【連載】安斎育郎のウクライナ情報

5月10日のウクライナ情報

安斎育郎

5月10日のウクライナ情報
安斎育郎
❶2014年4月、ウクライナ空挺部隊が親ロシア側に投降 (ロシアTV、2025年5月7日)
https://youtu.be/E0tF0pmsRFU
https://www.youtube.com/watch?v=E0tF0pmsRFU

❷スプートニクがローマ教皇の未発表取材を初公開、「ロシアとウクライナは兄弟民族」(2025年5月7日)
スプートニクはフランシスコ教皇の生前に公表されなかったインタビューを初公開する。質問は世界古儀式派連合のセバスチヤノフ議長が教皇のサレルノ秘書官を通じて渡していた。
取材準備は2023年に進められていたが、教皇は公開の時ではないと判断していた。スプートニク編集部は今こそ公開の時と考え、その公開に踏み切った。
スプートニク通信のもとには教皇直筆の文書がある。そのメモには、「インタビューの草稿もありがとうございます。今は公開の時ではないと考えます。あるいは後で行うこともできるでしょう」(2023年7月21日付)とある。
教皇はスプートニクの取材でロシア民族とウクライナ民族の関係性に触れ、双方を「兄弟民族」と呼び、今後も隣人であり続けると記した。
「ウクライナとロシアは兄弟民族であり、隣人です。地理的関係により、いかなる状況下でも常に隣人であり続けるでしょう。だからこそ私はロシアとウクライナの双方を聖母に捧げたのです」
フランシスコ教皇は2022年3月25日、ロシアとウクライナを「聖母マリアの汚れなき御心に奉献」し、速やかな和平が訪れることを祈った。
また、教皇はゼレンスキー体制によるウクライナ正教会(UOC)の取り締まりに言及、キリスト教徒同士の迫害は容認できないとし、修道院と教会は不可侵であるべきだと記していた。
「戦争中であっても、すべての人は人間であり続け、揺るぎない普遍原則を唱えなければなりません。修道院や教会は神聖であり、侵すことのできないものでなければなりません」
さらに教皇は両国の停戦協議について、「バーチャルなものであっても、共通の交渉テーブルが必要」とし、「仮に軍事行動を止めることはまだできないとして、全員で話し合う必要があります」、「会話をすることで平和の可能性は何倍にも高まります」と指摘し、交渉による解決の必要性を訴えていた。
https://sputniknews.jp/20250507/19868399.html#pv=g%3D19868399%2Fp%3D15251858

❸ 英国とカナダの軍事顧問とNATOの女性狙撃兵がハリコフで引き裂かれた(2025年5月8日)
ゼレンスキー大統領によると、ウクライナはウラジーミル・プーチン大統領が提案した3日間の停戦を拒否した。5月7日夜、ロシア航空宇宙軍はミサイル部隊と連携し、ウクライナ東部、中部、北部にある軍事施設に対し、再び大規模なミサイルと爆弾による攻撃を開始した。今回は、独立監視機関がスムイ、ドニプロペトロフスク、ハリコフの各州で数十回の強力な爆発を記録した。
https://youtu.be/LCqXSWUxxCY
https://www.youtube.com/watch?v=LCqXSWUxxCY

❹トランプ政権が方針転換】プーチン氏に圧力強化 “ロシア寄り”からの路線変更に“ある人物”の存在 ウクライナ和平交渉(2025年5月8日)
ロシアのプーチン大統領は5月9日の対独戦勝記念日に合わせ、中国の習近平国家主席を招き、密接な関係を強調している。だが、これまで“ロシア寄り”とされたトランプ政権は、ウクライナ和平交渉でのプーチン氏の対応に疑問を呈し、ロシアへの圧力強化に言及した。トランプ政権に路線変更を促したものは何なのか。ウクライナとの間で合意した鉱物資源協定には、“ある人物”の存在も指摘される。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1226b296e12585ee1c918eb8be88748cbb0512d2/images/000

❺習氏、米政権けん制 中ロ首脳会談、結束を誇示(2025年5月8日)
国家主席は8日、モスクワで会談した。両首脳の対面会談は第2次トランプ米政権発足後初めて。習氏は国際社会は「一国主義の逆流と強権的ないじめ行為に直面している」と述べ、米国第一主義を掲げるトランプ政権をけん制。「ロシアと共に平等で秩序ある世界の多極化と経済のグローバル化を進めていく」と述べ、結束を誇示した。
プーチン氏も中ロの関係発展は両国国民のために善隣関係を築き、協力を拡大することを目的としており「戦略的協力に基づいた、ロシアと中国の選択だ」と強調した。
両首脳は関係深化と戦略的安定性に関する共同声明に署名する見通し。
両首脳は第2次大戦の「戦勝国」として戦後の国際秩序の維持や多国間主義を訴え、関税の応酬や安全保障問題で対立するトランプ政権に対抗する構え。米政権が和平交渉を仲介するウクライナ情勢や対米関係、中ロのエネルギー協力についても協議する。
今年は中ロにとって戦勝80年の節目。習氏は9日に開催される対ドイツ戦勝80年の記念式典に出席する。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8f045de9899c70632253fa088a27d80e82ee42d1/images/000

