【連載】櫻井ジャーナル

【櫻井ジャーナル】2025.06.13XML:トランプ政権がイランとの戦争を決断したとする情報が世界を駆け巡っている

櫻井春彦

アメリカの国務省は不要不急の政府職員にイラクからの退避を命令、またバーレーン、クウェート、アラブ首長国連邦の基地から軍人の家族は自主退去するように勧告した。また国防総省は中東各地の基地から軍人の家族が退避することを認め、カタールのアル・ウデイド米空軍基地では人員の避難が始まったと報じられている。

 

イスラエルはアメリカ当局に対し、イランで軍事作戦を開始する準備が整っていると伝えたと報道されているが、ドナルド・トランプ米大統領はイラン攻撃を決定したとも伝えられている。現在、イラン政府は最高レベルの軍事態勢にあり、同国軍のモハンマド・バゲリ参謀総長は予定外の軍事演習を命じたと報じられている。

 

ウクライナではイギリス、フランス、ドイツの各国政府がアメリカをロシアとの戦争へ引き摺り込もうとしているが、トランプ大統領は今のところ拒否している。ところがイスラエルの要求には応じそうな雲行きだ。

 

イランの最高指導者であるアリ・ハメネイ師は4月4日の時点でトランプ大統領に対し、イスラム共和国(イラン)と対峙する際に脅しでは何も得られないことを知っておくべきだと警告、イランの軍隊に厳戒態勢を敷いたとも語っていた。またモハンマド・バーゲル・カリバフ国会議長は、イスラム国を脅迫すればこの地域のアメリカの同盟国とアメリカ軍基地は危険にさらされるだろうと述べている。

 

イランはアメリカ軍基地を抱える近隣諸国、つまりイラク、クウェート、アラブ首長国連邦、カタール、トルコ、バーレーンに対し、攻撃に関与すれば反撃の標的になる可能性があると警告したわけだが、アメリカの重要な軍事基地があるディエゴガルシア島を標的にするとも警告している。

 

以前、イスラエル軍はイランを攻撃するため、100機以上の戦闘機をシリアやイラクのアメリカ軍が管理している空域へ侵入させたことがある。そこから200機程度のミサイルを撃ち込んだと見られているが、そのミサイルは撃墜され、イランは平穏だ。イランの防空システムが予想以上に強力で、イスラエルの航空機はイランから70キロ以内に近づけなかったと言われている。その際、テヘラン上空に未知の防空システムを発見したとされているが、これはアメリカの「ステルス戦闘機」を攻撃できるロシアの防空システムだった可能性があるという。

 

つまり、イスラエル単独でイランの重要な施設を破壊できる可能性は小さく、アメリカに頼らざるをえない。アメリカ空軍はイランの射程外から空対地ミサイルで攻撃すると推測されているが、そのアメリカが目的を達成できるとは言えない。

 

このタイミングでイランの当局者はイスラエルの機密文書を押収したと発表している。その中には「イスラエル占領下のプロジェクトと核施設に関する数千点の文書」が含まれ、その中にはIAEA(国際原子力機関)のラファエル・グロッシ事務局長とイスラエルとの連携を示す情報が存在することも判明したという。この話が事実なら、イスラエル軍に攻撃目標に関する重要な機密情報を提供したということになる。

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