である。この小説では、大学で得た人種的罪悪感に圧倒されたフランス政府が、移民侵略者からフランスを守ることを拒否したために、フランスが滅びる。移民侵略政権が政権を握ると、最初の法律で白人のフランス人同士の結婚が禁止された。 やがてこの動きはヨーロッパ全体に広がった。 罪悪感にさいなまれるフランス人は、自分たちで自分たちの大量虐殺を引き起こしたのである。
この本が、今日生きている多数がまだ生まれていない 1973 年に出版されて以来、私たちは何を見てきたのだろうか。西側文明を生み出した信仰体系を回復しようとする試みを目撃しただろうか。いいえ。
外国の敵対者からの攻撃ではなく、自国の知識人による内部攻撃は減少しただろうか?いいえ。
信念体系が破壊されたとき、文明はどうやって生き残るのか?生き残ることはできない。
独占メディアと並んで西側文明への攻撃の大きな発信源である大学が、自分の名前を冠した建物を建てて自分の寿命を超えて存在し続けたいと願うバカなビジネスマンや、大学が息子や娘に白人を憎むことを教えられるように授業料を支払って自分の老後を台無しにする親や、フォード、ロックフェラー、ゲイツ、ソロスの財団や、人種の異なる結婚を推進する広告代理店や、USAID、HHSなどの米国政府機関などによってなぜ補助金を受けているのか?なぜLGBTQはペンタゴンや企業の役員会によって推進されたのか?
西側への攻撃、西側文明への攻撃は、ロシアや中国、イランから来るものではない。それは西側自身の知識人、メディア、教育システムから来るのだ。これらは、自分勝手なアメリカ政府機関とともに、私たちの真の敵である。
これらの反西側の声が私たちの意見や選択肢を支配する中で、西側はどのように生き残れるのだろうか? 情報はどこから得られるのか? 真実を語る人たちが「陰謀論者」「白人至上主義者」「反ユダヤ主義者」と一蹴されているのに、どうやって人々に真実を伝えることができるのだろうか?
シェイクスピアは白人至上主義者の単なる一例であり、フランスは移民の侵略者たちを適切に歓迎できるように、自由の女神像を返還して欲しいと思っている。西側文明の終焉を示す証拠がこれ以上必要だろうか?ヨーロッパで唯一の活発な宗教はイスラム教であり、おそらく悪魔崇拝のカルト教団もあるだろう。
カール・マルクスは、歴史上暴力だけが有効な力であると言った。私はこの見解に反対だが、マルクスの言うことには一理ある。
今日、米国大統領は、ウクライナにおける代理戦争を終結させるために必要であれば、ロシアに対してさらなる暴力を振るう準備をしている。トランプはまた、中国やイランが米国の利益に沿わない行動を取る場合には、それらに対してさらなる暴力を振るう準備もしている。しかし、ヴァンス副大統領が述べたように、米国の真の敵は国内にいる。 アメリカの敵は、米国政府の省庁や議会、司法、企業やウォール街、大学や教育システム、メディアに組織化されている。これらは、一介の大統領にとっては手ごわい敵である。
以下で「On Target」のインタビューを視聴できる。ここで書いた文章よりは楽な気持ちで私の趣旨が伝わるだろう。
※なお、本稿は、寺島メソッド翻訳NEWS(2025年3月31日)「シェイクスピアの悪魔化は西側悪魔化の一部」
http://tmmethod.blog.fc2.com/
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また英文原稿はこちらです⇒The Demonization of Shakespeare Is Part of the Demonization of the West
筆者:ポール・クレイグ・ロバーツ(Paul Craig Roberts)
出典:自身のブログ 2025年3月21日
https://www.paulcraigroberts.org/2025/03/21/the-demonization-of-shakespeare-is-part-of-the-demonization-of-the-west/