【連載】安斎育郎のウクライナ情報

6月7日のウクライナ情報

安斎育郎

6月7日のウクライナ情報
安斎育郎

❶【図説】ロシア、ウクライナ全域の軍事施設へ攻撃(2025年5月27日)
5月20日から26日にかけて、ロシア軍はウクライナの軍事施設及び軍産複合体に対し大規模攻撃を実施している。攻撃の対象となった地点をスプートニクがインフォグラフィックで示した。
この攻撃は、キエフ政権によるロシア国内の民間施設への攻撃への報復として行われた。
ロシア国防省は一連の攻撃について、「キエフ政権によるいかなるテロ攻撃や挑発行為に対して、大規模かつ集中的な攻撃を継続する」との声明を発表している。
https://sputniknews.jp/20250527/20037399.html

❷【時事ネタ】第二回露ウ和平交渉と妨害工作…止まない〜6/4水曜版です🙂‍ ↕️‼️
(ニキータ伝〜ロシアの手ほどき、2025年6月4日)
https://youtu.be/R856Cw3hh4k
https://www.youtube.com/watch?v=R856Cw3hh4k

❸ シアが大規模な進軍計画 ウクライナ高官、米国側に情報提供(2025年6月5日)
【AFP=時事】ウクライナの高官は4日、米国に対して、ロシア軍が来年に向けて大規模な進軍を計画し、黒海へのアクセス遮断を目指しているとする情報を伝えた。ウクライナ政府は、ロシアへの圧力を強化するよう米国に求めている。
ウクライナの高官代表団が米首都ワシントンを訪問する中、ドナルド・トランプ大統領は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が電話会談で、ロシア内部にウクライナが無人機攻撃を仕掛けたことへの大規模な報復を警告したと明らかにした。
ウクライナの大統領府副長官を務めるパブロ・パリサ大佐は、自国軍の情報機関が発見したとする情報を公表した。パリサ氏は、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領に昨年11月、副長官に任命されるまでは前線にいた。
パリサ氏は米国の議員らに説明した後に会見を行い、ロシアは9月末までにドネツク州・ルガンスク州の全域掌握を目標にしていると指摘した。ロシアの国営メディアが公開した同国がウクライナ側に示した「覚書」によると、ロシアは停戦条件として、一方的に併合を宣言したウクライナ領のドネツク、ルガンスク、ザポリージャ、ヘルソンの4州からのウクライナ軍の完全撤退を要求している。
パリサ氏は、ロシアは年内にウクライナとの国境沿いに緩衝地帯を設けることを目指していると主張。
「興味深いことに、彼らは2026年の計画さえ用意している。来年の計画は、ドニエプル川左岸に位置するウクライナ全域を占領することだ」とし、狙いは「オデーサ州とミコライウ州を占領し、ウクライナの黒海へのアクセスを断つことにある」と述べた。
黒海は、ウクライナにとって軍事的・経済的な生命線で、途上国への穀物輸送の主要ルートとなっている。
パリサ氏は、「残念ながら、ロシアは平和の話などしていない。彼らは戦争の準備をしている」と訴えた。【翻訳編集】 AFPBB News
https://news.yahoo.co.jp/articles/7c7f7c13ccc7c8c8df78f1bed6dabced3d3bfe0e/images/000

❹ベネズエラ大統領、ウクライナのロシア領内攻撃を非難「ナチスのテロ」(2025年6月4)
【AFP=時事】ロシア同盟国ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は3日、ウクライナがロシア国内に攻撃し、「ナチス」や「テロリスト」のように振る舞っていると非難した。
ロシアは、5月31日の夜遅くに西部国境地帯で発生し、7人が死亡、数十人が負傷した鉄道爆破事件の背後にウクライナがいると主張している。
隣接するクルスク州の別の鉄道橋も1日早朝に爆破され、貨物列車が脱線、運転士が負傷した。
ロシアはマドゥロ氏の重要な同盟国で、マドゥロ大統領は24年前に故ウゴ・チャベス大統領が築いたモスクワとの強固な関係を継承し、エネルギーや軍事の面で協力関係を築いてきた。
マドゥロ氏は、「ロシアは平和を求めており、ウラジーミル・プーチン大統領もそうだ。そして、ウクライナのナチスと戦う赤軍の後継者であるロシア軍が進撃を続けると、ウクライナはどうするだろうか?」「テロだ。彼らはナチスだ。橋を爆破し、鉄道を爆破し、民間人を攻撃する」と訴えた。
ウクライナは3日、ロシアが一方的に併合したクリミア半島とロシア本土を結ぶ橋を攻撃したと発表。また、ウクライナは先週末、ロシアにひそかに持ち込んだ無人機による長距離攻撃も開始した。
ウクライナは3日、ウクライナ北東部スムイ州でロシアのロケット弾攻撃があり、4人が死亡、少なくとも20人が負傷したとも報告した。
マドゥロ氏は、「ベネズエラから、ロシア国民の平和の権利に対するナチスのテロ攻撃を非難する」と述べたが、ロシアによるスムイ州攻撃には言及しなかった。【翻訳編集】 AFPBB News
https://news.yahoo.co.jp/articles/73fe198b98a7841fb6b1b87e8aa9ecd5fd74fcd0/images/000

