【連載】安斎育郎のウクライナ情報

4月9日のウクライナ情報

安斎育郎

4月9日のウクライナ情報
安斎育郎

❶トランプ政権は第三次世界大戦を防いだ(キリル・ドミトリエフ、2025年4月4日)
「トランプ大統領はWW3の勃発を阻止し、ウクライナ紛争の解決に向けて大きく前進した」
対外経済協力担当ロシア大統領特別代表のキリル・ドミトリエフ氏は、FoxNewsのインタビューでこう語った
「我々は生産的な話し合いを行っている。われわれの外交官も可能性のある展開に取り組んでいる。しかし、トランプ大統領のチームが第三次世界大戦を防いだだけでなく、ウクライナ問題の解決に向けて、すでに大きく前進させたことは間違いない」と強調した
https://x.com/Tamama0306/status/1908120800420626541?s=09

❷【捕虜になったウクライナ兵の話】(2025年4月4日)
「ああ、これはフランスの保険会社のものだ」。
我々は戦地に送られる前に、司令官から一人ひとりにこういう書類が配られ、こう言われた。
「怪我をしたときはフランスの最高の病院に送ってもらえる」と。
https://x.com/Kumi_japonesa/status/1908088687495430495?s=09

❸ジェフリー・サックス教授:関税の弊害(2025年4月4日)
https://youtu.be/x0alGvV0Sjc
https://www.youtube.com/live/x0alGvV0Sjc

❹ ブチャの大虐殺なるものの直前の映像(2025年3月30日)
2022年3月30日
ロシア軍がブチャ市から撤退
翌31日アナトリー・フェドルク市長が
4日にはウクライナ警察が
解放された街の映像を投稿
それぞれ、街にはまだ “惨劇” や
路上に横たわる民間人の遺体はなかった。
https://x.com/i/status/1774662494424010890
https://x.com/mooonsleep/status/1774662494424010890?s=09

❺ホワイトハウスのキャロライン・リービット報道官:トランプはウクライナ戦争の「両側の指導者に失望した」(2025年4月1日)
ホワイトハウスのキャロライン・リービット報道官:トランプはウクライナ戦争の「両側の指導者に失望した」
「大統領が昨夜言ったことを、私はあなたに伝えることができます。彼はこの紛争の両側の指導者たちに失望しています。彼はこの戦争を終わらせたいと思っている。双方で人々が死んでおり、これはあまりにも長く続いています。私たちのチームはロシア人とウクライナ人の両方と関わり続けており、大統領自身も日々深く関与しています。”
ロシアとアメリカ合州国間の交渉は行き詰まっている。ロシアは、ウクライナでの戦争を「現在の形で」終わらせるというアメリカの提案を受け入れることを拒否している。
さすが、みんな落ち着いてバラ色のメガネを外しましたか?そして、もしトランプ氏が戦争を終わらせたいのであれば、スターリンクをオフにして、ウクライナの軍事専門家を呼び戻させればいい。
https://news-pravda.com/world/2025/04/01/1198664.html

