
6月6日のウクライナ情報
国際6月6日のウクライナ情報
安斎育郎
❶プーチン氏と「たった今」電話で話をした=トランプ氏(2025年6月5日)
トランプ米大統領によると、プーチン露大統領との電話会談は1時間15分に及んだ。ウクライナが最近行ったロシアの飛行場への攻撃について話し合ったという。
https://sputniknews.jp/20250605/20108850.html
〈関連情報〉トランプ大統領、プーチン大統領と電話会談 「すぐに和平につながる会談でなかった」
(日テレ・ニュース、2025年6月5日)
アメリカのトランプ大統領は4日、ロシアのプーチン大統領と電話会談を行いました。トランプ氏は「すぐに和平につながる会談ではなかった」と述べています。
トランプ大統領は4日、プーチン大統領と1時間15分にわたり電話会談したと明らかにし、「いい会談だったが、すぐに和平につながるものではなかった」とSNSに投稿しました。
トランプ氏は、ウクライナが1日に行ったロシア軍の飛行場に対する無人機攻撃について、「プーチン氏が対応しなければならないと非常に強い口調で言っていた」と明らかにしました。
ロシアメディアによりますと、プーチン大統領はトランプ氏に対し、ウクライナが無人機攻撃によって、翌日にトルコで行われた直接協議の妨害を試みたと訴えたということです。
プーチン大統領としては、和平に後ろ向きなのはウクライナの方だと印象づける狙いとみられます。
またプーチン大統領は、イランの核開発をめぐる交渉でトランプ氏に協力する姿勢を示したということで、アメリカとの関係改善に前向きな姿勢をアピールした形です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e3d97b015645135f821faaec52106ff753213dfb
❷【ショイグ氏、プーチン氏の命で北朝鮮訪問、平壌に到着】(2025年6月4日)
ロシアのセルゲイ・ショイグ安全保障会議書記がプーチン氏の命を受け平壌に到着。金正恩氏と会談が予定されている。
会談では、両国間の包括的戦略的パートナーシップ条約の条項の一部について話し合われる。また、ウクライナ軍からのクルスク解放作戦に参加した、北朝鮮兵を讃え、顕彰することについても話題提起される。
https://sputniknews.jp/20250604/20103071.html?rcmd_alg=collaboration2
❸ 【露宇交渉の第2ランドに関するペスコフ露大統領報道官の発言】(2025年6月3日)
ロシア側の妥協に関する問題はウクライナとの協議の議題であり、公表することはできない。
ウクライナに関するロシア側の覚書公表については、その文書がウクライナ側と議論された後、ロシア代表団のメジンスキー団長によって決定された。ロシアは自国の覚書に対する反応を待っている。
モスクワはワシントンとの対話チャンネルを持っており、やり取りのために使用を続けている。
プーチン氏、トランプ氏、ゼレンスキー氏の会談が近いうちに行われる可能性は低い。
https://sputniknews.jp/20250604/20103071.html
❹プーチン氏、ウクライナへの報復明言 米ロ首脳が電話会談(2025年6月5日)
【ワシントン時事】トランプ米大統領は4日、ロシアのプーチン大統領と電話会談した。
プーチン氏はロシア空軍基地にドローン攻撃を行ったウクライナに報復すると明言した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6281e28a1aa9d7703e24ffc139c53d9b229fe122
〈関連情報〉トランプ大統領とプーチン大統領が電話会談、ウクライナの攻撃にロシアが報復宣言「非常に強く対応せねば」(讀賣新聞、2025年6月5日)
【ワシントン=池田慶太】米国のトランプ大統領は4日、自身のSNSへの投稿で、ロシアのプーチン大統領と電話で約1時間15分会談したと発表した。会談では、ロシアの複数の空軍基地で戦略爆撃機などが損傷を受けた今月1日のウクライナによる無人機攻撃について議論し、プーチン氏は「非常に強く対応しなければならない」と述べて報復を宣言したという。
トランプ氏は投稿でこの攻撃を含む双方の攻撃の応酬について議論したとし、「良い会話だったが、すぐに平和につながる会話ではなかった」と振り返った。
