
4月12日のウクライナ情報
国際4月12日のウクライナ情報
安斎育郎
❶中国、バンス氏に猛反発 「中国の農民」についてのコメント受け(2025年4月9日)
香港(CNN) 中国で8日、米国のバンス副大統領に対する痛烈な批判が噴出した。同氏がインタビューで発した「中国の農民」についてのコメントが引き金となり、ネット上で怒りや嘲笑が拡散した。
3日にFOXニュースのインタビューに答えたバンス氏は、市場を震撼(しんかん)させているトランプ大統領の関税政策を擁護する一方、「グローバリスト経済」を強く非難した。
「グローバリスト経済が米国に何をもたらしたか? その答えは根本的に二つの原則に基づく。巨額の負債を抱えて、他国が我が国のために作った製品を購入するということだ」。バンス氏はそう述べた。
「もう少し明確に言えば、我が国は中国の農民から金を借り、その中国の農民が製造した製品を買っている」
バンス氏のこのコメントについて8日の定例記者会見で質問された中国外務省の報道官は、「この副大統領からこれほど無知で無礼な発言を聞くのは驚きであると同時に嘆かわしい」と述べた。
CNNはバンス氏の事務所にコメントを求めている。
今週に入り、バンス氏のインタビュー映像は中国のネット上に流れ、強い反発を引き起こした。中国の工場には産業ロボットがずらりと並び、都市部では国産の電気自動車(EV)が走行。農村部とも全国に張り巡らされた高速鉄道網でつながる。
「米国の田舎から出てきた本物の『農民』には、物事の全体像が見えていないようだ」。中国共産党機関紙「環球時報」の元編集長で発言に影響力のある胡錫進氏は中国のSNS「微博(ウェイボー)」でそう述べた。「中国に来て自分の目で確かめてほしいと、多くの人々が求めている」
バンス氏の発言に関するハッシュタグは7日夜、ウェイボーのトレンドで1位になった。8日午後まで
の閲覧件数は1億4000万件となっている。
あるユーザーは、「我々は農民かもしれないが、世界一の高速鉄道システムと最強の流通能力を持っている。AI(人工知能)や自動運転、ドローン(無人機)の技術でも他国に先んじる。農民としては相当見事なものじゃないか?」と書き込んだ。
別のユーザーは、バンス氏自身が米国の労働者階級出身であり、貧しい地域で育ったことに言及。その事実を踏まえれば今回の同氏のコメントには皮肉を感じるとした。
バンス氏は2016年に出版した回想録「ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち」で、幼少期の貧困や虐待、母親の薬物中毒などを描いている。同氏が一時期を過ごした米国東部のアパラチア地域については、富裕なエリート層に忘れられた僻地(へきち)とする感慨を綴(つづ)っている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6fcf94bf68eebe35ab75e89627b92e5062ed004a/images/000
〈関連情報〉米副大統領、インタビューで「中国の田舎者」…中国国営紙「米国人も驚いた」(2025年4月9日)
トランプ発関税爆弾で米中の緊張が高まる中、米国の副大統領が放送インタビューで中国に向けて「田舎者(peasants)」と発言し、波紋が広がっている。中国国営紙は「米国ネットユーザーも驚く発言」と反応した。
中国国営英字紙グローバルタイムズは8日、「市場の混乱の中、米官僚らの中国関連発言が米ネットユーザーを驚かせる」と題した記事で、J・D・バンス米副大統領の発言を紹介した。
バンス副大統領は3日(現地時間)、FOXニュースに出演し、「我々は中国の田舎者(Chinese peasant)から金を借りて物を買う。そしてそれは中国の田舎者が作ったものだ」と発言した。公式インタビューの席で、田舎の小作農や農奴などを見下げて呼ぶ言葉に由来する「田舎者」という言葉を「中国人」または「中国勤労者」の代わりに使用したのだ。
バンス副大統領の発言は「我々はみんな経済グローバル化が米国に何をもたらしたのか自問しなければいけない」とし「根本的にそれは2つあるが、莫大な債務を負うことと、我々のために他国が作った物を買うことがそれだ」と説明する中で出てきた。
グローバルタイムズは「ホワイトハウスの高位関係者が中国に関連して衝撃的な発言をした」とし「これは米国の全方向の相互関税を含む経済政策に対する反発が強まる中で出てきた」と指摘した。
また「こうした発言はさらに米国メディアとネットユーザーにも衝撃に与えた」とし、ら米ニュースメディアのバズフィードの記事を引用して伝えた。
バズフィードは「バンス副大統領が中国との貿易政策について話しながら中国人を侮辱する発言をした」とし「バンス副大統領ができる唯一なことは米国人に世界的な恥をかかせること」と指摘した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b6e0d02db1091740fe5fc9f945c477f2117062f8/images/000
❷ウクライナ、ロシア軍参加の中国人捕虜に 米国「憂慮」(2025年4月9日)
AFP=時事】ウクライナがロシア軍とともに戦っていたとされる中国人2人を捕虜にしたことについて、米国は8日、警戒感を示し、これは中国によるロシアへの支援の度合いを示すものだと述べた。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は8日、東部ドネツク州でロシア軍に参加していた中国人2人を捕虜にしたと発表した。
国務省のタミー・ブルース報道官は記者団に「中国人兵士が捕らえられたことは憂慮すべきことだ」とコメント。
