
5月23日のウクライナ情報
国際5月23日のウクライナ情報
安斎育郎
❶ウクライナの元政治家、マドリードで射殺 新ロ派元大統領の側近(CNN, 2025年5月21日)
(CNN) ウクライナの親ロシア派ヤヌコビッチ元大統領の側近を務めた元政治家、アンドリー・ポルトノウ氏(51)がスペイン首都マドリードで射殺されたことが分かった。スペイン国家警察の情報筋がCNNに明らかにした。
情報筋によると、ポルトノウ氏は現地時間午前9時15分ごろ、車に乗り込む際に数回銃撃を受けた。複数の襲撃犯が同氏の背中と頭部を銃撃し、森林地帯へ逃走したという。
事件はマドリード西郊の裕福な地域、ポスエロ・デ・アララコンにあるアメリカンスクールの外で発生した。この学校には米国やスペイン、その他の数十カ国から1000人を超える生徒が通っている。
ポルトノウ氏は2021年、マグニツキー法に基づき汚職や贈収賄の疑いで米国の制裁対象に指定された。米財務省によると、ポルトノウ氏は「自身の影響力を行使してウクライナの裁判所へのアクセスと判決を買収し、改革の取り組みを妨害しようとした信ぴょう性の高い疑いを持たれている」とされる。
マグニツキー法は12年12月に成立した法律で、人権侵害に問われているロシアや親ロシア派の特定の政府当局者、および実業家の米国入国を阻止し、資産を凍結する内容。
ウクライナ保安局は以前、ポルトノウ氏がロシアによるクリミア併合に関与した可能性を捜査していたものの、捜査は後に打ち切られた。
「ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティー」プロジェクトの調査によると、ポルトノウ氏はロシアが22年2月に全面侵攻を開始した数カ月後、ウクライナから脱出した。当時、徴兵対象年齢の男性は出国を許されていなかった。
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❷ウクライナ元大統領の側近が撃たれ死亡 親ロ派、過去には米国が制裁(朝日新聞、2025年5月21日)
アンドリー・ポルトノウ氏=本人のSNSから
ウクライナのヤヌコビッチ元大統領の側近だったアンドリー・ポルトノウ氏(51)が21日朝、マドリードで撃たれて死亡した。ロイター通信や地元紙が捜査関係者の話として伝えた。容疑者は明らかになっていない。
事件があったのは高級住宅街にあるアメリカンスクールの校門近く。スペイン紙エル・パイスによると、ポルトノウ氏が子どもたちを送って車に戻ろうとした際、2、3人が計5回発砲し、少なくとも3発が頭や背中に当たったという。
弁護士出身のポルトノウ氏は2010~14年、親ロシア派政権を率いたヤヌコビッチ氏のもとで大統領府副長官などを務めた。14年にヤヌコビッチ政権が倒れた「マイダン革命」後は、一時ロシアで暮らした。米国は21年、賄賂を通じてウクライナの司法に不当な影響を与えたとして、ポルトノウ氏を制裁対象としていた。(ロンドン=藤原学思)
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❸ 「交渉拒めば無条件降伏」 米ロ協議翌日、ロシアから強硬発言相次ぐ(朝日新聞、2025年5月21日)
ウクライナへの侵攻を続けるロシアのプーチン大統領と米国のトランプ米大統領が電話協議をした翌日の20日、ロシアの当局者や政治家からウクライナに対する強硬な発言が相次いだ。トランプ氏がロシアへの追加制裁に否定的な考えを示し、対ロ圧力に踏み出さないことから、ロシア側が一層強い
国家安全保障会議副議長のメドベージェフ前大統領は20日、西部サンクトペテルブルクで講演。ロシアがウクライナに「交渉」を繰り返し呼びかけてきたとした上で、「キエフ(ウクライナの首都キーウ)の政権にはもう一つの道がある。無条件降伏への道だ」と語った。北大西洋条約機構(NATO)への加盟断念など、ロシアの意向に沿う形での交渉をウクライナが拒むなら、残された道は無条件降伏しかないと迫った格好だ。
外務省のザハロワ報道官も20日の記者会見で、ウクライナにとって「決断を下す重大な瞬間が近づいている」と主張。ウクライナの非武装化などを含むロシアの要求に対して「建設的な姿勢」を取るよう求めた。
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❹ランプ氏、フィンランド国境でのロシア軍増強「懸念せず」(ロイター、2025年5月21日)
トランプ大統領は20日、ロシアがフィンランドとの国境沿いで軍備を増強しているとの報道について懸念していないと述べた。
トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、この問題について「全く心配していない」とし、フィンランドとノルウェーに言及した上で「極めて安全になる」と述べた。
また、次世代ミサイル防衛システム「ゴールデン・ドーム」について、ロシアのプーチン大統領と協議していないと述べた。