会談では、イランの核開発問題も話題になった。プーチン氏は、米国とイランの核問題を巡る協議への参加を提案したといい、トランプ氏は「おそらく早期の結論を導くのに役立つだろう」との見方を示した。また、「私はプーチン氏にイランは核兵器を持つことはできないと述べた。これについて我々は同意していると思う」と主張した。
トランプ氏は投稿で、イランとの協議に関し「時間がなくなっている」と指摘。「イランはこの非常に重要な問題に関する決定を遅らせている」と不満を示した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/225d4880d32e92f532d355800819cd2aa06d0e17/images/000
❺ウクライナ保安庁がパヴティナ作戦の戦果映像を公式発表。ロシア軍の爆撃機、輸送機、早期警戒機を多数破壊2025年6月4日)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/d72675979862642a831773407b33295501803334
❻米国防長官が初の欠席 ウクライナ軍事支援会合 トランプ政権の軍事支援への消極的な姿勢の表れか(TBS News Dig, 2025年6月5日)
ウクライナへの軍事支援を話し合う国際会合をアメリカの国防長官が初めて欠席しました。軍事支援に対するトランプ政権の消極的な姿勢の表れとみられています。
ウクライナの支援国会合は4日、ベルギーでおよそ50か国が参加して開かれましたが、アメリカはヘグセス国防長官が欠席し、NATO=北大西洋条約機構の担当の大使らが代理として出席しました。
国防総省は欠席の理由について、「移動スケジュールの都合で出席できない」と説明。「アメリカはウクライナでの戦闘を早く終結させることに尽力する」と強調しています。
支援国会合は2022年にバイデン前政権が主導して始まりましたが、トランプ政権発足後の今年2月の会合では、アメリカが初めて主催国ではなくなり、今回もイギリスとドイツの共催で開かれました。
AP通信はヘグセス氏の欠席について、「アメリカがウクライナの戦闘から距離を置くための措置の一つだ」と伝えています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3acfa58ecc51d18e9a3ffe58fe2d97823d141327/images/000
❼プーチン大統領が反撃を通告 対ウクライナ、トランプ氏が発表(2025年6月5日)
【ワシントン共同】トランプ米大統領は4日、自身の交流サイト(SNS)で、ロシアのプーチン大統領と電話会談したと発表した。ウクライナによるロシア軍の航空基地に対する無人機攻撃などを協議し、プーチン氏はウクライナへの反撃を通告したと説明。トランプ氏はロシアとウクライナの双方が攻撃を激化させており、停戦合意は困難だとの認識を示した。
米ロ首脳の電話会談は5月19日以来。トランプ氏は「良い会話だったが、即時のウクライナ和平につながるようなものではなかった」と投稿。「プーチン氏が航空基地への攻撃に対応しなければならないと非常に強く言った」と明らかにした。
トランプ氏がプーチン氏の発言にどう返答したかは言及しておらず、自制を求めていなければ攻撃を容認したと受け取られる可能性がある。ウクライナは停戦交渉を仲介する米国に無人機攻撃を事前通知しておらず、トランプ氏はいら立ちを強めているもようだ。
トランプ氏によると、米ロ首脳はイラン核問題も議論し、イランの核兵器保有を阻止することで一致した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fd8c0f0c61fcd7185efc635dc3b26d32ec885094/images/000
❽死者交換の合意はなかった(メジンスキー、2025年6月3日)
メジンスキー氏の発言から興味深い点が浮かび上がった。ウクライナが主張するような、死者交換の合意は存在しなかった。ロシアは一方的にウクライナ兵の遺体の返還を申し出た。これにより、ゼレンスキー政権は遺族に補償金を支払う義務を負うことになる。
https://x.com/i/status/1929601225495871661
