
6月4日のウクライナ情報
国際6月4日のウクライナ情報
安斎育郎
❶シベリアで初の無人機攻撃 ロシア基地攻撃し「41機損傷」(2025年6月1日)
【キーウ、モスクワ共同】ウクライナ情報機関の保安局(SBU)は1日、ロシア軍の複数の飛行場を無人機で攻撃し、ロシアの戦略爆撃機など41機に損傷を与えたと主張した。地元メディアが報じた。ロシア国防省は、数機が燃えたと発表した。東シベリアのイルクーツク州が含まれ、州知事によるとシベリアで初の無人機攻撃となった。
1年半以上かけ、ゼレンスキー大統領の指揮の下、マリュクSBU長官らが計画を進めた「歴史的特別作戦」と強調。無人機117機で、ロシアの戦略巡航ミサイルを搭載する航空機の3割超を攻撃し、約1兆円相当の被害を与えたと誇示した。ロシア領内のトラックに載せた移動式家屋に無人機を隠したという。
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❷ウクライナ特務が潜入破壊作戦「パヴティナ」でロシア空軍機40機以上を撃破、凄まじい大戦果を上げる(2025年6月1日)
6月1日、ウクライナ情報機関のSBU(ウクライナ保安庁、СБУ)の特殊任務破壊工作班がロシア奥地の戦略爆撃機の基地など複数を攻撃して、Tu-95MS戦略爆撃機やA-50早期警戒機などを含む40機以上(追加情報では41機)を撃破する凄まじい戦果を上げたとウクライナ各紙が報じています。ヴァシーリー・マリューク長官はこの攻撃の実行を認めており、何機ものロシア爆撃機が撃破されて基地が炎上している動画が出回っています。
SBUによると攻撃を受けて炎上したのはムルマンスク州オレニヤ、イルクーツク州ベラヤ、リャザン州ディアギレヴォ、イワノヴォ州イワノヴォのロシア4カ所の航空基地で、同時多発的な潜入破壊作戦です。また他に極東のアムール州ウクラインカ航空基地も狙われています。
「70億ドル(約1兆円)。これは本日のSBU(ウクライナ保安局)による特別作戦「パヴティナ(蜘蛛の巣)」で撃破された、敵の戦略爆撃機の概算価値です。」
「ロシア連邦の主要な航空基地に配備されている戦略巡航ミサイル発射母機(戦略爆撃機を指す)の34%が損傷しました。」
「保安庁の特別作戦の詳細については後ほどお伝えします。」
出典:SBU(ウクライナ保安庁)Facebook
※SBU(ウクライナ保安庁)のマリューク長官はウクラインカ以外の4カ所を攻撃成功としており、破壊したロシア軍航空機は合計で41機としている。ゼレンスキー大統領の説明によるとこの作戦に投入した自爆ドローンは117機。
※ロシア国防省はディアギレヴォ、イワノヴォ、ウクラインカでの攻撃を撃退したと発表するも、オレニヤとベラヤでの損害を「数機が炎上」と認めた。出典:ロシア国防省telegram
パヴティナ(Павутина、蜘蛛の巣)作戦
今回のSBUによる潜入破壊作戦の名称は「パヴティナ(Павутина、蜘蛛の巣)」。SBUがウクライナ各紙に伝えた攻撃方法は、敵基地の数km以内の近くまでFPV自爆ドローン複数を積んだ木造コンテナ(移動式木造住宅と称している)をトラックで運んで其処から発進し、駐機しているロシア空軍機を狙ったというものです。数十機もの撃破が事実かどうかはまだ分かりませんが、少なくとも複数の爆撃機が破壊され炎上していることが動画で確認できます。この数機だけでも大型の戦略爆撃機ですから大変な戦果です。
潜入破壊によって大型機を含めて数十機のロシア空軍作戦航空機を同時に撃破という凄まじい戦果は、ロシアのみならず世界中の軍隊に大きな衝撃を与えているでしょう。数百発のミサイル攻撃を同時に仕掛けても得られるかどうか分からない巨大な戦果を、情報機関の特殊任務で達成してしまったことになります。基地周辺の警備を入念にしていた筈のロシア軍ですらこの大失態では、各国の軍隊は基地警備の重要性を痛烈に再認識している筈です。
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❸ ウクライナの無人機群失敗、西側を怒らせる(2025年5月31日)
https://youtu.be/g0LJ7G4L1-o
https://www.youtube.com/watch?v=g0LJ7G4L1-o
❹米軍大佐が語る「崩壊寸前の帝国」の真実|ダグラス・マクレガー大佐(2025年5月31日)
アメリカ帝国は崩壊寸前であり、権力者たちはそのことに全く気付いていません。しかし、事実は雄弁に物語っています。過剰に拡大しながらも発展していないアメリカ軍は、莫大な資金を吸い上げているにもかかわらず、イエメンのような貧しい国に対してさえ実力を示すことができません。覇権の幻想の終焉は近づいており、軍の撤退は避けられないでしょう。少なくとも、今日のゲストはそう考えています。