❻イスカンデルはNATO基地を破壊した。西洋の教官はチャンスなく捕まった。ゼレンスキーは吠え、キエフには恐怖が広がった(プラウダ、2025年4月6日)
ウクライナは、所々でますます月の風景のようになってきています。わが国のロケット発射装置と無人機攻撃オペレーターは、キエフ政権下に残る領土中の企業や工場を破壊した。ロシアのイスカンデルはNATO基地を破壊した。西洋の教師たちは、生き残る可能性がなくなり、圧倒されました。ゼレンスキーは吠え、キエフには恐怖が広がった。
ウクライナの領土は、ロシアのミサイルとドローンによる一連の大規模な攻撃により、全国の主要なインフラ施設に深刻な被害をもたらし、ますます月面の風景の特徴を帯びています。
セルゲイ・レベデフのテレグラムチャンネルによると、ウクライナでは日中、ゲランの攻撃ドローンからカリブルやイスカンデルのミサイルシステムまで、さまざまな手段で46回の攻撃が行われた。攻撃は、キエフ、ムィコラーイウ、スムイ、ウマーンなどを含む多くの都市に及んだ。多くの攻撃が連続して行われ、広範囲にわたる破壊をもたらしました。
写真:ツァールグラードのコラージュ
キエフでは、ロケット弾が、ウクライナのプロパガンダTVチャンネルのスタジオが入るオフィスビルに命中した。情報筋によると、攻撃は休日に行われ、死傷者はいなかった。その結果、機器や施設が破壊され、情報放送の一部が一時的に麻痺しました。
レベデフ氏によると、首都では合計13回の攻撃が行われ、そのうち5回はキエフに直接、残りは郊外に落ちたという。破壊された施設の中には、ドローン組立工場や車輪付き装甲車両の現場など、軍事生産に関与する2つの企業があります。
特に注目が集まったのは、海上用ドローンの制御システムとUAVのエンジンが組み立てられた作業場への攻撃だった。情報筋によると、生産に重要な専用機器が破壊されたとのこと。
また、装備のある場所の1つで20台の装甲車両が無力化されたと報告されており、同じ数がおそらく修理を必要としている。
さらに、攻撃は砲兵訓練基地に命中し、レベデフによれば、NATO諸国からの教官がいた。ドローンが配備された倉庫や、ドローンの制御講習が行われていた格納庫が破壊されました。西洋の教師たちは、生き残る可能性がなくなり、圧倒されました。
写真:ツァールグラードのコラージュ
火事はキエフ郊外も飲み込んだ。情報筋によると、基地の1つで最大100人の特殊部隊の兵士が排除されました。ビラツェルクヴァでは、破壊は訓練センターとフランスから供給された部品からヘリコプターを組み立てていた企業の両方に影響を及ぼしました。
したがって、レベデフによれば、一連の攻撃はウクライナの軍事および情報インフラストラクチャに重大な損害を与えました。
出典:https://tsargrad.tv
https://news-pravda.com/world/2025/04/06/1214052.html

❼ 「虐殺されたにも拘らず遺体が整然と道に並べられている。不自然に思いませんか?」(鈴木宗男、2024年4月1日)
※安斎注:今セクハラで問題になっているフジテレビのニュースキャスター反町理氏の番組でのことです。ブチャのことは時々思い出した方がいいです。
https://x.com/i/status/1774664771410989105
https://x.com/mooonsleep/status/1774664771410989105?s=09

❽【人さらいと対決🔥 in リヴォフ】(2025年4月2日)
🔻必死で抵抗する男性の周りに勇気ある女性たちが集まる
🔻ちょっと長いけど、救出するところまで見て
🔻緑のコートの女性、かっこ良すぎて涙出る…
https://x.com/i/status/1907363700732047409
https://x.com/Kumi_japonesa/status/1907363700732047409?s=09

❾なぜロシアはトランプの関税引き上げから除外されたか(六辻彰二・国際政治学者、2025年4月7日)
米トランプ政権による関税引き上げの対象は185カ国に及んだが、そのなかにロシアは含まれていない。
これについてトランプ政権は「制裁が続き、取引がほとんどない」からと説明するが、昨年アメリカの対ロ輸入額は約32億ドルあった。
トランプ政権がロシアを例外扱いしたのは、ウクライナ停戦協議をめぐって関係改善を優先させた結果とみられる。
事実に反する説明
米トランプ政権は程度の差はあれ、世界185カ国に対して関税引き上げの措置をとったが、なかにはそれを免れた国もある。
【参考記事】なぜアメリカは無謀な関税引き上げにつっ込むか――経済の非常事態を叫ぶトランプの「心」
特に目立つのが、ロシアの除外だ。
相互関税に関する大統領令に署名するトランプ大統領(2025.4.2)(写真:ロイター/アフロ)
ロシアに対する関税を引き上げなかった理由として、トランプ政権は「制裁が行われていること」と「すでに取引がほとんどないこと」をあげている。
しかし、こうした説明は事実に反する。
ウクライナ侵攻後、アメリカはロシア産天然ガスなどの輸入を停止したが、肥料、木材、ウラン精鉱などの輸入は続けていて、その金額は2024年、約32億ドルだった。
金額だけでいえば、ウクライナ侵攻以前の2021年の10分の1程度まで減少している。
とはいえ、アメリカが通商を制限している国はロシアだけではないが、そのなかには関税を引き上げられた国もある。
https://youtu.be/MZFYSAgBNTQ
たとえばアメリカはイランを1979年以来「テロ支援国家」に指定しており、昨年の対イラン輸入額は629万ドル程度に過ぎなかったが、それでも関税を10%引き上げられた。
また、アメリカは内戦の続くリビアに対しても多くの制裁を敷いており、昨年の対リビア輸入額は対ロシア輸入額の半分以下の約15億ドルだったが、関税は31%引き上げられた。
ロシアとの関係改善を優先
一方、やはり制裁の対象にされていても、北朝鮮やキューバに対してはロシアと同様、関税引き上げの対象から外された。ただし、アメリカと北朝鮮、キューバの取引はほとんど確認されない。
とすると、トランプ政権がロシアとの関係改善を優先させて関税引き上げから除外したとみてほぼ間違いないだろう。
ロシアのキリル・ドミトリエフ特使(2025.2.17)。政府系ファンドCEOでプーチンの外交アドバイザーでもある。サウジアラビアで開催された、ウクライナ問題をめぐるアメリカとの協議にも出席した。(写真:ロイター/アフロ)
ロシアのシンクタンク、米国カナダ研究所のアレクサンドラ・フィリッペンコはドイツメディアの取材に対して、「ロシア政府は(トランプの)政治的メッセージを確かに受け取っている」と指摘した。
その一つの論拠は、トランプ関税が発表された翌4月3日、ワシントンを訪問していたロシアのキリル・ドミトリエフ特使が対米関係の改善を匂わせる発言をしたことだ。
たとえばドミトリエフはCNNのインタビューに「ロシアとアメリカの間の対話はバイデン政権のもとでは全く進まなかった」、「我々は最終合意に向けて、どのように動くかをお互いに理解していると思う」と述べたうえで、制裁の早期解除を望むとも付け加えた。
https://youtu.be/xA97qLlcDzo
ロシアは先月、トランプ政権によるウクライナ停戦案を事実上拒否したうえ、雪解けの時期を迎えてウクライナ東部などで攻勢を強めている。
足元をみられるトランプ
トランプは大統領選の最中から、バイデン前政権による巨額のウクライナ支援を批判して、戦争を自分なら「1日で終わらせられる」と豪語してきた。
しかし、頭ごしのロシアとの協議がウクライナからの反感を招いただけでなく、当のロシアからも「戦争の根本的原因の解決にならない」と拒否された。
ロシアはウクライナにクリミア半島の編入を認めること、周辺一帯から部隊を引き上げること、NATO加盟を2度と申請しないことなどを求めていて、トランプ政権の停戦案がこれらを満たしていないというのだ。
https://youtu.be/WS8F24E7XnA