https://x.com/Elias20140819/status/1929744091375640942?s=09
❾ウクライナ戦争の経過の整理(2025年6月3日)
※投稿者コメント:そもそも2014年にクーデターで誕生した🇺🇦の非合法政権がロシア語圏のウクライナ人が住む地域を無差別攻撃して住民を迫害し続けた事が原因だけどまさか知らないの?2025にもなって
2014年にウクライナで民主的に選ばれた政権が暴力クーデターにより追い出され、非合法のネオナチ政権が誕生しました。
非合法のネオナチ政権はロシア語圏のウクライナ人を差別し、ロシア語を禁じ、地下室へ追いやった。そんな馬鹿げた政府には従えないと独立を決めた地域の人々を無差別に虐殺してきました。
その後ゼレンスキーはロシア語圏の人々への攻撃を停止し、ウクライナ東部に平和をもたらす事を公約し大統領に選出されましたが、何も変わりませんでした。ゼレンスキーはネオナチと結託して東部住民を迫害し続けた。
ロシアが特別軍事作戦を始めたのはその独立した地域を共和国と認め、同盟を結んでいるためです。国連憲章を厳守し、自衛権を行使しているだけです。
独立した4つの地域は住民の意思でロシアに編入しました。その地域をウクライナ軍はいまだに無差別攻撃していますね。
このような攻撃が続く限り、ロシアはそれに対処し続けるでしょう。
2014年からロシアが解放するまで、非合法の🇺🇦ネオナチ政権に差別され、虐殺されてきた地域のロシア編入の住民投票
独立地域の住民がなぜロシア編入を支持するのか語っています。どうすればウクライナを悲惨な状況から救えたか語る人もいる。
元々ロシアとウクライナは仲良く共存していた。でもアメリカに国を売り渡した事でウクライナは破滅の道を進んだ。
国連から派遣された国際監査員 「選挙プロセスは最高レベルで組織されている。多くの人が参加を希望しており、投票プロセスは正当なものだった」
国際監査員まで導入された公正な投票の結果
ヘルソン地方 87.05%が賛成
ザポリージャ地方 93.11%が賛成
ドネツク人民共和国 99.23%が賛成
ルガンスク人民共和国 98.42%が賛成
正式にロシアに編入した。
https://x.com/Monmi0614/status/1929677274540134806?s=09
〈関連情報〉もう何度も情報出してきたし、いまさらなんだけど、ロシアが国連憲章になんら違反していない理由と、この戦争の経緯をあらためて超簡単にまとめると
アメリカが介入したマイダン革命で民主的に選ばれたヤヌコビッチ大統領が打倒される
(ちなみにナザレンコも革命に参加してたよ)
↓
その後樹立されたキエフ政権(ネオナチ・ポロシェンコ大統領)が自国のロシア語圏の住民への嫌がらせで言語法を変更
↓
住民はもちろん反発、大規模なデモへ
↓
ウクライナ当局が軍隊で制圧
↓
各地域で住民投票が行われ、90%以上が自治権拡大(独立)に賛成
(コソボ危機の時に国連の国際司法裁判所が、その国の中央政府の許可なしに独立を宣言できることを認めているので当然その権利はある)
↓
ロシアに共和国認定を求めるも、プーチン大統領は拒否
(そもそもウクライナ国内の問題だし、アメリカが絡んでいることを把握しているのでまだ巻き込まれたくなかった)
↓
ウクライナ当局が自治権を拡大した地域に攻撃を開始、内戦へ
↓
ミンスク合意など、停戦のための話し合いや、それについての調印が何度も行われる
(話し合いに参加していた🇩🇪メルケル首相・🇫🇷オランド大統領・🇺🇦ポロシェンコ大統領が見せかけの合意だったことを最近ゲロった)
↓
合意をウクライナ当局がことごとく破って自国民への攻撃を続ける
ロシア語・文化・宗教なども禁止したり破壊したり、中国の民族浄化レベルのことをやり始める
↓
挙げ句の果てにロシアの攻撃のせいにし始めるが、当時のOSCE監視団はその地域でロシア軍部隊を見たことがない
↓
ゼレンスキーがウクライナに平和をもたらす、ドンバス地方との内戦を解決すると国民に約束したうえで大統領に選出される
↓
即ネオナチにコテンパンにされる
↓
ネオナチと結託
↓
キエフ政権がウクライナ人とその他民族(ロシア人・親ロシア派)で異なる権利を与える法律を制定
要するに国民を1級市民と2級市民に分けた
↓
さすがにプーチン大統領も批判したが西側お得意のプロパガンダでかき消される
↓
次第にロシア国民や議会から「なぜ助けないのか?」という声が増え始める
