【連載】安斎育郎のウクライナ情報

4月29日のウクライナ情報

安斎育郎

4月29日のウクライナ情報
安斎育郎

❶トランプはヨーロッパの計画とゼレンスキーの夢を破壊する【2025年4月26日】
ドナルド・トランプ氏は、クリミアはロシア領のままであり、ウクライナに返還されることはないと述べた。また、ウクライナの他の占領地域の状況についても言及した。トランプ大統領はウクライナ戦争の根本原因についても言及し、この戦争勃発の理由の一つとしてNATOを挙げた。ゼレンスキー大統領は、ウクライナが米国に提案書を提出し、回答を待っていると述べた。
https://youtu.be/rSanyN8Ei8M
https://www.youtube.com/watch?v=rSanyN8Ei8M

❷ボリスはトランプ大統領のウクライナ政策に激怒(2025年4月27日)
ドナルド・トランプ大統領の和平案、そしてクリミアがウクライナにとって永久に失われたと彼が考えているという事実に対し、世界は反発している。匿名の欧州当局者は、トランプ大統領の提案は国際法に抵触し、世界中の他の政権による軍事力行使を助長するものであり、懸念すべき事態だと述べた。英国の元首相ボリス・ジョンソン氏も、トランプ大統領の和平案はウクライナにとって全く有利ではないと公言している。
https://youtu.be/iJ-2_wi6W50
https://www.youtube.com/watch?v=iJ-2_wi6W50

❸交渉におけるゼレンスキーの 「戦術」 ドミトリー・ポリアンスキー露大使(2025年4月26日)
https://youtu.be/fwbQ7pjqSII
https://www.youtube.com/watch?v=fwbQ7pjqSII

❹ なぜ西側は平和を想像できなくなったのか?(Dr. Jan Oberg、2025年4月25日)
なぜ西側諸国はすべての問題を戦争で解決しようとするのでしょうか?ヨーロッパや世界における平和共存の高尚な目標や理想はどうなったのでしょうか?非暴力的な国際関係や平和プロジェクトとしてのヨーロッパのビジョンはどうなったのでしょうか?
オーバーグ博士はスウェーデンにいるデンマークの平和研究者で、最近、ヨーロッパの平和研究の進行中の悪化、特に「平和」が「安全保障」へと徐々に変化していることについて注目すべきSubstackの記事を書きました。これは、今日ではほぼ「平和」ではなく「安全保障」に専念している「ストックホルム国際平和研究所」(SIPRI)によって最も悪名高く例示されています。
追悼:ヤン・オーバーグとパスカル・ロッタズは、この会話をアルヴァ・ミュルダールに捧げます。彼女は1966年にSIPRIの設立を提案した委員会を主宰し、1982年にノーベル平和賞を受賞しました。また、1971年から1981年までSIPRIの所長を務め、核廃絶を提唱した核物理学者フランク・バーナビーにも捧げます。
https://youtu.be/e4xWA0_STSE
https://www.youtube.com/watch?v=e4xWA0_STSE

❺合意はなお細部調整中(ラブロフ、2025年4月25日)
ラブロフ外相はトランプ米大統領の「ウクライナ情勢の解決に向けた合意が今週中に成立する」との発言について次のようにコメントした。
「大統領(ドナルド・トランプ米大統領)の声明には合意が言及されており、私たちは合意を結ぶ用意があるが、この合意のいくつかの個別条項、要素については微調整が必要であり、私達はまさにそのプロセスに取り組んでいる」と、米CBSのインタビューで述べた。その一部は木曜日に公開された。インタビューの全文は日曜日に放送される。
https://x.com/tobimono2/status/1915618789531529452?s=09

