【連載】安斎育郎のウクライナ情報

5月8日のウクライナ情報

安斎育郎

5月9日のウクライナ情報
安斎育郎

❶ウクライナに不法移民受け入れ要請 トランプ政権、1月末に 米報道(2025年5月7日)
【ワシントン時事】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は6日、トランプ政権が国外追放を急ぐ不法移民の受け入れを、ウクライナに要請していたと報じた。
ロシアの侵略を受ける渦中の異例の要求に対し、ウクライナ側が「真剣に検討した様子はない」という。
米側はトランプ政権発足直後の1月末、文書でウクライナに要請。ウクライナ側は自国民ですらない不法移民の受け入れに関し、「戦時の緊急事態に直面している」として態度を保留した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3a29f957230223fd291c193692df6ceac7a1cf61/images/000

❷「ゼレンスキーの支持率はマイナス100%だ」 新聞・テレビが報じない、ウクライナ国民“大統領への本音”【現地取材】(2025年5月7日)
3年2カ月に亘ってロシアとの戦争が続くウクライナ。ジャーナリストで大和大学社会学部教授の佐々木正明氏は、2月27日から3月10日まで同地を訪れ、その実態を取材した。ウクライナの国民が、戦争を指揮するゼレンスキー大統領にどのような感情を抱いているか、テレビや新聞が伝えない本音をレポートする。
【佐々木正明/ジャーナリスト、大和大学社会学部教授】
聞こえてくるのは悪口ばかり
一向に改善しない状況に、人々はもはやどうすれば良いのか、どこに助けを求めればいいのかわからなくなっている。ロシア軍への怒りや憎しみに加え、絶望感と虚無感が広がっている。2年前の2023年3月にキーウを訪れた際は、反転攻勢によって領土を奪還するという強い意気込みが感じられ、それを率いるゼレンスキー大統領への国民の信頼も非常に厚かった。
しかし、今回の滞在では、ゼレンスキー大統領に対する明らかな批判の声も耳にした。
50代の女性タクシー運転手は憤慨していた。
「ゼレンスキー大統領の支持率はマイナス100%だ。彼は何の約束も守らない嘘つきだ。軍にも嘘をついた。彼の周りには汚職をする人間ばかりだ。早く辞任してほしい」
40代の男性会社員は嘆いた。
「ゼレンスキー氏は開戦前も逃げなくてもいいと言っていた。それを信じた。だけど、ロシア軍が侵攻してきた。生活は全く良くならない。物価は上がり続ける一方で、将来への見通しは暗い。ゼレンスキー大統領は戦争が始まるまで何の準備もしなかった。私の周りでは、誰も彼を信頼していない。聞こえてくるのは悪口ばかりだ」
内憂外患の危機
ウクライナ政界では、野党を中心に政権批判が強まっている。特に、ウクライナの長年の課題である汚職は戦時下でも深刻であり、責任を追及する声が高まっている。ウクライナ人男性の兵役忌避問題も深刻化しており、ゼレンスキー大統領は内憂外患の状況に直面している。
ウクライナでは戒厳令が敷かれ、大統領選挙は延期されている。有力な調査機関であるキーウ国際社会学研究所(KIIS)の世論調査によると、直近の調査でもゼレンスキー大統領を信頼すると回答した人は67%に達しているが、もし今大統領選挙が行われたとしても、ゼレンスキー大統領が圧勝できるとは限らないようだ。
元外交官の男性は、ゼレンスキー大統領の前任であるポロシェンコ元大統領に期待する声もあると述べる。
「ポロシェンコ氏は自ら首相となり、国民に人気が高いザルジニー元総司令官を大統領として擁立する構想もある。議会では主導権争いが続いている」
トランプ氏への不信感
私がキーウに滞在していた時期は、ゼレンスキー大統領がホワイトハウスを訪問し、トランプ大統領との間で激しい口論となり、大きな波紋が広がっていた頃だった。
ウクライナ国内では、トランプ氏の再選に期待する声も一部にあった。しかし、トランプ氏はロシアのプーチン大統領寄りの発言を繰り返し、ゼレンスキー大統領が毅然とした態度を示したことで、国民は溜飲を下げた。
トランプ氏が主導する和平交渉への失望感も広がっており、先のKIISが3月12日から22日にかけて行った調査によれば、32%が(1)「ウクライナの要求の一部を満たすとはいえ、どちらかといえば不公正な和平」になるとの見方を示し、22%が(2)「完全に不公正な和平」になると予想している。
昨年12月の調査ではそれぞれ(1)は20%、(2)は11%だったことと比較すると、ウクライナ国内ではトランプ氏の手法に対する不信感が急速に高まっていることがわかる。
平穏な毎日を送りたいだけ
滞在中、中西部の都市ヴィーンニッツァを訪れた。この地にある墓地にも足を運んだ。戦死した兵士たちの墓地のスペースが敷地内の多くを占めており、この施設の管理者は悲しみを滲ませながら言った。
「この3年間で500人もの兵士の墓が作られた。まだ墓石が間に合わず、盛り土だけの墓もある。
今後も増え続けるだろう」
この墓地で、ある女性に出会った。2年前に医務官だった娘を爆撃で亡くした女性だ。
「母親として今でもこの状況が一刻も早く終わってほしい」
と語りながらも、そのためには勝利が必要だと強く訴えた。
「ロシアは何度もウクライナを破壊してきた。それでも私たちは前を向いて生き延びなければならなかった。一度戦いをやめれば、彼らはまた攻め込んでくる。娘は私にとってこの世で最も大切な存在である自分の命を捧げた。私たちの次の世代がまた犠牲になることを許すことはできない。私たちの世代で止めなければならない」
最愛の娘を失い、自身の命も危険に晒されながらも、「勝たなければならない」という強い覚悟。平和な日本に住む私たちには想像もできない悲壮感と、ロシアへの深い恨みがウクライナを覆っている。
ウクライナ情勢を伝える日本の報道や言論界を見ると、トランプ氏やプーチン氏、そしてゼレンスキー氏といった大国の指導者たちの言葉ばかりが取り上げられ、大国外交に翻弄される現場の人々の気持ちを全く理解しないまま議論が進んでいるのではないだろうか。
先の母親は切実に語った。
「私たちはただただ平穏な毎日を送りたいだけなのです」
戦後80年を迎える今年、彼女の言葉の重みを多くの人々がそれぞれの立場で深く考えてほしいと強く思う。
佐々木正明(ささき・まさあき)
ジャーナリスト、大和大学社会学部教授。岩手県一関市生まれ。大阪外国語大学ロシア語学科(現・大阪大学)卒業後、産経新聞社入社。モスクワ支局長、リオデジャネイロ支局長を経て、運動部次長、社会部次長などを歴任。2021年より現職。8年前はウクライナのマイダン革命やロシアによるウクライナ併合を現地で取材した。専門分野はロシア・旧ソ連諸国情勢、国際情勢に加え、オリンピック・パラリンピック、捕鯨問題などにも詳しい。単著に『シー・シェパードの正体』、『環境テロリストの正体』、『「動物の権利」運動の正体』など。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f3e749ef3e54afb87547681116318312c95d6602?page=24