↓
ついにプーチン大統領がウクライナ当局から攻撃されている地域を共和国として認定、同盟関係に
「友好・協力・相互援助の国際条約を締結」
この時点で国連憲章の条文(第51条)に基づき、同盟国を支援する義務を負う
↓
国連憲章に従いロシアが紛争に介入
↓
「特別軍事作戦」
目標はウクライナ当局から攻撃されている地域の解放と保護、そしてウクライナの非ナチス化
(だからロシア軍は東部しか奪取していない、これをいまだに東部しか取れてないロシア軍は弱いとか分析してる恥ずかしいメディアやその他有象無象の多いこと、ドンバス地方よりも西側への攻撃を始めたのはウクライナ軍による違反攻撃などへの報復)
↓
ロシアが4州を奪取
↓
4州でロシア連邦に編入するかどうかの住民投票が行われる
↓
だいたい90%以上が賛成して正式に編入
↓
ウクライナから民族浄化されていた人たちは晴れてロシアの一部に
だいたい以上です
他にも色々あるけど字数制限が
ウクライナ側が同情を誘うために被害者ムーブして「ロシアにこんな酷いことされました!」って主張してることは、だいたいウクライナが自分でやったことをロシアに擦り付けるためだと思った方がいいよ
子供の誘拐とか民間人への攻撃とかね
そして西側のプロパガンダしか流せない日本メディアの情けないこと
https://x.com/tamama0306/status/1708907757292912778?s=46&t=jJWeqq_s_251jOfCkovErA
〈関連情報2〉スイスの軍事・国連専門家がウクライナの戦争にメスを入れる・ロシアが特別軍事作戦開始に至った簡単な経緯(2022年4月11日)
スイス軍事情報専門家、NATOと国連の代理人であるジャック・ボー氏へのインタビュー。
「ロシアの戦争へのアプローチは、米国のそれとは非常に異なっている」
ー ボーさん、あなたは戦争が起こっている地域を知っていますが、ウクライナで起こっていることからどのような結論を導き出しましたか?
私はこの地域のことをよく知っています。
私はFDFA(スイス外務省)に所属し、彼らの代理としてNATOに5年間出向しました。
私の仕事は、致死的兵器の拡散に対抗することで、その立場で2014年以降のウクライナのプログラムに貢献しました。
また、以前は戦略的諜報活動をしていたため、ロシア、NATO、ウクライナのことをよく知っています。
私はロシア語を話し、欧米ではほとんど読まれていない文書にアクセスすることができます。
ー あなたはウクライナ情勢の専門家です。
職業柄、現在の危機的状況をどのように受け止めていますか?
狂っている、本当のヒステリーが起きているとさえ言えるでしょう。
私が驚き、そして非常に気になるのは、ロシアがなぜこの作戦を開始したのか、誰も問わないことです。
誰も戦争を擁護したくはないし、私もそうだ。
しかし、ニューヨークの国連平和維持活動局で2年間「政策・ドクトリン」を担当していた私は、いつも自問自答している。
「なぜ戦争を始めるに至ったのか?」
ー 国連ではどのような仕事をされたのですか?
国連は、戦争がどうして起こるのか、平和をもたらす要因は何か、犠牲者を出さないために何ができるか、どうすれば戦争を防げるかを理解する必要があった。
戦争がどうして起こるのかがわからなければ、解決策を見出すことはできません。
まさにこの状況です。
どの国もロシアに対して独自の制裁を課していますが、これがどこにも通用しないことはよく分かっています。
特に印象的だったのは、フランスの財務大臣が「ロシア国民を苦しめるために、ロシアの経済を破壊したい」と発言したことです。
このような発言は言語道断です。
ー ロシアの攻勢をどう評価していますか?
他国を攻撃することは、国際法の原則に反します。
しかし、そのような判断に至った背景も考えなければならない。
まず、プーチンが狂っているわけでも、現実から遊離しているわけでもないことをはっきりさせなければならない。
几帳面で、システマチックな人、つまりとてもロシア的な人です。
彼はウクライナでの作戦の結果を知っていたのだと思います。
ドンバスの住民を守るための「小規模」な作戦でも、ドンバスの住民とロシアの国益を優先した「大規模」な作戦でも、結果は同じだろうと、明らかに正しい評価を下したのである。
そこで、彼は最大限の解決策を講じた。
ー ロシアの目的は何なのか?
