
秋嶋亮(社会学作家)連載ブログ/25:外圧によって軍国化する日本
社会・経済先月30日に開催されたヘグセス国防長官と中谷防衛相の会談で、中国が台湾に侵攻する可能性に話が及んだ際、なんとヘグセスは「日本は戦争の準備をする必要がある」とぶち上げたのだ。
そしてさらに「日本は最前線に立つことになる」と述べ、「ともに戦闘力、殺傷力、即応力を高めることを大きく期待している」と締め括ったのだが、これが全く手前勝手な集団的自衛権の解釈であることは言うまでもない。
そもそも日本は戦争の永久放棄を憲法の条文に記しており(国際紛争の解決手段としての戦争を禁じており)、このような要求に応じることは明らかな違憲行為なのである。
彼らもそれを百も承知なのだが、結局のところ日本は未だ「自主国(主権を持つ国)」として認められておらず、米国の「衛星国(主要政策で宗主国により主権を制限される国)」として扱われており、今回の会談はその「従属的国家結合(支配国と被支配国の関係)」を露呈させたわけだ。
この席ではアメリカ側は防衛費の倍増を要求しなかったと報じられているが、GDPの3%引き上げはかねてより非公式に督促されており、いずれ政府が中国の脅威などのプローザビリティ(もっともらしいこと)を理由に宣布することは間違いないだろう。
そしてその原資を捻出するため、さらに増税し、社会保険料を引き上げ、福祉や教育や医療の予算を削減することは既定路線であり、こうして我々は漸減的に「社会権(人間らしく生きるための権利)」を失うのだ。別の言い方をすれば、軍国化のため国民は人権を一枚一枚剥がされていくのだ。
そもそもピート・ヘグセス国防長官やマルコ・ルビオ国務長官を筆頭に、トランプ政権の外交政策幹部の全員がネオコンの代理人たちだ。つまり兵器産業のステークホルダーたちが対日外交を仕切っており、日本はアメリカの金融軍産複合体の圧力によって軍国化する図式なのである。
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☆秋嶋亮(あきしまりょう:響堂雪乃より改名) 全国紙系媒体の編集長を退任し社会学作家に転向。ブログ・マガジン「独りファシズム Ver.0.3」http://alisonn.blog106.fc2.com/ を主宰し、グローバリゼーションをテーマに精力的な情報発信を続けている。主著として『独りファシズム―つまり生命は資本に翻弄され続けるのか?―』(ヒカルランド)、『略奪者のロジック―支配を構造化する210の言葉たち―』(三五館)、『終末社会学用語辞典』(共著、白馬社)、『植民地化する日本、帝国化する世界』(共著、ヒカルランド)、『ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ―15歳から始める生き残るための社会学』(白馬社)、『放射能が降る都市で叛逆もせず眠り続けるのか』(共著、白馬社)、『北朝鮮のミサイルはなぜ日本に落ちないのか―国民は両建構造(ヤラセ)に騙されている―』(白馬社)『続・ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ―16歳から始める思考者になるための社会学』(白馬社)、『略奪者のロジック 超集編―ディストピア化する日本を究明する201の言葉たち―』(白馬社)、『ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへOUTBREAK―17歳から始める反抗者になるための社会学』(白馬社)、『無思考国家―だからニホンは滅び行く国になった―』(白馬社)、などがある。