【連載】安斎育郎のウクライナ情報

4月21日のウクライナ情報

安斎育郎

4月21日のウクライナ情報
安斎育郎

❶ロシアが復活祭で軍事行動を停止 ウクライナに同調求める(共同通信、2025年4月19日)
【モスクワ共同】ロシアのプーチン大統領は19日、ロシア軍のゲラシモフ参謀総長と会談し、20日の復活祭(イースター)に合わせてモスクワ時間の19日午後6時(日本時間20日午前0時)から21日午前0時(同午前6時)までの30時間、ウクライナに対する全ての軍事行動を停止するよう命じた。ウクライナにも同調するよう求めた。
ロシア国防省によると、プーチン氏が一方的に発表した今回の「復活祭停戦」は、ウクライナ側も応じることが停戦順守の条件。プーチン氏は「ウクライナ側の反応は、和平交渉をどれほど望み、参加する意思があるかどうかを示すことになる」と語った。
プーチン氏は3月に合意したエネルギー施設に対する攻撃停止を巡っては、ウクライナ側から100回以上の違反があったと指摘し、ウクライナ側からの挑発的な行動に備えるよう命じた。現在の戦況について「ロシア軍は一歩一歩前進している」と自信を示した。
プーチン氏は2023年1月にロシア正教のクリスマスに合わせた停戦命令を出したことがある。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6536043

❷ウクライナ、米との鉱物協定協議で大きな進展 覚書署名へ=高官(ロイター、2025年4月17日)
キーウ 16日 ロイター] – ウクライナのスビリデンコ第1副首相は16日、米国との鉱物資源に関する協議で「大きな進展」が見られ、近い将来に覚書に署名することで合意したと明らかにした。
Xへの投稿で「実務チームが緊密に協力して合意に向けて作業を進めた結果、大きな進展があった。法務担当者が合意案の一部の項目について調整を行った」と説明した。
双方は合意に向けた作業を継続し、協議の進展を示す第1歩として近く覚書に署名することで一致したと述べた。
カチカ経済副大臣は国営テレビに対し、協議が進展しており、覚書が間もなく署名される可能性があると語った。
「最終文書が今週署名されることはない。合意に盛り込まれた米国側の構想をさらに発展させる必要があるため、課題は多い」と述べた。
トランプ米大統領は、ロシアとウクライナの和平交渉の一環として、ウクライナとの鉱物資源取引を求めている。ブルームバーグは関係筋の情報として、米政府が2022年のロシアによる侵攻以来、ウクライナに提供した支援総額の見積もりを3000億ドルから約1000億ドルに引き下げたと報じた。
スビリデンコ氏は、米国との協定はウクライナ議会での批准が必要と指摘した。「協定によってウクライナへの投資と発展の機会が創出され、ウクライナと米国双方にとって実質的な経済成長に向けた条件が整う」と述べた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9565db19e2734a813cdfabb8377cbd9435a651a2/images/000

❸焦点:ウクライナからロシアへの子ども連れ去り、トランプ政権が責任追及阻む
(Max Hunder、2025年3月30日)
[ヘルソン(ウクライナ ) 27日 ロイター] – ウクライナからロシアに連れ去られた子どもらに関する米イェール大学の調査プロジェクトに対し、トランプ米大統領が資金拠出を停止したことを知ったボロディミール・サハイダクさんは、誘拐犯が果たして公正な裁きを受ける日は来るのだろうかと疑問に思った。
ロシアがウクライナ侵攻を開始した2022年2月、サハイダクさんはウクライナ南部ヘルソンで児童養護施設を運営し、50人余りの子どもを預かっていた。
侵攻直後、子どもらがロシア側に連れ去られないよう、すぐに親族や職員の元へ「分散疎開」させたが、市内の学校に登校していた数人がロシアの占領地に送られてしまった。
「何十人もが取り組んできた全ての作業を、たった1人(トランプ氏)が台無しにできることが腹立たしい。(子ども連れ去りは)刑事的な責任を問う必要があるが、米国は私たちに異なる景色を見せようとしている」。サハイダクさんは今週、ヘルソンでロイターに語った。
ロシアの犠牲になった民間人や声を届けられない子どもらのために正義を追求するプログラムに、米国からの重要な支援が止まったことについては、サハイダクさんを含め多くのウクライナ人が怒りを感じている。
https://jp.reuters.com/world/ukraine/6MX7V6ABKBNVHJCI44CQJV5UGI-2025-03-29/?rpc=122

❹ 復活祭の一時停戦に関するプーチン大統領の声明 要旨(2025年4月20日)
復活祭(イースター)に合わせた一時停戦はモスクワ時間19日午後6時(日本時間20日午前0時)に始まり20日24時(21日午前6時)まで続く。
・この期間はすべての戦闘行為を停止しなければならないが、ロシア軍は停戦違反や敵からの挑発行為に対処する準備を整えておく必要がある。
・今回の一時的な停戦は、問題を平和的に解決する意欲と能力がキエフ政権にあるかをどうかを示すものとなるだろう。
・ウクライナはエネルギー施設に対する攻撃の一時停止に100回以上違反した。
・プーチン大統領はロシア軍のゲラシモフ参謀総長に対し、露クルスク州の領土から敵が完全に排除されたら改めて報告するよう指示した。
https://twitter.com/i/status/1913635302381650413
https://sputniknews.jp/20250420/19797377.html

