【連載】安斎育郎のウクライナ情報

4月19日のウクライナ情報

安斎育郎

4月19日のウクライナ情報
安斎育郎

❶ウクライナ和平構想を伝達 米ロ外相、意思疎通継続(KYODO,2025年4月18日)
【モスクワ、ワシントン共同】ルビオ米国務長官とロシアのラブロフ外相は17日に電話会談した。国務省によると、ルビオ氏は、米政権がウクライナとロシアの恒久的な和平実現に向けた構想の概要を全ての関係国に伝達したと説明。ロシア外務省は、両氏が今後も意思疎通を継続することで一致したと発表した。
国務省によると、ルビオ氏はロシアとウクライナの戦闘終結に向けたトランプ大統領らの意欲を改めてラブロフ氏に伝達。全ての関係国に合意形成への決意があれば和平実現は可能と強調した。
ルビオ氏は訪問先のパリで、ウクライナや欧州の政府高官にも同様の内容を伝えたとし「勇気づけられる反応」があったとの見解も示した。
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❷ウクライナの安全保障どうなる 英仏など30か国の国防相が協議 近隣諸国のNATO軍強化も議論(TBSテレビ、2025年4月11日)
ロシアとの停戦後のウクライナに対する安全を保証するため、イギリスやフランスなどおよそ30か国の国防相らが集まり、協議しました。
会合は10日、NATO=北大西洋条約機構の本部で開かれ、イギリスのヒーリー国防相は冒頭、停戦後の平和維持部隊について、「ウクライナの恒久的な和平を確実にするための安全保障体制となる」と強調しました。
ただ、有志国の中にはウクライナへの部隊派遣に反対意見もあり、ロイター通信によりますと、近隣諸国のNATO軍を強化することも議論されているということです。
11日には、ウクライナへの弾薬供給など防衛支援のための会合が開かれますが、ヨーロッパ各国では人材不足や工場の老朽化などの問題が浮き彫りになっています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/94423c6ab4985c6c41d8aa1301e629e7c55df7ad

❸ウクライナへの有志国部隊「ドニプロ川西側に」 米特使が提案(2025年4月14日)
ロシアとの停戦後にヨーロッパなどの有志国がウクライナに部隊を派遣する構想について、アメリカ・トランプ政権の担当特使が、ウクライナを南北に流れるドニプロ川の西側に部隊を展開させる案を示しました。
これは、トランプ政権のケロッグ・ウクライナ担当特使が11日に公開されたイギリス「タイムズ紙」のインタビューで語ったものです。
ケロッグ氏は、停戦後のウクライナの安全保障体制について、▼ウクライナを南北に流れるドニプロ川の西側にイギリス・フランスが主導する有志国による部隊が展開し、▼ウクライナ東部や南部クリミア半島などロシアが実効支配する地域にはロシア軍がとどまる案を示しました。
また、現在の前線付近には「非武装地帯」を設けて、ロシアとウクライナ軍の衝突を回避するとしています。
ケロッグ氏は、有志国部隊が駐留する案について「ロシアにとって全く挑発的なものではない」と主張したほか、アメリカが地上部隊を派遣する考えはないと強調しました。
また、タイムズ紙は停戦後のウクライナの状況について、ケロッグ氏がアメリカ・イギリス・フランスとソ連が分割統治した「第2次大戦後のドイツ・ベルリン」になぞらえたと報じています。
これについてケロッグ氏はSNSで不正確だと指摘し、有志国部隊の責任地域について述べたもので、「ウクライナの分割についての言及ではない」と主張しました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a9b8dab3c5cda0241337011ee1ab81649

