
【櫻井ジャーナル】2025.06.18XML: パレスチナで住民を虐殺し、イランを奇襲攻撃したイスラエルをインド政府は支持
国際政治イランは6月17日にもイスラエルに対するミサイル攻撃を実施、情報機関モサドの本部や軍の情報部アマンの兵站拠点に命中したと言われている。またモサドと関係の深く、軍事研究の拠点だったワイツマン科学研究所もイランのミサイル攻撃で破壊され、研究資料も灰燼に帰した。
この日、イラン軍はイスラエルへ向かって20機から30機の弾道ミサイルを発射したというが、そのうち1機は新型で、マッハ14から15で飛行、最大射程距離は1500キロメートルだとされている。これまでの攻撃でもイスラエルの防空システムは突破されているわけで、イスラエル軍だけでなくアメリカ軍も全く対応できないだろう。
革命防衛隊(IRGC)のほか、テヘラン郊外にある石油精製所、あるいは水道や電力の施設などをイスラエルは空爆しているが、核施設は地上部分が破壊されただけで、地下にある施設を破壊できていない。アメリカのメディアAxiosは大型地中貫通爆弾のGBU-57をイスラエルへ移送すると伝えているが、事実ではないと言われている。輸送し、投下するためにはアメリカ軍が関与しなければならず、今のところ、そうした動きは見られない。もしアメリカ軍がイランの核施設をGBU-57で爆撃しようとした場合、ロシアや中国が黙ってはいないだろう。
イスラエルは世界有数の核兵器保有国。150発から400発の核弾頭を保有、その中には原子爆弾だけでなく水素爆弾、そして中性子爆弾も含まれている可能性が高いのだが、中性子爆弾は使った疑いがある。
2006年7月から9月にかけてイスラエル軍はレバノンへ軍事侵攻したものの、ヒズボラに敗北、その際にイスラエルが誇るメルカバ4戦車も破壊された。その直後にウルスター大学のクリストファー・バスビー教授はレバノンへ入り、残されたクレーターを調査したところ、濃縮ウラニウムを見つけたという。レバノンやガザを走っていた自動車のフィルターからもそうした物質が発見されたという。バスビー教授はイラクの2011年10月にイラクのファルージャでも調査、そこで濃縮ウラニウムが人の髪の毛や土の中から検出されたと語っている。
イスラエルがイランに対して核兵器を使う可能性はあるのだが、パキスタンは、イスラエルがイランに対して核兵器を使用したならば、イスラエルに対して核兵器を使うと警告した。
そのパキスタンと対立しているインドのナレンドラ・モディ首相はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と緊密な関係にある。4月22日にはインド領カシミールにあるパハルガムで26名の観光客が殺されるという事件が引き起こされた。反政府民兵組織「カシミール抵抗戦線」が犯行声明を出したが、その後、声明は撤回されている。アカウントがハッキングされたのだという。
この事件の背景にはインドとパキスタンの「水争い」がある。中国からインドのカシミールからパキスタンを抜けてアラビア海へ注ぐインダス川の水は両国にとって重要。パキスタンでは人口の9割以上がこの水に依存しているのだが、インドはパキスタンへのインダス川の流入を遮断して4つの水門すべてを閉鎖した。
1960年に締結されたインダス川水利条約で、全水量の20%にあたる東側の支流3本をインドに、また西側の支流2本をパキスタンに割り当てることなどが定められているのだが、事件後、インド政府はこの条約を停止すると決めてしまう。
ヒンズー至上主義のモディ首相は今回の事件を口実にして、インダス川水利条約を破棄しようと試みている。条約の破棄はモディ首相の長年の願望で、今回の襲撃はモディ首相にとって好都合だった。インド政府が条約の停止を決めたことに対し、パキスタン政府は「戦争行為とみなされる」と反発した。
事件後、インドは「シンドゥール作戦」を開始したが、この作戦で使用されたドローンの多くはイスラエル製で、その中にはイスラエル航空宇宙産業(IAI)が開発した「自爆ドローン」のハロップも含まれていた。このドローンは10キログラムの弾頭を搭載し、約6時間空中に留まることができる。またインドはイスラエル製のバラク8ミサイル防衛システムや無人機「ヘロン」も保有。モディ政権はイスラエルのパレスチナ人弾圧を手本にしている。かつてパレスチナを支持していたインドだが、モディ政権はイスラエルによるパレスチナでの大量殺戮を支援している。
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のテーマは「 パレスチナで住民を虐殺し、イランを奇襲攻撃したイスラエルをインド政府は支持 」(2025.06.18ML)
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