【特集】日航機123便墜落事件

最大の理解者で応援者の森永卓郎氏ご逝去

青山透子

※この記事は、「青山透子公式サイト 日航123便墜落の真相」の2025年1月29日付から、許可を得て転載させていただきました。

https://tenku123.hateblo.jp/entry/2025/01/29/161617

情報公開と知る権利ー今こそ日航123便の公文書を問う

この写真は、2019年7月16日に大学のシンポジウムで撮影した時の写真である。

このシンポジウムでは、情報公開の必要性と日航123便に関する公文書を開示する重要性を論じた。

三宅浩弁護士が「情報公開と知る権利ー今こそ日航123便の公文書を問う」というテーマで基調講演をし、森永卓郎氏が記念講演を行った。御遺族の吉備素子氏が自身の体験談からボイスレコーダー開示、再調査の必要性を語った大変貴重なシンポジウムの場での写真だ。

壇上にあるスクリーンには、私が取材をしてきた方々のうち、当時の防衛庁長官であった加藤紘一氏、当時の運輸大臣山下徳夫氏(拙著「墜落の新事実―目撃証言から真相に迫る」に掲載)、英国の運輸安全委員へのインタビュー写真、そして日航123便で殉職した先輩たちと一緒に撮影した客室乗務員時代の写真などを出した。会場でお会いした方たちには、私の大学院時代に出会った大江健三郎氏、立花隆氏、宏池会関係者(当時の政治家も含む)等、私が博士号を授与された時に着用したガウン姿の写真も出した。

そして、今こそなぜボイスレコーダーを公開しなければならないのか、なぜこの日航123便は墜落原因不明のまま不起訴という結果になったのかを、学術的な資料と大学機関での科学的な調査結果をもとにして説明をした。

吉備素子氏は、なぜ自分の夫が死ななければならなかったのか、なぜ520人もの墜落死について、死者たちがなぜ死ぬ必要性があったのかについて、日航からなんの説明もないまま、今に至るという話をした。そして、不起訴で誰も責任をとらないまま、こうやって長い年月をなぜ曖昧にされなければならないのかと、世の中の不条理について述べた。

イギリスからは、遺族のスーザンさんが来日して参加し、ビデオレターでは、カーディフ大学教授のクリストファー・フット氏が英国における事故調査の在り方、日航123便の不透明さについて論じた。

この会合で、森永卓郎氏は、ご自身の持つ疑問と私の持つ問題提起が合致したことで、大変喜んでおられた。そして、常に前向きに私たちを応援して下さったのである。

このシンポジウムをキックオフとして、「日航123便墜落の真相を明らかにする会」が発足し、裁判につながった。

森永氏は、私が1985年から今までの新聞報道や書籍、雑誌、論文等のすべての一次資料を基本とし、日米公文書の調査、大学研究機関での科学的調査、付随する500本以上の論文、日本の外務省記録、米軍兵士、自衛隊特殊部隊(特化連隊)関係者、自衛隊化学防護隊関係者、習志野第一空てい団関係者、520人分の遺体検視報告書、検死写真、医師からの証言等、私が20年以上かけてきて調査したことについて、大変関心を示して下さった。

こういった実在する数限りない証言と証拠にもとづき、録音録画したうえで、その一部を抜粋して執筆している私に対して、励まして下さった。

その温かい言葉とメールのやり取りは、特に「書いてはいけない」を執筆されていた頃より頻繁になり、お亡くなりになる直前まで続いた。

時には、私のJAL時代の先輩が嫁いだ老舗から森永氏に召し上がって頂ければと贈られてきた品々をお渡ししたり、飛び切り美味溢れる果物も奥様共々大変喜んでおられた。

そんな交流が続いていたのである。

森永氏と私の疑問は、なぜ日本は、ここまで情報公開が出来ない国なのか、である。

企業や官僚、政治家、どこでも誰でもが陥りやすい隠蔽は、結局悪を生む。

特に異常な企業風土はフジテレビだけではなく、日本航空も含めて、常に隠す体質である。ここにメスを入れない限り、日本は良い方向にいかないと、私も森永氏も、日航123便墜落事件を考える時、常に思っていた。

本当にかけがえのない方が、天国にいってしまった。

今こそ、40年の今年、その意思を引き継いでいきたいと強く思っている。

青山透子

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管理人です。

日航の欺瞞、悪質体質が露見しました。青山氏が12月のブログに書いた通りでした。

2025年1月25日付日経新聞記事には、「同日取材に応じた鳥取社長は、『弊社の風土、企業文化として不都合は情報があやふやなままとなり、おかしいことをおかしいと言えない状況がある』と述べ、身内に甘い社風が背景にあることを認めた」とありました。

●●が強制的に言うからこそ隠蔽したのだ、という声も多数届いています。これ以外もその背後関係も含め、真相究明が不可欠でしょう、という声も届いております。

 

www3.nhk.or.jp

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青山透子 青山透子

元日本航空国際線客室乗務員、東京大学大学院博士課程修了。主な著書に『日航123便 墜落の新事実  目撃証言から真相に迫る』(2017年)、『日航123便墜落事件 JAL裁判』(2022年)、『日航123便墜落事件 隠された遺体』(2024年)など(いずれも河出書房新社)。

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