❹ NATOルッテ事務総長 ウクライナ訪問 ゼレンスキー大統領と安全保障や和平交渉について協議(TBSテレビ、2025年4月16日)
NATO=北大西洋条約機構のルッテ事務総長がウクライナを訪問してゼレンスキー大統領と会談し、ウクライナやヨーロッパの安全保障などについて協議しました。
ルッテ事務総長とゼレンスキー大統領は15日、南部オデーサを訪れ、医療施設にいる負傷兵を慰問したほか、会談にのぞみました。
記者会見でルッテ氏は、アメリカが進めるウクライナとロシアとの戦闘終結に向けた交渉について「簡単ではない」と指摘した上で、「我々は皆、トランプ大統領の和平実現を目指す取り組みを支持している」と強調しました。
ゼレンスキー氏は「プーチン大統領は35日間にわたりアメリカの完全停戦にむけた提案を無視し続けている」とロシアを非難しました。
また、ロシアのミサイル攻撃により、ウクライナ北東部スーミで民間人30人以上が死亡したことを念頭に防空システム増強の必要性を強調し、改めて支援を要請しました。
ゼレンスキー氏によりますと、トルコではウクライナのほか、イギリス、フランスなどの有志国が参加し、黒海の安全保障を話し合う会議が開かれていて、16日まで続くということです。
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❺「全員に責任がある」戦闘終結の交渉進まずトランプ大統領がロシア・ウクライナ双方にいらだち強める(2025年4月15日)
ロシアによるウクライナ侵攻の終結に向けた交渉が進まない現状に、アメリカのトランプ大統領がいらだちを強めています。プーチン大統領に対しても「侵攻を始めるべきではなかった」と批判しました。
アメリカ トランプ大統領
「バイデンもゼレンスキーも止めることができたはずだ。プーチンは始めるべきではなかった。全員に責任がある」
トランプ大統領は14日、戦闘終結に向けた交渉が進展しないウクライナ情勢についてこのように発言し、いらだちをあらわにしました。
ゼレンスキー大統領に対しては「自国の20倍の国土を持つ国と戦争を始め、ほかの国がミサイルを提供してくれるのを望むべきではない」とも発言しています。
トランプ氏は当初、ロシア寄りの姿勢を見せていましたが、最近ではプーチン氏の態度について「むかついた」と発信するなど、ウクライナ・ロシア双方への批判のトーンを高めています。
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❻ウクライナ戦争終結が不可能なら、米国は「前へ進む」べき ルビオ国務長官(CNN, 2025年4月18日)
※安斎注:地下資源開発交渉を進めるためなのか、とにかくウクリアナ戦争を抑えたという実績を残したいための交渉術なのか、ウクライナや欧州諸国はすごく戸惑うだろうなあ。
(CNN) ルビオ米国務長官は18日、ウクライナ戦争を終結させることが不可能なのであれば、米国は取り組みを打ち切って前へ進む必要があるとの認識を示した。
ルビオ氏は仏首都パリを離れる前に記者団の取材に応じ、「ウクライナ戦争の終結が不可能なのであれば、我々は前へ進む必要がある」と発言。「実現可能かどうかを迅速に判断する必要がある。私が言っているのは数日単位の話だ」と述べた。
トランプ政権がウクライナにおけるロシアの戦争の終結を模索するなか、ルビオ氏とウィトコフ特使は前日、欧州やウクライナの支援国と会談していた。
国務省の説明によれば、米国が策定した和平案の概要は会談で「前向きに受け止められた」という。ルビオ氏はロシアのラブロフ外相とも会談し、同じ概要を伝えたとされる。
ルビオ氏は18日、ウィトコフ氏とともにパリを訪れたのは「戦争終結に何が必要になりそうか、より具体的な枠組みについて協議を始め」、終結が可能かどうか見極めるためだと説明した。
さらに「もしそれが不可能で、立場があまりにかけ離れていて実現の見通しが立たないのであれば、大統領が『終わりだ』と言う段階におそらく来ていると思う」と説明。
「これは我々の戦争ではない。始めたのは米国ではない。米国は過去3年間ウクライナを支援してきたし、終結を望んでいるが、これは我々の戦争ではない」とも述べた。
「トランプ大統領は87日間にわたり、政権の最高レベルで戦争終結へ向けた努力を重ねてきた。今や実現可能かどうかを判断すべき時点に来ている。我々が双方と接触しているのはそのためだ」(ルビオ氏)
一方、ロシアは夜間にウクライナ東部ハルキウの住宅街へミサイル攻撃を行い、当局の18日の発表によると、1人が死亡、67人が負傷した。さらに多くの人が集合住宅の瓦礫(がれき)の下に閉じ込められている可能性もあるという。
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❼ トランプ政権がウクライナ和平の「枠組み」提示 パリで会合(毎日新聞、2025年4月18日)
ロシアの侵攻を受けたウクライナ情勢を巡り、トランプ米政権が停戦実現に向けた動きを加速させている。ルビオ国務長官らは17日にパリでマクロン仏大統領やウクライナの高官との会合に出席。ルビオ氏はロシアのラブロフ外相とも電話協議し、全当事者に対して「永続的な和平の枠組み」を提示したと伝達した。
ルビオ氏はパリで、ロシア側との交渉を主に担当する中東担当特使のウィットコフ氏やウクライナ担当特使のケロッグ氏とともに、フランスやウクライナ、英国の高官らとの会合に出席した。
ウクライナのイエルマーク大統領府長官によると17日の会合は、英仏が主導するウクライナ支援のための有志国連合とウクライナの会議▽米国とウクライナの会議▽全体会議――の順に開かれ、停戦を実現するための方策や、停戦監視、停戦違反があった場合への対応などが議題になった。米国務省によると、ルビオ氏が提示した枠組みは各国に「好意的」に受け止められたという。
ロイター通信によると、バロ仏外相は記者団に「新しい点は、米国、ウクライナ、欧州が同じテーブルに着いたことだ」と意義を強調。AP通信によると、これまでロシア寄りの発言が目立っていたウィットコフ氏がウクライナの高官と会談したのは初めてとみられる。
イエルマーク氏はウクライナと米国、ドイツ、英国、フランスによる次回会合が来週にも開かれる見通しだと明らかにした。【ワシントン松井聡、ブリュッセル宮川裕章】
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❽デンマーク軍がウクライナへ向かう。その規模は大きい(2025年4月17日)
デンマークは、ウクライナ軍による訓練を受けるため、地上部隊を派遣しています。デンマーク陸軍司令官のペーター・ボイセン少将は、デンマーク軍はウクライナ軍による訓練を受けることで大きな恩恵を受けるだろうと述べています。今回のエピソードでは、ウクライナ紛争と、ドローン戦が戦場をいかに変化させ、再構築したかを取り上げます。ドナルド・トランプ大統領は、ウクライナ紛争から米国を遠ざけようとしたため、欧州のウクライナ支援に「うんざり」していると報じられています。EUは、5月9日の軍事パレードに出席するためモスクワを訪問すると表明したロベルト・フィツォ氏の発言に対し、声明を発表しました。
https://youtu.be/SYcwQt57_ho
※注:デンマーク軍のことです
https://www.youtube.com/watch?v=SYcwQt57_ho</

