
【櫻井ジャーナル】2025.04.29XML:軍参謀本部幹部を暗殺したウクライナの特殊部隊員逮捕、背後に英機関の疑い
国際政治ロシア軍参謀本部のヤロスラフ・モスカリク作戦部副部長が4月25日にモスクワ東部のバラシハで暗殺された。同副部長の自宅近くに駐車していたフォルクスワーゲンのゴルフに仕掛けられていたIED(即席爆発装置)がウクライナ領内からの遠隔操作で爆発したとされている。
それを仕掛けたウクライナの特殊部隊員イグナト・クジンは爆発の前に逃走したが、トルコで治安部隊に拘束され、モスクワに連行されたと報道されている。西側が背後にいるウクライナ軍がロシアとの戦争で敗北したことは明確で、テロに頼らざるをえなくなっているのだろう。
アメリカのドナルド・トランプ大統領はロシアのウラジミル・プーチン大統領とウクライナを舞台とした戦闘を終わらせようと話し合いを続けているが、戦況が自分たちにとって有利なロシアは急いでいない。西側から何度も煮湯を飲まされてきたロシアが求めているのは停戦でなく降伏のはずだ。
24日に録画されたと見られているCBSのインタビューでロシアのセルゲイ・ラブロフ外相はこの点を指摘している。停戦交渉は西側からウクライナへの武器供給を止めてからでなければ始められないというのだ。当然だろう。西側を信頼したロシアは何度も煮湯を飲まされている。
アメリカのバラク・オバマ政権はネオ・ナチを使ったクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ政権を2014年2月に倒したが、クーデターに反対する人は軍や治安機関でも少なくなかった。そのメンバーの約7割が離脱、一部は反クーデター軍に合流したと言われている。
そこでクーデター体制の戦力を増強させる必要が生じ、そのため時間を稼がねばならなくなった。アンゲラ・メルケル元独首相は2022年12月7日、ツァイトに対して「ミンスク合意」は軍事力を強化するための時間稼ぎだったと認めている。その直後にフランソワ・オランド元仏大統領はメルケルの発言を事実だと語った。アメリカ/NATOは8年かけてウクライナの戦力を増強したのだ。
ところで、クジンは2023年4月にウクライナの特殊部隊に採用され、9月にロシアへ入国、11月にモスカリク中将と同じ集合住宅に引っ越している。2025年2月に彼は自動車を購入、爆発物とカメラを車両の後部に設置したというが、こうした作戦は事前の調査をする必要があり、暗殺を支援するためのチームが編成されていたはず。西側、おそらくイギリスの情報機関がターゲットを監視、クジンを指導していたのだろう。
昨年12月17日にはロシア軍の放射線・化学・生物防衛部隊を率いていたイゴール・キリロフ中将がモスクワで暗殺されたが、この時は電動スクーターに取り付けられた爆発物が遠隔操作で作動している。ウクライナの情報機関が実行したのだが、その背後にはアメリカやイギリスの情報機関がいる可能性は高いと見られている。
4月22日にインドが実効支配しているカシミール地方でテロ攻撃があり、同国とパキスタンとの間で軍事的な緊張が高まり、4月26日にはイランのバンダル・アッバース港で大規模な爆発が発生している。これらとモスカリク暗殺との間に関係があるかどうか不明だが、何者かが混乱を望んでいる可能性がある。
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「軍参謀本部幹部を暗殺したウクライナの特殊部隊員逮捕、背後に英機関の疑い」(2025.04.29ML)
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