〈関連情報〉宇は復活祭の一時停戦に違反する可能性がある=セルビアの政治家(2025年4月20日)
ロシアが発表した復活祭(イースター)に合わせた一時停戦はロシア側からの良い一歩だが、ウクライナは他の合意と同様に違反する可能性がある。「セルビア急進党」の創始者ヴォイスラヴ・シェシェリ氏がスプートニクに語った。
「ウクライナ側はいかなる合意も堅持せず、西側勢力の手中にある道具となっており、ウクライナ人の命やウクライナの土地がどうなるかを気にかけていない」
シェシェリ氏はまた、ウクライナ紛争は特別軍事作戦が完了したときに成功裏に終結する可能性があるとの見方を示した。
プーチン大統領は19日、復活祭に合わせた一時停戦を発表した。期間はモスクワ時間19日午後6時(日本時間20日午前0時)から21日午前0時(同午前6時)まで。プーチン大統領は、ウクライナもロシアの例に倣うと考えていると述べた。一方、ロシア軍は停戦違反や敵からの挑発行為に対処する準備を整えておく必要があると指摘した。
https://sputniknews.jp/20250420/19798409.html

❺露クルスク州の領土99.5%が解放された=露軍参謀総長(2025年4月19日)
ロシア軍の全6部隊が11方面で進撃している。ロシア軍のゲラシモフ参謀総長がプーチン大統領に報告した。
主な発言
・クルスク州のゴルナル及びオレシュニャではウクライナ軍の残党を掃討する作戦が続けられている。
・露ベルゴロド州に侵入しようとするウクライナ軍の試みは阻止された。
・プーチン大統領はゲラシモフ参謀総長に対し、クルスク州の領土から敵が完全に排除されたら改めて報告するよう指示した。
・ロシア軍は3月初旬、ウクライナ軍が越境攻撃を行う西部クルスク州で大規模な攻勢を開始し、数日間で1100平方キロメートル以上の領土を解放した。ウクライナ軍によるクルスク州への侵攻後、ロシア軍は計64集落を解放した。
・クルスク方面での戦闘で、ウクライナ軍は合わせて7万5170人以上の兵士、戦車411両、装甲戦闘車両2280台を失った。
https://sputniknews.jp/20250419/995-19796928.html?rcmd_alg=collaboration2

❻米国は宇への軍事支援ではなく和平に期待(2025年4月19日)
トランプ米大統領はウクライナへの軍事支援を巡り、停止する可能性を否定しなかったが、和平合意の成立は可能だと信じていると強調した。
トランプ氏はまた、いずれかの当事者が「妨害を始めた」場合、米国はウクライナに関する交渉プロセスから撤退するとした。
https://twitter.com/i/status/1913309333842014346
https://sputniknews.jp/20250419/19792773.html?rcmd_alg=collaboration2

❼ロ西部州でウクライナ軍の制圧集落残り1に(KYODO,2025年4月19日)
【モスクワ共同】ロシア国防省は19日、昨年8月からウクライナ軍の越境攻撃を受ける西部クルスク州で1集落を奪還したと発表した。ロシア治安当局者によると、ウクライナ側が実効支配するのは残り1集落となった。タス通信が報じた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3d2ee36381d586f42d32b1968fba3ecc5481be73

❽トランプ氏はウクライナ・ロシア交渉から撤退すると警告!(2025年4月19日)
ゼレンスキー氏がトランプ氏の言うことに従うか、プーチン氏に殺されるかだ。至って単純だ。米国からの資金、武器、情報、弾薬などがなければ、ウクライナは急速に崩壊するだろう。
トランプ氏は状況解決は可能だと明言しているが、交渉から撤退する覚悟が必要だと何度も述べており、それが彼に更なる影響力を与えている。
トランプ氏は主導権を握っており、ゼレンスキー氏が屈服するまで圧力をかけ続けるだろう。もしゼレンスキー氏が屈服を望まなければ、プーチン氏は武力で彼を拘束するだろう。
私が何度も言ってきたように、ゼレンスキー氏は死にゆく男だ。彼が逃げ出すシナリオなどあり得ない。
https://x.com/i/status/1913348570155302998
https://x.com/10092002r/status/1913348570155302998?s=09

❾ ゼレンスキーは民主主義を(再び)打ち消した – 選挙はなく、戒厳令が敷かれるだけだ (Drew Berquist、Redacted、2025年4月20日)
https://youtu.be/lqYcMO6v7Kc
https://www.youtube.com/watch?v=lqYcMO6v7Kc

❿【戦況】占領が止まらない〜4/20日曜版です🫡‼️(ニキータ伝〜ロシアの手ほどき、2025年4月20日)
※安斎注:ロシア有利の戦況の下では、クルルクを全部解放し、東部4州を把握するまではロシアは戦闘を続ける気がします。
https://youtu.be/SfIMSI56MP8
https://www.youtube.com/watch?v=SfIMSI56MP8

2025年4月21日ウクライナ情報pdfはこちら

 


 

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安斎育郎 安斎育郎

1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。

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