
植草一秀【連載】知られざる真実/ 2025年5月 4日 (日) 〈えせ野党〉に投票しない
社会・経済昨年10月27日の総選挙で自公は過半数割れに転落。
衆院過半数233に対して自公の獲得議席は215.
過半数を大きく割り込んだ。
裏金議員4名、自民系無所属2名を足しても221で過半数に12も足りない。
野党が結束して政権交代を実現させることはできた。
しかし、政権交代の可能性はまったく広がらなかった。
主因は国民民主がいち早く自民党にすり寄ったことにある。
政治を変える力を持つのは主権者国民。
主権者国民の力で与党を過半数割れに追い込んだ。
しかし、野党のなかに与党にすり寄る政党が出現すれば政権交代は実現しない。
日本政治を変えるには、単に自公を過半数割れに追い込むだけではだめ。
新しい政治の姿を具体的に描いて対応する必要がある。
7月に参院選がある。
十分な考えて慎重に対応しなければ日本政治を変えることはできない。
それでは、選挙に際して何を注意すればよいのか。
その核心を知っておく必要がある。
核心は〈えせ野党〉に投票しないこと。
〈えせ野党〉は〈ゆ党〉=〈隠れ自公〉。
〈見かけは野党〉、〈中身は自公〉の〈えせ野党〉に投票しない。
これが一番大事だ。
敗戦後日本政治の特徴は〈米国支配〉。
米国のCIAが資金を投下して自民党を作った。
それだけでない。
野党のなかに〈民社党〉という組織が作られたが、この〈民社党〉設立にもCIAが資金を入れている。
政治資金規正法は、外国人や外国法人から政党や政治家が寄付を受けることを禁じている。
外国勢力が政治活動や選挙に影響を与えて国益を損なうのを防ぐのが狙い。
故意に献金を受けた政治団体の担当者は、罪が確定すれば、3年以下の禁錮か、50万円以下の罰金が科され、公民権停止となる。
だが、この法規定には抜け穴が作られた。
2006年のこと。
外国人や外国法人が株式の過半数を持つ法人の場合、5年以上国内で上場していれば一般の国内企業と同じ扱いとなり、禁止条項の対象外とされることになった。
日本の企業は次から次に外国資本によって乗っ取られている。
外国資本が株式の過半数を持つ企業が激増。
もはや日本企業ではない。
しかし、5年以上国内で上場していれば一般の国内企業と同じ扱いになる。
この外国資本が支配する企業の政治献金を容認した。
「外国勢力が政治活動や選挙に影響を与えて国益を損なうのを防ぐ」措置を破壊した。
外国勢力が日本政治に影響を与えることを奨励したということ。
そもそも企業献金が政治を歪める元凶だ。
企業献金を認めれば資金力が大きい大資本が政治を支配することになる。
そのとき、外国資本による企業献金を認めれば外国資本が日本政治を支配することになる。
右翼と呼ばれる人々は、どうしてこの条項を批判しないのか。
最近、メディアが大宣伝している政治勢力がある。
メディアは意図的に大宣伝している。
自公が劣化して衰退する際に政治刷新が行われないように〈えせ野党〉を育成している。
この勢力に投票することは〈敵の思うつぼ〉。
〈維新〉、〈国民〉、〈立民〉、さらに〈参政〉、〈N〉、〈都民ファースト〉、〈石丸新党〉が該当する。
はっきりと〈対米自立〉と〈消費税減税・廃止〉を掲げる勢力だけが〈革新勢力〉である。
※なお、この記事は下記からの転載であることをお断りします。
植草一秀の『知られざる真実』2025年5月 3日 (土)[憲法改正急ぐ必要は皆無]
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/05/post-db2b52.html
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
スリーネーションズリサーチ株式会社
http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』2025年5月 4日 (日)[〈えせ野党〉に投票しない]
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/05/post-19a4fa.html
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
※ISF会員登録およびご支援のお願いのチラシ作成しました。ダウンロードはこちらまで。
ISF会員登録のご案内

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050