ダグラス・マクレガー大佐は戦闘経験を持つベテランであり、YouTubeでも活躍する分析家です。
https://youtu.be/x4ilO3ZMQwM
https://www.youtube.com/watch?v=x4ilO3ZMQwM
❺ポーランド、ハンガリー、ルーマニアはウクライナの一部を併合するためにウクライナの敗北を待っている – アゾフ司令官ビレツキー(2025年6月1日)
「ハンガリーとの関係は明白だ。 彼らはウクライナを侵略したり、プーチンの同盟国になったりする準備はできておらず、ウクライナの国家としての完全な喪失を期待している。 そして、彼らの計画は、第二次世界大戦初期のポーランド・リトアニア連邦のように、いくつかの国を共犯者にすることがロシアにとって有益であることを考えれば、歴史全体を考えれば、明らかに単純である。
つまり、例えばトランスカルパティアの一部を与えるのだ。 オルバンにとって、それは大勝利であり、15年間の権力を固めることになる。
彼らは戦争の準備をしているのではない。 彼らは、ウクライナが世界的に敗北した場合、自分たちのクズを取るために準備しているのだ。
しかし、他の西側の同盟国には敬意を表するが、ルーマニアやポーランドとそのような話になる可能性があることも理解しなければならない。 あるいは、その両方かもしれない」とビレツキーは語った。
https://x.com/i/status/1928878936785825966
https://x.com/CdfbDtYAxmbMuRZ/status/1928878936785825966/video/1
❻ロシア軍がスームィのボドラギ村とドネツクのノボポールを解放完了(2025年6月1日)
https://x.com/Tamama0306/status/1928966392910319984?s=09
❼⓫【ロシア・ウクライナ直接交渉の第2ラウンド 本日開催 主なポイント】(KYODO、2025年6月2日)
【イスタンブール、キーウ、モスクワ共同】ウクライナとロシアは2日、ウクライナ侵攻を巡る和平に向け、トルコ・イスタンブールで5月16日に続く直接交渉を行った。ウクライナとロシアは互いに和平案を提示。ウクライナ交渉団は交渉後の記者会見で、自国が提案した無条件停戦について、ロシアが拒否したと明らかにした。
タス通信によると、交渉は1時間余り。交渉団を率いるウメロフ国防相は記者団に、前回交渉後に続いてロシアと新たに捕虜交換を行う予定だと述べ、6千対6千の遺体交換でも合意したと明らかにした。次回交渉について、今月下旬の開催を提案したと述べた。
イエルマーク大統領府長官はロシアに連れ去られた子ども数百人分のリストを手渡し、帰還させるよう求めたと表明した。
ロシアの交渉団を率いるメジンスキー大統領補佐官は2日、どのように長期的平和を実現し、完全な停戦に向けた具体的措置を講じるかを明記した文書を提示したと明らかにした。
トルコのフィダン外相は交渉の冒頭演説で「停戦条件を話し合うために集まった」と訴えた。
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❽ウクライナ「ロシアの戦略航空機34%に損害」 損失1兆円、一斉ドローン攻撃で(2025年6月2日)
ロシアの侵略を受けるウクライナの情報機関、ウクライナ保安局(SBU)は1日、複数の露空軍基地をドローン(無人機)で一斉攻撃する特殊作戦「パウチーナ(クモの巣)」を同日実施し、露軍が保有する戦略航空機の34%に損害を与えたと発表した。ロシアの損失額は70億ドル(約1兆円)に上ったとした。ロシアも同日、国内5州の空軍基地がドローン攻撃を受けたと発表した。
■核兵器の運用態勢に影響も
ウクライナのゼレンスキー大統領は同日のビデオ声明で「作戦は1年半以上準備されてきた」と指摘。作戦には117機のドローンと同数の操縦士が参加したとした。
ウクライナメディアがSBU筋の話として伝えたところによると、今回の攻撃で、早期警戒管制機「A50」や戦略爆撃機「TU95」、超音速戦略爆撃機「TU22M3」などを含む40機以上の露軍機を損傷させたとした。
事実であれば、露軍の爆撃能力が大幅に低下する上、核兵器の運用態勢にも影響が出ることが予想される。ウクライナは2日にトルコで予定される対露和平交渉でロシアの発言力を弱めるため、このタイミングで攻撃を決行した可能性がある。
■露基地付近トラックからドローン発射