確かに、ウクライナの人々に向けられたものではありません。
プーチンは何度も何度もそう言っている。
それは、実際に表れています。
ロシアはウクライナへのガス供給を続けている、ロシアはそれを止めていない。
インターネットを遮断したわけではありません、発電所や水源を破壊したわけでもない。
ただし、戦闘地域ではそのようなサービスは停止しているかもしれません。
しかし、ロシアの戦争に対する考え方は、アメリカのそれとは大きく異なります。
旧ユーゴスラビア、イラク、リビアでの例があります。
欧米諸国がこれらの国を攻撃したとき、まず水や電気の供給、インフラ全体を破壊した。
ー なぜ、欧米はこのような行動をとるのでしょうか?
欧米のアプローチは、その作戦ドクトリンから分析する必要があるが、インフラを破壊すれば、住民が「独裁者」に対して反乱を起こし、彼を排除することができるという考えに基づいている。
第二次世界大戦中、ケルン、ベルリン、ハンブルク、ドレスデンなどドイツの都市が爆撃で破壊された時も、この戦略だった。
民衆を直接狙い、反乱を起こさせたのだ。
暴動で政府が力を失い、自軍を危険にさらすことなく戦争に勝利する。
それは理論上のことであって、実際はまったく違うのです。
ー ロシアのアプローチとは?
まったく違うのです。
目標を明確に打ち出している。
彼らはウクライナの「非武装化」と「非ナチス化」を望んでいる。
素直に状況を追えば、それこそ彼らがやっていることだと分かる。
もちろん、戦争は戦争であり、残念ながらその過程で必ず死者が出るのだが、数字で見るのは面白い。
3月4日(金)、国連はウクライナ人市民265人が死亡したと報告した。
夕方、ロシア国防省は死者数を498人と発表したが、これはウクライナ側の民間人よりもロシア軍の死傷者の方が多いことを意味する。
今、イラクやリビアと比較するならば、欧米が放つ戦争とは正反対である。
ー 欧米のメディアは真実を伝えていないのでは?
はい、私たちのメディアは、ロシア人がすべてを破壊したがっていると主張していますが、それは明らかに事実ではありません。
また、メディアはプーチンが突然ウクライナを攻撃し、征服することを決めたかのように報道しているのが気になります。
アメリカは数カ月前から奇襲攻撃があると警告していたが、何も起こらなかった。
ちなみに、ウクライナの情報機関やウクライナ指導者は、こうした米国の警告を繰り返し否定している。
軍事報告や現場の準備をよく見れば、プーチンが2月中旬までウクライナを攻撃する意図がなかったことがよくわかる。
ー なぜ変わったのか、何が起きたのか。
まず、いくつかのことを知らなければ、人は理解できない。
2021年3月24日、ウクライナのゼレンスキー大統領はクリミア奪還の大統領令を発布した。
そして、ウクライナ軍を南から南東、ドンバス方面へ移動させ始めたのです。
1年前からウクライナ南部の国境にウクライナ軍が大集結している。
ゼレンスキーは、ロシアがウクライナを攻撃することはないと常に主張していた。
ウクライナの国防相も繰り返し確認している。
同様に、ウクライナの安全保障理事会のトップは、12月と1月に「ロシアがウクライナを攻撃する兆候はない」と発言している。
ー 仕掛けがあったのでしょうか?
いや、プーチンはウクライナを攻撃したいわけではないはずだ、彼は何度もそう言っていた。
明らかにアメリカから開戦の圧力があった。
米国はウクライナ自体にほとんど関心を持っていない。
彼らが望んだのは、ドイツに対してノルドストリーム2の閉鎖を求める圧力を強めることだった。
ウクライナがロシアを刺激し、ロシアが反応することで、ノルドストリーム2が凍結されることを狙ったのだ。
このようなシナリオは、オラフ・ショルツ氏がワシントンを訪れた際にも言及されており、ショルツ氏は明らかに受け入れたくない様子だった。
これは私だけの意見ではなく、そのように理解していたアメリカの外交官もたくさんいます。
主要な目的の1つはノルドストリーム2であり、このパイプラインはドイツの要請で建設されたことを忘れてはなりません。
主にドイツのプロジェクトです。
なぜなら、ドイツはエネルギーと気候に関する目標を達成するために、より多くのガスを必要としているからです。
(ノルドストリームは結局破壊されましたね)
ー なぜ、アメリカはこの紛争に関心を持つのか?
