【連載】櫻井ジャーナル

【櫻井ジャーナル】2025.05.21XML:対露戦争、ガザでの虐殺、遺伝子操作薬の接種を消し去る芸能人の私的な出来事

櫻井春彦

アメリカのネオコンがウクライナで始めたロシアとの戦争は失敗、西側のエリートが支援するイスラエルによるパレスチナ人虐殺を批判する声は世界で高まり、COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)騒動を利用してアメリカ国防総省が世界の人びとに接種させた「COVID-19ワクチン」というタグのつけられた遺伝子操作薬の危険性が明らかにされている。芸能人のプライベートに関わる話にうつつを抜かしている場合ではない。ウクライナでの戦争、ガザでの虐殺、遺伝子操作薬の大規模な接種、いずれもアメリカ支配層の戦略に基づいている。

 

アメリカの歴代政権は国内を収容所化し、国外で侵略戦争を本格化させるという政策を進めてきた。この流れは現在に至るまで変更されていない。

 

アメリカ国内を収容所化は、ロナルド・レーガン大統領が1982年に出したNSDD55が大きな節目。これによってCOGプロジェクトが承認され、NPO(国家計画局)が創設された。(Andrew Cockburn, “Rumsfeld”, Scribner, 2007)

 

アメリカでは核戦争の際に地下政府を始動させる計画ができていて、そのひとつの結果だが、1988年に出された大統領令12656は地下政府を始動させる条件を核戦争から「国家安全保障上の緊急事態」に変更される。そして2001年9月11日に国家安全保障上の緊急事態が引き起こされたのだ。

 

侵略戦争を本格化させる計画は1992年2月に国防総省のDPG(国防計画指針)草案として作成された。当時の大統領はジョージ・H・W・ブッシュ、国防長官はリチャード・チェイニー。その下でポール・ウォルフォウィッツ国防次官を中心とするネオコンのグループによってこの計画は作成された。そこで「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれているのだが、このベースを考えた人物は国防総省内部のシンクタンクONA(ネット評価室)で室長を務めていたアンドリュー・マーシャルだと言われている。

 

このプロジェクトの目的は新たなライバルの出現を防ぐことにあり、その対象には旧ソ連圏だけでなく、西ヨーロッパ、東アジア、西南アジアも含まれている。ドイツと日本をアメリカ主導の集団安全保障体制に組み入れ、「民主的な平和地域」を創設するともされていた。つまりアメリカは日本を自国の戦争マシーンに組み込むと宣言したのだ。日本経済が衰退する一方で好戦的な政策が進められた理由はここにある。

 

ロシアや中国を侵略して略奪する計画をイギリスは19世紀から進めてきた。中東を戦乱で破壊する原因を作ってきたイスラエルを作り上げたのもイギリスにほかならない。ここにきて、ウクライナや中東での戦争でイギリスが暗躍していることも明らかになっている。

 

イギリスは16世紀から17世紀にかけての時期、スペインやポルトガルの船を海賊に襲わせ、富を築いた。スペインやポルトガルの船はアメリカ大陸などで略奪した財宝を母国へ運ぶ途中だった。例えば1521年にエルナン・コルテスは武力でアステカ王国(現在のメキシコ周辺)を滅ぼして莫大な金銀を奪い、インカ帝国(現在のペルー周辺)ではフランシスコ・ピサロが金、銀、エメラルドなどを略奪しながら侵略を続けて1533年には帝国を滅ぼしている。

 

両国は莫大な量の貴金属を盗んだだけでなく、先住民を酷使して鉱山開発も行ったが、その象徴的な存在がボリビアのポトシ銀山。1545年に発見されたこの銀山だけで18世紀までに15万トンが運び出されたとされ、スペインが3世紀の間に南アメリカ全体で産出した銀の量は世界全体の80%に達したと言われているが、この数字は「少なくとも」にすぎず、実態は不明である。16世紀の後半にスペインはフィリピンを植民地化、銀を使い、中国から絹など儲けの大きい商品を手に入れる拠点として使い始めた。(Alfred W. McCoy, “To Govern The Globe,” Haymarket Books, 2021)

 

そのようにスペインやポルトガルが略奪した財宝を海賊に襲わせ、横取りしていたのがイギリスにほかならない。エリザベス1世の時代、つまり1558年から1603年にかけての時期、イギリス王室に雇われた海賊はスペインやポルトガルが南アメリカなどで奪った財宝を略奪していただけでなく、人もさらっていた。中でも有名な海賊はジョン・ホーキンス、フランシス・ドレイク、ウォルター・ローリー。海賊行為だけでなくアイルランドで住民を虐殺しているが、こうしたことをエリザベス1世は高く評価、3人の海賊にナイトの爵位を与えている。

 

ヨーロッパ文明は他国を侵略、略奪することによって生まれたわけだが、現在でも「貧困国」から「富裕国」へ膨大な資源が流出、その富に富裕国は支えられてきた。ちなみに、1881年から1920年の間にイギリスはインドで富を奪い、飢饉を引き起こし、1億人以上の死者をもたらしたと推定されている。

 

エリザベス女王の顧問を務めていたジョン・ディーは『ユークリッド原論』を英訳本の序文を書いた数学者だが、その一方、黒魔術、錬金術、占星術、ヘルメス主義などに傾倒していた。「ブリティッシュ・イスラエル主義」はディーから始まるとも言われている。

 

ブリティッシュ・イスラエル主義によると、アングロ-サクソン-ケルトは「イスラエルの失われた十支族」であり、自分たちこそがダビデ王の末裔だとされ、人類が死滅する最後の数日間にすべてを包括する大英帝国が世界を支配するという。ディーのカルト的な考え方は19世紀のイギリスで復活したようだ。

 

大英帝国はすでに滅んだと考えられているようだが、イギリスは現在でも42カ国に145の軍事基地を保有しているとされている。中でも重要な基地はサウジアラビア、オマーン、バーレーンといったペルシャ湾岸諸国にあり、イスラエルとサウジアラビアはイギリスが作り上げた国にほかならない。キプロスにも重要なイギリスの軍事基地があり、イスラエル軍によるガザでの虐殺を支援する活動の拠点になっている。また電子情報機関GCHQの基地もあり、重要な役割を果たしている。インド洋に浮かぶいわゆるチャゴス諸島にも重要な軍事基地がある。この諸島で特に有名な島がディエゴガルシアだ。

 

イギリスには見えない帝国も存在している。1970年代に整備されたシティ(ロンドンの金融街)を中心とするオフショア市場のネットワークだ。ジャージー島、ガーンジー島、マン島、ケイマン諸島、バミューダ、英領バージン諸島、タークス・アンド・カイコス諸島、ジブラルタル、バハマ、香港、シンガポール、ドバイ、アイルランドなどが含まれ、それまでの古典的なタックス・ヘイブンに比べて機密度が格段に高い。

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「対露戦争、ガザでの虐殺、遺伝子操作薬の接種を消し去る芸能人の私的な出来事 」(2025.05.21ML)
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