❻有志連合 ウクライナ和平交渉の妨害【2025年4月26日】
スティーブ・ウィトコフは現在ロシアで、ロシアとウクライナの戦争を終結させるための和平交渉を仲介するか、少なくともドナルド・トランプに受け入れられるプランを提示しようとしている。しかし、特にアメリカ、ヨーロッパ、ウクライナの立場はますます乖離し、緊張は高まったままである。
ディスカッションでは、英国のアプローチとNATOの相反するナラティブを批判する。イアンは、ロシアが弱体化し枯渇しているという矛盾した報道にもかかわらず、英国メディアと政府がロシアに関する恐怖に基づくレトリックを押し付けていることに不満を表明する。イアンはこの矛盾を批判し、どうしてロシアは崩壊しつつある軍事力と長期的な脅威の両方を併せ持つことができるのかと問いかける。
NATOのシミュレーションでは、2022年に6万~8万人の軍隊を配備すれば、数週間でロシアをウクライナから追い出すことができると報じられているが、イアンはこれを非現実的な 「不思議の国のアリス 」的思考だと断じる。しかし、より最近のシミュレーションでは、ロシアのミサイル攻撃で英国が圧倒されることを示唆しており、より根拠のある評価を示している。
彼らは、多くの政治的・軍事的エリートが時代遅れの冷戦思考にしがみついていると主張する。一方、米国はトランプ大統領の下でシフトしているように見えるが、英国の指導者たちは(スターマーのように)過去の反トランプ、反ロシアの立場もあり、適応することなく同じ道を歩み続けている。
イアンは、メディアの偏向や凝り固まった信念のために、英国で主流の物語に異議を唱えることがいかに難しいかを強調し、代替的なVIを論じただけで「ロシアのプロパガンダ」を広めているというレッテルを貼られた個人的な経験を語っている。
https://youtu.be/XmDBHecJddA
https://www.youtube.com/watch?v=XmDBHecJddA

❼ 露が前提条件なしの交渉提案、ゼレンスキーは窮地=元米国防省アナリスト(2025年4月27日)
米空軍退役中佐で専門家のカレン・クウィアトコウスキー氏は、スプートニクに対し、「ロシアは前提条件なしにウクライナと交渉を再開する用意がある」とのクレムリン(露大統領府)の姿勢についてコメントした。
クウィアトコウスキー氏は、まず3つの重要な点として、第1にロシアは必要な限り戦闘を継続できること、第2に特別軍事作戦の目的はほぼ達成されていること、第3にプーチン大統領は経験豊富で正当かつ、経済面でも安全保障面でも積極的に国を導いているということをあげた。そのうえで次のように述べる。
「ロシアが提示した無条件の条件は賢明で、ゼレンスキーにも同様の行動をするよう圧力をかけるものだ。しかし、ゼレンスキーはそうすることができず和平に関心がないように見えてしまう。このままでは、情報支援を含め、ウクライナへの米国の援助は完全に枯渇するだろう。ゼレンスキーもこのことを理解しているが、政治的に窮地に立たされている。なぜなら、目の前にある無条件の直接和平交渉に臨まないことは、ウクライナの和平実現の可能性を阻害することになるからだ。とはいえ、ウクライナ問題におけるロシアとNATOのパワーバランスを考慮すれば、ウクライナの出す条件は非現実的だ」
https://sputniknews.jp/20250427/19828609.html
〈関連情報〉プーチン大統領、宇と前提条件なしで交渉再開の用意を確認(2025年4月27日)
ロシアのプーチン大統領は、米トランプ政権のウィトコフ特使との会談で、ロシアは前提条件なしにウクライナと交渉を再開する用意があることを確認した。ロシアのペスコフ大統領報道官が明らかにした。
「ウラジーミル・プーチン大統領は、トランプ米大統領の特使ウィトコフ氏との25日の会談で、ロシア側はいかなる前提条件もなしにウクライナとの交渉プロセスを再開する用意があると改めて述べた」ペスコフ氏はこう語った。
なお、ウクライナは停戦後にのみ和平に関して協議する用意があるとしている。
「我々はいかなる形式でも、誰とでも、いつでも対話する用意がある。しかし、ロシアが戦争を終わらせる用意があるという実際のシグナルが示された後に限る。そのシグナルとは、完全かつ無条件での停戦である」
ウクライナのゼレンスキー氏は記者会見でこう述べた。
ゼレンスキー氏は22日、キエフは完全な停戦後にモスクワと協議する用意があるとすでに明言していたが、ロシアとの交渉を禁止する法令をまだ廃止していない。
https://sputniknews.jp/20250427/19827897.html?rcmd_alg=collaboration2

❽プーチン大統領の和平交渉の声明にレバノン人政治学者の反応(2025年4月27日)
プーチン大統領のウクライナとの和平交渉に関する声明について、レバノン人政治学者 サルキス・アブ・ゼイド氏はスプートニク・アラビア語課からの取材に次のようにコメントしている。
ウクライナにおける軍事紛争の和平交渉については、ロシアの立場は常に明確かつ、一義的なままだ。プーチン大統領は、ロシアは一切の前提条件を付けずに対話の用意があることをこれまで幾度も強調してきた。 ウクライナは、一方では米政権とは共通言語を見つけておらず、同時にブリュッセル(EU)の立場にも依拠しているが、EUは残念ながら戦争の継続に関心がある。(紛争を)エスカレーションさせるよう焚きつけているのはまさに欧州だ。欧州はウクライナにあらゆる支援を行いながら、米国に対しては、紛争が停止せぬよう圧力をかけている。 EUは、戦争が全ての意味を失くした以上、自らの政策を見直し、和平に協力すべきだ。ウクライナは特に、ロシアには外交的手段による紛争終結の用意があることを考慮した上で、現実を正しく評価し、危機の政治的解決を選択する必要がある。
https://sputniknews.jp/20250427/19828381.html