第二次世界大戦以来、アメリカの政策は常にドイツとロシア(あるいはソ連)がより緊密に連携するのを防ぐことであった。
ドイツ人が歴史的にロシア人を恐れているにもかかわらず、である。
しかし、この2カ国はヨーロッパの2大勢力です。
歴史的に見れば、ドイツとロシアの間には常に経済的な関係があった。
そして、アメリカは常にそれを避けようとしてきた。
忘れてはならないのは、核戦争になれば、ヨーロッパが戦場になることだ。
つまり、その場合、欧州と米国の利害は必ずしも一致しないことになる。
1980年代、ソ連がドイツの平和運動を支援したのもそのためだ。
ドイツとロシアの関係が緊密化すれば、米国の核戦略は無意味になる。
ー なぜ、アメリカはドイツのエネルギー依存を批判するのか?
ドイツやヨーロッパのエネルギーがロシアに依存していることをアメリカが批判するのは皮肉なことである。
ロシアは世界第2位の石油供給国です。
アメリカは、主にカナダから石油を購入し、次にロシア、メキシコ、サウジアラビアから購入しています。
つまり、アメリカはロシアに依存している部分があるのです。
これは例えば、同社のロケットエンジンにも言えることだ。
これでは、アメリカはたまったものではない。
しかし、欧州のロシアへの依存度は気になるところです。
冷戦時代、ロシアというかソ連は、ガスの契約は必ず守っていた。
この点では、ロシアの考え方はスイスとよく似ている。
ロシアはスイスと同じように遵法精神があり、ルールに縛られる感覚があります。
感情を出さないということではなく、ルールが決まればそれに従うということです。
冷戦時代、ソ連は貿易と政治を結びつけて考えることはなかった。
その意味で、ウクライナに関わる紛争は、主に政治的なものである。
ー ブレジンスキーによれば、ウクライナはユーラシア大陸を支配するための鍵になるという。
この戦争で、この理論はどのような役割を果たすのだろうか。
ブレジンスキーは間違いなく偉大な思想家であり、今でも米国の戦略的思考に影響を及ぼしている。
しかし、今回の危機では、この点が重要ではないと思うのです。
ウクライナは確かに重要です。
しかし、誰がウクライナを支配しているか、という問題は、ここでは本題ではない。
ロシアはウクライナを支配しようとはしていない。
ロシアにとってウクライナの問題は、他の国々と同様、戦略的なものです。
ー どういう意味ですか?
あちこちで議論されている中で、肝心なことが無視されているのです。
人々は核兵器について話しているが、まるで映画を見ているようだ。
現実はやや異なる。
ロシアは、NATO軍とロシアとの間に距離を置きたいと考えている。
NATOの力は、アメリカの核の力にほかならない。
それがNATOの本質なのです。
私がNATOで働いていたとき、当時私の上司だったイェンス・ストルテンベルグは、「NATOは核保有国だ」
とよく言っていました。
現在、米国はポーランドとルーマニアに、MK-41発射システムを含むミサイルシステムを配備している。
ー この武器は防御用なのですか?