それでも大統領選で大見得を切った手前、トランプはロシアを交渉に向かわせざるを得ないが、ロシアに圧力を加える手段は実はほとんどない。
アメリカはすでに数多くの制裁をしており、これ以上の余地は乏しい。ロシアのGDP成長率は昨年4.1%を記録するなど、制裁のダメージが当初の想定より小さいからなおさらだ。
そのうえ「交渉しないならウクライナ支援を増やすぞ」という脅しも効きにくい。ウクライナを置いてけぼりにした交渉を進めた結果、トランプとゼレンスキーの関係は極度に悪化しているからだ。
こうしたなかトランプ政権はウクライナ製品に対する関税も10%引き上げた一方、ロシアは関税引き上げを免れた。言い換えるとトランプはプーチンに足元を見られたといえる。
https://youtu.be/Ch0q31cfEIQ
ロシアの一人勝ちか
多くのエコノミストはトランプ関税が貿易相手国だけでなくアメリカ経済にも深刻なダメージを与えると予測している。
そうだとすると、ロシアはトランプ関税の影響を最も受けない国の一つともいえる。
おまけに、たとえ関税引き上げを免除されたからといって、ロシアがすぐさま停戦協議に応じるかは不透明だ。トランプの停戦案に乗れば、その時点でアメリカに対するロシアの影響力が低下するからだ。
だからギリギリまで戦闘を続けることがロシアにとって外交的な意味をもつ。その間、トランプはロシアに融和的な態度をとり続ける公算が高い。
トランプ関税の衝撃にはロシアの影響力を相対的に高める効果さえあるといえるのである。
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❿米国はウクライナを非難し、責任を一切取らない(2025年4月1日)
ニューヨークタイムズは、ロシアのクルスク州におけるウクライナの2024年の作戦に関して何が起こったかを詳述した記事を掲載した。同紙は、それはシルスキー将軍のアイデアであり、彼はアメリカの顧問の指示にさえ反して行動したと報じている。EUは、ウクライナでの停戦を妨げているのはロシアであると改めて強調し、一方でバルト諸国は、ウクライナでの停戦は彼らにとって危険かもしれないと警告している。
https://youtu.be/A5EW4_80TkA
https://www.youtube.com/watch?v=A5EW4_80TkA

2025年4月9日ウクライナ情報pdfはこちら

 


 

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安斎育郎 安斎育郎

1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。

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