報道によると、SBUは、露防空システムによる撃墜を避けるため、各空軍基地近くまで移動させたトラックからドローンを発射した。露当局に拘束されたトラック運転手が「積み荷が何か知らなかった」と話したとの情報もある。ゼレンスキー氏は、作戦を準備するため露国内に潜入していた要員が作戦開始前にロシアを脱出し、安全な場所にいると述べた。
一方、露国防省は1日、露中部リャザン▽北部ムルマンスク▽東シベリア・イルクーツク▽極東アムール▽西部イワノボ-の計5州の空軍基地がウクライナのドローン攻撃を受けたと発表。一部で航空機が炎上したとしたが、詳細な被害には言及しなかった。また、攻撃に関与した数人を拘束したとも主張した。
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❾ウクライナ、シベリアに無人機攻撃 ロ軍機40機超に損害(2025年6月2日)
[モスクワ 1日 ロイター] – ウクライナは1日、ロシア・シベリアの軍事基地を攻撃し、核兵器を搭載可能な長距離爆撃機を攻撃した。ウクライナ情報当局者が明らかにした。前線から4300キロ以上離れた地域にこうした攻撃が行われるのは初めて。ソーシャルメディアに投稿された映像には、イルクーツク州北部のベーラヤ航空基地でロシアの戦略爆撃機が炎上する様子が映っている。
ウクライナ情報当局者によると、国内治安機関のウクライナ保安局(SBU)が大規模なドローン(無人機)攻撃を実施し、ロシア軍機41機に損害を与えた。ウクライナへの長距離ミサイル攻撃に使われている戦略爆撃機「ツポレフ95」や超音速長距離戦略爆撃機「ツポレフ22」などが含まれるという。
イルクーツク州のコブゼフ知事はスレドヌイ周辺の軍部隊が無人機攻撃を受けたと述べたが、戦略爆撃機には言及しなかった。シベリアのこの地域でこうした攻撃があったのは初めてだと述べ、無人機はトラックから発射されたとの見方を示した。
地元当局によると、ロシア北部ムルマンスク州でもウクライナの無人機による攻撃があった。
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❿ウクライナが「真珠湾攻撃」決行!ロシア国内に運び込んだドローンで軍用機41機を破壊(Newsweek、2025年6月2日)
6月1日、ウクライナによるドローンを使った奇襲攻撃でロシアの軍用機41機が破壊された。そ
の大胆さと被害の大きさからネットでは「ロシアが真珠湾攻撃を受けた」との声も上がっている。
本誌はホワイトハウスと米国務省に同日、電子メールでコメントを求めたが回答は得られていない。
アメリカはロシアとウクライナの停戦協議を仲介しているが、両国とも攻撃を続けるなかで、数カ月経っても目立った成果は上がっていない。
アメリカのドナルド・トランプ大統領は繰り返し、停戦実現に向けた意欲に欠けるとしてロシアのウラジーミル・プーチン大統領とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領へのいらだちを表明してきた。
ゼレンスキーは2月、ホワイトハウスの大統領執務室でトランプとJ・D・バンス副大統領と会談して激しい口論となった際、ロシアは過去にウクライナと結んだ合意を破った事実があると述べた。
またトランプは、プーチンには戦争を長引かせる意図があり、自分に対して気をもたせるような態度を取って交渉を引き伸ばそうとしているだけなのではとの疑念も口にしている。
ウクライナ独自の作戦
ニュースサイトのユーロニュースによれば、ウクライナ保安庁(SBU)は1日、「ロシア領内で敵(ロシア)の戦略爆撃機が大量に燃えている」と述べるとともに、ウクライナ軍が「敵の爆撃機の破壊を狙った大規模な特殊作戦」を遂行していると明らかにしたという。
トランプ政権の関係者は1日、CBSニュースに対し、ホワイトハウスはウクライナの今回の攻撃を知らなかったと述べた。
ロシア国内では軍事評論家らが、強力かつ迅速な反撃を求める声を上げている。例えば軍事ブロガーのロマン・アレヒンは、メッセージアプリのテレグラムでロシアが「真珠湾攻撃」を受けたと述べ、ウクライナに「戦略核攻撃」を行うべきだと主張した。
ロシア国防省はタス通信に対し声明で「本日、ウクライナ政府はムルマンスク、イルクーツク、イワノボ、リャザン、アムール各州の空域に対し、FPVドローンを使ったテロ攻撃を行った」
「イワノボ、リャザン、アムール各州の軍事空域に対するすべてのテロ攻撃については報復が行われた」
FPVドローンとは、操縦士が飛行中のドローンからのライブ映像を見ながら操作するドローンのことだ。
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1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。