
【櫻井ジャーナル】2025.05.27XML: 6月20日の「櫻井ジャーナルトーク」のテーマは「エリートを操る仕組み」です
国際政治次回の「櫻井ジャーナルトーク」は6月20日午後7時から駒込の「東京琉球館」で開催します。予定しているテーマは「エリートを操る仕組み」です。予約受付は6月1日午前9時からですので、興味のある方は東京琉球館までEメールで連絡してください。
東京琉球館
https://dotouch.cocolog-nifty.com
住所:東京都豊島区駒込2-17-8
Eメール:makato@luna.zaq.jp
東洋でも西洋でも支配層は政略結婚を繰り返してきました。現在でも生き残っているヨーロッパの貴族は大多数が親戚であり、そのつながりがEUをコントロールしていると言われていますが、それだけでは政治家、官僚、企業経営者、将軍、情報機関幹部などを操ることができません。そのために使われる手段が買収、恫喝、暗殺、クーデター、軍事侵攻などです。このうち、買収、恫喝、暗殺、クーデタで中心的な役割を演じるのが情報機関にほかなりません。
買収と恫喝は深く関係していますが、その手段を利用して権力を維持していたひとりが、1935年6月から72年5月までFBI長官を務めたJ・エドガー・フーバーです。
フーバーが長官になる直前、1933年から34年にかけてウォール街の大物たちはニューディールを掲げるフランクリン・ルーズベルト政権を倒すため、在郷軍人会の約50万人を動員してホワイトハウスを恫喝しようとしたのですが、アメリカ海兵隊の伝説的な軍人、スメドリー・バトラー退役少将によって阻止されました。この計画を取材したフィラデルフィア・レコードの記者、ポール・コムリー・フレンチによりますと、クーデターを目論んでいたウォール街の住人たちは、コミュニストから国を守るためにファシスト政権をアメリカに樹立させる必要があると話しています。バトラー退役少将は1935年にフーバーと会ってウォール街の計画を説明するのですが、断られています。(Peter Dale Scott, “The American Deep State,” Rowman & Littlefield, 2015)
大戦後、アメリカでは反ファシスト派が粛清されました。「赤狩り」です。その粛清で重要な役割を果たしたジョセフ・マッカーシー上院議員ですが、その情報源はフーバー長官だったと言われています。
1953年から54年にかけてマッカーシー上院議員の法律顧問を務めたロイ・コーンは大学を出て間もない頃、性的スキャンダルによる恐喝を生業としている暗黒街の一味の下で働いていたと言われています。彼はニューヨークの犯罪組織、ガンビーノ・ファミリーのメンバー何人かの法律顧問を務めていましたが、顧客のひとりがジョン・ゴッチです。
コーンと「親子のように」親しかったというルイス・ローゼンスティールは禁酒法時代に密造酒で大儲けした人物で、スキャンダルを使った恐喝をしていたとも言われています。そのローゼンスティールは禁酒法が廃止になった後、フーバー長官に接近しました。死ぬ直前、彼はドナルド・トランプの顧問を務めています。(Jonathan Marshall, “Dark Quadrant,” Rowman & Littlefield, 2021)
ローゼンスティールの同業者で、親しい間柄だったサミュエル・ブロンフマンの息子であるエドガー・ブロンフマンはジェフリー・エプスタインと親しいことで知られていますが、このふたりはイスラエルの情報機関の仕事をしていたことでも知られています。
ローゼンスティールの妻だったスーザン・カウフマンによりますと、元夫はユダヤ系ギャングの大物、メイヤー・ランスキーとも親しくしていました。ランスキーはイスラエルだけでなくCIAと緊密な関係にあった人物で、彼が親しくしていたCIAの幹部、ジェームズ・アングルトンはモサドとの連絡役を務めていました。
また、フーバーが37年にわたってFBI長官の座にとどまり、大きな影響力を維持できたのはエリートたちの弱みを握っていたからだと言われているます。ジョン・F・ケネディ大統領はアレン・ダレスCIA長官と同じようにフーバーFBI長官も解任しようとしていましたが、その前に大統領は暗殺されました。大統領の弟で、司法長官を経験したロバート・ケネディも殺されています。
弱みを握ることは人間を操る有効な手段で、エプスタインのような方法だけでなく、通信傍受(盗聴)も利用されてきました。最も強大な恫喝の仕組みを築き上げたのがイギリス、アメリカ、そしてイスラエルの支配者たちです。その仕組みについて考えてみたいと思います。
櫻井 春彦
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※なお、本稿は櫻井ジャーナルhttps://plaza.rakuten.co.jp/condor33/
「 6月20日の「櫻井ジャーナルトーク」のテーマは「エリートを操る仕組み」です 」(2025.05.27ML)
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