【連載】植草一秀の「知られざる真実」

植草一秀【連載】知られざる真実/2025年5月20日 (火) 参院選で一票一揆!

植草一秀

参議院選挙で大事なことは政策を基準に投票先を選ぶこと。

いま、何よりも求められるのは消費税減税。

まずは、消費税の税率を10%から5%に引き下げる。

重要なことは恒久減税を行うこと。

もう一つ重要なことは複数税率をやめて単一税率にすること。

税制に求められる重要な要素の一つが〈簡素〉。

複数税率は事務処理が煩雑になる。

複数税率を廃止して一本化する。

財源論が叫ばれるが財源はある。

税の自然増収が膨大な規模に達している。

2020年度の一般会計税収は60.8兆円。

これが2024年度に73.4兆円に増大。

12.6兆円増えた。

2024年度は2.3兆円の所得税減税が実施されたから、これを加えると自然増収は14.9兆円。

地方を合わせれば18兆円程度の自然増収が生まれている。

自然増収は税負担の増加だから広義の増税と言ってよい。

この増税分を国民に還元する。

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自然増収を財源に15兆円減税を実施すべきだ。

2025年度予算で減税が論議された。

〈103万円の壁〉が騒がれて〈壁の引き上げ〉が行われた。

しかし、その正体は〈しょぼい減税〉

2025年度の所得税減税の規模は0.7兆円。

メディアが国民民主党を大宣伝しているが、あれだけ騒いで実現した所得税減税は0.7兆円。

2024年度は所得税の定額減税が実施された。

地方の住民税を除く所得税減税の規模は2.3兆円。

これは1回限りの減税。

したがって、2025年度は逆に増税になる。

2025年度に0.7兆円の減税が実施されるが、定額減税廃止により2.3兆円の増税になるから、両者の差し引き合計は1.6兆円の増税になる。

減税を大騒ぎしたが、所得税は2025年度に1.6兆円の増税になる。

これが〈103万円プロセスの正体〉だ。

消費税率を10%から5%に引き下げると国、地方合わせて15兆円の減税になる。

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自公が過半数割れに転落したから、野党が結束すれば、これを衆議院で可決できた。

衆議院が可決した消費税率5%を参議院が否決する場合、どの勢力が消費税減税を阻止したのかに関心が集まる。

野党は結束して消費税減税を追求するべきだった。

しかし、消費税減税で野党が結束することはなかった。

国民民主党は昨年10月の総選挙では消費税率5%を公約に掲げたが、選挙後は封印した。

〈103万円の壁〉で大騒ぎして、結果として実現したのは1.6兆円の所得税増税だ。

この事実を知って、なお、国民民主党を支持する有権者がいるだろうか。

国民民主党人気はメディアが創作した虚像だと考えられる。

国民民主党は通常国会で消費税減税実現に向けて力を結集するべきところ、衆院総選挙後は消費税減税論議を封印。

結局、しょぼい減税どころか、所得税増税が決定されたというのが現実だ。

その国民民主党が参院選に向けて再び消費税減税の旗を掲げたがまったく信用できない。

しかも、時限措置としての減税。

5月29日(木)午後3時から6時に衆議院第一議員会館第五会議室で〈ガーベラの風国会イベント〉を開催する。

https://x.gd/Y3Mt5

テーマは〈参院選で一票一揆 しょぼい減税を-ぶっ壊す!〉

参加申し込みが定員に達したので受付は終了したが、イベントを動画配信するのでぜひご高覧賜りたい。

※なお、この記事は下記からの転載であることをお断りします。
植草一秀の『知られざる真実』2025年5月20日 (火)「参院選で一票一揆!」

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/05/post-c09bfb.html

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植草一秀 植草一秀

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050

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