
5月11日のウクライナ情報
国際5月11日のウクライナ情報
安斎育郎
❶ルーマニア大統領候補が軍事支援の賠償をウクライナに要求……我々にウクライナは必要ない(2025年5月9日)
ルーマニア大統領選の第一回投票でトップにたった「ルーマニア人統一同盟」のジョルジュ・シミオン党首は、議会での選挙前討論会でウクライナ支援への見返りについて言及、次のように発言した。
「我々はウクライナを必要としていない。ウクライナが我々を必要としているのだ。したがって、ウクライナ政府はウクライナに住む50万人のルーマニア人が持つ民族的権利と宗教的権利を尊重しなければならない。そしてもちろん、我々はルーマニアが軍事行動に参加したことへの賠償を求める」
ルーマニアのヨハニス前大統領はウクライナに防空システムを供与したほか、多くの拠出を行ったことから、シミオン大統領候補はその補償を求める考えを示している。そのうえで、「ルーマニアは他国に1レイ(現地通貨)も与えず、自国民に重点を置く」と強調した。
ルーマニア大統領選の第1回投票は5月4日に行われ、シミオン氏が41%の票を獲得して第1位となった。親欧州派のニクショル・ダン氏(ブカレスト市長)の得票率は約2割で2位につけた。第二回投票は5月18日に行われる。
シミオン大統領候補はウクライナとモルドバの制裁を受けており、両国への入国が禁止されている。両政府は「反ウクライナ活動」および「統一主義のイデオロギー推進」(ルーマニア系が居住するウクライナ領およびモルドバ領をルーマニアに併合する取り組み)でシミオン大統領候補を非難している。
ルーマニアでは2024年11月に大統領選挙の第1回投票が行われた。ロシアとの協力を呼び掛ける独立系候補のカリン・ジョルジュスク氏が第1回投票で首位に立ったものの、憲法裁判所は重大な不正があったとして選挙結果を無効とした。
2月下旬、ジョルジェスク氏は選挙運動の違法資金調達に関する捜査の中で、偽情報の拡散など6つの罪で起訴された。ジョルジェスク氏はやり直し選挙への立候補を届け出たが、中央選挙管理委員会はこれを却下した。
https://sputniknews.jp/20250509/19887156.html
❷戦場で勝っているロシアの要求が多いのは当然、交渉とはそういうもの=米副大統領(2025年5月9日)
バンス副大統領はFOXニュースの取材に応じた中で、戦場で勝利しているのはロシアと発言、停戦交渉におけるロシア側の要求が多いことに理解を示した。
https://twitter.com/i/status/1920711863001608518
https://sputniknews.jp/20250509/19887872.html
❸ 露米は首脳会談に向けて動いている=露大統領補佐官(2025年5月9日)
ロシア政府と米国政府は首脳会談の開催に向けて前進している。ロシアのウシャコフ大統領補佐官はチャンネル「ロシア1」の記者から質問を受けた中で、「我々は(首脳会談に向けて)前進しているように思う」と語った。
補佐官によると、露米はともに相手を失望させている点はあるものの、米国側はロシア側の要求と提案について、ある程度の理解は示しているとのこと。
「この状況を受けて、我々が何を求め、何を達成したいのかは理解されているように思う。そして、我々の要求、検討事項、提案はある程度、依然として考慮されている。もちろん、すべてではない。しかし、プロセスは進行中だ」
バンス副大統領は7日、ゼレンスキー氏の提案する30日間の停戦提案から離脱し、紛争の長期的解決に関する輪郭を議論すると表明したほか、ロシアがウクライナ問題の和平合意に関心がないとの意見には同意しないと述べていた。
ウシャコフ大統領補佐官はこの発言を高く評価し、「非常に興味深い内容で、非常に建設的な中身が含まれている」と反応した。
https://sputniknews.jp/20250509/19886210.html?rcmd_alg=collaboration2
❹ロシアは米国による30日間の停戦案を条件付きで支持=露大統領府報道官(2025年5月10日)
米国のトランプ大統領はウクライナ停戦を提案したが、ロシアはこれを即座に支持した。ただし、そこには多くの条件が伴う。ロシア大統領府のペスコフ報道官は記者団に対し、次のように語った。
「このテーマはウクライナ側からずいぶん前に投げつけられています。そして、ご存知の通り、トランプ政権が停戦の問題を提起するや否や、プーチン大統領はこれを支持しました。ただし、停戦というアイデアには多くの問題があり、その問題に対する答えが見つからない限り、実質的に議論するのは非常に難しいのが現状です」
ペスコフ報道官によると、プーチン大統領が提案した三日間の停戦期間中もウクライナ側は激しい攻撃を加えている。ベルゴロド州政府庁舎に対するドローン攻撃では副知事が負傷している。
ペスコフ報道官はこうした状況を踏まえ、ウクライナ側が紛争の解決に向けた交渉を直ちに開始する準備はできていないと指摘した。
ロシア側はウクライナ側が30日間の停戦を戦闘継続に向けた武器供給、動員強化に費やす魂胆だと分析している。
https://sputniknews.jp/20250510/30-19896244.html
❺露クルスク州は同志愛によりウクライナのネオナチから解放=朝鮮中央通信(2025年5月10日)
朝鮮中央通信は大祖国戦争の戦勝80周年を記念した記事の中でロシア軍と共同でクルスク州を解放した作戦について言及、これをロシアとの「無敵軍事同盟」の一例と呼んだ。
「両国はウクライナのネオナチ勢力に一時占領されていたロシアのクルスク州を解放するための共同作戦を成功裏に完了し、それによってロシア連邦の領土主権を守り、無敵の軍事的同志関係と同盟関係をより高いレベルに引き上げた」