〈関連情報〉中ロ首脳会談 習近平主席「一国主義に直面」米をけん制(2025年5月8日)
中国の習近平国家主席は、ロシアのプーチン大統領との会談で、アメリカを念頭に「ロシアと共に公平で秩序ある多極化世界と経済グローバル化を推進する」と述べました。
第2次世界大戦の「戦勝記念日」に合わせてロシアを訪問している習主席は8日、ロシアのプーチン大統領と会談しました。
習主席は、「80年前、中露両国人民は大きな犠牲を払って偉大な勝利を勝ち取り、世界平和の維持と人類の進歩のため、歴史的な貢献をした」と述べました。
一方、「現在は国際的な一国主義と覇権主義に直面している」とアメリカのトランプ政権をけん制しました。
さらに、中国はロシアと協力し「国連の権威と地位を守る」と述べたうえで、「公平で秩序ある多極化世界と経済グローバル化を推進する」と強調しました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d28613fa74a537c0cd74d8f81983fd9f2ce38c2c/images/000

❻中国、ゲーム機対ロシア輸出増 22年の7倍、軍事転用懸念(2025年5月8日)
【北京共同】中国からロシアへのコントローラーを含むゲーム機器の輸出が2024年に9538万ドル(約138億円)となり、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった22年の7倍近くに急増したことが中国税関総署の統計で8日明らかになった。
ロシアはコントローラーを無人機の操縦に使い軍事転用していると懸念されている。日本と英国、欧州連合(EU)は今年に入り、ゲーム機器のロシアへの輸出を相次ぎ禁止した。
中国は物資輸出を通じてロシアを軍事的に支えているとの国際社会の批判を受け入れず、ロシアとの活発な貿易を続けている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5da790b6f450cb0ca5aebea874c68b732037759c/images/000

❼【時事ネタ】相次ぐ虚言の背景に何があるのか⁉️〜5/7 水曜版ですニキータ伝ロシアの手ほどき、2025年5月8日)
https://youtu.be/5ysa2LwP0qM
https://www.youtube.com/watch?v=5ysa2LwP0qM

❽ダグラス・マクレガー大佐 「和平交渉失敗、ロシアは戦場で狙いを定める」(2025年5月6日)
交渉による和平はもはや不可能かもしれない ウクライナ紛争において、双方が納得できる交渉による解決のチャンスは過ぎ去ったのかもしれない。 交渉による和平は決して実現可能なものではなかったという見方もある。
トランプの立場の変化 トランプ大統領は当初、バイデン大統領を非難し、自分の監視下では戦争は起こらなかったと示唆するなど、戦争から距離を置こうとしていた。 一時は紛争から完全に手を引く
構えを見せていたが、最近の行動は方向転換を示唆している。
トランプは今や戦争を “所有 “している:コメンテーターは、最近の進展と支援パッケージにより、トランプは以前はウクライナ戦争を避けようとしていたにもかかわらず、今や世間一般の認識ではウクライナ戦争の所有権を有していると論じている。
牧師の影響力と感情的な意思決定: トランプに近しい牧師がウクライナを訪れ、報告されている残虐行為を目撃し、明らかにトランプに感情的な影響を与え、継続的な関与に対する姿勢を変化させた。
米国の援助が外交を弱体化させる 米国の新たな支援策(F-16訓練、パトリオットミサイルなど)はロシアをさらに怒らせ、外交的解決への残された希望を台無しにした。 これらの行動は、非エスカレーションというよりむしろエスカレーションを示唆している。
トランプ大統領のアドバイザーと戦略への批判: トランプは、明確な戦略的ビジョンに固執するのではなく、感情的なアピールや最後に話した人物に影響され、あまりにも反応的であると批判されている。
ロシアの視点: プーチンは長い間、西側諸国、特に米国は信頼できないと信じてきたが、最近の行動はその考えを補強している。 ロシアは自立とアジアや南半球との同盟に軸足を移している。
道徳的利益と戦略的利益: 米国はウクライナに重要な戦略的利益を有しておらず、人命と資源を守るために関与をやめ、撤退すべきだという主張がなされている。
https://youtu.be/04xq1NP9-Ww
https://www.youtube.com/watch?v=04xq1NP9-Ww

❾プーチン・インタビュー ウクライナとの和解は避けられない、「時間の問題だ」と述べ た。 2025年4月 (再報、プーチン・ドキュメンタリー2025 ダイジェスト版、2025年5月5日)
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、国営テレビ局ロシヤ1が制作した政権四半世紀を記念するドキュメンタリーの中で、西側諸国に不可解なメッセージを送った。
プーチンは、ウクライナとの和解は避けられない、「時間の問題だ」と述べ、ウクライナで核兵器を使用する必要は今のところないと付け加えた。
プーチンは、誰かを殴りたくなることはあるかと聞かれると、衝動と共存しているが、それと戦っていると答えた。
https://youtu.be/NlEgYLjpuY8
https://www.youtube.com/watch?v=NlEgYLjpuY8
❿一時停戦も、ウクライナ側の攻撃には対応=露国防省(2025年5月9日)
露国防省は9日、プーチン露大統領が宣言した戦勝記念日の一時停戦が実施されるなか、ウクライナ軍によるクルスク州、ベルゴロド州の国境突破の試みが4回確認されたと発表した。
砲撃やドローン飛来など、5026回のウクライナ側からの攻撃が確認された。露国防省は、ウクライナ側の攻撃に対しては、対称的な対応をとると警告している。
https://sputniknews.jp/20250509/19892653.html

2025年5月10日ウクライナ情報pdfはこちら

 


 

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安斎育郎 安斎育郎

1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。

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