トランプ氏は前日、ロシアのプーチン大統領と電話会談を行っている。
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❺米国は世界から手を引かない」、ルビオ国務長官が上院で主張(2025年5月21日)
[ワシントン 20日 ロイター] – ルビオ米国務長官は20日に上院外交委員会が開いた公聴会で、トランプ政権の対外援助予算削減やウクライナ問題への対応などについて妥当性を訴えたが、議員からは厳しい批判を浴びた。
ルビオ氏は、現政権下の国務省が進めているさまざまな方針転換は「決して米国の外交政策を打ち壊すものではなく、米国は世界から手を引くわけではない」と主張。自身が過去18週間で18カ国を訪問したことを挙げて、「これは(国際社会から)撤退するという風には聞こえない」と付け加えた。
野党民主党のクリス・バンホーレン上院議員は、ルビオ氏がトランプ大統領と一緒にウクライナの人々を犠牲にしてロシアのプーチン大統領のいいなりに動いているなどと指摘し、ルビオ氏の国務長官指名に賛成したことを後悔していると憤慨した。
これに対してルビオ氏は「あなたが私(の長官指名に賛成)票を投じたのを悔やんでいると言うことで、私が良い仕事をしていることが確かめられた」と切り返した上で、ウクライナでの停戦に向けた米国の取り組みにおいてプーチン氏には何も譲歩しておらず、対ロシア制裁はなお生きていると強調した。
対外援助に関しては複数の与党共和党議員が「ソフトパワー」の一環として重要だと訴えた。同党のリンゼー・グラム上院議員は「私の見方では対外援助は形を変えた国家安全保障だ」と述べ、援助削減によって失うものは大きいと訴えた。
しかしルビオ氏は、政府が提示した国務省の予算案でトランプ氏の構想を推進しながら「重複的で無駄、かつイデオロギーに起因する各種プログラム」向けの200億ドルを圧縮できると説明。対外援助削減や国務省職員規模の縮小、国際開発局の国務省への統合などの措置は適切だとの見方を改めて示した。
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❻和平確保に圧力強化必要、ゼレンスキー氏とNATO事務総長が電話会談(2025年5月22日)
キーウ 21日 ロイター] – ウクライナのゼレンスキー大統領は21日、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長と電話会談を行い、「共同措置」のほか、「公正な和平」を確保するためにロシアに圧力をかける必要性について協議したと明らかにした。
ゼレンスキー氏は「全ての決定を調整することが重要になる。そうすれば制裁措置は効果を発揮する。ロシアに対する圧力なしに、公正な和平を実現することはできない」と対話アプリ「テレグラム」に投稿した。
米国のトランプ大統領は19日にロシアのプーチン大統領と電話会談を実施したが、プーチン氏からウクライナ停戦の確約を引き出すことはできなかった。これを受け、ゼレンスキー氏は過去2日間、欧州の同盟国と連絡を取り、ロシアに対する圧力を強めるよう呼びかけている。
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❼トランプ氏「対応を検討中」、EU・英の対ロシア追加制裁受け(2025年5月21日)
[ワシントン 20日 ロイター] – トランプ米大統領は20日、欧州連合(EU)と英国が新たな対ロシア制裁措置を発表したことを受け、どのように対応するか検討していると述べた。ただ詳細は明らかにしなかった。
トランプ氏は記者団に対し「多くの選択肢を検討している。様子を見てみよう」と述べた。
EUと英国はこの日、米国の参加を待たずに、ロシアに対する新たな制裁措置を発表。ロシアが西欧諸国の制裁回避に使用する「影の船団(シャドーフリート)」に属するとみられる石油タンカーなどを標的とし、ロシアに対し停戦圧力を強める。
トランプ氏は19日にロシアのプーチン大統領と電話会談を実施。プーチン氏からウクライナ停戦の確約を引き出すことはできなかった。
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❽選挙前だけ大衆受けを狙い、当選後は本性を現す…わけではなかったスターマー英首相(Newsweek, コリン・ジョイス, 2025年5月21日)
<中道っぽく見せてどうせすぐゴリゴリ左派政権になるんでしょ?と思われていたスターマーの労働党政権だが就任1年で見えてきたこと>
イギリスのキア・スターマー首相が就任してもうすぐ1年になるので、少し彼について考えてみようと思う。彼は一般に「退屈な」男と見られており、それもなるほどうなずける(彼は派手でもなければ刺激的でもない)。【コリン・ジョイス(本誌コラムニスト)】
ロンドン塔を埋め尽くす3万本の「セラミック製ポピー」…赤い花に込められた意味とは?