❸ ドイツ新首相「欧州的な」指導者目指す ウクライナめぐり英仏と協議へ(2025年5月7日)
【AFP=時事】ドイツ中道右派「キリスト教民主同盟(CDU)」のフリードリヒ・メルツ党首が6日、首相に就任し、「非常に欧州的な」指導者になると誓った。他の欧州諸国はドイツがより大きな国際的な役割を果たすことを期待している。
メルツ氏は連邦議会で首相に選出された後、「私は欧州議会での仕事に影響を受けており、それが今日まで私を形作ってきた」と述べた。
メルツ氏は就任初日の7日にフランス、続いてポーランドを訪問し、動乱の時代における欧州近隣諸国との関係強化を目指す。
ドナルド・トランプ米大統領が長年の安全保障と外交関係を覆す中、敵対的なロシアを前に、欧州は団結した姿勢を示そうとしている。
ウクライナ戦争の和平合意に向けた交渉にドイツがどのように影響を与えるかについて尋ねられたメルツ氏は、ドイツがフランスと英国と協力する「折り紙付きの形式」があると述べた。
公共放送局ZDFに対し、「ドイツはここ数か月、政権交代のためにかなり控えめだった」とコメント。今後は英仏と「集中的に協議する」計画だと述べ、「ポーランドも含めることができれば、さらに良い」と語った。
移民の取り締まりを誓うメルツ氏だが、欧州近隣諸国の意見は「考慮される」と強調。「これらの問題についてフランス大統領とポーランド首相と話し合うつもりだ。われわれは全欧的な政策を共に準備したい」と述べた。【翻訳編集】 AFPBB News
https://news.yahoo.co.jp/articles/5682d9177da5226ac8b771ba3f2e30a760ef6916/images/000