❾ ロシアはウクライナ全体を占領したわけではない」トランプ氏はプーチン氏に「多大な圧力」をかけたとクレムリンが主張(CLRCUT、2025年4月25日)
ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は4月24日、CBSニュースに対し、ウクライナ問題で米国と「合意に達する用意がある」と述べつつも、いくつかの要素については「微調整」が必要だと述べ、外交上の衝撃波を引き起こした。
ラブロフ外相はまた、ドナルド・トランプ米大統領はウクライナ危機の根本原因を理解している「おそらく地球上で唯一の指導者」だと述べた。ラブロフ外相によると、トランプ氏はウクライナをNATOに引き入れたことは「大きな過ち」だったと考えており、バイデン政権の責任だと非難し、「それを正したい」と述べている。
この大胆な主張は、ロシアがキエフに対し数ヶ月ぶりの最悪の攻撃を開始し、12人が死亡したわずか数時間後になされた。しかし、ラブロフ外相は「我々は軍事目標か、軍事目的で使用されている民間施設のみを攻撃する」と主張している。
https://youtu.be/V73g0FCKo28
https://www.youtube.com/watch?v=V73g0FCKo28

❿クライナが若い兵士に数百万ドルを提供する理由(Times Now 世界ニュース、2025年4月26日)
ウクライナは、対ロシア最前線で戦う18歳から24歳の若い市民をリクルートするために、大胆な新プッシュを開始した。高給、現金ボーナス、住宅奨励金などを約束し、政府は大きなリスクに対して大きな報酬を提供しようとしている。しかし、ウクライナが疲弊とロシアの進撃と戦う中で、この動きは十分なのだろうか?トランプ大統領が停戦を呼びかけたことで、第二次世界大戦以降、ヨーロッパで最も死者の多い戦争に新たな展開が加わった。この世代が戦争によってどのように再構築されつつあるのかを見よ。
https://youtu.be/Qmts7HuumcQ
https://www.youtube.com/watch?v=Qmts7HuumcQ

⓫ロシア、ウクライナ北東部へ進軍 「緩衝地帯」設置か(2025年4月27日)
モスクワ共同】ロシア軍のゲラシモフ参謀総長は26日、プーチン大統領への戦況報告で、ウクライナ北東部スムイ州で4集落を占領し、同州の制圧面積は90平方キロに達したと明らかにした。プーチン氏が指示した「安全ゾーン」の設置が続いていると説明した。安全ゾーンはロシアに対するウクライナ軍の攻撃を防ぐための緩衝地帯を意味するとみられる。
スムイ州はロシアが26日に「完全奪還」を発表したロシア西部クルスク州に隣接し、同州に昨年8月から越境攻撃を続けていたウクライナ軍の撤退経路に当たる。ロシア軍は自国領土奪還の勢いに乗じてスムイ州の占領地域拡大を目指しているもようだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/52226921c5c965bb6ce814084649c1531b12e1f4/images/000

⓬ロシアに攻撃停止要求 トランプ米大統領、プーチン氏に合意呼び掛け(2025年4月28日)
【ワシントン時事】トランプ米大統領は27日、東部ニュージャージー州で記者団の取材に応じ、ウクライナへの攻撃を続けるロシアに「非常に失望している」と不満を示した。
その上で、プーチン大統領に「砲撃をやめ、交渉の席に着き、(停戦に)合意してほしい」と呼び掛けた。
トランプ氏は26日、訪問先のバチカン市でウクライナのゼレンスキー大統領と短時間会談。「良い会談だった」と評価し、「彼(ゼレンスキー氏)は落ち着いていた。状況を理解し、合意を望んでいるようだ」と語った。ゼレンスキー氏に追加の武器支援の要請を受けたが、「彼は3年間そう言い続けている。様子を見る」と態度を保留したことを示唆した。
ロシアが2014年に一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島の領有権をゼレンスキー氏が放棄するか問われると、「そう思う」と答えた。ただ、ゼレンスキー氏はこれまで反対の姿勢を示している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/81df2fd242f315341907e045a2c1c67f4e629003/images/000

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安斎育郎 安斎育郎

1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。

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