❺ウクライナ、クリミア半島とロシア本土をつなぐ橋の橋脚爆破を発表(2025年6月4日)
ウクライナ保安庁(SBU)は3日、ウクライナ南部クリミア半島とロシア本土をつなぐケルチ橋(クリミア大橋)の、水中にある橋脚部分を爆破したと発表した。「数カ月間」にわたり計画を進めていたという。
SBUは、TNT火薬1100キロ相当を「橋の支柱に仕掛け」、支柱の下部に「深刻な損傷」を与えたと説明した。
また、「最初の爆破装置」の爆発による「民間人の死傷者はなかった」と付け加えた。SBUの公表情報について、すぐには検証できていない。
ロシア・メディアは当初、ケルチ橋が一時通行停止になったと報じた。3日午前10時までに通行止めは解除された。
ソーシャルメディア上の未確認情報によると、橋の周辺でさらに複数回の爆発が起きたとされる。
ケルチ橋の運用状況に関する公式テレグラム・チャンネルは、「橋の上や、検査区域にいる人は冷静を保ち、運輸保安当局の指示に従ってください」と呼びかけている。
3日朝の爆破について、ロシアはこれまでのところコメントしていない。ロシアの軍事ブロガーの間では、爆発物ではなく水中ドローンが防護壁に衝突したのではないかとの憶測が出ている。
SBUによると、ヴァシル・マリュクSBU長官が自ら作戦を監督し、計画を調整したという。
マリュク長官は、ウクライナは2022年と2023年にケルチ橋を攻撃した経験があり、「このやり方を水中で継続している」と、テレグラムに投稿した。
「ロシアの違法な施設が、我が国の領土に存在する余地はない」、「したがって、クリミア大橋は完全に正当な標的だ。敵国がその部隊の補給路として使用していたことを考慮すればなおさらだ」と、マリュク長官は主張した。
ケルチ橋は2014年にロシアがクリミア半島に侵攻し、一方的に併合した後に建設された。2018年には、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領による盛大な開通式が行われた。
ウクライナでは、この橋はロシアの占領に対する国民の憎悪の象徴になっている。対するロシアは橋に厳重な警備を敷いている。そのため、今回使用されたのが水中ドローンなのか爆発物なのかに関わらず、実際に攻撃を仕掛けたこと自体が驚異的な成果といえる。
橋への攻撃の約48時間前には、ウクライナは「クモの巣」と名付けた作戦の一環として、ロシア国内の複数の標的を攻撃した。
ウクライナは、100機を超えるドローンをロシア国内へひそかに運び入れた。無警戒なドライバーが運転するトラックで、ロシア空軍基地の近くまで運んだという。
ドローンはトラックの荷台から飛び出し、ロシア各地で戦略爆撃機などを攻撃した。
(英語記事 Ukraine says it hit Crimea bridge with underwater explosives)
https://news.yahoo.co.jp/articles/e689d8dd1f4969048896d2b86489b91b206b742c/images/000
〈関連情報〉ウクライナ保安局、「クリミア大橋」の基礎を爆破 一時通行止めに(毎日新聞、2025年6月4日)
ウクライナ保安局(SBU)は3日、ロシアが2014年に一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島とロシア本土を結ぶ「クリミア大橋」について、水中の基礎部分を爆破したと発表した。橋は一時通行止めになった。ロイター通信などが伝えた。
SBUによると、爆発物による攻撃は3日早朝に行われた。支柱の最下部に爆発で「深刻な損傷を与えた」とする一方、民間人の被害者はいないとしている。作戦の準備から実行までに数カ月をかけたという。SBUは、通信アプリ「テレグラム」で爆破の様子とみられる映像を公開した。
橋は爆破によって一時通行止めになったものの、同日中に再開された。
クリミア大橋はプーチン露大統領の肝いりで建設され、18年に開通した。ロシアによる実効支配の象徴とされている。ウクライナへの全面侵攻後は補給路としても機能しているため、ウクライナ側は度々標的にしてきた。橋への攻撃は22年10月、23年7月に続き3回目。
SBUは1日にもロシア国内の複数の空軍基地を無人機で攻撃し、重爆撃機などに損傷を与えたと発表した。【ブリュッセル岡大介】
https://news.yahoo.co.jp/articles/e92cee6af128c10ceadffc774f8d035be9143334