それでも僕は、彼には驚いたとも言わざるを得ない。僕は概して保守的(または自分的には「主流」と言いたい)なので、労働党政権をさらに嫌いになるだろうと思っていた。
イギリスの左派も同様に、スターマーに驚かされている(あるいは「失望した」)。スターマーはもっと急進的だろうと期待して(あるいは「願って」)いたからだ。
彼ら(そしてある程度は僕も)は、スターマーがひとたび権力を握れば公約をないがしろにして骨抜きにし、典型的な社会主義者の「増税と財政支出」路線の首相になるだろうと予期していた。
左派たちお気に入りのあらゆる大義を、きっとスターマーは採用するのだろうと、人々は期待/懸念していた──国境を開放し、人種差別の定義を拡大し、それに対するさらなる「闘争」を行い、トランスジェンダーの権利を拡大し……。
■公約を守っていることに驚く
そんなわけだから、彼が選挙公約を守り、むしろこれらの問題についてここ数年で主流に寄ってきていることに、僕はむしろ驚いた。
例えば、彼は「女性の定義を生物学的女性に限定する」とした最近の英最高裁の決定を受け入れた。スターマーはこの判決が「明確さ」をもたらしたと述べたが、数年前まで彼は、トランスジェンダー女性は女性であるという主張を繰り返していた。
そしてこの5月に彼は、ここ1世代の期間にイギリスに人口動態の激変をもたらしてきた、開かれた国境という「実験」を終わらせることを約束した。これはもちろん、ブレア政権下で移民が急増して以降、何十年にもわたってイギリスの大多数が一貫して要求し続け、投票で意思表示し続けてきたことだ。
だから全体的に、スターマーがやると言ったことを実行に移し、イギリス世論に耳を傾けていることに、僕は敬意を表している。そしてまさにそれゆえ、多くの筋金入りの労働党支持者が彼に激怒している。
■権力に就いてから本性を見せるはずが
彼はその逆を行くはずだった──選挙戦中には広い支持を得るために中道っぽい態度を示し、権力の座に就いてから本性を見せるのだろう、と。
その思い込みの通りになるなら、最初こそ人々は懐疑的になったり怒ったりするかもしれないけれど、そのうちすぐに「真の労働党政権らしい様子」が見て取れるようになり、ほらやっぱりね、と納得の展開になるはずだった。
そうは事が運ばなくとも、例えば、膨大な国から膨大な人々や膨大な文化を受け入れて「多文化のイギリス」が不可逆的な現実になるような、「真の変化」を実現する機会は、次の選挙までには必ずや訪れるだろう、と思われていた。
スターマーにとっての問題は明らかだ。彼は2024年総選挙で、不安定な有権者の連合体のおかげで勝利した。筋金入りの労働党有権者は、スターマーが実際はひそかに自分たちの仲間であると期待して投票した(その期待は今や打ち砕かれた)。さらには、単純に保守党に嫌気が差していた多くの人々(ボリス・ジョンソンがルールと現実を傲慢に無視する態度には人々の怒りが集まり、リズ・トラスは保守党の経済運営能力の評判を傷つけた)の浮動票も集まった。
それに加えて、スターマーは投票率の低さにも助けられたと思う。多くの「主流」のイギリス人は、わざわざ投票しようとしなかった。彼は「地滑り的」な勝利を収めたが、それはもろくて奇妙に僅差の勝利であり、比較的少数の熱量低い有権者たちの力によって、議会でのギリギリ過半数を獲得した。
■今のところ支持率はひどい
現時点では、労働党支持者の多くがこれほど怒っているなか、次の総選挙でスターマーが一体どうやって勝利することができるのか、想像するのは難しい。どこか別の層から、労働党支持層に匹敵するほど多くの「代替」有権者を獲得するのは容易ではないだろう。
今のところ、スターマーの支持率はひどい。僕は実際のところ、世論よりずっと彼に同情的だ。ウクライナと国際問題における彼のリーダーシップや、インドやアメリカとの貿易交渉、そして何より公約を反故にして民主的プロセスを侮辱したりしなかったことを、僕は評価する。
問題を抱えているのはスターマーだけではない。保守党は混乱状態で、再生に苦労している。そんななかで極右「リフォームUK」政党が、主要野党への道を突き進んでいる。地殻変動が起こっているとするのなら、労働党の支持基盤がこれまでよりさらに弱まっても、小選挙区制はまだスターマーに有利に働くかもしれない。
当分の間、彼は自分の仕事をやり続けて希望を持ち続けることしかできないだろうが、実はそれこそ、むしろスターマーが得意とすることだと思う。彼は先見の明に欠けるものの、労働倫理や基本的な能力を持ち合わせていて、許されないような性格の欠陥はないようだ。
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❾ダグラス・マクレガー: すべて負け、完全な失敗が達成されました!!(2025年5月20日)
この独占動画では、ダグラス・マクレガーの人生とキャリアを探り、彼の画期的なアイデア、リーダーシップ哲学、そして世界中の軍事思想に与えた影響について明らかにします。
ダグラス・マクレガーは、軍事戦略と変革に関する革新的な見解で最もよく知られています。軍事史を学ぶ学生、この分野の専門家、あるいは単に戦略思考に関心のある方など、どなたでもこの動画からマクレガーの現代戦争への貢献について貴重な洞察が得られるでしょう。
*戦争は本当にひどいものです。私たちは罪のない人々を撃つ侵略者と戦っています。この戦争が終わることを願っています。
https://youtu.be/ir0HM8oiLuA
https://www.youtube.com/watch?v=ir0HM8oiLuA
❿ゼレンスキーは全世界の前で政治ショーを披露した!(2025年5月21日)
ゼレンスキー大統領のショーは見事に失敗しました!
最新のブリーフィングで、ロシア外務省のマリア・ザハロワ代表は、ウクライナ危機をめぐる状況について語りました。
https://youtu.be/S25UjuMUvIM
https://www.youtube.com/watch?v=S25UjuMUvIM
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1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。