❹ウクライナ戦争はすぐには終わらないかもしれない!(2025年5月6日)
ゼレンスキー大統領、ロシアの戦車でヨーロッパを威嚇!
ゼレンスキー大統領は、戦勝記念パレード当日と21カ国の首脳のロシア訪問当日にモスクワを攻撃すると脅し続けている!
https://youtu.be/bSPJpc5VMoU
https://www.youtube.com/watch?v=bSPJpc5VMoU

❺プーチンの後継者候補の一人とも言われるロシアの政治家・経済学者セルゲイ・グラジエフ(父はロシア人、母はウクライナ人)が2016年に出した著書「最後の世界大戦〜米国が動いて負ける」(2025年5月5日)
米国が後退する覇権を維持するためにあがき、軍事だけでなく政治・経済・認知戦のハイブリッド世界大戦が始まり、2014年に米国支援クーデターが起こされたウクライナで開戦する、2020年代初頭にその危険が最も高まるという予想。ロシアは経済面では脆弱性があり、この紛争で負けると国内から瓦解する可能性があるため、経済を中心にハイブリッド戦争に備えろと指南。
米国の覇権維持のためのあがきの行動がむしろ覇権後退を早めるとも予想。米国と対峙する側の中露BRICSは、ドルを急激にではなくじわじわと弱めていく方法を取るべしと指南。世界がアメリカ中心の「帝国主義的」パラダイムから、アジアが核となる「統合的」な新しいパラダイムへと移行すると予想。
https://x.com/j_sato/status/1919344355464356236?s=09

❻教えてジェフリー・サックス先生(2025年5月5日)
※日本語字幕はありません。
米国は最も危険な国だ。
世界の法などガン無視だし。
私たちは毎日、信じられないほどの偽情報を聞かされているのだよ。
私は、世界100カ国以上で顧問を勤めてきたから、米国のCIAが起こしたクーデターを自分の目で見てきた。
https://x.com/i/status/1919262653018484878
https://x.com/Kumi_japonesa/status/1919262653018484878?s=09

❼ルーマニアの選挙(2025年5月2日)
ウクライナ支援に反対で親露派のジョルジェスク候補が当選無効となり再度実施されているルーマニア大統領選挙、またしてもウクライナ支援に反対のシミオン候補が当選濃厚となってしまう
https://x.com/i/status/1919358752131784789
https://x.com/neconomesu/status/1919358752131784789?s=09

❽ウクライナ人激怒:ゼレンスキーはの遺族をあざ笑っている(2025年5月5日)ウ
※投稿者コメント:議会は、ゼレンスキーの指示の下、法律第3995号を強行可決した!空っぽの墓の前で泣いている親族たちは、小銭を手に入れるために地獄をくぐり抜けなければならなくなった
ゼレンスキーは2025年に新法を制定し、ウクライナ人の権利を抹殺しようとしている
この無法は何だ?ピエロは国民を破滅させている!
✔️ 法律第3995号:戦闘員の行き先を証明するまで、家族への支払いは停止される!TCCに問答無用で連行された行方不明者に、犯罪歴がないことの証明書を要求する!成人した子供は援助を拒否される – ゼレは家族に唾を吐く!

2025年5月8日ウクライナ情報pdfはこちら

 


 

★ISF(独立言論フォーラム)「市民記者」募集のお知らせ:来たれ!真実探究&戦争廃絶の志のある仲間たち

※ISF会員登録およびご支援のお願いのチラシ作成しました。ダウンロードはこちらまで。
ISF会員登録のご案内

「独立言論フォーラム(ISF)ご支援のお願い」

安斎育郎 安斎育郎

1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。

ご支援ください。

ISFは市民による独立メディアです。広告に頼らずにすべて市民からの寄付金によって運営されています。皆さまからのご支援をよろしくお願いします!

Most Popular

Recommend

Recommend Movie

columnist

執筆者

一覧へ