【連載】櫻井ジャーナル

【櫻井ジャーナル】2025.04.15XML:カルトの闇に呑み込まれつつあるヨーロッパ

櫻井春彦

 ドナルド・トランプ政権で特使を務めているスティーブ・ウィトコフは4月12日、ロシアのサンクトペテルブルクでウラジーミル・プーチン露大統領と4時間にわたって会談したと伝えられている。会談にはロシアの政府系ファンドでCEOを務めるキリル・ドミトリエフも出席したという。

 アメリカとロシアの間では話し合いが進展しているように見えるが、イギリス、フランス、ドイツを含むヨーロッパ諸国はロシアに対する攻撃的な姿勢を強めている。軍事的にも経済的にもロシアに対抗することはできないが、有力メディアを利用し、必死に「ウクライナは負けていない」という幻影を広めようとしているようだ。こうした幻影を広めるために「将軍」も動員され、ウクライナとロシアは膠着状態にあると主張しているのだが、すでに欧米を信じていないロシアは停戦に応じないため、シナリオが狂っている。

 2003年3月にジョージ・W・ブッシュ政権はアメリカ主導軍でイラクを先制攻撃、サダム・フセインを殺害したが、その攻撃に反対する将軍が統合参謀本部には少なくなかった。またフランスのジャック・シラク大統領やドイツのゲアハルト・シュレーダー首相も攻撃に反対。そのため、攻撃開始は半年から一年ほど遅れたと言われている。

 しかしその後、統合参謀本部も独仏政府も米英政府に従属するようになり、ヨーロッパは好戦的な反ロシア派に牛耳られている。例えば、欧州委員会委員長のウルズラ・フォン・デア・ライエン、エストニアの首相から欧州連合外務安全保障政策上級代表になったカヤ・カラス、ドイツで外相を務めるアンナレーナ・ベアボック、国際通貨基金(IMF)の専務理事から欧州中央銀行総裁になったクリスティーヌ・ラガルドなどだ。

 フォン・デア・ライエンはロシアを敵視、イスラエルを支持しているだけでなく、遺伝子操作薬である「COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)ワクチン」を推進、副作用で少なからぬ人を死に至らしめてたり、深刻な後遺症で苦しめている。

 この危険性の高い「ワクチン」9億回分をEUはファイザーから購入しているが、この取り引きをフォン・デア・ライエンはファイザーのアルバート・ブーラCEOと個人的に交渉したとニューヨーク・タイムズ紙は2021年4月28日に伝えた。

 調達プロセスを回避するために携帯電話を利用、しかもメッセージは削除している。交渉のプロセスが不透明だということだ。しかもウルズラの夫であるハイコ・フォン・デア・ライエンはアメリカのバイオテクノロジー企業オロジェネシスの取締役だ。

 こうしいた疑惑からフォン・デア・ライエンは告訴され、ベルギーの裁判官が審理したのだが、これについて欧州検察庁は彼女に免責特権があると異を唱えた。EUでも司法システムは寡頭体制を守るために使われているのだが、そのシステムを起動させた結果、腐敗した実態を人びとに知らせることにもなった。支配層の中にフォン・デア・ライエンを守る勢力が存在する。

 そのフォン・デア・ライエンは2022年6月13日にイスラエルを訪問、6月14日にはネゲブ・ベングリオン大学から名誉博士号を授与された。​その際に行われたスピーチの中で彼女は「ヨーロッパにはタルムードの価値観がある」と語っている​のだが、タルムードが価値観の体系であるわけではない。

 タルムードとはユダヤ教の口伝律法とその註釈を集大成したもので、数千ページに及ぶ百科事典的なテキスト。ラビだけが議論し研究している。4世紀末のパレスチナ・タルムードと5世紀末のバビロニア・タルムードが残っているが、これらを聖典と認めていないユダヤ教の宗派もある。タルムードの中にイエスに対する批判が存在しているため、イエスを侮辱するものだとしてキリスト教徒から激しく非難された過去もある。そのタルムードと同じ価値観がヨーロッパにはあるというフォン・デア・ライエンの主張はスキャンダラスだ。2023年に彼女はユダヤ文化遺産賞を創設した。

 クリスティーヌ・ラガルドは2014年1月15日にワシントンDCにあるナショナル・プレス・クラブで講演した際、2014年は重要な年だということを「魔法の7」を持ち出して説明している。公の席で彼女が数秘術を披露したことに驚いた人は少なくない。

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「ガザでの住民虐殺は米英を中心とする帝国主義者による侵略の一場面」(2025.04.13ML)
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