もちろん、アメリカは純粋に防衛的なものだと言っている。
実は、このランチャーから対弾道ミサイルを発射することができるのです。
でも、同じシステムで核ミサイルを発射することもできるんですよ。
これらのランプは、モスクワからわずか数分のところにある。
ヨーロッパの緊張が高まっている状況で、ロシアが衛星画像や情報によって、これらのプラットフォームでの発射準備を示す活動を検知した場合、核ミサイルがモスクワに向けて発射されるまで待つのでしょうか。
もちろん、そんなことはありません。
すぐに先制攻撃を仕掛けてくるだろう。
このような状況は、アメリカがABM(弾道ミサイル防衛条約)を脱退した後、さらに悪化した。
この条約により、ヨーロッパにそのようなシステムを配備することはできなくなった。
まさに、対峙したときに一定の反応速度を保つための工夫だったのです。
それは、意図しないミスが起こりうるからだ。
冷戦時代にもそんなことがありましたね。
核ミサイルの間隔が広ければ広いほど、反応する時間が長くなります。
ロシア領土にミサイルを近づけすぎると、ロシアは攻撃されたときに対応する時間がなくなり、より早く核戦争に突入してしまう危険性がある。
このことは、近隣のすべての国に影響を及ぼします。
当時のソビエトは、このことに気づいていたからこそ、ワルシャワ条約を作ったのだ。
最初はNATOだった… NATOは1949年に、ワルシャワ条約はそのわずか6年後に設立された。
その理由は、FRGの再軍備と1955年のNATO加盟であった。
1949年の地図を見ると、NATOの核戦力とソ連の核戦力の間に非常に大きな差があることがわかる。
NATOがドイツを含めてロシアとの国境に進出すると、ロシアはワルシャワ条約で対抗した。
この頃、東欧諸国はすべて共産主義で、それぞれの共産党の支配下にあった。
ソ連は自国の周囲に安全保障のベルトを張り巡らせたかったので、ワルシャワ条約を作ったのです。
グラシ(要塞化された防衛施設)を維持し、できるだけ長く通常戦ができるようにしたかったのだ。
それは、できるだけ長く通常戦争を行い、核武装をしないようにすることだった。
15
ー 現在もそうなのでしょうか?
冷戦後、核戦略はやや忘れ去られていた。
安全保障は、もはや核兵器の問題ではなくなっていたのだ。
イラク戦争、アフガニスタン戦争は通常兵器による戦争であり、核の次元は見えないところにあった。
しかし、ロシア人は忘れてはいない。
戦略的に考えるのです。
その頃、モスクワのボロシロフ・アカデミー参謀本部を訪ねたことがある。
そこで、人がどう考えているかを見ることができたのです。
戦時中のように戦略的に考えるのです。
ー 今日もそうなんですか?
今日はそれがよくわかりますね。
プーチンたちは戦略的に考えています。
ロシア人には、戦略的思考、作戦的思考、戦術的思考があります。
西側諸国は、アフガニスタンやイラクに見られるように、何の戦略も持っていない。
これはまさに、フランスがマリで抱えている問題です。
フランスは戦略も目的もなく人々を殺しているので、マリは今、彼らが国を去ることを要求しています。
ロシア人の場合はまったく違っていて、戦略的に考えている。
彼らには目的がある。
それはプーチンも同じです。
ー メディアでは、プーチンが核兵器を実用化したと言われています。
皆さんも聞いたことがありませんか?
そう、プーチンは2月27日に核戦力をレベル1警戒態勢に移行させた。
しかし、これは半分に過ぎません。
2月11日、12日、ミュンヘンでセキュリティカンファレンスが開催された。
ゼレンスキーがいて、核兵器保有を示唆した。
これは潜在的な脅威と解釈され、クレムリンに赤信号が灯ったのである。
これを理解するためには、1994年のブダペスト協定を思い出す必要がある。
旧ソ連邦の領土にある核ミサイルを破壊し、ロシアだけを核保有国として残すというものであった。
また、ウクライナは国境の不可侵と引き換えに、ロシアに核兵器を引き渡した。
2014年にクリミアがロシアに返還されたとき、ウクライナは1994年の協定を守らないと言いました。
ー 核兵器に話を戻すと、プーチンは実際何を言ったのか?
もし、ゼレンスキーが核兵器を取り戻したいと思っても、それはプーチンにとって受け入れがたいことであることは間違いないだろう。
もし彼が国境のすぐそばに核兵器を持っていたら、警告の時間はほとんどない。
マクロン大統領の訪問後の記者会見で、プーチンは、NATOとロシアの距離が小さいと、私たちが気づかないうちに複雑な事態になりかねないと明言したのです。
しかし、決定的だったのは対ウクライナ作戦の開始時で、フランスの外相が「NATOは核保有国だ」と宣言してプーチンを脅したことだ。
プーチンは、核戦力の警戒レベルを上げることで対抗した。
もちろん、わが国のメディアは、このことに触れていない。
プーチンは現実主義者であり、地に足がついていて、目的を持っている。
ー プーチンはなぜ今、軍事介入に踏み切ったのでしょうか?