❻ロシア占領拡大、州都に20キロ ウクライナ北東部スムイ(2025年6月4日)
【モスクワ、キーウ共同】ロシア国防省は3日、ウクライナ北東部スムイ州の集落アンドリーウカを制圧したと発表した。州都スムイまで約20キロに迫り、軍事専門家は無人機や砲撃による州都攻撃が可能になるとしている。ロシア軍は、ウクライナ軍によるロシア西部への攻撃を防ぐため「緩衝地帯」設置を目指し、スムイ州で占領地域を拡大させている。
スムイでは3日、ロシア軍の多連装ロケット砲による攻撃があり民間人4人が死亡、約30人が負傷した。州当局などが明らかにした。朝の通勤時間帯で混雑する道路や住宅などに被弾した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5ca5e55f3494f59c9bff85147c2e4ea9e72baea7

❼ロシア・プーチン大統領がウクライナへの反撃通告「テロを行う相手と誰が交渉するのか」停戦に否定的な考え示す(2025年6月5日)
ロシアのプーチン大統領が、ウクライナへの反撃を通告しました。
アメリカのトランプ大統領は自身のSNSで4日、ロシアのプーチン大統領とウクライナの戦闘をめぐり電話会談したことを明らかにしました。
会談の中でトランプ氏は、ロシアの空軍基地に対するウクライナの大規模な一斉攻撃などについて、「プーチン氏が非常に強い口調で反撃しなければならないと言っていた」「有意義だったが、即時の和平につながるようなものではなかった」と振り返りました。
また、電話会談に先立ちプーチン氏は、2日に行われたウクライナとの直接交渉について担当者から報告を受け、その様子が公開されました。
ウクライナ側が一時停戦やゼレンスキー大統領との首脳会談を求めていることに対して、プーチン氏は「テロを行う相手と誰が交渉するのか」と述べ、停戦や首脳会談の実施に否定的な考えを示しました。
プーチン大統領:
明らかに交渉プロセスを妨害する目的で行われた。この状況で首脳会談をどのように開催し何を話し合うべきか。
またプーチン氏は同じ日にローマ教皇レオ14世とも電話会談し、「政治的・外交的手段を通じてウクライナ和平を実現する意向」を改めて表明していて、国際社会に和平交渉に取り組んでいる姿勢を強調しました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b9c532501ceac95448023423edce2b92051c746e

❽プーチン氏がトランプ氏に、ウクライナに報復すると述べたことは確か=ペスコフ報道官(2025年6月5日)
ペスコフ大統領報道官は、プーチン氏がトランプ氏との会話の中で、ロシアは軍飛行場攻撃に対してウクライナに報復する、と実際に述べたことを認めた。
プーチン氏は、ウクライナ側とのコンタクト継続が必要との見解を支持。
プーチン氏とトランプ氏の会話は建設的で必要なものであり、両大統領は多くの重要な問題について話し合った。
プーチン氏とトランプ氏の間に直接会談についての合意はない。
ウクライナによるロシアの軍飛行場攻撃に対するロシアの返答は、軍が適切と考えるとおりになる。
ロシアは、キエフ政権によるテロ攻撃を国際レベルで厳しく非難することを望む。
https://sputniknews.jp/20250605/20114717.html

❾ボロネジ州で線路が爆破された=ロシア連邦保安庁(2025年6月5日)
ロシア連邦保安庁によると、ボロネジ州の鉄道線路が爆発により損傷した。 爆発は列車が通過する直前に起きた。
悲劇的な結末を回避することができた。運転手と乗務員が緊急ブレーキをかけたおかげだ。
おおよそ、テロ刑事事件として立件される根拠がある、とロシア連邦保安庁は強調している。
ボロネジ近郊の鉄道事故という緊急事態により、26本の長距離旅客列車が遅延した。
https://sputniknews.jp/20250605/20115085.html

❿中国国家主席、プーチン氏とルカシェンコ氏を第二次世界大戦終結記念パレードに招待(2025年6月5日)
習近平国家主席は、ロシアのプーチン大統領とベラルーシのルカシェンコ大統領を、第二次世界大戦終結80周年を記念するパレードに招待した。
「9月3日、我々は厳粛に世界反ファシズム戦争の勝利を祝い、パレードを開催する」と習近平氏は述べた。
習近平氏は今年5月9日にモスクワで行われた戦勝記念パレードに出席している。
https://sputniknews.jp/20250605/20115545.html

2025年6月7日ウクライナ情報pdfはこちら

 


 

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安斎育郎 安斎育郎

1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。

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