「中国はウクライナ戦争におけるロシアの主要な支援者だ。中国はロシアが戦争を維持するために必要なデュアルユース(軍民両用)品の約80%を提供している」と指摘し、「この二つの核保有国の協力が続けば、世界情勢の不安定化がさらに進み、米国やその他の国々の安全、安心、繁栄が損なわれるだけだ」と述べた。
ジョー・バイデン前政権以降、米国は中国がロシアに軍民両用品を送っていることを非難してきた。
中国はロシアとの関係を称賛する一方、ウクライナ戦争を直接支援することは公には避けている。
ドナルド・トランプ大統領は中国に対抗する取り組みを優先するよう呼びかけ、ロシアのウクライナ侵攻の終結に向けた交渉を求めている。【翻訳編集】 AFPBB News
https://news.yahoo.co.jp/articles/9da7bb5d64e279630529e751c5072bc0cfdba74c/images/000
❸「戦争は再び始まる…」中国がロシアのために戦うために軍隊を派遣?ベルゴロドのウクライナ軍(2025年4月9日)
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアのために戦っていた中国人2人がウクライナ東部で捕らえられたと発表し、中国の軍事介入の可能性が懸念されている。ゼレンスキー大統領は、ロシアに対するイランと北朝鮮の支援と並んで深刻な緊張の高まりだとし、米国に対応を求めた。ゼレンスキー大統領はまた、ウクライナ軍が他の戦線での圧力を緩和するためにロシアのベルゴロド州とクルスク州内で活動していることを初めて確認した。また、ウクライナのドローン生産が大きく進歩し、今年20機以上の新しい認定モデルが誕生したことを強調した。一方、トランプ大統領はロシアの爆撃が激化していることに不快感を示し、双方との協議が続いていることを確認した。ウクライナ生まれの米国議員ビクトリア・スパーツ氏がゼレンスキー大統領の辞任を求め、ウクライナは領土を譲るべきだと示唆したことで、キエフ当局から厳しい非難を浴び、緊張が高まった。
https://youtu.be/TabZakRHfGk
https://www.youtube.com/watch?v=TabZakRHfGk
❹ 包囲された兵士を救出するNATOエリート特殊部隊の試みは完全な失敗に終わる2025年4月9日)
こうした背景から、「チャシフ・ヤール」の現在の状況も注目に値する。特に、「ミッショナリー」というコールサインを持つ突撃小隊「RUS」の指揮官は、ロシア軍が市のほぼ全域を支配していると述べた。彼によると、ウクライナ軍の支配下にあるのは市の中心部にある小さな住宅地と機関車庫の領域で、実際にはそこにウクライナ軍の防衛全体が集中している。
https://youtu.be/OKQ6XG8pKeQ
https://www.youtube.com/watch?v=OKQ6XG8pKeQ
❺4/9 ロシア・ウクライナ紛争】和平交渉合意の確率70%と関税のせめぎ合い
今回は、戦況と和平交渉合意の確率は70%と関税のせめぎ合いについてのお話です。
全体的にはウクライナ軍は、2つの越境攻撃は、まさに「兵は詭道なり」で今までよく持ちこたえてきたのですが、やはり航空優勢がほとんどない中、ウクライナ軍の防衛能力は、限界に近づいているように見えなくもありません。つまり前線の崩壊がいつ起きても不思議ではないように見えます。
和平に関するマスコミ報道が、トランプ関税のためでしょうか最近少なくなっていますが、水面下では米露間、米ウクライナ間で引き続き交渉が行われているようです。ゴールドマン・サックスは、ウクライナ和平合意の確率が70%と債券市場でみられていると発言したと言います。
つまりトランプ政権の米財務長官と真逆の発言で、どちらかといいますとベッセント財務長官は、関税による景気後退リスクを否定し、FRBは景気減速は、ほぼ不可避と不安を煽っているかのようです。トランプ政権の要求は、国債の借り換えをしやすくするため金利を下げたいのですがFRBは関税によるインフレを理由に今のところ金利を下げようとしないように見えます。この辺りもJ.Fケネデイ大統領同様にトランプ大統領とマスク氏がFRBを何とかしたい、できれば解体したいと言う理由なのでしょうか。
https://youtu.be/przL-20IId8
https://www.youtube.com/watch?v=przL-20IId8
❻クルスク・フロントライン 戦場独占インタビュー クルスク・ロシア州知事(パトリック・ランカスター、2025年4月8日)
クルスク最前線 独占戦場インタビュー クルスク・ロシア州知事。
この独占最前線レポートでは、ロシア・クルスク地方のアレクサンドル・キンシュテイン知事代行に、クルスクとスーミの国境に近い最前線の村ポグレブキから直接インタビューした。
キンシテイン知事は、現在の戦場の状況、文化的・歴史的遺跡の意図的な破壊、現地の市民が直面している深刻な人道的危機、そしてウクライナの軍事行動が現在も引き起こしている影響(民間人地域の広範囲な採掘など)について、重要な洞察を語っている。
https://youtu.be/yBby8gE2km8
https://www.youtube.com/watch?v=yBby8gE2km8
2025年4月12日ウクライナ情報pdfはこちら
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1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。