クルスク州の解放においてロシアと北朝鮮が発揮した同盟は両国の「政府、軍、国民の貴重な財産であり力である」と記されている。
プーチン大統領は、クルスク州に侵攻したウクライナ武装勢力の撃退に参加した北朝鮮の部隊に謝意を表明、名誉と勇気をもって任務を遂行し、色褪せることのない栄光を身にまとったと称えた。
https://sputniknews.jp/20250510/19896110.html
❻【全文】プーチン大統領、戦勝記念パレードで演説(2025年5月9日)
https://twitter.com/i/status/1920795192841363772
https://sputniknews.jp/20250509/19892218.html?rcmd_alg=collaboration2
❼戦勝記念パレードのまとめ スプートニク特派員、現地から(2025年5月9日)
スプートニクのビクトル・テルノフスキー特派員が、大祖国戦争の戦勝80周年を記念する軍事パレードを要約した。
※動画はAIを使用して日本語化しています。
https://twitter.com/i/status/1920830153942327466
https://sputniknews.jp/20250509/19894281.html?rcmd_alg=collaboration2
❽【時事ネタ】モスクワでの露中会談を振り返る〜5/10土曜版です🫡‼️(ニキータ伝〜ロシアの手ほどき、2025年5月10日)
https://youtu.be/WLs6nWKFwQ8
https://www.youtube.com/watch?v=WLs6nWKFwQ8
❾ドルの下落、BRICSの台頭、そしてトランプの貿易戦争の失敗|ショーン・フー(2025年5月9日)
天皇は今や多くの分野で裸同然であり、どこかにまだ一片の布さえ見つけるのは難しい。金融面でも、もう甘い話は通用しない。米国経済は、トランプ大統領の貿易戦争に翻弄されることなく、国債をマークした真の供給ショックから数週間しか離れていないのだ。
今日はショーン・フーに話を聞く。ショーンはYouTubeで世界経済や政治的な出来事が様々な市場に与える影響についての分析を毎日投稿している。
彼の分析はいつも洞察に富み、現実的だと思うので、彼が私の質問に答えてくれることをとても嬉しく思っている。ショーン、ようこそ!
https://youtu.be/3cezsBmrvQ8
https://www.youtube.com/watch?v=3cezsBmrvQ8
❿不思議!ウクライナは再びクルスクへ向かうが、その後テトキノで虐殺される(2025年5月9日)
今日のミリタリーチューブ – 一時の静けさの後、ウクライナ軍は再びクルスク地域の国境に接近し始めましたが、予想通り、ロシア軍によって壊滅させられました。ロシア軍は、どこでも防衛できるほどの兵力を展開し、戦勝記念日前夜にもかかわらず強力な攻勢を仕掛けるのに十分な兵力を有していました。ロシア軍のチャンネルは2025年5月7日、スムイ地域から進軍したウクライナ軍は、テトキノ・グルシコフスキー地区への侵入と足場の確保を試み、6両の車両と歩兵部隊で「竜の歯」障壁を突破しました。その後、残存歩兵部隊は近くの森に散り散りになり、そこで殲滅が続けられました。5月6日朝のウクライナ軍の執拗な攻撃はロシアによって速やかに撃退されましたが、これまでのところ、ゼレンスキー軍にとって悲惨な結末を迎えています。装備の大きな損失と死傷者を出し、防衛線を拡大したのです。基本的に、すべてはキエフによって計画されていましたが、その後、打撃を受けました!約40~50名のウクライナ歩兵が徒歩、NATO装甲車両に乗り、工兵車両を伴ってテトキノのロシア軍陣地を攻撃し、チャパエワ通りに陣取る生存ウクライナ軍兵士への到達を目指した。駐留していたロシア航空部隊は激しい抵抗を見せ、FPVドローンや戦術航空機と連携してウクライナ軍の攻撃を撃退したと伝えられている。ウクライナ軍は、ロシアのFPVドローンとFAB滑空爆弾の大胆な攻撃を予想していなかった。彼らは到着し、編隊を煙幕と炎に包まれて殲滅させた。クルスク部隊のロシア軍部隊は敵の数を圧倒的に上回り、テトキノ南郊でウクライナ軍に壊滅的な打撃を与えた。ウクライナ軍がスムイ通りを数時間かけて進軍したわずか900メートルの前進では、ロシア軍はロシアへの突破を果たせなかった。装甲兵員輸送車で輸送されたロシア歩兵部隊はチャパエワ通りに上陸し、そこにある住宅群で以前に失った陣地の掃討を開始した。ロシア軍は、新クルスク通り突破中に阻止されたことで破壊・損傷したNATO装備を無力化し、国境に新たな装甲兵員輸送車の墓場を形成し始めた。キエフの失態は再び疑問視されており、IMR工兵車両1台、M113装甲兵員輸送車2台、ブラッドレー歩兵戦闘車1台、コザック装甲兵員輸送車1台が失われた。ウクライナは、以前クルスクで経験したように、さらなる崩壊に見舞われることは明らかである。
https://youtu.be/mzIqegrjgP0
https://www.youtube.com/watch?v=mzIqegrjgP0
2025年5月11日ウクライナ情報pdfはこちら
★ISF(独立言論フォーラム)「市民記者」募集のお知らせ:来たれ!真実探究&戦争廃絶の志のある仲間たち
※ISF会員登録およびご支援のお願いのチラシ作成しました。ダウンロードはこちらまで。
ISF会員登録のご案内

1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。