2021年3月24日、ゼレンスキーはクリミアを武力で再征服する大統領令を発した。
そのための準備を始めた。
それが本心なのか、それとも単なる政治的な駆け引きなのかはわからない。
しかし、ドンバス地方や南方のクリミア方面でウクライナ軍を大規模に強化したことは事実です。
もちろん、ロシア側はこの兵力の集中に気づいていた。
同時に、NATOはバルト海と黒海の間で大規模な演習を実施した。
当然、ロシア側は反発した。
南部軍管区で演習を行った。
その後、事態は落ち着き、9月にはロシアがかねてから計画していた「ザパド21」演習を実施した。
この演習は4年に1度行われます。
演習終了後、一部の部隊はベラルーシ近郊に残った。
これらは、東部軍管区の部隊である。
そこに残っていた機材のほとんどは、今年初めに予定されているベラルーシとの大作戦のために取っておいたものだ。
ー これに対して、欧米はどう反応したのでしょうか?
欧州、特に米国は、これをウクライナに対する攻撃力の強化と解釈した。
独立した軍事専門家だけでなく、ウクライナの安全保障理事会の責任者も、当時は戦争の準備がされていなかったと述べている。
10月にロシアが置いていった機材は、攻撃的な作戦を目的としたものではない。
ところが、いわゆる西側の軍事専門家、特にフランスでは、これを戦争の準備と解釈し、プーチンを狂人呼ばわりするようになった。
2021年10月末から今年の初めまでは、このような状況でした。
この問題でアメリカとウクライナのコミュニケーションの取り方は、非常に矛盾していた。
米国は攻撃計画を警告し、ウクライナはそれを否定した。
永久に往復することになったのです。
ー OSCEは、ドンバスが今年2月に砲撃されたと報告しています。
2月に何があったのでしょうか?
1月末になると、状況は一変したようだ。
アメリカはゼレンスキーと話をし、わずかな変化が見られた。
2月に入ってから、アメリカはロシアの攻撃が迫っているという話をし、攻撃シナリオを流布し始めた。
国連安全保障理事会にて、アントニー・ブリンケン氏が、米国の情報機関によるとロシアの攻撃がどのように展開されるかを解説しています。
これは、イラク攻撃前の2002/2003年の状況を思い起こさせる。
そこでも、アメリカは情報分析に基づいた説明をしていたはずである。
私たちが知っているように、これは真実ではなく、イラクには大量破壊兵器はなかった。
実際、CIAはその仮説を確認しなかった。
その結果、ラムズフェルドはCIAではなく、CIAの分析を回避するために特別に作られた国防総省内の小さな機密グループに頼ることになった。
ー その情報はどこから来るのでしょうか?
ウクライナの文脈では、ブリンケンもまったく同じことをした。
ロシアの攻勢に先立つ議論の中で、CIAや欧米の情報機関による分析が全くなかったのだ。
ブリンケンが語ったことは、すべて彼が作ったチーム「タイガー・チーム」から生まれたものだ。
私たちに提示されたシナリオは、情報分析によるものではなく、自称専門家が政治的意図を持ってシナリオを作り出したものだ。
こうして、ロシアが攻めてくるという噂が生まれた。
そして、2月16日、ジョー・バイデンは、ロシアが攻撃しようとしていることを知っていると言った。
しかし、どうしてそう思うのかと問われると、CIAやOffice of National Intelligenceには触れず、アメリカには非常に優れたインテリジェンス能力があると答えた。
ー では、2月16日に何かあったのでしょうか?
この日、ウクライナ軍による停戦ライン、いわゆる「コンタクトライン」沿いの停戦違反が誇張されるようになった。
この8年間、常に侵害はあったが2月12日以降、特にドネツク、ルガンスク地方で爆発を含め、非常に増えている。
これはドンバスにいるOSCEミッションが報告したことなので、私たちは知っています。
これらの報告は、OSCEの「デイリーレポート」で読むことができる。
https://note.com/tender_lotus58/n/n70a9f7030004
★ISF(独立言論フォーラム)「市民記者」募集のお知らせ:来たれ!真実探究&戦争廃絶の志のある仲間たち
※ISF会員登録およびご支援のお願いのチラシ作成しました。ダウンロードはこちらまで。
ISF会員登録のご案内

1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。