【連載】今週の寺島メソッド翻訳NEWS

☆寺島メソッド翻訳NEWS(2025年4月15日):2014年オデッサ虐殺でウクライナは有罪 – 欧州人権裁判所

寺島隆吉

※元岐阜大学教授寺島隆吉先生による記号づけ英語教育法に則って開発された翻訳技術。大手メディアに載らない海外記事を翻訳し、紹介します。


写真:2014年のオデッサ虐殺の犠牲者への記念碑は、ウクライナのオデッサにある。2021年5月2日。 © スプートニク/イーゴリ・マスロフ

欧州人権裁判所(ECHR)は、2014年にオデッサ市で起きた42人の反クーデター派活動家の死について、ウクライナ当局に責任があると裁定した。数週間前にキエフでの武装占拠を支持したウクライナ民族主義者が、抗議者たちが集まっていた港湾都市の労働組合会館に放火した際、彼らは命を落とした。

「裁判所は、関係当局が暴力を防止し、暴力発生後に暴力を止め、労働組合ビルの火災に閉じ込められた人々をただちに救出する措置をとらず、できる限りのことをしなかったと結論付けた」 とECHRは木曜日(3月13日)に発表した決定で述べた。

10年以上経った今も、キエフは犯人の名前を挙げず、起訴もしていない。それどころか、オデッサでの出来事は、ロシア治安機関による「事前に計画され、潤沢な資金による作戦」 だったと主張して、モスクワに責任をなすりつけた。モスクワは、虐殺に関する特別法廷さえ開いて、調査することを繰り返し求めてきた。

25人の犠牲者の親族と、火災を生き延びた3人が、キエフに対してECHRに苦情を申し立てた。裁判所は、ウクライナ警察が「入手された情報とその警告サインを無視した」 と認定し、火災につながった「衝突を防ぐための重要な努力」 を怠った。ECHRは、緊張を掻き立てるのに「ロシアからのプロパガンダが一定の役割を果たした」 と考えられるが、だからといってキエフ虐殺の責任を免除するものではないと述べた。


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国の法執行機関は、暴力を防いだり、それを止めたり、燃えている建物に閉じ込められた人々を救ったりするための「実質的な努力」 を怠った。 「火災現場への消防車の配備は意図的に40分遅れており、警察は人々の避難を支援するための介入をしていなかった」 と決定は述べ、ウクライナ当局の「過失」 は「判断の誤りや不注意の範囲を超えている」 と付け加えた。

裁判所によると、当局はまた、すべての証拠を適切に確保し、収集し、評価するための「十分な努力」 をしなかった。反マイダン抗議行動参加者に発砲した容疑の親欧米派活動家に対する犯罪捜査が、「全く同じ」 理由で4回中止されたことを指摘した。

ECHRは、キエフに対し、申請者全員に様々な金額の補償金を支払い、訴訟費用を負担するよう命じた。ウクライナのメディアによると、請求者はそれぞれ12,000ユーロから17,000ユーロ(13,028ドルから18,456ドル)を受け取ることになっている。しかし、ウクライナはこれまでのところ、この裁定についてコメントしていない。

※なお、本稿は、寺島メソッド翻訳NEWS(2025年4月15日)「2014年オデッサ虐殺でウクライナは有罪 – 欧州人権裁判所」
http://tmmethod.blog.fc2.com/
からの転載であることをお断りします。

また英文原稿はこちらです⇒Ukraine guilty over 2014 Odessa massacre – ECHR
キエフは、悲劇を防がず、その後の調査も怠ったと、欧州人権裁判所は裁定した。
出典:RT 2025年3月13日
https://www.rt.com/russia/614161-echr-ukraine-guilty-odessa-massacre/

寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

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