❾【4/18 ロシア・ウクライナ紛争】もう真実を隠し切れなくなったウクライナの情報戦(2025年4月18日)
https://youtu.be/O9hWxOa7ZGo
今回は、戦況とロシアのイスカンデル・ミサイルがスムイ市に2発着弾。市民と兵士に死傷者がでたのですが、ゼレンスキー氏は、その事件の真実を隠して発言していましたが、隠し切れなくなったというお話です。
前線全体に渡ってロシア軍が攻勢を強めていて、前回お話申し上げまし様にウクライナ軍参謀本部もようやくそれを認める様になりました。しかし、ロシア軍の本格的攻勢は5月から6月とウクライナ軍は見ています。これも情報戦ですが、おそらく非舗装道路が乾燥してくる時期にロシア軍の大攻勢があると予想しているのかもしれません。NATOの60トン級重戦車と比べ、ロシア軍の戦車は比較的泥濘でも沈まずに走れるといいます。しかし、それでもトランプ大統領が予定しています100日は過ぎてしまうかもしれません。トランプ大統領は、4月末か5月初めに和平合意にこぎつけたいと考えていると言われていますので、今のところどうなるのかプーチン大統領の決断しだいのように見えます。
https://www.youtube.com/watch?v=O9hWxOa7ZGo

❿ウクライナによるエネルギー施設攻撃を批判しない西側は奇妙、停戦は非現実的=露国連大使(2025年4月18)
ウクライナ側はエネルギーインフラに対する攻撃停止の合意を遵守しておらず、現時点で停戦は現実的ではない。ロシアのネベンジャ国連大使が安保理の非公開協議後、記者団に語った。
そのほか、大使の主な発言。
・ロシアとウクライナの合意を安保理が文書化する可能性もあるものの、すべては停戦の条件と文書の文言次第。
・西側諸国はウクライナによるエネルギーインフラへの攻撃を中止させようとしていない。
・会合ではロシアと米国の代表のみが発言し、そのほかの代表は沈黙を守る、きわめて「奇妙」な協議協議だった。
https://sputniknews.jp/
/19787307.html

2025年4月19日ウクライナ情報pdfはこちら

 


 

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安斎育郎 安斎育郎

1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。

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